食品照射に関する文献検索

健全性(WHOLESOMENESS):毒性・微生物学的安全性、栄養学的適格性を総合した考え方

毒性に関する研究(変異原性を含む)


発表場所 : 食品照射研究運営会議
著者所属機関名 : 厚生省国立衛生試験所 (財)食品薬品安全センター
発行年月日 : 昭和58年12月
2. 照射米の毒性に関する研究
1. 慢性毒性試験
1 マウスを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言
(2) 試験方法
(a) 検体及び飼料の調製
(b) 動物
(c) 投与方法
(d) 観察
(3) 結果
(a) 一般症状
(b) 摂餌量
(c) 生化学的検査
(d) 血液学的検査
(e) 臓器重量
(f) 病理肉眼所見
(g) 病理組織学的所見
(4) 小括
2 ラットを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言
(2) 試験方法
(a) 検体
(b) 投与方法
(c) 動物
(d) 観察および測定項目
(3) 試験結果
(a) 一般症状
(b) 体重
(c) 摂餌量(図2)
(d) 死亡率(表1)
(e) 血液形態学的検査
(f) 血液生化学的検査
(g) 臓器重量
(h) 病理学的検査
(イ) 剖検所見
(ロ) 病理組織学的所見
i) 臓器観察
ii) 腫瘍
(4) 小括
3 サルを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言
(2) 試験方法
(a) 検体
(b) 動物
(c) 投与方法
(d) 観察
(イ) 一般症状
(ロ) 体重
(ハ) 血液形態学的検査
(ニ) 血液生化学的検査
(ホ) 病理組織学的検査
(3) 結果
(a) 一般症状
(b) 体重増加量
(c) 血液形態学的検査(表2)
(d) 血液生化学的検査(表3)
(e) 病理組織学的検査
(イ) 臓器重量(表4)
(ロ) 肉眼的所見
(ハ) 組織学的検査(表5)
(4) 小括
2. 世代試験
1 マウスを用いた世代試験
(1) 緒言
(2) 実験方法
(a) 検体および飼料調製法
(b) 動物
(c) 投与方法
(d) 観察および検査項目
(イ) 一般症状
(ロ) 体重
(ハ) 摂餌量
(ニ) 繁殖生理値
(ホ) 生後発育の観察
(ヘ) 骨格検査
(ト) 臓器重量
(チ) 血液形態学的検査
(e) 推計処理
(3) 結果
(a) 一般症状
(b) 体重(増加量)
(イ) 雌動物(図2)
(ロ) 雄動物(図3)
(ハ) 妊娠動物(図4)
(c) 摂餌量(図5)
(イ) 雌動物
(ロ) 雄動物
(ハ) 妊娠動物
(d) 繁殖生理値
(イ) 交配率(表2)
(ロ) 妊娠率(表2)
(ハ) 平均着床数(表3)
(ニ) 生存胎仔(表3)
(ホ) 死亡胎仔(表3)
(へ) 出生仔(表3)
(ト) 末期胎仔の外形異常(表4)
(e) 生後発育(表5)
(f) 末期胎仔骨格検査
(イ) F1世代(表6)
(ロ) F2世代(表7)
(ハ) F3世代(表8)
(g) 出生仔骨格検査
(イ) F1世代
(ロ) F2世代
(ハ) F3世代
(h) 臓器重量
(イ) 雄動物(表15)
(ロ) 雌動物(表16)
(i) 血液形態学的検査(表17)
(4) 小括
文献
3. 変異原性試験
1 細菌を用いる突然変異誘発試験
(1) 試験方法
(a) 試料
(2) サルモネラを用いた変異原性試験
(a) 検定菌
(b) 試験検体
(c) 試験操作法
(d) 試験結果
(3) マウスによる宿主経由試験
(a) 試験方法
(b) 試験結果
2 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(1) 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(a) 試料
(b) 実験方法
(c) 試験結果
(2) 染色体異常試験(試験管内)
(a) 試験方法
(b) 試験結果
3 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(生体内)
(a) 試験方法
(b) 試験結果
(2) マウスによる優性致死試験
(a) 試料
(b) 実験方法
(c) 試験結果
文献



放射線照射による米の殺虫に関する研究成果報告書[資料編]−2.照射米の毒性に関する研究


2. 照射米の毒性に関する研究
1. 慢性毒性試験
1 マウスを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言

 γ線照射米の安全性を検討する目的でマウスによる慢性毒性試験を行ったので報告する。

(2) 試験方法
(a) 検体及び飼料の調製

 実験に用いた米は、水稲うるち玄米(茨城県産「こしひかり」)で、日本原子力研究所高崎研究所で0krad(非照射)、50kradおよび100kradのγ線照射を行ったものをそれぞれ粉砕して、次のようにマウス用飼料として調製した。表1に示す原料組成で検体の玄米を主体に蛋白源を脱脂大豆と魚粉からとった配合で固型飼料とした。なお、ラットにおける実験から肝脂肪化が予測されたので、抗肪肝作用をもつとされているコリン(150mg/100g)とビタミンE(15mg/100g)を各々添加した。対照群には船橋農場製のマウス・ラット用飼料(MBI)を用いた。これらの飼料の栄養組成を日本食品標準成分表より概算して表2に示した。船橋農場製飼料の栄養組成はカタログより引用した。


表1 飼料の組成
原料                
g/100g飼料
玄米(非照射、50、100krad)
40      
小麦粉               
15      
トウモロコシ            
 2      
ふすま               
 9      
脱脂大豆              
12      
脱脂粉乳              
 2      
魚粉                
10      
ビール酵母             
 2      
大豆油               
 2      
ルーサン              
 2      
グラニュー糖            
 2      
ビタミン              
 1*     
ミネラル              
 1**    
コリン               
 0.15   
ビタミンE             
 0.015  

 *:ビタミン組成(mg叉はIU/100g)
A;1,200, D3;250, E;15, K;1,
B1;2, B2;2, B6;1, B12;0.001,
ニコチン酸アミド;10, パントテン酸;8.5,
ピオチン;0.03, 葉酸;0.2, イノシトール;50,
コリン;150
**:ミネラル組成
Ca;1.12g, P;0.77g, Mg;0.47g,
Na;0.41g, K;0.7g, Fe;0.03g,
Al;0.03g, Si;0.04g, Cu;0.6mg,
Zn;0.05mg, Co;0.5mg, Mn;0.6mg



表2 照射米実験飼料栄養組成表
 成  分  
       
 対照群 
     
非照射、50  
100krad群
水分     
 4.91
 5.00   
粗タン白   
24.75
21.59   
粗脂肪    
 4.50
 4.84   
可溶性無窒素物
52.59
60.31   
粗繊維    
 7.45
 2.45   
粗灰分    
 5.80
 5.80   


(b) 動物

 実験に用いた動物は静岡実験動物農協生産のddy/SLG,SPFマウスで4週令で購入し、1週間の予備飼育の後に実験に供した。マウスは各群雄雌50匹ずつ4群に分け、5匹ずつの集団ケージで、室温25±1℃、湿度55±5%の環境で飼育した。

(c) 投与方法

 対照群には船橋農場製マウス・ラット用飼料を、非照射群、50krad群および100krad群にはそれぞれの線量で照射した玄米40%を含む調製飼料を与え、水とともに自由に摂取させた。

(d) 観察

 20カ月の投与期間中毎日一般症状を観察するとともに週1回、体重と摂餌量の測定を行った。投与を開始して6、12、18カ月に各群6匹について表3に示す項目と測定法で、眼窩静脈叢より採血し血液学的検査を行い、ヘパリン処理を施したガラス管で遠心分離した血漿について生化学的検査を行った。動物は直ちに解剖し、脳、心、肺、肝、腎、脾、精巣、卵巣および腎周囲脂肪の重量を測定した後、10%中性ホルマリンで固定し、常法に従ってヘマトキシリン−エオシン染色標本を作製し、鏡検した。また、20ヶ月目には生存動物すべてについて病理学的検査を行った。


表3 血液学的および生化学的検査の項目
     項     目          
単位      
     方     法        
血液学的検査
      
      
      
      
      
      
      
      
赤血球数     RBC   
×10・E(4)
ミクロセルカウンター(CC−1002型)
ヘモグロビン   Hgb   
g/dl    
シアンメトヘモグロビン法        
ヘマトクリット  Hct   
 %      
毛細管法                
白血球数     WBC   
×10・E(2)
ミクロセルカウンター(CC−1002型)
白血球百分比    −    
 %      
鏡検(除18カ月)           
生化学的検査
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
総タン白     TP    
g/dl    
Lowry法              
アルブミン    Alb   
g/dl    
HABCA法              
GPT      GPT   
 U      
Reitman−Frankel法    
総コレステロール T−chol
mg/dl   
ワコーキット              
遊離脂肪酸    NEFA  
mEq/l   
ワコーキット              
トリグリセライド TG    
mg/dl   
ワコーキット              
グルコース    Glu   
mg/dl   
Glucomesser         
アルカリホスファターゼ    
         Alp   
 U      
        
佐々木法                
                    


(3) 結果
(a) 一般症状

 雄の非照射群は50週頃まで対照群を上回る体重増加を示す(図1)が、死亡率は他の群より高く(表4)、12カ月以後の死亡動物の剖検で肺炎や肝膿瘍を示す例を多く認める。その他の一般症状には群間に差は認めない。


表4 死亡率
   群\月   
 2  
 4  
 6  
 8  
 10  
 12  
 14  
 16  
 18  
 20  

 
 
 
 
 
 
 対照    
0/50
1/50
1/50
2/44
 3/44
 7/44
10/38
15/38
21/38
23/32
非照射    
0/50
1/50
1/50
6/44
11/44
14/44
20/38
25/38
28/38
30/32
 50krad
0/50
0/50
0/50
0/44
 1/44
 2/44
 3/38
10/38
21/38
28/32
100krad
1/50
1/50
2/50
3/44
 4/44
 6/44
11/38
17/38
21/38
25/32

 
 
 
 
 
 
 対照    
0/50
0/50
2/50
2/44
 3/44
 5/44
10/38
12/38
21/38
22/32
非照射    
0/50
0/50
2/50
2/44
 3/44
 4/44
11/38
16/38
24/38
25/32
 50krad
0/50
0/50
1/50
2/44
 3/44
 5/44
 9/38
18/38
23/38
26/32
100krad
0/50
0/50
0/50
0/44
 3/44
 6/44
 9/38
18/38
23/38
24/32



図1 体重


(b) 摂餌量

 1週間の飼料消費量より算出し、g/マウス/日で50週までの摂餌量を表5に示す。非照射、50、100krad群はいずれも対照群より低い摂餌量を示すが、非照射群と照射群の間で差がない。


表5 摂餌量
   群\週   
 5  
 10 
 15 
 20 
 25 
 30 
 35 
 40 
 45 
 50 

 
 
 
 
 
 
 対照    
4.73
4.90
4.44
4.81
4.98
5.05
4.57
4.88
4.85
4.97
非照射    
4.19
4.48
4.19
4.48
4.62
4.44
3.92
3.99
3.91
3.81
 50krad
4.06
4.66
4.20
4.55
4.51
4.58
4.28
4.30
4.02
4.23
100krad
4.20
4.53
4.16
4.51
4.71
4.54
4.15
4.06
4.04
4.09

 
 
 
 
 
 
 対照    
3.89
4.05
3.63
3.90
3.70
3.69
3.44
4.07
3.56
3.34
非照射    
3.36
3.51
3.16
3.44
3.43
3.60
3.04
3.47
3.20
3.08
 50krad
3.46
3.69
3.11
3.30
3.41
3.47
3.25
3.45
3.14
3.30
100krad
3.40
3.48
3.30
3.64
3.41
3.37
3.25
3.29
3.21
3.11

(g/マウス/日)


(c) 生化学的検査

 6カ月(表6);雌雄とも対照群に比して有意の変化を示す項目は認められない。しかし、非照射群と比べると50kradおよび100krad群のGluが有意に減少している。

 12カ月(表7);雄の非照射群と100krad群で対照群に比してTGの有意の減少が認められる。雌の100krad群のGPTは対照群、非照射群の両群に比して有意に減少している。

 18カ月(表8);雄では有意の変化はいずれの項目にも認められない。雌では非照射群のT−Chol,TG,Glu,50krad群のA/GおよびNEFA,100krad群のNEFA,TGおよびGluがいずれも対照群に比して有意の減少を示す。


表6 血液生化学的検査(6カ月)
    群    
Protein
Albumin
 A/G 
 GPT 
T−chol
 NEFA
  TG   
Glucose 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 7.02  
±0.53  
 3.51  
±0.29  
 1.02
±0.18
38.30
±8.35
216.82
±41.39
 1.42
±0.23
 375.66
±140.48
148.74  
±17.06  
非照射    
       
 7.66  
±0.72  
 3.64  
±0.13  
 0.92
±0.14
41.69
±8.93
255.71
±39.16
 1.31
±0.12
 315.93
±121.06
206.38  
±65.68  
 50krad
       
 7.25  
±0.79  
 3.24  
±0.36  
 0.82
±0.15
35.64
±8.33
214.60
±47.53
 1.33
±0.25
 299.04
± 93.53
157.23  
±10.45**
100krad
       
 7.13  
±0.10  
 3.64  
±0.18  
 1.04
±0.11
35.60
±2.96
241.10
±44.78
 0.96
±0.39
 279.07
± 87.30
147.18  
±22.35**

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 7.20  
±0.47  
 3.45  
±0.09  
 0.93
±0.08
27.73
±3.33
134.74
±21.15
 1.50
±0.48
 221.57
± 58.97
136.82  
±14.32  
非照射    
       
 7.52  
±0.62  
 3.53  
±0.31  
 0.88
±0.08
30.45
±4.03
154.55
±27.51
 1.19
±0.20
 242.22
± 77.10
140.23  
± 9.88  
 50krad
       
 7.34  
±0.78  
 3.61  
±0.31  
 0.98
±0.11
27.44
±3.58
140.56
±13.46
 1.55
±0.35
 303.46
± 96.96
132.69  
±11.79  
100krad
       
 7.21  
±0.43  
 3.60  
±0.25  
 1.01
±0.16
27.78
±3.65
170.28
±48.98
 1.59
±0.36
 233.34
±105.33
128.32  
± 8.64  

**:P<0.01 非照射群と比べて



表7 血液生化学的検査(12カ月)
    群    
Protein
Albumin
 A/G 
 ALP 
 GPT   
T−chol
 NEFA
  TG  
Glucose

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 8.22  
±0.82  
 3.19  
±0.60  
 0.63
±0.12
 6.40
±4.43
29.11  
±6.13  
211.45
±55.02
 1.63
±0.35
 340.00 
± 85.00 
147.38 
±32.49 
非照射    
       
 8.86  
±0.59  
 3.20  
±0.67  
 0.58
±0.17
 5.87
±3.29
28.02  
±6.53  
222.90
±65.93
 1.32
±0.28
 225.32 
± 58.32★
143.73 
±64.34 
 50krad
       
 8.59  
±0.58  
 2.69  
±0.98  
 0.49
±0.22
 3.75
±2.24
29.64  
±5.94  
209.71
±77.18
 1.47
±0.15
 203.01 
± 83.96★
141.33 
±32.43 
100krad
       
 8.77  
±1.06  
 3.42  
±0.57  
 0.65
±0.13
 5.95
±3.85
31.56  
±7.42  
230.53
±58.41
 1.46
±0.19
 282.76 
± 96.90 
136.19 
±55.47 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 8.00  
±0.38  
 3.49  
±0.22  
 0.77
±0.06
 5.48
±2.76
30.58  
±5.26  
157.81
±31.89
 1.91
±0.23
 258.28 
±132.86 
129.28 
± 1.01 
非照射    
       
 8.63  
±0.58  
 3.49  
±0.41  
 0.69
±0.12
 5.40
±4.20
30.53  
±5.25  
179.50
±52.43
 1.97
±0.48
 252.63 
±101.98 
130.59 
±17.72 
 50krad
       
 8.28  
±0.54  
 3.66  
±0.46  
 0.82
±0.22
 4.54
±1.37
27.55  
±4.63  
172.21
±26.41
 1.61
±0.23
 258.43 
±152.30 
124.36 
± 9.93 
100krad
       
 8.71  
±1.06  
 3.28  
±0.74  
 0.64
±0.19
 5.64
±4.32
24.67  
±2.60★*
139.05
±37.65
 1.32
±0.49
 185.78 
± 97.11 
115.15 
±18.42 

★:P<0.05 対照群と比べて
*:P<0.05 非照射群と比べて



表8 血液生化学的検査(18カ月)
    群    
Protein
Albumin
 A/G   
 ALP 
 GPT  
T−chol   
 NEFA  
 TG     
Glucose

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 7.64  
±1.16  
 2.86  
±0.51  
 0.65  
±0.22  
 9.40
±4.59
 32.24
±13.90
 171.33  
± 48.39  
 1.38  
±0.50  
228.63  
±146.98  
109.57 
±32.36 
非照射    
       
 7.04  
±1.22  
 2.84  
±0.44  
 0.69  
±0.11  
 6.56
±2.26
 27.64
±10.70
 171.33  
± 70.83  
 1.45  
±0.47  
133.95  
± 83.16  
 87.61 
±41.02 
 50krad
       
 7.79  
±0.58  
 2.53  
±0.41  
 0.48  
±0.07  
 9.04
±5.91
 25.00
± 2.70
 141.00  
± 48.27  
 1.37  
±0.39  
168.22  
± 78.79  
103.18 
±22.39 
100krad
       
 7.27  
±0.52  
 3.08  
±0.21  
 0.75  
±0.15  
 7.68
±5.81
 25.96
± 4.98
 170.83  
± 50.82  
 1.63  
±0.46  
330.94  
±267.59  
124.29 
±29.18 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 7.34  
±0.23  
 3.40  
±0.22  
 0.86  
±0.11  
 9.30
±4.20
 24.48
± 2.08
 152.83  
± 26.01  
 2.03  
±0.27  
387.48  
±115.37  
122.73 
± 8.49 
非照射    
       
 7.67  
±0.34  
 3.10  
±0.51  
 0.70  
±0.20  
 5.06
±2.56
 21.62
± 3.64
 102.33  
± 20.81★★
 1.66  
±1.01  
114.66  
± 56.66★★
 88.08 
±27.12★
 50krad
       
 7.94  
±1.62  
 2.88  
±0.57  
 0.59  
±0.17★★
 7.42
±4.47
 23.05
± 3.37
 227.50  
±247.06  
 1.26  
±0.28★★
226.78  
±218.54  
109.80 
±13.44 
100krad
       
 7.24  
±0.58  
 3.35  
±0.73  
 0.89  
±0.25  
 5.20
±3.75
 23.46
± 4.11
 121.00  
± 33.93  
 1.35  
±0.52★ 
143.63  
± 49.27★★
 98.31 
±20.03★

 ★:P<0.05 対照群と比べて
★★:P<0.01 対照群と比べて


(d) 血液学的検査

 6カ月(表9);雄の非照射群でRBC,Hctおよび白血球百分比で単球に有意な増加が対照群に比して認められる。

 12カ月(表10);雄では各群間に差を認めない。雌では対照群と非照射群の両群に比して100krad群の桿状核好中球の増加が有意である。

 18ヶ月(表11);対照群に比して雌の100krad群でRBCが有意に減少する他に差は認められない。


表9 血液学的検査(6カ月)
    群    
         
         
R.B.C.    
[×10・E(4)]
          
W.B.C.    
[×10・E(2)]
          
Ht.   
(%)   
      
Hb.   
(g/dl)
      
Baso.
     
     
Eosino.
       
       
Meta.
     
     
Neutrocytes 
 Lymph
      
      
 Mono.
      
      
 St. 
 Seg. 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 997.91   
± 58.40   
 67.33    
±21.35    
44.91 
±2.33 
14.16 
±0.75 
  0  
     
 5.00  
±3.63  
 0   
     
 3.16
±1.47
 18.66
± 4.63
 73.00
± 6.09
 0.16 
±0.40 
非照射    
       
1104.00   
± 55.03★★ 
 57.00    
±17.98    
49.00 
±2.46★
15.00 
±0.89 
  0  
     
 2.50  
±1.64  
 0   
     
 5.66
±3.20
 23.50
± 6.65
 66.83
± 9.49
 1.50 
±1.37★
 50krad
       
1048.58   
± 37.47   
 47.91    
±14.99    
45.55 
±3.63 
13.83 
±0.98 
  0  
     
 3.50  
±3.14  
 0.33
±0.81
 6.00
±3.74
 22.16
± 4.62
 67.16
± 4.53
 0.83 
±0.75 
100krad
       
1052.83   
± 49.75   
 47.75    
± 7.17    
46.33 
±0.98*
14.16 
±0.40 
  0  
     
 3.66  
±2.16  
 0   
     
 5.00
±2.82
 23.00
± 3.79
 67.00
± 3.63
 1.33 
±1.50 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
1117.00   
± 99.13   
 42.75    
±12.60    
46.33 
±0.93 
15.20 
±0.63 
  0  
     
 3.50  
±1.87  
 0   
     
 3.66
±2.06
 20.00
±16.46
 71.83
±16.31
 1.00 
±1.26 
非照射    
       
1085.00   
± 85.37   
 43.50    
± 9.66    
45.33 
±2.48 
14.96 
±0.79 
  0  
     
 3.83  
±3.71  
 0   
     
 2.83
±2.04
 17.33
± 7.36
 75.16
± 6.11
 0.83 
±0.75 
 50krad
       
1092.08   
± 28.89   
 31.75    
±10.16    
46.78 
±2.21 
15.08 
±0.42 
  0  
     
 2.50  
±2.16  
 0   
     
 3.83
±1.94
 13.66
± 6.65
 78.83
± 8.01
 1.16 
±0.98 
100krad
       
1022.66   
± 33.54   
 33.50    
±11.67    
45.96 
±1.24 
14.78 
±0.41 
  0  
     
 6.50  
±6.68  
 0   
     
 4.16
±0.75
 13.33
± 5.57
 75.83
± 7.46
 0.16 
±0.40 

 ★:P<0.05 対照群と比べて
★★:P<0.01 対照群と比べて
 *:P<0.05 非照射群と比べて



表10 血液学的検査(12カ月)
    群    
         
         
R.B.C.    
[×10・E(4)]
          
W.B.C.    
[×10・E(2)]
          
Ht.  
 (%) 
     
Hb.   
(g/dl)
      
Baso.
     
     
Eosino.
       
       
Meta.
     
     
Neutrocytes   
 Lymph
      
      
 Mono
.    
     
St.   
 Seg. 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 858.75   
±138.65   
 79.00    
±22.40    
42.08
±6.23
12.93 
±2.14 
  0  
     
 4.00  
±3.16  
 0   
     
1.50  
±1.37  
 25.50
± 9.35
 68.16
±11.05
 0.83
±0.75
非照射    
       
 859.00   
±114.18   
 56.00    
±17.06    
41.91
±4.42
13.24 
±1.60 
  0  
     
 3.16  
±1.94  
 0   
     
4.16  
±3.06  
 28.66
± 8.71
 63.00
± 8.83
 1.00
±0.63
 50krad
       
 878.58   
± 77.42   
 74.58    
±27.67    
41.33
±3.97
12.83 
±1.35 
  0  
     
 2.66  
±2.50  
 0.16
±0.40
3.83  
±4.95  
 35.16
± 9.06
 57.00
±17.33
 1.16
±1.16
100krad
       
 855.16   
±116.39   
 54.50    
± 7.82    
42.33
±4.40
13.22 
±1.65 
  0  
     
 3.50  
±4.18  
 0   
     
1.50  
±1.22  
 29.16
±11.78
 65.66
±13.66
 0.16
±0.40

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 895.25   
± 82.74   
 48.33    
±14.32    
44.66
±3.48
14.08 
±1.03 
  0  
     
 4.00  
±2.60  
 0   
     
0.83  
±0.98  
 20.16
± 7.08
 75.00
± 7.74
 0.16
±0.40
非照射    
       
 889.08   
± 41.15   
 45.41    
± 8.26    
45.91
±1.49
14.15 
±0.56 
  0  
     
 4.00  
±1.78  
 0   
     
1.83  
±1.47  
 25.33
± 7.73
 68.83
± 8.44
 0   
     
 50krad
       
 837.33   
± 35.42   
 49.33    
±18.74    
43.66
±1.21
13.62 
±0.66 
  0  
     
 4.33  
±3.44  
 0   
     
1.33  
±1.03  
 31.66
±11.63
 62.50
±10.36
 0.16
±0.40
100krad
       
 898.58   
± 57.06   
 50.58    
±18.35    
45.83
±2.20
14.31 
±0.97 
  0  
     
 4.33  
±2.33  
 0   
     
4.83★★
±1.60**
 24.16
± 6.52
 66.66
± 7.33
 0   
     

★★:P<0.01 対照群と比べて
**:P<0.01 非照射群と比べて



表11 血液学的検査(18カ月)
    群    
         
R.B.C.    
[×10・E(4)]
W.B.C.    
[×10・E(2)]
Hematcrit
   (%)   
Hemoglobin
  (g/dl)  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 808.6    
±148.4    
 204.5    
±168.4    
 39.7    
± 7.6    
   12.6   
   ±2.5   
非照射    
       
 827.4    
±247.9    
 107.5    
± 90.8    
 38.5    
±10.2    
   13.1   
   ±3.7   
 50krad
       
 764.6    
±140.0    
 279.5    
±414.4    
 41.0    
± 5.3    
   11.9   
   ±2.5   
100krad
       
 663.4    
±168.3    
 132.2    
±121.6    
 35.5    
± 4.7    
   11.0   
   ±1.9   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 913.0    
±105.8    
  53.8    
± 28.4    
 43.6    
± 3.5    
   14.2   
   ±1.1   
非照射    
       
 875.8    
± 59.7    
  86.5    
± 40.2    
 41.7    
± 2.6    
   13.4   
   ±0.9   
 50krad
       
 858.9    
±124.4    
 395.5    
±808.9    
 43.3    
± 5.5    
   14.2   
   ±2.0   
100krad
       
 726.1    
±142.6★   
 109.4    
±143.7    
 37.1    
± 6.8    
   12.2   
   ±2.4   

★:P<0.05 対照群と比べて


(e) 臓器重量

 実重量と比重量で共に同一方向に有意に変化するものを記載する。

 6ヶ月(表12、13);雄では50krad群の脳が対照群に比べて増加している。雌では群間で差を認めない。

 12ヶ月(表14、15);雄では100krad群の肺が対照群に比べて増加し、雌では100krad群の腎周囲の脂肪が減少している。

 18ヶ月(表16、17);雄では100krad群の脾が非照射群に比べて増加している。雌では群間で差をみない。

 20ヶ月(表18、19);雌雄の各群間で差を認めない。


表12 臓器重量(6カ月)(実重量)
    群    
  体重  
  脳   
  心    
  肺   
  肝  
  腎  
  脾  
精巣・卵巣
 脂肪  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 54.75
± 4.83
 0.43 
±0.02 
 0.22  
±0.02  
 0.20 
±0.01 
 2.52
±0.30
 0.66
±0.05
 0.13
±0.02
 0.27
±0.02
 0.26
±0.07
非照射    
       
 58.30
± 7.12
 0.45 
±0.01 
 0.26  
±0.02  
 0.22 
±0.02★
 3.32
±1.24
 0.69
±0.12
 0.12
±0.03
 0.28
±0.03
 0.25
±0.08
 50krad
       
 48.96
± 4.92
 0.46 
±0.01★
 0.26  
±0.03  
 0.22 
±0.01 
 2.53
±0.83
 0.72
±0.13
 0.14
±0.04
 0.29
±0.04
 0.18
±0.12
100krad
       
 58.93
± 5.64
 0.45 
±0.01 
 0.28  
±0.01★★
 0.23 
±0.02★
 2.98
±0.73
 0.77
±0.11
 0.13
±0.02
 0.26
±0.03
 0.22
±0.09

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 38.95
± 8.75
 0.46 
±0.02 
 0.14  
±0.02  
 0.19 
±0.04 
 1.57
±0.35
 0.45
±0.10
 0.11
±0.03
14.41
±3.15
 0.33
±0.18
非照射    
       
 44.78
± 7.21
 0.45 
±0.00 
 0.15  
±0.03  
 0.20 
±0.03 
 1.82
±0.53
 0.35
±0.05
 0.15
±0.03
13.88
±2.93
 0.37
±0.31
 50krad
       
 40.65
± 6.13
 0.48 
±0.01 
 0.17  
±0.03  
 0.19 
±0.02 
 1.57
±0.19
 0.38
±0.04
 0.14
±0.02
14.73
±1.07
 0.19
±0.09
100krad
       
 44.41
±11.47
 0.48 
±0.01 
 0.16  
±0.03  
 0.21 
±0.02 
 1.93
±0.66
 0.42
±0.06
 0.16
±0.04
14.53
±2.52
 0.43
±0.18

(gまたはmg±SD)
 ★:P<0.05 対照群と比べて
★★:P<0.01 対照群と比べて



表13 臓器重量(6カ月)(比重量)
    群    
  脳    
  心   
  肺   
  肝  
  腎    
  脾  
精巣・卵巣
  脂肪 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 0.80  
±0.10  
 0.42 
±0.07 
 0.38 
±0.05 
 4.64
±0.24
 1.22  
±0.10  
 0.24
±0.05
 0.51
±0.05
 0.47
±0.11
非照射    
       
 0.78  
±0.10  
 0.45 
±0.06 
 0.39 
±0.06 
 5.57
±1.51
 1.18  
±0.09  
 0.21
±0.03
 0.49
±0.04
 0.43
±0.12
 50krad
       
 0.95  
±0.11★*
 0.54 
±0.08★
 0.45 
±0.03★
 5.11
±1.29
 1.47  
±0.23★*
 0.30
±0.10
 0.60
±0.10
 0.36
±0.23
100krad
       
 0.77  
±0.05  
 0.48 
±0.02 
 0.39 
±0.02 
 5.02
±1.00
 1.32  
±0.15  
 0.22
±0.03
 0.44
±0.06
 0.38
±0.17

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 1.26  
±0.36  
 0.37 
±0.04 
 0.51 
±0.10 
 4.03
±0.18
 1.19  
±0.20  
 0.29
±0.07
37.93
±7.48
 0.80
±0.47
非照射    
       
 1.04  
±0.16  
 0.34 
±0.04 
 0.42 
±0.06 
 4.02
±0.66
 0.94  
±0.15★ 
 0.33
±0.03
31.66
±8.08
 0.78
±0.57
 50krad
       
 1.21  
±0.19  
 0.44 
±0.17 
 0.50 
±0.12 
 3.91
±0.36
 0.94  
±0.08★ 
 0.35
±0.05
37.17
±7.69
 0.45
±0.19
100krad
       
 1.13  
±0.28  
 0.39 
±0.07 
 0.49 
±0.09 
 4.33
±0.56
 0.99  
±0.21  
 0.39
±0.19
34.08
±8.80
 0.91
±0.51

★:P<0.05 対照群と比べて
*:P<0.05 非照射群と比べて



表14 臓器重量(12カ月)(実重量)
    群    
  体重  
  脳   
  心  
  肺   
  肝   
  腎  
  脾  
精巣・卵巣
  副腎 
 脂肪   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 59.53
± 5.77
 0.46 
±0.01 
 0.23
±0.04
 0.20 
±0.04 
 3.09 
±1.08 
 0.74
±0.08
 0.30
±0.17
 0.22
±0.10
 4.83
±0.60
 0.22 
±0.19 
非照射    
       
 55.26
±12.06
 0.46 
±0.01 
 0.24
±0.04
 0.24 
±0.07 
 3.01 
±1.16 
 0.77
±0.07
 0.24
±0.19
 0.23
±0.05
 4.50
±1.21
 0.68 
±0.11 
 50krad
       
 52.55
±11.59
 0.46 
±0.02 
 0.24
±0.01
 0.24 
±0.02 
 2.70 
±0.61 
 0.73
±0.10
 0.47
±0.55
 0.27
±0.05
 3.98
±0.71
 0.21 
±0.13 
100krad
       
 56.60
± 8.51
 0.46 
±0.01 
 0.26
±0.01
 0.28 
±0.05★
 2.84 
±0.85 
 0.72
±0.10
 0.22
±0.08
 0.27
±0.04
 4.00
±1.67
 0.17 
±0.11 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 46.91
± 3.90
 0.46 
±0.00 
 0.16
±0.01
 0.28 
±0.21 
 1.70 
±0.21 
 0.46
±0.03
 0.16
±0.04
10.61
±4.04
 5.73
±1.99
 0.34 
±0.19 
非照射    
       
 41.88
± 8.21
 0.47 
±0.01 
 0.18
±0.04
 0.34 
±0.32 
 1.68 
±0.20 
 0.45
±0.06
 0.15
±0.04
 9.45
±3.81
 7.50
±1.89
 0.27 
±0.29 
 50krad
       
 51.51
± 5.22
 0.46 
±0.02 
 0.18
±0.02
 0.23 
±0.02 
 2.01 
±0.20★
 0.49
±0.04
 0.22
±0.06
13.20
±4.52
 6.98
±1.67
 0.23 
±0.11 
100krad
       
 42.08
± 7.43
 0.49 
±0.02★
 0.17
±0.02
 0.35 
±0.24 
 1.81 
±0.29 
 0.47
±0.10
 0.23
±0.11
10.31
±2.59
 6.83
±1.26
 0.09 
±0.09★

(gまたはmg±SD)
 ★:P<0.05 対照群と比べて



表15 臓器重量(12カ月)(比重量)
    群    
  脳   
  心  
  肺   
  肝   
  腎  
  脾  
精巣・卵巣 
  副腎 
  脂肪  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 0.79 
±0.08 
 0.39
±0.05
 0.35 
±0.10 
 5.35 
±2.49 
 1.25
±0.19
 0.52
±0.34
  0.37
± 0.16
 8.21
±1.54
 0.37 
±0.35 
非照射    
       
 0.86 
±0.20 
 0.46
±0.13
 0.45 
±0.12 
 5.45 
±1.52 
 1.46
±0.40
 0.49
±0.48
  0.43
± 0.06
 8.44
±2.82
 1.18 
±1.95 
 50krad
       
 0.92 
±0.19 
 0.49
±0.10
 0.48 
±0.10 
 5.19 
±0.76 
 1.45
±0.39
 0.87
±0.87
  0.52
± 0.07
 8.02
±2.74
 0.40 
±0.22 
100krad
       
 0.83 
±0.15 
 0.47
±0.10
 0.50 
±0.11★
 4.98 
±1.04 
 1.30
±0.19
 0.40
±0.18
  0.49
± 0.05
 7.57
±4.59
 0.29 
±0.19 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 1.00 
±0.10 
 0.35
±0.04
 0.63 
±0.56 
 3.64 
±0.42 
 1.00
±0.07
 0.34
±0.08
 22.49
± 7.77
12.22
±4.06
 0.73 
±0.41 
非照射    
       
 1.16 
±0.19 
 0.44
±0.10
 0.89 
±0.91 
 4.10 
±0.64 
 1.12
±0.22
 0.39
±0.17
 23.91
±11.39
18.86
±6.67
 0.59 
±0.51 
 50krad
       
 0.90 
±0.11*
 0.36
±0.05
 0.46 
±0.09 
 3.93 
±0.52 
 0.97
±0.13
 0.44
±0.19
 26.12
± 9.98
13.72
±3.70
 0.44 
±0.19 
100krad
       
 1.21 
±0.23 
 0.43
±0.12
 0.87 
±0.63 
 4.34 
±0.54★
 1.14
±0.23
 0.54
±0.25
 25.69
±10.10
17.14
±6.30
 0.20 
±0.19★

★:P<0.05 対照群と比べて
*:P<0.05 非照射群と比べて



表16 臓器重量(18カ月)(実重量)
    群    
  体重  
  脳  
  心   
  肺  
  肝  
  腎  
  脾    
  精巣・卵巣 
 副腎  
 脂肪  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 46.46
±11.63
 0.45
±0.02
 0.21 
±0.04 
 0.67
±0.76
 2.52
±1.27
 0.74
±0.09
 0.32  
±0.20  
   0.23 
  ±0.04 
 5.43
±1.04
 0.14
±0.14
非照射    
       
 50.10
±10.03
 0.46
±0.02
 0.22 
±0.04 
 0.63
±0.53
 2.70
±1.58
 0.80
±0.05
 0.24  
±0.18  
   0.27 
  ±0.02 
 5.75
±1.49
 0.09
±0.07
 50krad
       
 47.43
± 5.19
 0.47
±0.03
 0.27 
±0.03★
 0.35
±0.09
 2.81
±0.87
 0.76
±0.06
 0.43  
±0.37  
   0.26 
  ±0.07 
 6.41
±1.00
 0.08
±0.06
100krad
       
 57.20
±13.22
 0.47
±0.02
 0.24 
±0.04 
 0.42
±0.22
 2.74
±0.61
 0.81
±0.20
 0.66  
±0.30★*
   0.21 
  ±0.04*
 6.10
±1.20
 0.23
±0.20

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 48.91
± 9.97
 0.47
±0.01
 0.20 
±0.03 
 0.29
±0.08
 2.10
±0.54
 0.63
±0.12
 0.20  
±0.09  
  14.08 
 ± 4.80 
 9.28
±3.21
 0.28
±0.25
非照射    
       
 45.56
± 9.11
 0.47
±0.02
 0.20 
±0.04 
 0.34
±0.06
 2.52
±0.96
 0.72
±0.21
 0.44  
±0.22★ 
  27.20 
 ±33.97 
 9.61
±1.90
 0.19
±0.25
 50krad
       
 45.58
± 9.11
 0.48
±0.02
 0.19 
±0.02 
 0.37
±0.09
 2.58
±0.65
 0.63
±0.06
 0.40  
±0.44  
  10.48 
 ± 6.72 
18.65
±23.80
 0.30
±0.33
100krad
       
 47.70
± 8.17
 0.48
±0.03
 0.19 
±0.05 
 0.29
±0.07
 2.25
±0.49
 0.74
±0.16
 0.36  
±0.30  
 209.51 
±466.61 
 8.81
±4.05
 0.35
±0.15

(gまたはmg±SD)
 ★:P<0.05 対照群と比べて
 *:P<0.05 非照射群と比べて



表17 臓器重量(18カ月)(比重量)
    群    
  脳  
  心   
  肺   
  肝    
  腎   
  脾   
  精巣・卵巣
  副腎
  脂肪 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 1.03
±0.29
 0.48 
±0.08 
 1.94 
±2.68 
 5.27  
±1.73  
 1.65 
±0.28 
 0.70 
±0.34 
   0.53
  ±0.13
 12.92
± 6.18
 0.28
±0.27
非照射    
       
 0.96
±0.19
 0.46 
±0.04 
 1.42 
±1.53 
 5.21  
±2.08  
 1.64 
±0.23 
 0.42 
±0.26 
   0.55
  ±0.09
 11.93
± 3.75
 0.18
±0.11
 50krad
       
 1.00
±0.14
 0.57 
±0.09*
 0.74 
±0.18 
 6.04  
±2.30  
 1.69 
±0.28 
 0.95 
±0.91 
   0.57
  ±0.19
 13.64
± 2.38
 0.17
±0.14
100krad
       
 0.85
±0.18
 0.43 
±0.06 
 0.79 
±0.53 
 4.84  
±0.49  
 1.44 
±0.19 
 1.19 
±0.67*
   0.40
  ±0.18
 11.02
± 2.66
 0.40
±0.34

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 1.00
±0.17
 0.41 
±0.05 
 0.61 
±0.10 
 4.27  
±0.34  
 1.30 
±0.13 
 0.41 
±0.15 
  30.41
 ±13.53
 19.91
± 8.73
 0.54
±0.42
非照射    
       
 1.08
±0.22
 0.45 
±0.06 
 0.78 
±0.21 
 5.75  
±2.76  
 1.62 
±0.49 
 1.00 
±0.61★
  60.64
 ±76.00
 21.63
± 5.73
 0.43
±0.58
 50krad
       
 1.10
±0.21
 0.44 
±0.04 
 0.84 
±0.19★
 5.69  
±0.85★★
 1.44 
±0.28 
 0.98 
±1.20 
  22.80
 ±11.93
 38.20
±41.19
 0.60
±0.63
100krad
       
 1.03
±0.19
 0.41 
±0.08 
 0.61 
±0.13 
 4.79  
±1.21  
 1.56 
±0.20★
 0.77 
±0.58 
 363.47
±776.32
 20.09
±13.67
 0.72
±0.20

 ★:P<0.05 対照群と比べて
★★:P<0.01 対照群と比べて
 *:P<0.05 非照射群と比べて



表18 臓器重量(20カ月)(実重量)
    群    
動物数
  体重  
  脳  
  心  
  肺  
  肝  
  腎  
  脾  
  精巣・卵巣
 副腎   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
 9 
   
 43.65
± 8.40
 0.46
±0.03
 0.23
±0.05
 0.41
±0.14
 2.17
±0.61
 0.81
±0.14
 0.28
±0.28
   0.23
  ±0.03
  6.47
 ±1.33
非照射    
       
 2 
   
 51.05
±23.26
 0.45
±0.03
 0.19
±0.01
 0.79
±0.60
 2.17
±0.78
 0.69
±0.06
 0.51
±0.32
   0.22
  ±0.02
  5.70
 ±1.69
 50krad
       
 4 
   
 42.32
± 5.20
 0.44
±0.02
 0.18
±0.03
 0.46
±0.34
 3.17
±1.48
 0.67
±0.19
 0.41
±0.14
   0.22
  ±0.03
  6.12
 ±0.62
100krad
       
 7 
   
 44.62
± 9.26
 0.45
±0.02
 0.20
±0.02
 0.62
±0.32
 2.84
±1.56
 0.79
±0.15
 0.23
±0.21
   0.21
  ±0.03
  6.68
 ±1.52

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
10 
   
 43.30
± 5.57
 0.48
±0.02
 0.17
±0.02
 0.40
±0.34
 2.09
±0.39
 0.62
±0.14
 0.66
±0.77
  12.09
  ±5.29
 50.57
±131.44
非照射    
       
 7 
   
 45.72
± 6.02
 0.48
±0.02
 0.20
±0.03
 0.32
±0.06
 2.88
±0.74
 0.72
±0.16
 1.11
±1.05
  72.95
±159.25
 12.25
 ±3.61
 50krad
       
 6 
   
 48.31
± 8.38
 0.48
±0.02
 0.23
±0.01
 0.32
±0.07
 2.95
±1.07
 0.79
±0.09
 0.59
±0.55
 209.60
±421.47
 13.38
 ±4.27
100krad
       
 8 
   
 44.50
± 8.30
 0.48
±0.02
 0.20
±0.02
 0.44
±0.42
 2.29
±0.42
 0.66
±0.16
 0.25
±0.12
  87.53
±188.52
 12.51
 ±3.19

(gまたはmg±SD)



表19 臓器重量(20カ月)(比重量)
    群  
動物数
  脳  
  心  
  肺  
  肝  
  腎  
  脾  
   精巣・卵巣
   副腎  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照  
     
 9 
   
 1.09
±0.21
 0.55
±0.16
 0.97
±0.43
 5.00
±1.27
 1.90
±0.33
 0.69
±0.69
    0.54
   ±0.11
  15.45
 ± 4.75
非照射  
     
 2 
   
 0.97
±0.38
 0.40
±0.15
 2.03
±2.10
 4.35
±0.43
 1.48
±0.54
 0.96
±0.19
    0.48
   ±0.16
  11.61
 ± 1.96
 50  
 krad
 4 
   
 1.06
±0.10
 0.43
±0.05
 1.13
±0.92
 7.43
±3.32
 1.56
±0.31
 0.99
±0.37
    0.53
   ±0.03
  14.52
 ± 0.98
100  
 krad
 7 
   
 1.05
±0.24
 0.47
±0.13
 1.46
±0.75
 6.97
±4.67
 1.89
±0.62
 0.61
±0.65
    0.48
   ±0.10
  15.88
 ± 5.89

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照  
     
10 
   
 1.13
±0.12
 0.41
±0.04
 0.90
±0.69
 4.89
±0.96
 1.45
±0.28
 1.47
±1.67
   28.35
  ±12.88
 121.70
±318.52
非照射  
     
 7 
   
 1.07
±0.13
 0.45
±0.03
 0.72
±0.17
 6.33
±1.39
 1.57
±0.25
 2.42
±2.12
  202.60
 ±463.87
  27.16
 ± 8.28
 50  
 krad
 6 
   
 1.03
±0.19
 0.49
±0.06
 0.67
±0.12
 5.96
±1.20
 1.65
±0.16
 1.13
±0.90
  532.53
±1101.35
  27.41
 ± 9.93
100  
 krad
 8 
   
 1.11
±0.21
 0.45
±0.07
 1.10
±1.21
 5.29
±1.17
 1.52
±0.41
 0.57
±0.27
  233.40
 ±523.83
  29.34
 ±10.04


(f) 病理肉眼所見

 6ヶ月;雄では100krad群に6例中3例、その他の各群に1例ずつ肺に腫瘤を認める。また、非照射群の2例に肝の肥大を認める。雌では対照群に2例と100krad群の1例に肺腫瘤、非照射群の1例に肝の白斑を認める。雌雄とも肺の腫瘤は針先大から針頭大の大きさである。

 12ヶ月;肺の腫瘤が各群に認められ、対照群、非照射群、50krad、100krad群の雄ではそれぞれ、1、1、3、1例、雌では1、1、2、1例の針先大から小豆大のものを認める。また、雄の50krad群の1例に小指頭大の皮下腫瘤、他の1例に肝、腎および脾の肥大や胸腺及び全身のリンパ節の肥大を認める。雌の100krad群の1例に膿様の胸・腹水の貯留を認める。

 18ヶ月;雌雄とも各群に肺の腫瘤を認め、雌の50krad群では6例中5例に栗粒大から小豆大の白色扁平腫瘤として認める。また、肝腫瘤が雄の100krad群に2例、雌の対照群に1例認められる。雌の100krad群に2例の卵巣嚢腫が認められる。各群とも肺や肝に膿瘍を形成する例を多く認める。

 20ヶ月;18ヶ月と同様に各群で肺腫瘤を認める例が多く、他の臓器では肝腫瘤が雄の対照群に9例中1例、雌の対照群に10例中2例認められる。また、皮下腫瘤が雄の非照射群に2例中1例、100krad群に7例中2例、雌の対照群に10例中1例、50krad群に6例中1例がそれぞれ認められる。

(g) 病理組織学的所見

 病理肉眼所見で特定の臓器に定まった病変が見られなかったので病理組織学的検査は腫瘍の発生について検索した。

 イ)定期解剖動物の腫瘍発生(腫瘍性変化および白血病を含む);表20に示すように雄では対照群、非照射群、50krad群および100krad群の担腫瘍動物数はそれぞれ27例中15例、20例中8例、22例中14例および25例中15例、雌では28例中16例、25例中9例、24例中9例および26例中12例であり、いずれも群間に差を認めない。

 腫瘍の種類および例数については肺の腺腫が最も多いが群間に一定の傾向を認めず、差も認めない。その他、多くの臓器に多彩な腫瘍の発現を見るが、散発的で群間に明らかな差は見られない。

 ロ)死亡動物の腫瘍発生(腫瘍性変化および白血病を含む);表21に示すように対照群、非照射群、50kradおよび100krad群の雄で各々21例中13例、29例中17例、27例中19例および23例中14例、雌では各々20例中9例、25例中9例、24例中17例および24例中15例である。定期解剖動物と同様に担腫瘍動物数には雌雄ともに群間に明らかな差は見られない。腫瘍の例数および種類については定期解剖の場合と同様に肺の腺腫が最も多く、次いでリンパ性白血病が多いが、群間に一定傾向の差を認めない。

 定期解剖および死亡した動物での腫瘍発生数を時期毎に総括して表22に示す。

 全検索動物(雄、対照群の2例、非照射群の1例、50krad群の1例、100krad群の2例、雌、対照群および50krad群の各2例は死後融解が強いか共喰いのため検索不能)のうち担腫瘍動物は対照群、非照射群、50krad,100kad群の各群の雄でそれぞれ48例中28例、49例中26例、49例中32例および48例中28例であり、雌で48例中25例、50例中18例、48例中26例および50例中25例である。また、腫瘍発生の期間別例数についてみると雄では6カ月目までの50kradおよび100krad群でそれぞれ6例中1例および8例中3例に認める。12カ月以後では全ての群に検索動物の半数あるいはそれ以上に認められる。雌では6カ月目までに対照群で8例中4例、50kradおよび100krad群でそれぞれ7例中1例および6例中1例に認める。18カ月以後は雄同様検索した動物の略々過半数に腫瘍の発生を認める。

 以上のように腫瘍発生総数及び期間別例数について群間に一定の傾向を認めない。


表20 定期解剖動物の腫瘍
            
     群      
            
          雄          
          雌            
対 照 
非照射   
50  
100 
対 照 
非照射   
50   
100  
  検査動物数     
27  
20    
22  
25  
28  
25    
24   
26   
下垂体  色素嫌性細胞腫
    
      
    
    
    
 1    
     
 1*12
肺  
   
   
   
   
   
   
 腺腫様化生  
 1*2
      
 1*6
 1  
    
 1    
     
     
 腺腫     
13*3
 8*4、5
11  
12*7
11*8
 6*9  
 8*10
10*12
 腺癌     
    
      
    
 1*α
    
      
 1   
     
 骨腫     
    
      
    
    
 1  
      
     
     
肝  
   
   
   
   
 血管内皮腫  
    
 1*4  
    
    
    
 1*9、β
     
 1*11
 リンパ腫   
 1*1
      
    
    
    
      
     
     
 結節性増殖  
 1*3
      
    
 1  
 2  
      
     
     
脾  
   
   
 リンパ腫   
 1*1
      
    
    
    
      
     
     
 血管内皮腫  
    
      
    
    
 1  
      
     
     
副腎   腺腫     
    
      
    
    
 1*8
      
     
     
精巣 
   
   
 間質細胞腫  
    
 1*4  
    
    
    
      
     
     
 内皮腫    
    
      
 1  
    
    
      
     
     
子宮   のう腺腫   
    
      
    
    
    
      
     
 1   
乳腺   腺腫     
    
      
    
    
 1  
      
 1*10
     
小腸   血管内皮腫  
    
      
    
    
    
      
     
 1*11
胸腺   リンパ腫   
 1*2
      
    
    
    
      
     
     
リンパ節 リンパ腫   
 1*2
      
    
    
    
      
     
     
皮下 
   
   
 血管内皮腫  
    
      
    
 1*7
    
      
     
     
 繊維肉腫   
    
 1*4  
 1*6
    
    
      
     
     
白血病         
    
 1*5  
 1  
    
    
 1    
     
     
 担腫瘍動物数     
15  
 8    
14  
15  
16  
 9    
 9   
12   

*肩数字1〜12:同一動物を示す
  *α    :心転移
  *β    :心及び脾転移



表21 死亡動物の腫瘍
            
     群      
            
            雄                     
            雌           
対 照     
非照射   
50    
100        
対 照 
非照射  
50     
100  
  検査動物数     
21      
29    
27    
23         
20  
25   
24     
24   
肺  
   
   
   
   
   
   
 腺腫     
 9*3、4  
10*6  
15*8、9
11*10、11、12
 4  
 3*13
 8*14、15、16
 6*17
 腺癌     
 1*2、α  
 1*β  
 1*7、α
           
    
     
    
 1*α 
 扁平上皮癌  
        
      
      
           
    
 1   
    
     
 腺腫様増殖  
        
      
 1    
           
    
     
    
     
肝  
   
   
   
   
 肝細胞癌   
        
      
      
 1*11      
    
     
    
     
 リンパ腫   
        
      
      
           
    
     
 1     
 1*18
 結節状増殖  
 2*1、2  
 1    
      
           
    
 1   
 1*15     
     
脾    組織球腫   
 1      
      
      
           
    
     
    
     
胸腺   胸腺腫    
        
      
      
           
    
     
    
 1   
リンパ節 リンパ腫   
        
      
      
 2         
    
 1   
 2*14     
 1*18
精のう腺 腺腫     
        
      
 1*7  
           
    
     
    
     
乳腺 
   
   
 腺腫     
        
      
      
           
    
     
 2*16     
 1*17
 腺癌     
        
      
      
           
    
 1*ε 
 1*ε     
     
小腸   血管内皮腫  
        
      
      
           
 1  
     
    
     
皮下 
   
   
 骨肉腫    
        
      
      
           
 1*φ
     
    
     
 繊維肉腫   
        
      
 1*8  
 1*10      
    
     
    
 1   
前立腺  腺腫     
        
 1*5  
      
           
    
     
    
     
皮膚   扁平上皮癌  
        
 1*ψ  
      
           
    
     
    
     
膀胱   移行上皮細胞腫
        
      
      
 1*12      
    
     
    
     
白血病         
 4*1、3、4
 5*5、6
 3*9  
 1         
 3  
 3*13
 5     
 5   
 担腫瘍動物数     
13      
17    
19    
14         
 9  
 9   
17     
15   

*肩数字1〜18:同一動物を示す
  *α    :心転移
  *β    :肝、胸腺及び腎転移
  *ψ    :肺及び肝転移
  *φ    :肝転移
  *ε    :肺転移



表22 腫瘍発生率
  群   
      
      
           雄              
           雌              
 対 照 
 非照射 
50krad
100krad
 対 照 
 非照射 
50krad
100krad
 6カ月  
 0/ 7
 0/ 7
 1/ 6 
 3/ 8  
 4/ 8
 0/ 8
 1/ 7 
 1/ 6  
12カ月  
 6/12
 7/18
 5/ 7 
 4/10  
 2/ 9
 1/ 8
 5/10 
 5/12  
18カ月  
14/18
14/20
18/25 
14/20  
13/20
13/26
16/23 
15/23  
20カ月  
 8/11
 4/ 4
 9/11 
 8/10  
 6/11
 4/ 8
 4/ 8 
 6/ 9  
試験動物数 
  48 
  49 
  49  
  48   
  48 
  50 
  48  
  50   
担腫瘍動物数
  28 
  25 
  33  
  29   
  25 
  18 
  26  
  27   

(腫瘍発生数/被検動物数)


(4) 小括

 照射米の安全性を調べる目的で、マウスに20カ月間照射玄米を摂餌させて定期的に生化学的検査、血液学的検査、病理学的検査を行った結果、照射の影響と考えられる変化は認められなかった。

2 ラットを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言

 γ線照射米の安全性を調べる目的で、ラットによる慢性毒性試験を行った。

(2) 試験方法
(a) 検体

 茨城県産こしひかり2等玄米(1968年収穫)を日本原子力研究所高崎研究所において、50および100kradのγ線照射を行ったものである。

(b) 投与方法

 上記検体を粉末化して50.0w/w%,フスマ23.0%、カゼイン12.8%、全粉乳8.2%、マッカラム塩4.0%、ビタミン2.0%の原料組成からなる固型飼料を調製し、飼育試験を行った。

(c) 動物

 静岡県実験動物農業協同組合産の生後4週令のWistar−SLC系ラット(SPF)雄雌各々120匹ずつを用い、これを1群雄雌各々30匹ずつからなる4群に分け、対照群、非照射群、50kradおよび100krad群とし、対照群には船橋農場製ラット・マウス用固型飼料を、他の3群にはそれぞれの添加飼料を与え24カ月間飼育した。

 動物はすべて個別ケージで飼育し、飼料および水は自由に摂取させた。

(d) 観察および測定項目

 体重および摂餌量を週1回測定し、一般症状ならびに死亡動物の有無については毎日調べ、3カ月目に各群5例、12カ月目に7例、24カ月目に7例について、血液の形態学的ならびに生化学的検査を行うとともに病理組織学的検査を行った。なお、24カ月では生存するすべての動物について屠殺剖検を行った。

 血液の検査は尾静脈から採取した血液について赤血球数(血球計算板法)、ヘマトクリット値(以下Ht.毛細管法)、ヘモグロビン量(以下Hb.シアンメトヘモグロビン法)、白血球数(血球計算板法)、白血球百分比(ギムザ染色)、断頭して採取した血液について血糖値(グルコース・オキシダーゼ法)、総タン白量(屈折タン白計及びLowry法)、アルブミン量(HABCA法)、総コレステロール量(Zak法)、尿素窒素量(以下Urea−N,Chen−Sharton法)、Alkaline phosphatase(以下ALP,Kind & King法)、Glutamic oxaloacetic transaminaseおよびGlutamic pyruvic transaminase(以下GOTおよびGPT,Reitman−Frankel法)、中性脂肪(VanHaudel−川出変法)、肝ホモジェネートの上清分画についてG−6−PDH(Zinkam法)の諸検査を行った。

 病理組織学的検査は、剖検時に脳、脳下垂体、甲状腺、心、肺、肝、腎、脾、副腎、精巣、卵巣、胃および小腸の12臓器を摘出し、うち、胃および小腸を除くすべての臓器は重量を測定した。その後、速やかに胃、小腸とともに10%中性フォルマリン液にて固定し、常法に従ってヘマトキシリン−エオシン染色を施し検索した。

(3) 試験結果
(a) 一般症状

 試験開始後1年間はいずれの群においても特記すべき症状の発現をみないが、13カ月頃より眼周囲および肛門周囲の汚れ、体重の減少、体全体の黄染を来たす例がみられ、17カ月頃より添加群においてやや多く認められるようになった。

 また、実験後期には頬部、胸部、腋下部、腹部、鼠蹊部等に腫瘤あるいは膿瘍を生ずる例がみられるが、その例数は群間に著しい差を認めない。

(b) 体重

 雄雌とも50週頃までは各群間にほとんど差がみられないが、70週を過ぎる頃より雄の非照射群および100krad群で対照群に比べ体重増加抑制の傾向を認め、90週以後、対照群を含め各群とも体重減少の傾向を示す。一方、雌の非照射群では85週以後、対照群を上回る体重を示すが、90週以後、雄と同様各群とも減少の傾向を示す。

(c) 摂餌量(図2)

 雄では実験開始当初から25週までと45週から80週にかけて対照群と比べ照射群の摂餌量が下回っている。雌では全期間を通じて対照群と添加群の間に大きな差は認められない。


図2 摂餌量


(d) 死亡率(表1)

 6カ月までは雄雌とも死亡例を全く認めないが、18カ月以後において雄の各群とも死亡例が増加し、24カ月においては雄では4/18〜11/18、雌でも5/18〜10/18の死亡率となるが、対照群と添加群との間、非照射群と照射群との間において雄では一定の傾向を認めない。一方、雌では照射群でやや増加の傾向をみるが、対照群および非対照群との間に有意の差を認めない。


第1表 死亡率
    群    
         
         
                        月                         
  (%) 
 
 
 1  
 3  
 6  
 9  
 12 
 15 
 18 
 19 
 21 
 24  

 
 
 
 
 
 
 対照    
0/30
0/30
0/25
0/25
0/25
1/18
3/18
3/18
6/18
10/18
(55.6)
非照射    
0/30
0/30
0/25
0/25
1/25
2/18
5/18
6/18
8/18
11/18
(60.5)
 50krad
0/30
0/30
0/25
0/25
0/25
1/18
2/18
4/18
4/18
 4/18
(22.3)
100krad
0/30
0/30
0/25
0/25
0/25
0/18
1/18
4/18
6/18
 8/18
(44.4)

 
 
 
 
 
 
 対照    
0/30
0/30
0/25
1/25
1/25
2/18
2/18
2/18
3/18
 5/18
(26.6)
非照射    
0/30
0/30
0/25
0/25
0/25
0/18
0/18
1/18
3/18
 5/18
(27.8)
 50krad
0/30
0/30
0/25
0/25
1/25
1/18
2/18
2/18
4/18
 8/18
(43.6)
100krad
0/30
0/30
0/25
0/25
0/25
0/18
0/18
2/18
4/18
10/18
(55.6)

死亡率の算出にはLIFE−TABLE TECHNIQUEを用いた。


(e) 血液形態学的検査

 3カ月:表2に示すように、雄ではいずれの項目についても対照群と添加群の間および非照射群と照射群の間に有意の差をみないが、雌の100krad群で対照群との間にHbの有意の増加が見られた。

 12カ月:表3に示すように、雄では白血球数が対照群と比べ添加群で有意の減少、雌では50krad群のHbおよびHtが有意の減少を示した。しかし、非照射群と照射群との間には雄雌とも各項目に有意の差は認められなかった。

 24カ月:表4に示すように、対照群に比べて雄の添加群で白血球数の増加が認められたが雌ではいずれの項目についても有意の差は認められなかった。

 また、非照射群と照射群の間には雄雌とも各項目に有意の差は認められなかった。


第2表 血液形態学的検査(3カ月目)
    群    
         
動物数
   
Erythrocyte
 [×10・E(4)]
Hemoglobin 
  (g/dl)   
Hematocrit
  (%)     
Leucocyte 
[×10・E(2)]

 
 
 
 
 
 
 対照    
 5 
814± 59    
15.52±0.61 
49.5±1.5  
141±34    
非照射    
 5 
776± 59    
15.77±0.98 
51.8±3.4  
122±38    
 50krad
 5 
766± 84    
15.62±0.78 
51.2±2.2  
156±37    
100krad
 5 
842± 87    
15.24±0.50 
51.9±2.6  
149±37    

 
 
 
 
 
 
 対照    
 5 
772± 62    
15.68±0.38 
48.1±1.5  
171±52    
非照射    
 5 
759± 84    
16.32±0.78 
51.1±1.9  
138±37    
 50krad
 5 
900±242    
15.55±1.64 
49.5±3.9  
121±39    
100krad
 5 
814± 66    
16.72±0.68*
51.0±2.5  
120±23    

*:P<0.05 対照群と比べて



第3表 血液形態学的検査(12カ月目)
    群    
         
動物数
   
Erythrocyte       
[×10・E(4)/mm・E(3)]
Hemoglobin  
  (g/dl)    
Hematocrit
  (%)     
Leucocyte         
[×10・E(2)/mm・E(3)]

 
 
 
 
 
 
 対照    
 7 
1007±390          
16.65±0.90  
50.7±2.7  
153±33          
非照射    
 7 
 900±180          
16.26±0.53  
49.3±0.8  
 92±31**          
 50krad
 7 
 917±225          
15.89±0.46  
49.7±2.0  
 99±25**          
100krad
 7 
 932±141          
15.86±0.78  
47.9±2.3  
109±33*          

 
 
 
 
 
 
 対照    
 7 
 838±115          
17.15±0.48  
50.7±1.8  
 63±24          
非照射    
 7 
 910±169          
16.72±1.64  
48.7±4.9  
 67±24          
 50krad
 7 
 846± 62          
15.68±0.78**
45.4±3.6**
 55±10          
100krad
 7 
 933±189          
17.14±0.54  
51.9±2.0  
 71±16          

 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて



第4表 血液形態学的検査(24カ月目)
    群    
         
動物数
   
Erythrocyte       
[×10・E(4)/mm・E(3)]
Hemoglobin
  (g/dl)  
Hematocrit
  (%)     
Leucocyte        
[×10・E(2)/mm・E(3)]

 
 
 
 
 
 
 対照    
 7 
691±109           
14.30±1.73
42.4± 6.0 
 91±  30        
非照射    
 7 
716±222           
14.31±3.58
44.4±10.6 
174±  79*        
 50krad
 7 
707±135           
14.71±2.14
40.2±17.5 
111±  30        
100krad
 7 
736± 77           
15.56±0.84
47.1± 2.8 
148±  38*        

 
 
 
 
 
 
 対照    
 7 
644± 74           
14.48±1.17
43.7± 3.4 
 96±  21        
非照射    
 7 
662± 46           
14.74±0.54
45.2± 2.5 
 85±  32        
 50krad
 7 
600±169           
14.04±2.64
43.5± 5.9 
611±1339        
100krad
 7 
651±169           
15.32±0.99
46.4± 2.7 
 79±  31        

 *:P<0.05 対照群と比べて


(f) 血液生化学的検査

 3、12および24カ月のいずれの時期においても(表5、6、7)、雄雌とも添加群の肝の上清分画中のG−6−PHD値が対照群と比べて有意に増加し、3および12カ月のALPでは添加群で雄雌ともに有意の減少傾向を認めた。また12カ月の雌でアルブミンが対照群を含めて全般的にやや高い値を示した。その他において各群間に著しい群差は認められなかった。

 一方、非照射群に比べて、3カ月の雄100krad群でアルブミン、G−6−PHDの増加、総コレステロール、コレステロールエステルの減少、雌では100krad群のGOTの減少、12カ月の雄の照射群で総タン白量、GOT、GPTの減少、24カ月の雄の照射群で総タン白量、GOT,GPT,中性脂肪の減少、雌ではGOT,GPTの減少、24カ月の雄の照射群でアルブミンの増加が認められた。


第5表 血液生化学的検査(3カ月目)
             群             
    対 照     
    非照射      
   50krad   
   100krad   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
 10.00± 0.91
  8.74± 0.83 
  8.42± 0.68*
  8.44± 0.71*
T.Protein(g/100g)L       
 11.06± 0.70
 11.17± 0.49 
 12.16± 1.29 
 11.34± 0.50 
Albumin  (g/dl)          
  4.92± 0.31
  4.87± 0.22 
  5.03± 0.28 
  5.18± 0.13 
Urea−N   (mg/dl)         
 14.60± 2.34
 13.89± 2.87 
 13.01± 1.96 
 15.25± 2.14 
GOT  (Karmen unit)       
145.7 ±18.9 
149.3 ±31.1  
163.2 ±21.8  
157.6 ±13.1  
GPT  (Karmen unit)       
 60.4 ± 5.1 
 54.9 ±12.4  
 57.1 ± 5.0  
 52.7 ± 4.5* 
Glucose  (mg/dl)         
113.2 ± 4.8 
115.2 ± 3.2  
101.2 ±16.7  
109.1 ±10.4  
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
 15   ±10   
 24   ± 0**  
 28   ±10*   
 45   ±10**  
ALP  (mg phenol/dl)      
 56.0 ± 5.5 
 37.6 ± 6.6**
 30.7 ± 7.6**
 38.0 ± 2.3**
T.Chol.  (mg/dl)         
 90.5 ± 4.8 
113.2 ± 9.7**
100.3 ±12.0  
 82.5 ± 3.5  
F.Chol.  (mg/dl)         
 35.7 ±11.0 
 36.9 ± 6.1  
 34.3 ± 6.0  
 35.5 ±14.9  
E.Chol.  (mg/dl)         
 54.9 ±14.2 
 76.3 ±13.9* 
 51.7 ±26.1  
 47.0 ±15.2  
         %               
                         
 60.3 ±13.7 
            
 67.0 ± 7.7  
             
 65.9 ± 3.9  
  
 57.0 ±18.4  
             

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
  8.61± 0.77
  8.72± 1.01 
  9.10± 0.67 
  9.08± 0.51 
T.Protein(g/100g)L       
 11.61± 0.57
 10.66± 0.37*
 10.87± 0.36*
 11.18± 0.59 
Albumin  (g/dl)          
  4.94± 0.21
  5.16± 0.18 
  5.43± 0.31*
  5.12± 0.25 
Urea−N   (mg/dl)         
 12.09± 2.23
 15.88± 2.35*
 14.10± 1.89 
 14.14± 1.54 
GOT  (Karmen unit)       
154.7 ±10.3 
158.5 ± 3.6  
168.7 ±17.5  
145.6 ± 3.3  
GPT  (Karmen unit)       
 64.6 ± 9.3 
 62.6 ± 5.1  
 61.3 ±13.29 
 54.4 ± 4.4  
Glucose  (mg/dl)         
112.9 ±16.1 
113.9 ± 3.0  
114.8 ± 2.7  
112.7 ± 6.2  
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
 19   ±10   
 51   ±10**  
 55   ±20**  
 55   ± 0**  
ALP  (mg phenol/dl)      
 42.3 ± 8.9 
 35.6 ± 5.4  
 33.1 ± 2.1  
 30.0 ± 4.4* 
T.Chol.  (mg/dl)         
110.4 ± 4.3 
122.5 ±12.0  
124.2 ± 8.0* 
113.5 ± 4.4  
F.Chol.  (mg/dl)         
 36.7 ± 4.5 
 54.2 ±15.6  
 58.9 ±15.6* 
 45.6 ± 3.5* 
E.Chol.  (mg/dl)         
 73.7 ± 7.1 
 68.3 ±10.6  
 65.2 ±17.4  
 67.8 ± 5.2  
         %               
                         
 66.7 ± 4.7 
            
 56.4 ±12.4  
             
 52.4 ±12.8  
  
 59.7 ± 3.4* 
             

 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて



第6表 血液生化学的検査(12カ月目)
             群             
     対 照     
      非照射       
    50krad     
    100krad    

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
  8.48±  0.41
   8.53±  0.53  
  8.61±  0.33  
   8.16±  0.57 
T.Protein(g/100g)L       
 11.01±  0.62
  12.92±  1.87* 
 10.97±  0.81  
  10.45±  1.14 
Albumin  (g/dl)          
  4.62±  0.19
   4.68±  0.51  
  4.75±  0.30  
   4.72±  0.37 
Urea−N   (mg/dl)         
 14.52±  2.40
  18.70±  2.06**
 15.15±  1.61  
  16.51±  3.00 
GOT  (Karmen unit)       
251.7 ± 70.2 
 201.3 ± 30.0   
160.7 ± 22.5** 
 146.7 ± 22.8**
GPT  (Karmen unit)       
114.1 ± 49.4 
  75.6 ± 20.4   
 52.0 ±  7.7** 
  54.3 ± 12.5**
Glucose  (mg/dl)         
118.4 ±  7.7 
 106.4 ±  7.6*  
113.7 ±  5.2   
 116.0 ±  3.1  
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
 23.7 ±  6.0 
  51.1 ± 13.2** 
 52.5 ± 17.5** 
  56.7 ±  5.9**
ALP  (mg phenol/dl)      
 34.4 ±  3.8 
  27.6 ±  4.1** 
 25.2 ±  2.2** 
  25.4 ±  3.3**
T.Chol.  (mg/dl)         
133.8 ± 27.8 
 154.3 ± 40.2   
149.9 ± 30.2   
 125.5 ± 34.2  
F.Chol.  (mg/dl)         
 38.9 ± 15.8 
  32.0 ±  7.1   
 25.5 ±  8.4   
  27.8 ± 10.8  
E.Chol.  (mg/dl)         
 95.0 ± 15.5 
 123.5 ± 44.2   
124.5 ± 31.4   
  97.8 ± 25.4  
         %               
 71.7 ±  7.0 
  77.9 ± 12.0   
 82.3 ±  8.0*  
  78.2 ±  4.6  
Triglycerid S(mg/dl)     
 60.6 ± 40.9 
  79.3 ± 38.6   
 86.4 ± 35.8   
  65.2 ± 44.8  
Triglycerid L(μg/100g)   
                         
452.4 ±155.7 
             
1889.9 ±174.7** 
                
624.9 ±578.6   
        
 458.4 ±574.9  
               

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
  9.28±  0.55
   8.80±  0.75  
  9.06±  0.45  
   9.14±  0.63 
T.Protein(g/100g)L       
 11.99±  1.18
  12.62±  0.78  
 12.17±  1.04  
  12.62±  1.61 
Albumin  (g/dl)          
  6.59±  0.44
   6.18±  0.47  
  6.34±  0.65  
   6.42±  0.63 
Urea−N   (mg/dl)         
 13.10±  1.60
  18.63±  2.00**
 17.16±  2.00**
  14.95±  2.30 
GOT  (Karmen unit)       
194.0 ± 40.7 
 186.8 ± 18.0   
169.1 ± 27.8   
 162.3 ± 56.0  
GPT  (Karmen unit)       
 73.1 ± 25.0 
 109.7 ± 31.1*  
 59.0 ± 13.1   
  55.1 ± 18.2  
Glucose  (mg/dl)         
109.9 ±  2.7 
 104.9 ±  7.1   
103.6 ±  5.8*  
 110.9 ±  8.4  
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
 63.6 ± 10.1 
 135.3 ± 35.8** 
187.8 ± 34.0** 
 174.8 ± 43.5**
ALP  (mg phenol/dl)      
 31.4 ±  2.8 
  22.2 ±  1.4** 
 20.9 ±  1.5** 
  21.6 ±  3.6**
T.Chol.  (mg/dl)         
191.8 ± 17.0 
 184.8 ± 29.2   
211.4 ± 31.2   
 208.2 ± 28.7  
F.Chol.  (mg/dl)         
 68.0 ± 15.5 
  71.5 ± 23.5   
 71.2 ±  8.7   
  65.8 ± 14.8  
E.Chol.  (mg/dl)         
123.8 ± 27.9 
 113.3 ± 49.5   
140.2 ± 23.8   
 142.4 ± 22.0  
         %               
 64.0 ±  9.8 
  59.2 ± 16.1   
 66.1 ±  2.5   
  68.4 ±  5.9  
Triglycerid S(mg/dl)     
 58.4 ±  6.5 
 123.1 ± 34.2   
 81.8 ± 27.6   
 111.1 ± 75.8  
Triglycerid L(μg/100g)   
584.4 ± 65.1 
 652.8 ±246.9   
914.6 ±372.3   
1110.7 ±758.4  

 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて



第7表 血液生化学的検査(24カ月目)
             群             
     対 照     
      非照射     
    50krad     
    100krad    

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
  8.50±  0.47
  7.89±  0.98 
  8.09± 0.76  
  8.40±  0.61  
T.Protein(g/100g)L       
  6.89±  0.37
  6.91±  0.98 
  7.16± 0.43  
  7.36±  0.72  
Albumin  (g/dl)          
  4.09±  0.88
  4.08±  0.40 
  4.89± 0.86  
  5.28±  0.59* 
Urea−N   (mg/dl)         
 24.42±  7.25
 22.88±  5.43 
 20.57± 7.38  
 19.89±  6.20  
GOT  (Karmen unit)       
134.1 ± 14.7 
243.3 ±155.7  
215.7 ±154.1   
169.7 ± 29.9*  
GPT  (Karmen unit)       
 28.4 ± 10.3 
 72.4 ± 45.4* 
 42.9 ± 19.6   
 35.7 ± 10.0   
Glucose  (mg/dl)         
 97.3 ± 14.4 
102.7 ±  9.0  
108.7 ± 16.3   
101.2 ±  6.9   
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
253.1 ± 57.4 
384.9 ±191.1  
533.6 ±155.8** 
585.3 ±229.0** 
ALP  (mg phenol/dl)      
 24.4 ±  9.4 
 34.4 ±  7.8  
 27.7 ± 9.9   
 29.6 ±  6.3   
T.Chol.  (mg/dl)         
357.1 ±155.5 
336.2 ± 49.7  
282.1 ± 84.2   
262.5 ± 59.0   
F.Chol.  (mg/dl)         
 74.5 ± 31.6 
 67.5 ± 13.4  
 59.7 ± 14.8   
 49.5 ± 11.3   
E.Chol.  (mg/dl)         
282.6 ±125.6 
268.8 ± 42.8  
222.4 ± 76.0   
213.0 ± 51.5   
         %               
 78.8 ±  3.8 
 79.8 ±  3.1  
 78.0 ± 5.0   
 80.8 ±  3.5   
Triglycerid S(mg/dl)     
160.1 ±125.9 
141.4 ±121.4  
 83.8 ± 43.3   
 77.1 ± 29.1   
Triglycerid L(μg/100g)   
                         
228.6 ± 94.6 
             
281.8 ±216.8  
              
333.8 ±236.6   
      
215.6 ± 71.5   
               

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T.Protein(g/dl)S         
  8.83±  0.49
  8.94±  0.32 
  8.54± 0.97  
  9.03±  0.43  
T.Protein(g/100g)L       
  9.73±  0.33
  9.67±  0.48 
  9.69± 0.17  
  9.97±  0.31  
Albumin  (g/dl)          
  5.21±  0.88
  5.40±  0.51 
  4.36± 1.01  
  5.09±  0.99  
Urea−N   (mg/dl)         
 19.32±  3.59
 24.95±  8.74 
 26.91± 6.64* 
 25.37±  5.03* 
GOT  (Karmen unit)       
197.6 ± 36.0 
175.9 ± 56.3  
212.7 ±154.1   
165.6 ± 19.2   
GPT  (Karmen unit)       
 54.1 ± 11.2 
 54.4 ±  8.1  
 51.3 ± 37.0   
 51.4 ±  6.2   
Glucose  (mg/dl)         
 94.7 ± 13.8 
102.4 ±  3.2  
 91.0 ± 17.1   
105.1 ± 14.1   
Liver G−6−PDH(mμmole/min)
244.4 ± 52.4 
590.5 ±134.7**
531.9 ±229.9** 
654.1 ±226.5** 
ALP  (mg phenol/dl)      
 31.0 ±  3.2 
 36.1 ± 12.6  
 25.2 ± 8.9   
 28.4 ±  4.9   
T.Chol.  (mg/dl)         
315.4 ± 79.2 
286.7 ± 61.6  
360.0 ±167.8   
332.1 ±155.9   
F.Chol.  (mg/dl)         
 33.8 ± 19.8 
 33.5 ± 16.2  
 52.1 ± 40.9   
 43.0 ± 29.4   
E.Chol.  (mg/dl)         
273.0 ± 67.1 
253.2 ± 47.7  
307.9 ±162.9   
289.1 ±127.2   
         %               
 89.7 ±  3.8 
 88.7 ±  3.6  
 84.9 ± 12.2   
 87.8 ±  2.7   
Triglycerid S(mg/dl)     
126.6 ± 31.8 
161.1 ± 75.4  
242.1 ±176.0   
202.9 ± 79.0*  
Triglycerid L(μg/100g)   
157.7 ± 45.9 
217.4 ± 60.2  
233.4 ±132.2   
188.8 ± 39.4   

 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて


(g) 臓器重量

 対照群および非照射群の両者に比べ、実測値と比重量 共に同一方向に有意の差を示すものについて述べる。

 3カ月:表8、表9に示すように、対照群に比べ雄では非照射群の副腎の減少、50krad群の肺、腎および副腎の減少、100krad群の腎の減少、雌では非照射群の脳の増加と卵巣の減少である。しかし非照射群との間では雌の50krad群の脾の増加のみが認められた。

 12カ月:表10、11に示すように対照群に比べ雄では100krad群の心および腎の減少が認められた。しかし、非照射群との間では雄50krad群の脳下垂体、100krad群の肝および腎の減少、雌の50krad群の甲状腺の増加が認められた。

 24カ月:表12、13に示すように、対照群に比べ雄では50krad群の肺および肝の減少、100krad群の心、肺、肝および腎の減少が認められ、雌では認められなかった。また非照射群との間では雄の50krad群の心の減少、100krad群の甲状腺、心および腎の減少が認められたが、雌では認められなかった。


第8表 臓器重量(3カ月目)
    群    
         
   体 重     
    g      
     脳     
     g     
脳下垂体 
 mg  
    心     
    g     
     肺     
     g     
 肝     
 g     
    腎     
    g     
  副 腎  
   mg  
     脾     
     g     
  精 巣・卵 巣  
   g   mg  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
306.0± 7.9 
           
1.93±0.02  
0.63±0.02  
22±21
 7± 7
0.85±0.20 
0.28±0.06 
1.38±0.13  
0.45±0.05  
11.25±0.70
 3.67±0.19
2.55±0.30 
0.83±0.11 
58± 4  
19± 1  
0.57±0.04  
0.18±0.01  
2.84±0.03  
0.93±0.02  
非照射    
       
297.6±25.2 
           
1.89±0.08  
0.64±0.06  
 5± 2
 2± 1
0.88±0.05 
0.30±0.04 
1.29±0.01  
0.43±0.07  
11.05±0.62
 3.72±0.19
2.17±0.14*
0.73±0.10 
39± 5**
13± 3* 
0.54±0.03  
0.18±0.02  
2.66±0.10**
0.89±0.08  
 50krad
       
318.2±22.1 
           
1.92±0.09  
0.61±0.04  
 8± 3
 3± 1
0.85±0.03 
0.27±0.02 
1.20±0.10* 
0.38±0.03* 
10.91±1.13
 3.46±0.24
2.17±0.19*
0.68±0.05*
33±10**
10± 3**
0.60±0.08  
0.19±0.02  
2.78±0.25  
0.88±0.07  
100krad
       
295.2±26.8 
           
1.82±0.13  
0.62±0.06  
 7± 3
 3± 1
0.82±0.12 
0.28±0.03 
1.19±0.25  
0.41±0.09  
10.73±1.47
 3.62±0.28
2.06±0.31*
0.70±0.07*
46±14  
16± 5  
0.54±0.06  
0.18±0.02  
2.54±0.25* 
0.87±0.09  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
185.6± 9.6 
           
1.77±0.05  
0.95±0.04  
 7± 4
 4± 2
0.56±0.04 
0.30±0.30 
0.96±0.05  
0.49±0.05  
 6.25±0.43
 3.37±0.17
1.59±0.43 
0.86±0.21 
51± 4  
27± 3  
0.41±0.05  
0.22±0.02  
  90±25    
  48±12    
非照射    
       
171.8± 5.1*
           
1.86±0.06* 
1.08±0.05**
12±12
 7± 7
0.59±0.46 
0.34±0.01*
0.92±0.07  
0.53±0.03  
 5.84±0.60
 3.39±0.28
1.28±0.06 
0.75±0.03 
44± 8  
26± 4  
0.35±0.03**
0.20±0.01  
  48±18*   
  28±10*   
 50krad
       
172.0±13.2 
           
1.71±0.11  
1.00±0.10  
 8± 5
 5± 3
0.58±0.04 
0.34±0.02 
1.03±0.10  
0.60±0.05**
 6.02±0.22
 3.51±0.22
1.31±0.13 
0.76±0.03 
46±11  
27± 6  
0.40±0.02  
0.23±0.02  
  59±16*   
  34± 8    
100krad
       
173.4±12.1 
           
1.78±0.05  
1.01±0.04  
 8± 5
 5± 4
0.58±0.05 
0.33±0.02 
1.01±0.29  
0.61±0.17  
 5.69±0.79
 3.27±0.28
1.41±0.13 
0.82±0.08 
74±42  
43±24  
0.38±0.04  
0.22±0.03  
  85±31    
  50±22    

上段:実測値
下段:体重比
 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて



第9表 臓器重量(12カ月目)
    群    
         
   体 重    
    g     
    脳     
    g     
  脳下垂体  
   mg   
   甲状腺   
    mg   
    心     
    g     
肺     
g     
     肝      
     g      
     腎     
     g     
 副腎  
 mg  
     脾     
     g     
  精 巣・卵 巣  
   g   mg  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
398.6±26.2
          
1.97±0.07 
0.50±0.03 
 7.9±3.4
 2.0±1.0
15.0±4.5 
 3.8±1.1 
1.01±0.10 
0.25±0.02 
1.20±0.15 
0.30±0.04 
12.39±1.20  
 3.11±0.20  
2.67±0.29  
0.67±0.05  
34±11
 9± 3
0.62±0.04  
0.16±0     
2.96±0.16  
0.74±0.06  
非照射    
       
398.1±31.4
          
1.97±0.06 
0.50±0.04 
 8.3±1.6
 2.5±0.7
19.7±5.4 
 5.0±1.5 
0.96±0.09 
0.24±0.02 
1.20±0.11 
0.30±0.03 
13.50±1.17  
 3.39±0.13**
2.68±0.14  
0.68±0.05  
32± 3
 8± 1
0.65±0.05  
0.17±0.01  
2.98±0.28  
0.75±0.04  
 50krad
       
375.4±30.6
          
1.97±0.04 
0.53±0.04 
 5.7±2.1
 1.5±0.5
15.4±3.4 
 4.1±0.9 
0.90±0.05*
0.24±0.02 
1.27±0.06 
0.34±0.02*
12.94±2.36  
 3.44±0.53  
2.46±0.15  
0.66±0.05  
28± 6
 7± 2
0.62±0.08  
0.16±0.03  
2.58±0.26**
0.69±0.08  
100krad
       
391.7±16.0
          
1.98±0.05 
0.50±0.02 
 8.6±3.6
 2.2±0.9
15.9±5.2 
 4.0±1.2 
0.88±0.05*
0.23±0*   
1.13±0.06 
0.29±0.01 
11.59±0.76  
 2.96±0.16  
2.36±0.11* 
0.60±0.03**
30±12
 8± 3
0.62±0.05  
0.16±0.01  
2.89±0.12  
0.74±0.04  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
238.3±24.3
          
1.77±0.05 
0.75±0.07 
10.1±1.8
 4.3±0.8
17.0±3.4 
 7.2±1.6 
0.67±0.05 
0.28±0.03 
0.85±0.09 
0.36±0.04 
 7.65±0.71  
 3.23±0.31  
1.70±0.18  
0.72±0.09  
49± 9
21± 5
0.48±0.04  
0.20±0.03  
  65±15    
  28± 8    
非照射    
       
226.4±25.4
          
1.81±0.05 
0.80±0.07 
 8.2±3.3
 3.7±1.5
12.6±2.6*
 5.6±1.2 
0.65±0.04 
0.29±0.03 
0.86±0.07 
0.38±0.04 
 7.02±0.58  
 3.11±0.21  
1.54±0.14  
0.69±0.08  
41±10
19± 6
0.43±0.01**
0.19±0.02  
  58±15    
  26± 9    
 50krad
       
243.7±15.4
          
1.83±0.05 
0.75±0.06 
12.0±2.2
 4.9±0.9
19.6±2.9 
 8.0±1.3 
0.66±0.04 
0.27±0.02 
0.88±0.10 
0.36±0.05 
 7.69±0.76  
 3.15±0.20  
1.70±0.17  
0.70±0.07  
49± 5
20± 3
0.46±0.05  
0.19±0.02  
 113±77    
  46±32    
100krad
       
231.1±27.7
          
1.83±0.04*
0.81±0.13 
 9.4±2.6
 4.1±0.9
16.4±4.5 
 7.0±1.5 
0.66±0.04 
0.29±0.05 
0.84±0.05 
0.37±0.07 
 7.28±0.60  
 3.17±0.28  
1.65±0.19  
0.72±0.07  
44±11
19± 3
0.43±0.05* 
0.19±0.01  
  58±19    
  26± 8    

上段:実測値
下段:体重比
 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて



第10表 臓器重量(24カ月目)
    群    
         
   体 重     
    g      
    脳     
    g     
   脳下垂体    
    mg     
   甲状腺    
    mg    
    心
    g
    肺     
    g     
     肝      
     g      
     腎     
     g     
   副腎   
   mg   
    脾    
    g    
 精 巣・卵 巣 
  g   mg 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
378.3±29.7 
           
1.85±0.22 
0.50±0.09 
17.9±  1.73
 4.8±  4.2 
38.4±14.1 
10.4± 4.0 
1.12±0.08
0.30±0.03
1.64±0.20 
0.44±0.08 
18.34±4.04  
 4.87±1.09  
3.75±0.67  
1.00±0.21  
264±489 
 68±124 
1.40±0.62
0.38±0.19
4.35±2.38
1.18±0.71
非照射    
       
322.6±40.5*
           
2.00±0.16 
0.63±0.11*
14.0± 10.5 
 4.2±  2.7 
39.4± 9.1 
12.6± 4.1 
1.14±0.10
0.36±0.07*
1.66±0.41 
0.53±0.19 
14.29±1.09* 
 4.49±0.69  
2.87±0.19**
0.90±0.11  
 97± 62 
 30± 15 
2.08±1.12
0.69±0.41
6.23±4.95
1.84±1.30
 50krad
       
386.4±35.3 
           
1.83±0.24 
0.48±0.08 
11.0±  7.9 
 2.9±  2.0 
33.6± 5.3 
 8.9± 2.2 
1.02±0.11
0.26±0.04
1.35±0.20*
0.35±0.06*
13.36±1.81* 
 3.48±0.52* 
2.93±0.45* 
0.77±0.20  
 52±  7 
 14±  3 
1.52±0.76
0.40±0.20
4.07±1.32
1.09±0.48
100krad
       
374.1±46.9 
           
1.94±0.11 
0.52±0.06 
11.0±  5.3 
 2.9±  1.4 
25.9± 6.9*
 7.1± 2.2 
0.96±0.14*
0.26±0.02*
1.30±0.22*
0.35±0.02*
12.83±2.72* 
 3.42±0.47**
2.55±0.23**
0.69±0.07**
 50±  9 
 14±  2 
1.21±0.69
0.32±0.15
3.60±1.21
0.95±0.24

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 対照    
       
261.0±45.3 
           
1.82±0.11 
0.71±0.10 
68.3±137.0 
34.2± 72.1 
29.4± 6.8 
11.3± 1.8 
0.79±0.07
0.31±0.05
1.11±0.10 
0.44±0.10 
 9.44±1.03  
 3.69±0.61  
2.25±0.17  
0.89±0.18  
 64± 17 
 25±  8 
0.63±0.27
0.25±0.11
  63±11  
  23± 2  
非照射    
       
290.1±14.7 
           
1.85±0.08 
0.64±0.03 
11.7±  7.9 
 4.0±  2.6 
28.2±10.8 
 9.6± 3.8 
0.81±0.07
0.28±0.02
1.03±0.10 
0.35±0.04 
 9.81±1.74  
 3.37±0.49  
2.10±0.23  
0.72±0.07* 
 51± 10 
 18±  3*
0.68±0.44
0.23±0.15
  82±24  
  28± 8  
 50krad
       
259.4±35.3 
           
1.81±0.06 
0.71±0.11 
64.2±121.5 
25.9± 50.0 
28.1± 7.7 
10.8± 2.3 
0.85±0.19
0.33±0.09
1.22±0.46 
0.48±0.21 
10.33±3.76  
 4.01±1.57  
2.38±0.89  
0.93±0.39  
 63± 14 
 25±  8 
2.60±5.27
1.07±2.22
  66±15  
  26± 8  
100krad
       
266.1±22.5 
           
1.82±0.04 
0.69±0.05 
18.6± 13.1 
 7.2±  5.5 
30.3± 4.6 
11.4± 1.6 
0.78±0.10
0.29±0.05
0.99±0.12 
0.37±0.06 
 8.87±1.37  
 3.36±0.65  
2.11±0.48  
0.81±0.22  
 57±  8 
 21±  4 
0.53±0.07
0.20±0.03
  68±19  
  26± 8  

上段:実測値
下段:体重比
 *:P<0.05 対照群と比べて
**:P<0.01 対照群と比べて


(h) 病理学的検査
(イ) 剖検所見

 3カ月:雄雌とも特に著変を認めない。

 12カ月:表14に示すように、雄では対照群に肝の横隔膜癒着(1例)、肝腫大(2例)、50krad群に精巣水腫(1例)、雌では非照射群に脳下垂体の血腫(1例)、50krad群に小豆大の卵巣水腫(2例)を認める。

 24カ月:表15に示すように、雄雌ともに脳下垂体、肺、肝、腎、副腎および生殖器などに変化をみる。主な変化としては、雄雌ともに肝の腫瘤および褪色、腎の表面粗造、脾の腫大などであり、そのほか、雄で精巣の萎縮および水腫などをみる。

 また、腫瘤の発現についてみると、肺では雄の50krad群、雌の100krad群でそれぞれ1例、肝では、雄の対照および50krad群、雌の対照および100krad群で各々2例ずつ認められる。その外、腋下部皮下織の腫瘤を雌の非照射群の1例に認める。

 しかし、一般的変化および腫瘤の発現ともに、群間あるいは照射線量間に一定の傾向は認められない。

 自然死亡動物:表16に示すように、実験中に死亡した動物の肉眼的所見のうち、特に腫瘤について述べると、脳下垂体では雄の非照射、雌の50および100krad群で血腫がみられる。肺では雄の非照射および100krad群で各1例に白色腫瘤を、肝では対照群、非照射および100krad群でそれぞれ雄の2、2および1例に、雌で100krad群の1例に腫瘤がみられる。その外、雄の100krad群の1例の精巣に、また、頬部、胸部、下腹部などに非照射、50および100krad群で各々1、1および3例、雌では対照群で頬部、50krad群で腹部、また、100krad群で腋下部にそれぞれ各1例ずつの腫瘤が認められる。


表14 病理・肉眼的所見(12カ月目)
          
       雄              
       雌              
    群     
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
   検査動物数  
 7 
 7 
  7   
   7   
 7 
 7 
  7   
   7   
脳下垂体 血 腫  
   
   
      
       
   
 1 
      
       
肝   
    
    
腫 大  
 2 
   
      
       
   
   
      
       
横隔膜癒着
 1 
   
      
       
   
   
      
       
精 巣  水 腫  
   
   
  1   
       
   
   
      
       
卵 巣  水 腫  
   
   
      
       
   
   
  2   
       



表15 病理・肉眼的所見(24カ月目)
          
       雄              
       雌              
    群     
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
   検査動物数  
 8 
 7 
 14   
  10   
13 
13 
 10   
   8   
脳下垂体 血 腫  
 1 
   
      
   1   
   
   
      
   1   
肺   
    
    
    
    
    
    
腫 瘤  
   
   
  1   
       
   
   
      
   1   
肝変様変化
 1 
   
  1   
       
   
 1 
  1   
       
肋膜癒着 
   
   
  1   
       
   
 1 
      
       
膿 瘍  
   
   
      
       
 1 
   
  1   
   1   
肝   
    
    
    
    
腫 瘤  
 2 
   
  2   
       
 2 
   
      
   2   
腫 大  
 1 
   
  4   
       
 2 
 4 
      
       
褪 色  
 3 
 1 
  4   
   2   
 2 
 5 
  4   
       
腎    表面粗造 
 4 
 2 
  4   
   5   
   
 2 
  2   
       
脾   
    
    
腫 大  
 1 
 4 
  5   
   5   
 1 
 3 
  1   
       
壊 死  
   
 1 
      
       
   
   
      
       
精 巣 
    
    
    
    
萎 縮  
 2 
 3 
  7   
   5   
   
   
      
       
水 腫  
 5 
 4 
  9   
   4   
   
   
      
       
肥 大  
 2 
 1 
  2   
   2   
   
   
      
       
卵 巣  水 腫  
   
   
      
       
 2 
 1 
      
       
副 腎  腫 大  
 1 
 2 
  1   
   1   
 1 
 1 
      
       
腋下部皮下織腫瘤  
   
   
      
       
   
 1 
      
       



表16 病理・死亡動物の肉眼的所見(腫瘤のみ)
       
       雄              
       雌              
   群   
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
検査した動物数
10 
11 
  4   
   8   
 5 
 5 
  8   
  10   
脳下垂体   
   
 2 
      
       
   
   
  2   
   7   
肺      
   
 1 
      
   1   
   
   
      
       
肝      
 2 
 2 
      
   1   
   
   
      
   1   
精 巣    
   
   
      
   1   
   
   
      
       
皮下織
   
   
腋下部
   
   
      
       
   
   
      
   1   
腹 部
   
   
  1   
   1   
   
   
  1   
       
頬部皮膚   
   
 1 
      
   2   
 1 
   
      
       


(ロ) 病理組織学的所見
i) 臓器観察

 3カ月:雄雌の各群ともに各臓器で異常を認めない。

 12カ月:表17に示すように、雄雌ともに甲状腺濾胞上皮細胞の軽度の剥離脱落、肺胞壁肥厚および腎尿円柱、脾でヘモシデリン沈着などであり、これらの所見は、群間および照射線量間に著しい差をみない。

 24カ月:(腫瘍については腫瘍の項で述べる)表18に示すように、雄雌ともに肺で肺胞壁の肥厚、肝で肝細胞の膨化、グリッソン氏鞘内円形細胞浸潤、腎で慢性腎炎像すなわち、糸球体の硬化、ボーマン嚢周囲結合織増殖、上皮性尿円柱、硝子様尿円柱、尿細管上皮細胞の硝子滴変性、間質の結合織増殖および円形細胞の浸潤などが認められる。

 また、雌の腎では尿細管上皮細胞に褐色色素の存在および尿細管内に石灰沈着をみる。脾では、雄雌ともに充うっ血およびヘモシデリンの沈着を認める。その他の臓器では、雄で精巣において細精管の萎縮および精子形成不良などを認める。

 以上の変化の出現傾向について、対照群と他の群あるいは、照射線量間に殆んど差を認めない。


表17 病理・組織学的所見(12カ月目)
                
       雄              
       雌              
       群        
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
検査した動物数         
 7 
 7 
  7   
   7   
 7 
 7 
  7   
   7   
脳下垂体 血腫         
   
   
      
       
   
 1 
      
       
甲状腺 
    
    
濾胞上皮脱落     
 4 
 6 
  7   
   5   
   
   
      
       
扁平上皮化      
   
   
      
   1   
   
   
      
       
心    円形細胞浸潤     
 2 
   
      
       
   
   
      
       
肺 
  
  
  
  

 

 
 
肺胞壁肥厚      
 2 
 2 
  3   
   2   
 2 
 3 
  4   
   2   
泡沫細胞浸潤     
   
 2 
      
       
   
   
      
       
リンパ組織リンパ球増殖
   
   
      
       
 1 
   
      
       
肝 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

 

限局性壊死      
 1 
 2 
  2   
   1   
   
   
      
       
空胞化        
   
   
  1   
       
   
   
      
       
円形細胞浸潤     
 1 
 2 
  2   
   2   
 1 
 1 
      
       
グリッソン氏鞘      
  円形細胞浸潤     
   
   
   
   
      
  1   
       
       
   
 1 
   
 3 
      
  2   
       
       
毛細胆管         
  増 殖        
   
   
   
   
      
  1   
       
   1   
   
   
   
   
      
      
       
       
クッパー星細胞肥大    
   
 1 
      
       
   
 1 
      
       
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
尿
 
 

 
 

 
 
上皮性尿円柱     
 7 
 7 
  7   
   7   
 5 
 5 
  5   
   3   
硝子様尿円柱     
 4 
 7 
  4   
   3   
 5 
 4 
  4   
   4   
硝子滴変性      
 4 
 1 
  2   
       
 1 
 1 
  3   
   2   
拡張         
   
 4 
      
       
 3 
   
  2   
   3   
石灰沈着       
   
   
      
       
   
   
  2   
   1   
間 質          
  円形細胞浸潤     
   
 2 
   
 1 
      
      
       
   1   
   
   
   
   
      
  1   
       
   1   
脾 
  
  
  ヘモジデリン沈着   
 7 
 6 
  7   
   7   
 6 
 7 
  5   
   7   
  充うっ血       
   
   
  1   
       
   
   
      
       
副 腎             
   皮質空胞化        
   
   
   
   
      
  1   
       
       
   
   
   
   
      
      
       
       
     充うっ血       
   
   
      
       
 1 
   
      
       



表18−a 病理・組織学的所見(24カ月)
                
       雄              
       雌              
       群        
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
  検査した動物数       
 8 
 7 
 14   
  10   
13 
13 
 10   
   8   
脳   
    
    
    
    
グリア細胞増殖    
   
 2 
  2   
       
   
   
      
       
グリア細胞集簇    
   
   
  1   
       
   
   
  1   
       
偽神経喰作用     
   
   
  1   
       
   
 1 
      
       
脳下垂体
    
    
    
    
    
    
嚢胞形成       
   
   
      
       
   
   
      
   1   
充うっ血       
 1 
   
      
       
   
   
      
       
血 腫        
 1 
   
      
       
   
   
      
       
色素嫌性細胞増殖   
   
   
      
       
   
   
      
   1   
甲状腺 
    
    
    
    
濾胞拡張       
   
   
  2   
       
 2 
   
      
       
間質増殖       
 1 
   
      
       
   
   
  1   
       
上皮小体拡張     
 1 
   
      
       
   
   
      
       
心   
    
    
    
    
限局性壊死      
   
   
      
       
   
   
  1   
       
繊維組織増殖     
 1 
   
      
   1   
   
   
  1   
       
円形細胞浸潤     
   
 2 
  3   
   2   
 2 
 1 
      
       
肺 
  
  
  
  
  
  
 

 
 
 

 
泡沫細胞浸潤     
 1 
   
      
       
   
   
      
       
円形細胞浸潤     
   
 2 
  1   
       
   
 1 
      
       
肺胞壁肥厚      
   
 3 
  3   
   3   
 6 
 3 
  2   
   3   
リンパ組織リンパ球増殖
   
   
      
       
 1 
   
      
       
肝 
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

 

膨 化        
 5 
 3 
  8   
   4   
 2 
 7 
  7   
   2   
空胞化        
 2 
   
  4   
       
 2 
   
  1   
       
限局性壊死      
 4 
 1 
  1   
   3   
   
   
      
       
グリッソン氏鞘内     
  円形細胞浸潤     
 2 
   
 1 
   
  5   
      
   4   
       
 6 
   
 6 
   
  3   
      
   2   
       
毛細胆管 増殖      
 4 
 5 
 10   
   2   
   
   
  2   
       
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
糸球体・硬化       
 7 
 1 
  3   
   2   
 5 
 4 
  5   
   4   
 
尿
 

 

 
 
 
 
 
上皮性尿円柱     
 7 
 7 
 12   
   7   
11 
 6 
  7   
   5   
硝子様尿円柱     
 8 
 7 
 11   
   9   
12 
13 
  8   
   8   
拡 張        
 8 
 2 
  4   
   5   
 8 
 7 
  4   
   4   
硝子滴変性      
 3 
 3 
  3   
   2   
 6 
 3 
  2   
   5   
上皮細胞菲薄化    
 3 
   
  1   
       
   
   
      
       
石灰沈着       
   
   
      
       
 1 
 8 
  3   
   5   
 

 

 
円形細胞浸潤     
 8 
 4 
  8   
   5   
 4 
 7 
  5   
   3   
水 腫        
   
   
      
       
   
   
  1   
       
結合織増殖      
 8 
 4 
  8   
   4   
 5 
 7 
  6   
   5   
脾 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  充うっ血       
 5 
 4 
  8   
   3   
 2 
 1 
  1   
   1   
  ヘモジデリン沈着   
 4 
 3 
  9   
   6   
12 
 9 
  6   
   6   
  濾胞萎縮       
 1 
 1 
  2   
   1   
 2 
 1 
  1   
   1   
  壊 死        
   
   
      
       
   
   
  1   
       
  繊維組織増殖     
   
 1 
      
   1   
   
   
      
       
  アミロイド変性    
 1 
   
      
       
   
   
      
       



表18−b 病理・組織学的所見(24カ月)
               
       雄              
       雌              
       群       
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

褐色細胞増殖    
 1 
   
      
       
 1 
 1 
      
       
壊 死       
   
   
      
       
   
 1 
      
       
 

 
 

 
 
 
 
空胞化       
   
 1 
      
   1   
 1 
 2 
  2   
   1   
円形細胞浸潤    
   
 1 
      
       
   
   
      
       
充うっ血      
   
   
      
       
 1 
 1 
  1   
   1   
膨 化       
   
   
      
       
   
   
  1   
       
出 血       
   
   
      
       
   
   
  1   
       
精巣
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 

 

 

 
精子形成不良    
 4 
 1 
  4   
   4   
   
   
      
       
多核細胞出現    
 1 
   
      
       
   
   
      
       
石灰沈着      
   
 2 
  4   
   2   
   
   
      
       
萎 縮       
 2 
 2 
  7   
   5   
   
   
      
       

 

出 血       
   
   
 1    
       
   
   
      
       
間質細胞増殖    
 1 
   
      
       
   
   
      
       
卵巣   嚢胞形成      
   
   
      
       
 1 
   
      
       


ii) 腫瘍

 24カ月目に殺処分した動物および途中死亡した動物(但し、雄の対照群2例、非照射群4例、雌の対照群および非照射群各1例、50krad群の2例は、いずれも自己融解が著しく、検査の対象から除外した)の腫瘍発現について、図3、表19および表20に示す。

 24カ月解剖例および死亡動物の雌の脳下垂体色素嫌性細胞腫に群間で若干の差がみられるが、解剖例と死亡例でその差が相反し一定の傾向は認められない。

 なお、15カ月以前に殺処分あるいは死亡した動物では、腫瘍の発現を認めない。

 また、16カ月以後に殺処分あるいは死亡した動物の組織学的所見をまとめて表21に示す。雄では精巣の間質細胞腫が多く、また、雌では脳下垂体の色素嫌性細胞腫が多く認められる。その他の臓器および組織では、雄雌ともに甲状腺および肺の腺腫、肝で肝細胞癌、胆管腫、脾で組織球腫およびリンパ腫、副腎で腺腫、子宮で平滑筋腫、腋下部皮下織で腺維腺腫、リンパ節でリンパ腫などを認めるが、その発生は散発的である。

 また、腫瘍発現の経過についてみると、その初発例は、図3に示すように、雄では、対照、非照射、50および100krad群でそれぞれ、16、16、18および17カ月目に認められ、23カ月目までに死亡あるいは屠殺解剖した動物の腫瘍発現数は対照群3/8例、非照射群5/7例、50krad群1/4例、100krad群5/8例である。また、24カ月目においては、対照群6/8例、非照射群7/7例、50krad群14/14例、100krad群9/10例で、非照射および50kradの各群では24カ月目にすべての動物に腫瘍の発現を認める。雌では、初発を対照および非照射群で20カ月目に、50krad群で16カ月目、100krad群で18カ月目に認める。また、23カ月目までに死亡あるいは屠殺解剖した動物の腫瘍発現数は、対照、非照射、50および100krad群でそれぞれ1/4例、1/4例、3/6例および8/10例であり、24カ月目に解剖した動物では対照群6/13例、非照射群4/13例、50krad群3/10例および100krad群4/8例である。

 なお、3、12カ月目に殺処分した動物および15カ月以前に死亡した動物等を含む総検索数に対する腫瘍の発現数は、第18表に示すように、雄で対照群10/28例、非照射群12/26例、50krad群15/30例および100krad群14/30例である。

 また、雌では、対照群7/29例、非照射群6/29例、50krad群6/28例、100krad群11/30例である。


表18−a 病理・組織学的所見(24カ月)
                
       雄              
       雌              
       群        
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
  検査した動物数       
 8 
 7 
 14   
  10   
13 
13 
 10   
   8   
脳   
    
    
    
    
グリア細胞増殖    
   
 2 
  2   
       
   
   
      
       
グリア細胞集簇    
   
   
  1   
       
   
   
  1   
       
偽神経喰作用     
   
   
  1   
       
   
 1 
      
       
脳下垂体
    
    
    
    
    
    
嚢胞形成       
   
   
      
       
   
   
      
   1   
充うっ血       
 1 
   
      
       
   
   
      
       
血 腫        
 1 
   
      
       
   
   
      
       
色素嫌性細胞増殖   
   
   
      
       
   
   
      
   1   
甲状腺 
    
    
    
    
濾胞拡張       
   
   
  2   
       
 2 
   
      
       
間質増殖       
 1 
   
      
       
   
   
  1   
       
上皮小体拡張     
 1 
   
      
       
   
   
      
       
心   
    
    
    
    
限局性壊死      
   
   
      
       
   
   
  1   
       
繊維組織増殖     
 1 
   
      
   1   
   
   
  1   
       
円形細胞浸潤     
   
 2 
  3   
   2   
 2 
 1 
      
       
肺 
  
  
  
  
  
  

 
 

 
 
 
泡沫細胞浸潤     
 1 
   
      
       
   
   
      
       
円形細胞浸潤     
   
 2 
  1   
       
   
 1 
      
       
肺胞壁肥厚      
   
 3 
  3   
   3   
 6 
 3 
  2   
   3   
リンパ組織リンパ球増殖
   
   
      
       
 1 
   
      
       
肝 
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

 

膨 化        
 5 
 3 
  8   
   4   
 2 
 7 
  7   
   2   
空胞化        
 2 
   
  4   
       
 2 
   
  1   
       
限局性壊死      
 4 
 1 
  1   
   3   
   
   
      
       
グリッソン氏鞘内     
  円形細胞浸潤     
 2 
   
 1 
   
  5   
      
   4   
       
 6 
   
 6 
   
  3   
      
   2   
       
毛細胆管 増殖      
 4 
 5 
 10   
   2   
   
   
  2   
       
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
糸球体・硬化       
 7 
 1 
  3   
   2   
 5 
 4 
  5   
   4   
 
 
尿
 
 

 
 

 
 
上皮性尿円柱     
 7 
 7 
 12   
   7   
11 
 6 
  7   
   5   
硝子様尿円柱     
 8 
 7 
 11   
   9   
12 
13 
  8   
   8   
拡 張        
 8 
 2 
  4   
   5   
 8 
 7 
  4   
   4   
硝子滴変性      
 3 
 3 
  3   
   2   
 6 
 3 
  2   
   5   
上皮細胞菲薄化    
 3 
   
  1   
       
   
   
      
       
石灰沈着       
   
   
      
       
 1 
 8 
  3   
   5   
 

 

 
円形細胞浸潤     
 8 
 4 
  8   
   5   
 4 
 7 
  5   
   3   
水 腫        
   
   
      
       
   
   
  1   
       
結合織増殖      
 8 
 4 
  8   
   4   
 5 
 7 
  6   
   5   
脾 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  充うっ血       
 5 
 4 
  8   
   3   
 2 
 1 
  1   
   1   
  ヘモジデリン沈着   
 4 
 3 
  9   
   6   
12 
 9 
  6   
   6   
  濾胞萎縮       
 1 
 1 
  2   
   1   
 2 
 1 
  1   
   1   
  壊 死        
   
   
      
       
   
   
  1   
       
  繊維組織増殖     
   
 1 
      
   1   
   
   
      
       
  アミロイド変性    
 1 
   
      
       
   
   
      
       



表18−b 病理・組織学的所見(24カ月)
               
       雄              
       雌              
       群       
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

褐色細胞増殖    
 1 
   
      
       
 1 
 1 
      
       
壊 死       
   
   
      
       
   
 1 
      
       
 
 

 
 
 

 
 
空胞化       
   
 1 
      
   1   
 1 
 2 
  2   
   1   
円形細胞浸潤    
   
 1 
      
       
   
   
      
       
充うっ血      
   
   
      
       
 1 
 1 
  1   
   1   
膨 化       
   
   
      
       
   
   
  1   
       
出 血       
   
   
      
       
   
   
  1   
       
精巣
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

 

 
 
精子形成不良    
 4 
 1 
  4   
   4   
   
   
      
       
多核細胞出現    
 1 
   
      
       
   
   
      
       
石灰沈着      
   
 2 
  4   
   2   
   
   
      
       
萎 縮       
 2 
 2 
  7   
   5   
   
   
      
       

 

出 血       
   
   
 1    
       
   
   
      
       
間質細胞増殖    
 1 
   
      
       
   
   
      
       
卵巣   嚢胞形成      
   
   
      
       
 1 
   
      
       



表19 腫瘍発現例(24カ月目)
            
       雄              
       雌              
     群      
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
  検査動物数     
 8 
 7 
 14   
  10   
13 
13 
 10   
   8   
脳下垂体 色素嫌性細胞腫
 1 
   
  3   
       
 3 
 2 
  2   
   1   
甲状腺  腺 腫    
 1 
   
  1   
   1   
 1 
 1 
      
   3   
肺    腺 腫    
   
   
  1   
       
   
   
      
   1   
肝   
    
    
肝細胞癌   
 1 
   
  1   
       
   
   
      
       
腺 腫    
 1 
   
  1   
       
 2 
   
  2   
       
副 腎  腺 腫    
   
 2 
  1   
   1   
 1 
 1 
      
       
精 巣  間質細胞腫  
 5 
 7 
 14   
   8   
   
   
      
       
子 宮  平滑筋腫   
   
   
      
       
 1 
 1 
      
       
腋 下  繊維腺腫   
   
   
      
       
   
 1 
      
       
   腫瘍発現動物数  
 7 
 7 
 14   
   9   
 6 
 5 
  3   
   4   



表20 死亡動物の組織学的所見(腫瘍のみ)
            
       雄              
       雌              
     群      
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
  検査した動物数   
 8 
 7 
  4   
   8   
 4 
 4 
  6   
  10   
脳下垂体 色素嫌性細胞腫
   
 2 
      
       
   
   
  2   
   5   
肺    扁平細胞腫  
   
 1 
      
   1   
   
   
      
       
肝   
    
    
    
    
肝細胞癌   
 1 
   
      
   1   
   
   
      
   1   
胆管腫    
 1 
 2 
      
       
   
   
      
       
細網細胞腫  
   
 1 
      
       
   
   
      
       
脾   
    
    
リンパ腫   
   
 1 
      
       
   
   
      
       
組織球腫   
   
 1 
      
       
   
   
      
       
副 腎  腺 腫    
   
   
      
   1   
   
   
      
       
精 巣  間質細胞腫  
   
   
  1   
   1   
   
   
      
       
腋下部皮下 繊維腺腫  
   
   
      
       
   
   
      
   1   
腹部皮下
    
    
繊維腫    
   
   
      
   1   
   
   
  1   
       
腺 腫    
   
   
  1   
       
   
   
      
       
頬部皮膚 扁平細胞腫  
   
 1 
      
   2   
 1 
   
      
       
胃    繊維肉腫   
   
   
      
       
   
 1*
      
       
子 宮  平滑筋腫   
   
   
      
       
   
   
      
   1   
リンパ節 リンパ腫   
 1 
   
      
       
   
   
      
       
   腫瘍発現動物数  
 3 
 5 
  1   
   5   
 1 
 1 
  3   
   7   

*:肺へ転移



表21 腫瘍総括
            
       雄              
       雌              
     群      
対 照
非照射
50krad
100krad
対 照
非照射
50krad
100krad
  検査した動物数   
28 
26 
 30   
  30   
29 
29 
 28   
  30   
脳下垂体 色素嫌性細胞腫
 1 
 2 
  3   
       
 3 
 2 
  4   
   6   
甲状腺  腺 腫    
 1 
   
  1   
   1   
 1 
 1 
      
   3   
肺   
    
    
腺 腫    
   
   
  1   
       
   
   
      
   1   
扁平細胞腫  
   
 1 
      
   1   
   
   
      
       
肝   
    
    
    
    
    
    
肝細胞癌   
 2 
   
  1   
   1   
   
   
      
   1   
腺 腫    
 1 
   
  1   
       
 2 
   
  2   
       
胆管腫    
 1 
 2 
      
       
   
   
      
       
細網細胞腫  
   
 1 
      
       
   
   
      
       
脾   
    
    
リンパ腫   
   
 1 
      
       
   
   
      
       
組織球腫   
   
 1 
      
       
   
   
      
       
副 腎  腺 腫    
   
 2 
  1   
   2   
 1 
 1 
      
       
精 巣  間質細胞腫  
 5 
 7 
 15   
   9   
   
   
      
       
子 宮  平滑筋腫   
   
   
      
       
 1 
 1 
      
   1   
腋 下  線維腺腫   
   
   
      
       
   
 1 
      
   1   
腹部皮下
    
    
線維腫    
   
   
      
   1   
   
   
  1   
       
腺 腫    
   
   
  1   
       
   
   
      
       
皮 膚  扁平細胞腫  
   
 1 
      
   2   
 1 
   
      
       
胃    線維肉腫   
   
   
      
       
   
 1*
      
       
リンパ節 リンパ腫   
 1 
   
      
       
   
   
      
       
   腫瘍発現動物数  
10 
12 
 15   
  14   
 7 
 6 
  6   
  11   

*:肺へ転移



図3 腫瘍発現数


(4) 小括

 照射米の安全性を調べる目的で、ラットに24カ月間照射玄米を摂取させ、3、12、24カ月目の各時期に血液の形態学的ならびに生化学的検査を行うとともに病理組織学的検査を行った。

 対照群と比べ、添加群では一般症状、体重、血液形態学的検査、血液生化学的検査、臓器重量、病理組織学的所見に有意の差もしくは若干の産を示す項目が見られた。これらの中には体重の減少、白血球数の減少、HbおよびHtの減少、心、肝、腎・副腎重量の減少を除いては、必ずしも物理学的意義が明らかでない変化が含まれていた。また、上述の変化についても添加群間において一定の傾向の差は認められなかった。

 非照射群と照射群との間では甲状腺、心臓、肝臓および腎臓に有意の減少が見られたが、組織学的所見では特に差が認められなかった。また、腫瘍発現例数に群間で軽度の差が見られたが、腫瘍の種類から見て特に問題はないものと考えた。

 以上のことから、本条件下では照射によるとみられる影響はないと結論した。

3 サルを用いた慢性毒性試験
(1) 緒言

 γ線照射米の安全性を調べる目的で、アカゲザルを用いて、24カ月間の慢性毒性試験を行った。

(2) 試験方法
(a) 検体

 茨城県産の水稲うるち玄米(品種 コシヒカリ)を日本原子力研究所高崎研究所において、100kradのγ線照射を行った後粉砕し、飼料に添加した。

(b) 動物

 静岡県実験動物農業協同組合より検疫ずみのインド産雄性アカゲザルを購入し、馴化飼育した後、試験に供した。

(c) 投与方法

 健康なアカゲザル15頭を1群5頭よりなる3群に分け、それぞれ対照群、非照射群および100krad群とした。対照群には船橋農場製サル飼育用固形飼料を、非照射群には、非照射米を添加した固形飼料を、また100krad群には100krad照射米を添加した固形飼料を与えた。なお飼料作成に際し、米の栄養組成を考慮して、表1の組成になるように調整したものに検体を40w/w%添加した。

 給餌は毎日午前9〜10時に固形飼料150gを、また午後2〜3時に野菜(リンゴ、バナナおよびサツマイモのうちいずれか2種類)を100g与えた。飲水は自動給水装置により水道水を自由に摂取させた。


表1 飼料組成
   成 分   
B(%)
E(%)
玄米       
    
 40 
小麦粉      
 33 
 18 
大麦粉      
 10 
    
トウモロコシ粉  
 10 
    
脱脂粉乳     
 10 
 10 
魚粉       
 10 
 10 
大豆粉      
  8 
  8 
乾燥酵母     
  5 
  5 
脱脂米ぬか    
  5 
    
砂糖       
  5 
  5 
無機類、ビタミン類
  4 
  4 

B:基礎飼料
E:実験用飼料


(d) 観察
(イ) 一般症状

 毎日給餌前に観察した。

(ロ) 体重

 月1回、午後野菜給餌前に測定した。

(ハ) 血液形態学的検査

 投与前(0カ月目)、投与開始後6、12、18および24カ月目に後肢伏在静脈より採血し、赤血球数(血球計算板法)、ヘマトクリット値(以下Ht.毛細管法)、ヘモグロビン量(以下Hb.シアンメトヘモグロビン法)、白血球数(血球計算板法)、白血球百分比(ギムザ染色)を検査した。

(ニ) 血液生化学的検査

 血液形態学的検査と同時に採血し、総タンパク量(Lowry法変法)、アルブミン量(HABCA法)、総コレステロール量(Rosenthal法変法、Wako−kit),遊離脂肪酸(以下NEFA,Duncombe法変法;Wako−kit),トリグリセライド(アセチルアセトン発色法、Wako−kit),血糖値(グルコース・オキシダーゼ法)、尿素窒素量(以下BUN,ジアセチルモノオキシム直接法、Wako−kit),Alkaline phosphatase(以下ALP,佐々木のフェニルリン酸法)およびGlutamic oxaloacetic transaminaseおよびGlutamic pyruvic transaminaseおよびGlutam

pyruvic transaminase(以下GOTおよびGPT,Reitman−Frankel法変法)を測定した。

(ホ) 病理組織学的検査

 試験終了時の24カ月目に、全動物を塩酸ケタミン麻酔下で放血致死させ剖検を行った。摘出臓器は重量を測定した後、10%中性ホルマリン液に固定し、常法に従ってヘマトキシリンーエオジン染色標本を作成し、組織学的検査に供した。

(3) 結果
(a) 一般症状

 24カ月の間には、軟便や下痢症状を認める動物もいるが、全て一過性のもので、群間にほとんど差を認めない。またいずれの群でも死亡例を見ない。

(b) 体重増加量

 各群の平均体重増加量を図1に示す。試験開始時の各群の平均体重は、対照群5.26kg,非照射群4.89kgおよび100krad群5.14kgであった。

 非照射群は、3カ月を経過する頃より、対照群と比べて、増加の抑制がみられるが、24カ月目まで緩慢な増加を示し、対照群と比較して有意差は認められない。

 100krad群では、試験期間中対照群と略々同様な増加を示す。

(c) 血液形態学的検査(表2)

 6カ月目に、100krad群で赤血球数が対照群と比べ有意の減少をみるが、非照射群とは差はなく、以後試験終了時まで差は認められない。

 12および18カ月目では各群間に差は認められない。

 24カ月目では、白血球百分比で100krad群において対照群と比べ分葉核好中球の増加とリンパ球の減少がみられるが、非照射群とは差は認められない。

 Hb・Htおよび白血球数には全試験期間を通じて差は認められない。


表2 血液形態学的検査値
 月
  
  
  
  
   群   
       
       
       
       
動物数
   
   
   
   
   RBC            
[×10・E(4)/mm・E(3)]
                  
                  
                  
  Hb. 
(g/dl)
      
      
      
 Ht. 
 (%) 
     
     
     
  WBC             
[×10・E(2)/mm・E(3)]
                  
                  
                  
               Differential(%)                
Baso.
Eosino.
      Neutro.     
Lympho.
Mono.
     
       
Meta.
Stab.
Seg.  
       
     
 0
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 526.6            
± 41.0            
 13.89
± 1.92
 44.7
± 4.7
 96.8             
±35.7             
 0.2 
±0.5 
 1.2   
±0.8   
 0   
     
 0.4 
±0.6 
 28.4 
±13.8 
 68.6  
±12.8  
 1.4 
±1.4 
非照射    
       
 5 
   
 542.8            
± 25.6            
 13.71
± 1.75
 41.5
± 2.6
122.8             
±51.1             
 0   
     
 0.2   
±0.5*  
 0   
     
 1.2 
±1.1 
 30.0 
±22.2 
 66.8  
±23.8  
 1.2 
±1.6 
100krad
       
       
 5 
   
   
 562.4            
± 88.9            
                  
 16.73
± 2.31
      
 47.2
± 4.7
     
 86.1             
±17.1             
                  
 0   
     
     
 0.2   
±0.4*  
       
 0   
     
     
 1.4 
±0.5*
     
 26.2 
±16.4 
      
 69.4  
±17.6  
       
 1.2 
±1.6 
     
 6
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 629.0            
± 36.4            
 14.44
± 0.73
 47.2
± 3.0
 92.3             
±54.6             
 0   
     
 0     
       
 0   
     
 0.4 
±0.6 
 27.0 
±10.9 
 70.6  
±10.2  
 1.6 
±1.3 
非照射    
       
 5 
   
 594.8            
± 72.3            
 14.09
± 1.10
 45.8
± 4.0
104.3             
±39.4             
 0   
     
 0     
       
 0   
     
 0.4 
±0.9 
 30.2 
±17.6 
 67.8  
±16.7  
 1.6 
±0.9 
100krad
       
       
 5 
   
   
 577.8            
± 28.8*           
                  
 15.37
± 0.89
      
 48.6
± 3.4
     
122.2             
±10.5             
                  
 0   
     
     
 0     
       
       
 0   
     
     
 0.4 
±0.6 
     
 49.6 
±21.3 
      
 48.8  
±21.2  
       
 1.2 
±0.5 
     
12
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 606.8            
± 20.8            
 14.92
± 2.15
 46.3
± 3.1
 99.5             
±48.7             
 0   
     
 0     
       
 0.2 
±0.4 
 1.8 
±1.1 
 23.8 
±12.8 
 72.4  
±11.7  
 1.8 
±0.8 
非照射    
       
 5 
   
 578.8            
± 98.9            
 14.20
± 0.60
 44.8
± 1.5
116.1             
±41.9             
 0   
     
 0     
       
 0.8 
±0.8 
 1.4 
±0.9 
 25.6 
±13.1 
 71.2  
±12.9  
 1.0 
±1.0 
100krad
       
       
 5 
   
   
 633.0            
± 60.0            
                  
 15.32
± 0.74
      
 48.3
± 1.8
     
115.5             
±35.8             
                  
 0   
     
     
 0     
       
       
 0.4 
±0.9 
     
 1.6 
±1.7 
     
 40.2 
±18.3 
      
 56.6  
±20.5  
       
 1.2 
±0.5 
     
18
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 579.8            
± 20.1            
 15.52
± 1.17
 46.6
± 3.8
117.5             
±30.3             
 0   
     
 0.2   
±0.3   
 0.5 
±0.6 
 1.7 
±1.0 
 40.3 
±20.1 
 55.6  
±20.5  
 1.7 
±1.0 
非照射    
       
 5 
   
 615.0            
± 88.2            
 14.85
± 1.17
 46.8
± 2.8
122.8             
±46.9             
 0   
     
 0     
       
 0.6 
±0.7 
 0.7 
±0.6 
 27.9 
±10.7 
 69.9  
±10.2  
 1.2 
±0.4 
100krad
       
       
 5 
   
   
 570.2            
± 30.1            
                  
 15.76
± 1.44
      
 46.4
± 4.4
     
120.8             
±17.7             
                  
 0   
     
     
 0     
       
       
 0.9 
±0.4 
     
 2.5 
±1.8 
     
 48.3 
±15.1 
      
 46.7  
±15.0  
       
 1.6 
±0.4 
     
24
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 526.2            
± 59.0            
 14.94
± 0.31
 47.6
± 1.8
 87.6             
±22.0             
 0   
     
 0     
       
 0.2 
±0.4 
 2.0 
±0.7 
 26.6 
±12.5 
 69.2  
±14.1  
 2.0 
±1.4 
非照射    
       
 5 
   
 501.8            
± 72.9            
 14.51
± 1.49
 47.1
± 1.0
118.5             
±27.1             
 0   
     
 0     
       
 1.0 
±0.7 
 2.2 
±1.3 
 33.4 
± 6.0 
 61.0  
± 4.8  
 2.4 
±1.3 
100krad
       
       
 5 
   
   
 549.2            
± 55.5            
                  
 15.80
± 1.90
      
 48.0
± 2.9
     
108.9             
±21.1             
                  
 0   
     
     
 0     
       
       
 0.4 
±0.5 
     
 3.2 
±1.3 
     
 42.8 
± 8.6*
      
 52.0  
± 8.4* 
       
 1.6 
±0.5 
     

対照群と比べて有意差あり *:P<0.05


(d) 血液生化学的検査(表3)

 6カ月目で、総タンパク量が非照射群で対照群に比べ有意の減少を示すが、100krad群には差は認められない。その後は24カ月目まで変化はなく、アルブミン量、A/G比は試験中ほぼ一定の値を維持する。

 12カ月目では、100krad群の血糖値が、また非照射群のBUNがそれぞれ対照群に比べ有意の減少を示すが、非照射群と100krad群との間には差は認められない。

 18カ月目では非照射群のALPおよび100krad群のGOTに対照群と比べ有意の増加を認めるが、非照射群と100krad群との間には差はない。

 24カ月目では各項目共群間に差は認められない。


表3 血液生化学的検査値
 月
  
  
   群   
       
       
動物数
   
   
 Total 
protein
 (g/dl)
Albumin
 (g/dl)
       
A/G− 
ratio
     
  Total    
cholesterol
  (mg/dl)  
Triglyceride
   (mg/dl)  
            
NEFA   
(mEq/l)
   
Glucose
(mg/dl)
       
Urea−N 
(mg/dl)
       
 ALP  
 (U)  
      
 GOT   
 (U)   
       
 GPT 
 (U) 
     
 0
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 8.73  
±0.63  
 3.94  
±0.57  
 0.81
±0.12
 160.8     
± 27.6     
 35.1       
± 6.3       
 0.072 
±0.029 
 109.0 
± 27.7 
18.37  
±1.28  
 27.2 
± 6.6 
 23.6  
± 4.3  
 30.4
± 3.5
非照射    
       
 5 
   
 9.09  
±0.53  
 3.90  
±0.30  
 0.76
±0.11
 165.5     
± 24.8     
 35.4       
± 8.9       
 0.263 
±0.183 
 110.4 
± 45.2 
20.18  
±1.31  
 35.3 
± 6.6 
 23.0  
± 3.5  
 28.1
± 1.2
100krad
       
       
 5 
   
   
 8.65  
±0.70  
       
 3.86  
±0.23  
       
 0.82
±0.15
     
 148.1     
± 46.9     
           
 38.7       
± 9.0       
            
 0.148 
±0.170 
   
 105.7 
± 19.8 
       
20.43  
±1.13* 
       
 28.2 
± 9.2 
      
 21.9  
± 1.1  
       
 27.8
± 3.5
     
 6
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 8.86  
±0.40  
 3.38  
±0.27  
 0.63
±0.13
 192.1     
± 36.6     
 27.9       
± 4.1       
 0.258 
±0.039 
 123.6 
± 19.0 
16.95  
±3.51  
 49.6 
± 7.4 
 21.3  
± 3.7  
 27.1
± 2.0
非照射    
       
 5 
   
 7.96  
±0.51* 
 3.42  
±0.54  
 0.75
±0.12
 163.7     
± 37.9     
 39.4       
±16.4       
 0.223 
±0.088 
 116.2 
±  5.9 
13.93  
±2.05  
 65.0 
±33.8 
 29.2  
±17.8  
 26.3
± 3.6
100krad
       
       
 5 
   
   
 8.58  
±0.59  
       
 3.40  
±0.18  
       
 0.66
±0.08
     
 192.1     
± 51.4     
           
 32.3       
± 5.7       
            
 0.410 
±0.221 
   
  88.4 
± 29.8 
       
13.96  
±1.84  
       
 41.8 
±20.2 
      
 20.2  
± 2.8  
       
 25.0
± 1.4
     
12
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 8.77  
±0.11  
 3.75  
±0.34  
 0.75
±0.11
 164.1     
± 13.2     
 27.7       
± 8.0       
 0.640 
±0.226 
 105.6 
± 15.7 
20.34  
±1.07  
 38.9 
±11.8 
 16.1  
± 2.8  
 22.4
± 5.2
非照射    
       
 5 
   
 8.76  
±0.75  
 3.72  
±0.45  
 0.74
±0.11
 151.6     
± 31.1     
 23.2       
±11.1       
 0.710 
±0.254 
  98.6 
± 12.0 
14.46  
±2.83**
 80.8 
±39.0 
 15.5  
± 1.8  
 18.5
± 4.9
100krad
       
       
 5 
   
   
 8.57  
±0.16  
       
 3.79  
±0.15  
       
 0.79
±0.09
     
 153.8     
± 33.5     
           
 26.7       
±10.6       
            
 0.574 
±0.115 
   
  72.2 
± 20.9*
       
19.92  
±8.23  
       
 44.1 
±28.0 
      
 17.5  
± 2.9  
       
 28.1
±10.0
     
18
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 8.28  
±0.37  
 3.92  
±0.26  
 0.92
±0.16
 136.5     
± 22.6     
 37.9       
±14.3       
 0.256 
±0.022 
  88.2 
± 17.5 
18.59  
±2.01  
 18.5 
± 3.6 
 21.8  
± 1.6  
 22.9
± 2.6
非照射    
       
 5 
   
 7.97  
±0.82  
 3.81  
±0.65  
 0.92
±0.19
 125.6     
± 28.8     
 64.8       
±38.0       
 0.298 
±0.047 
  96.2 
± 15.7 
17.59  
±2.05  
 64.6 
±43.1*
 23.6  
± 2.3  
 22.9
± 2.2
100krad
       
       
 5 
   
   
 8.09  
±0.19  
       
 3.96  
±0.26  
       
 0.96
±0.12
     
 133.1     
± 36.8     
           
 50.6       
±12.0       
            
 0.334 
±0.175 
   
  85.1 
± 18.5 
       
16.98  
±6.43  
       
 32.6 
±17.1 
      
 25.4  
± 0.6**
       
 23.2
± 3.7
     
24
  
  
  
  
  
  
  
 対照    
       
 5 
   
 8.64  
±0.16  
 3.84  
±0.39  
 0.81
±0.14
 154.8     
± 15.4     
 83.5       
±30.8       
 0.328 
±0.100 
  87.1 
± 10.3 
20.78  
±2.19  
 21.6 
± 6.4 
 24.0  
± 1.4  
 27.0
± 0.9
非照射    
       
 5 
   
 8.78  
±0.73  
 3.63  
±0.56  
 0.71
±0.16
 134.6     
± 26.6     
 89.9       
±27.1       
 0.210 
±0.072 
  71.1 
± 11.9 
17.82  
±1.99  
 76.5 
±68.6 
 26.1  
± 4.3  
 28.9
± 3.7
100krad
       
 5 
   
 9.00  
±0.32  
 3.75  
±0.27  
 0.71
±0.09
 157.4     
± 63.5     
 78.5       
± 6.3       
 0.388 
±0.156 
  69.3 
± 16.4 
18.58  
±1.82  
 27.9 
±12.9 
 24.9  
± 1.7  
 31.3
± 8.0

非照射群と比べて有意差あり *:P<0.05 **:P<0.01


(e) 病理組織学的検査
(イ) 臓器重量(表4)

 実重量では、甲状腺および精巣に群間で若干の差がみられるが、有意差を示すものではない。

 比重量では100krad群において、甲状腺、心、肺に非照射群と比べ有意な減少を認めるが、対照群とは差はみられない。


表4−a 臓器重量(実重量)
   群   
       
       
動物数
   
   
 体重 
(kg)
    
  脳  
 (g) 
     
 下垂体  
  (mg)
      
 甲状腺  
 (mg) 
      
  心   
 (g)  
      
  肺  
 (g) 
     
  肝  
 (g) 
     
   腎 (g)  
   副腎 (mg)   
  脾  
 (g) 
     
  精巣 (g)   
  右  
  左  
  右   
  左   
  右  
  左  
対 照    
       
 5 
   
10.3
±2.7
90.12
±6.78
 82.40
±32.33
 981.8
±325.2
 39.74
± 8.61
38.13
±5.21
157.4
±30.0
12.22
±2.15
12.25
±2.27
 649.0
±425.1
 768.0
±469.7
 5.51
±0.90
18.01
±8.49
16.66
±6.99
非照射    
       
 5 
   
 8.5
±1.9
91.65
±7.24
 64.80
±32.61
1256.0
±539.8
 39.08
±10.72
39.68
±9.16
144.8
±22.3
10.93
±1.30
10.86
±1.57
 344.8
± 83.5
 469.4
±152.6
 5.55
±1.84
17.18
±6.09
17.83
±6.90
100krad
       
 5 
   
10.1
±2.7
89.96
±6.25
 95.50
±29.90
 651.5
± 81.2
 35.97
± 7.64
36.46
±6.55
141.6
±34.2
12.19
±1.89
12.39
±1.97
 328.8
± 89.9
 455.4
±107.6
 5.02
±1.19
13.98
±2.12
14.31
±2.56



表4−b 臓器重量(比重量)(mgまたはg/kg 体重)
   群   
       
       
  脳  
 (g) 
     
 下垂体 
 (mg)
     
 甲状腺  
 (mg) 
      
   心   
  (g)  
       
   肺   
  (g)  
       
 肝  
(g) 
    
   腎 (g)   
  副腎 (mg)  
  脾  
 (g) 
     
  精巣 (g)   
  右  
  左  
  右  
  左  
  右  
  左  
対 照    
       
 9.21
±2.21
 8.13
±2.75
 96.2 
±23.8 
 3.95  
±0.77  
 3.86  
±0.83  
15.8
±2.8
 1.21
±0.11
 1.22
±0.12
 74.9
±73.6
 87.6
±81.6
 0.58
±0.24
 1.68
±0.54
 1.57
±0.41
非照射    
       
11.30
±2.78
 7.25
±2.47
146.5 
±50.9 
 4.58  
±0.36  
 4.70  
±0.38  
18.0
±6.2
 1.31
±0.26
 1.32
±0.22
 40.8
± 4.5
 55.3
±10.1
 0.68
±0.26
 2.08
±0.76
 2.92
±0.85
100krad
       
 9.34
±1.89
 8.96
±2.62
 74.4 
±17.4*
 3.61  
±0.23**
 3.69  
±0.33**
14.2
±1.1
 1.24
±0.13
 1.26
±0.16
 33.6
± 9.3
 48.2
±15.8
 0.52
±0.14
 1.47
±0.43
 1.50
±0.44

非照射群と比べて有意差あり *:P<0.05 **:P<0.01


(ロ) 肉眼的所見

 肺の各葉に黒色、大小の炭粉沈着(対照群3例、非照射群2例、100krad群4例)が認められる。

 肝臓では横隔膜または胃と癒着するものが対照群で各1例みられる。

 副腎で割面上に限局性の石灰化巣を非照射群および100krad群で各1例認められる。

 その他の臓器には変化は認められない。

(ハ) 組織学的検査(表5)

 対照群では、肺に肺胞内炭粉沈着を3例、肺胞壁の肥厚を4例に認める。その他に、肝小葉中心静脈周囲の空胞化が3例および副腎髄質の石灰沈着を2例に認める。副腎重量の増加を含め内分泌系重量に変化を認めた例についても組織学的に特に変化像を認められない。

 非照射群では、脳皮質の偽神経細胞食現像が1例にみられる。肺では肺胞内炭粉沈着、肺胞壁の肥厚がそれぞれ2例みられる他、1例に腺腫様増殖を認める。肝では限局性壊死1例、円形細胞浸潤2例を認める。腎では尿細管内に上皮性円柱1例、硝子様円柱が2例および間質の円形細胞浸潤が1例認められる。また胃粘膜下組織にも軽度の円形細胞浸潤がみられる。

 100krad群では肺に肺胞内の泡沫細胞浸潤および炭粉沈着を各1例、肺胞壁の肥厚を2例認める。肝では限局性壊死および空胞化を各1例認める。副腎髄質の石灰化が2例に認められる他、大腸粘膜下組織の円形細胞浸潤が1例みられる。

 なお各群を通じて上記以外の臓器では変化は認められない。


表5 組織学的所見
臓器    所見       
               
            動物数
  対照群
非照射群
100krad群
   5 
 5  
   5    
脳  偽神経細胞食現象    
 ±   
 1  
        
下垂体            
     
    
        
甲状腺            
     
    
        
胸腺             
     
    
        
心              
     
    
        
肺 
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 
 
泡沫細胞浸潤    
 +   
    
   1    
炭粉沈着      
          
 ± 1 
 + 2 
    
 2  
        
   1    
肺胞壁肥厚     
          
 + 3 
++ 1 
    
 2  
        
   2    
腺腫様増殖     
 +   
 1  
        
肝 
  
  
  
  
  
  
  限局性壊死     
 ±   
 1  
   1    
  空胞化       
            
 ± 3 
 +   
    
    
        
   1    
  円形細胞浸潤    
            
 ±   
 +   
 1  
 1  
        
        
腎 
  
  
  
  
  
尿


上皮性円柱     
 ±   
 1  
        
硝子様円柱     
 ±   
 2  
        
間質          
  円形細胞浸潤    
     
 ±   
    
 1  
        
        
脾              
     
    
        
副腎 髄質          
     石灰沈着      
               
     
 + 2 
++   
    
    
    
        
   1    
   1    
膵              
     
    
        
顎下腺            
     
    
        
胃  粘膜下組織       
     円形細胞浸潤    
     
 ±   
    
 1  
        
        
小腸             
     
    
        
大腸 粘膜下組織       
     円形細胞浸潤    
     
 ±   
    
    
        
   1    
精巣             
     
    
        
精嚢             
     
    
        
膀胱             
     
    
        
骨髄             
     
    
        
腸間膜リンパ節        
     
    
        
脊髄             
     
    
        
座骨神経           
     
    
        
骨格筋            
     
    
        

±:極軽度  +:軽度  ++:中等度


(4) 小括

 γ線照射米の安全性を調べる目的でアカゲザルを用いて24カ月間の慢性毒性試験を行った。

 a)いずれの群でも試験期間を通じて特記すべき症状の発現はなく、死亡例も見られなかった。体重増加量では非照射群の体重増加が、他の2群に比べやや緩慢な傾向を示したが、100krad群は対照群と同様な傾向を示した。

 b)血液形態学的検査値および血液生化学的検査値には各群間に一定の傾向の差は認められなかった。

 c)病理組織学的検査において、臓器の実重量に群間で若干の差がみられたが、これは対照群の中に内分泌系の臓器重量が正常域を逸脱したと見られる1例が含まれたためである。また比重量で100krad群の甲状腺、心および肺が非照射群と比べ有意の減少を示した。これは非照射群の体重が他の群に比べやや軽いため結果的に差がついたものと考えられる。

 臓器の肉眼的および組織学的検査で、脳、肺、肝、腎、副腎、胃および大腸に変化を認めたが、これらの変化は散発的かつ軽度であり、群間に一定の傾向を認めなかった。

 以上、今回の試験では照射米によると見なされる影響は認められなかった。

2. 世代試験
1 マウスを用いた世代試験
(1) 緒言

 γ線照射米の安全性に関する研究の一環として、マウスによる奇形学的検査を含む次世代試験を行った。

(2) 実験方法
(a) 検体および飼料調製法

 検体は、慢性毒性試験に用いたのと同一の水稲うるち玄米(品種:コシヒカリ)で非照射米、50krad照射米および100krad照射米を使用した。

 飼料調製は、検体の各玄米を粉末化した後、表1に示す飼料組成で各玄米を40%添加し、固形飼料を作製した。また、対照としては、市販の船橋農場製マウス・ラット繁殖用飼料(以下繁殖用飼料と略す)を用いた。


表1−a 照射米実験飼料組成表
  成 分   
配合(%)
玄 米     
 40  
小麦粉(2等級)
 15  
とうもろこし  
  2  
ふすま     
  9  
脱脂大豆    
 12  
脱脂粉乳    
  2  
魚 粉     
 10  
ビール酵母   
  2  
大豆油     
  2  
ルーサン    
  2  
グラニュー糖  
  2  
ビタミン    
  1  
ミネラル    
  1  

コリン     150mg/100g
ビタミンE    15mg/100g



表1−b 照射米実験飼料組成表(ビタミン組成)
ビタミン  
mg or I.U./100g
A     
1200    I.U.   
D3    
 250    I.U.   
E     
  15    mg     
K1    
   1    mg     
B1    
   2    mg     
B2    
   2    mg     
B6    
   1    mg     
B12   
   0.001mg     
ナイアミン 
  10    mg     
パントテン酸
   8.5  mg     
ビオチン  
   0.03 mg     
葉酸    
   0.2  mg     
イノシトール
  50    mg     
コリン   
 150    mg     



表1−c 照射米実験飼料組成表(ミネラル組成)
ミネラル
g or mg
 Ca 
1.12g  
 Pi 
0.77g  
 Mg 
0.47g  
 Na 
0.41g  
 K  
0.7 g  
 Fe 
0.03g  
 Al 
0.03g  
 Si 
0.04g  
 Cu 
0.6 mg 
 Zn 
0.05mg 
 Co 
0.5 mg 
 Mn 
0.6 mg 



表1−d 照射米実験飼料栄養組成表
   群   
       
 対照群 
     
非照射、50、 
100krad群
水 分    
 4.91
  5.00  
粗蛋白    
24.75
 21.59  
粗脂肪    
 4.50
  4.84  
可溶性無窒素物
52.59
 60.31  
粗繊維    
 7.45
  2.45  
粗灰分    
 5.80
  5.80  


(b) 動物

 動物は、静岡実験動物農業協同組合産のddY−SLC(SPF)マウスを用いた。マウスは7週令で購入し、25匹の集団で繁殖用飼料および水を自由に与え、1週間飼育室(温度25±1℃、湿度50±5%、12時間人工照明)で馴化させた。

(c) 投与方法

 親世代(以下Pと略す)のマウスは、生後8週令時に1群雄雌各々30匹として、対照群、非照射群、50krad照射群(以下50群と略す)および100krad照射群(以下100群と略す)の4群とした。4群に分けた動物は、図1に示すように全期間、各々の添加飼料を与えた。

 P世代動物は、検体投与後30日目(生後12週令)の時点で雌:雄=1:1で10日間にわたり、終夜(約16時間)同居させ、群内交配を行った。同居翌朝、膣栓を確認した雌を妊娠動物とみなし、この日を妊娠0日とした。妊娠母獣は2分し、1群は妊娠18日目に末期胎仔検査のため解剖し、他の1群は自然分娩させ、第1世代(以下F1と略す)を出産させた。出生仔は、生後4日目に各群とも1腹10匹以上のものは、10匹に淘汰した。生後21日目(離乳時)に同腹雄雌より約15匹づつアットランダムに抽出し、3週令骨格検査を行った。また残りの出生仔は、雌雄に分け、同腹、同性のものを集団飼育し、70日目(生後10週令)に交配用動物として同腹雌雄各々30匹を選抜し、残りの動物は血液検査を行った後解剖し、内臓検査、臓器重量の測定および骨格検査を行った。選抜した交配用動物は、更に2週間飼育し、生後12週令の時点でP世代と同様の方法で交配した。その後は図1に示すごとく第3世代(以下F3と略す)まで実験を行った。


図1 照射米次世代試験過程図(マウス)


(d) 観察および検査項目
(イ) 一般症状

 動物の外見上の変化を毎日観察した。

(ロ) 体重

 P世代では、8週目より12週目まで個々に、F1、F2およびF3世代の出生仔は、離乳前では1腹ごとにまとめて、離乳後では雌雄に分けて個々に、それぞれ週1回測定した。また各世代の妊娠母獣は、妊娠0日目より18日目まで毎日測定した。なお、体重の推移は体重増加量(g/mouse)で表わした。

(ハ) 摂餌量

 P世代では、9週目より12週目まで、F1、F2およびF3世代では離乳後の4週目より11週目まで、それぞれ週1回測定した。また、妊娠母獣では、妊娠1日目より、18日目まで毎日測定した。

(ニ) 繁殖生理値

 各世代の交配率および妊娠率を調べた。妊娠母獣については、着床数、生存胎仔数、着床痕跡数、胎盤遺残数および浸軟胎仔数を調べ、更に生存胎仔については個別に体重を測定し、性別および口腔を含む外形の異常の有無を調べた。

(ホ) 生後発育の観察

 生後発育については、F1、F2およびF3世代の出産時より11週令時までの動物の死亡数を調べ、4日令時死亡率(周産期死亡)、離乳期死亡率および11週令時死亡率を下記に示す方法で算出した。

 4日令時死亡率=(4日令時死亡数/分娩時生存仔数)×100

 (周産期死亡)

 離乳期死亡率=(3週令時死亡数/4日目選抜後の生存仔数)×100

 11週令時死亡率=(11週令時死亡数/離乳時の生存仔数)×100

(ヘ) 骨格検査

 末期胎仔、3週令仔および10週令仔は、屠殺解剖後95%エチルアルコールで固定し、Dawson法に従いアリザリンレッドS染色を施して骨格透明標本を作製し、骨格の異常ならびに化骨の進行状態を検索した。

 なお、第7頚椎の一側または両側に肋骨様の骨片が存在しているものを頚肋とした。仙椎前椎骨数は、26を正常数とした。また化骨進行度は、末期胎仔では前肢指骨平均化骨数(基節骨+中節骨)、後肢趾骨平均化骨数(基節骨+中節骨)および腰椎後椎骨平均化骨数を、出生仔(3週令、10週令)では尾椎平均化骨数をそれぞれ指標とした。

(ト) 臓器重量

 F1、F2およびF3世代の10週令仔については、肝、腎および生殖器の実重量を測定し、更にそれぞれの100g体重比を算出した。

(チ) 血液形態学的検査

 F1、F2およびF3世代の10週令仔の各群雌雄各々6匹について、眼窩静脈叢より採血し、赤血球数(以下RBCと略す)および白血球数(以下WBCと略す)は、東亜製ミクロカウンターで、ヘマトクリット値(以下Htと略す)は毛細管法で、またヘモグロビン量(以下Hbと略す)をシアンメトヘモグロビン法で、それぞれ測定した。

(e) 推計処理

 各測定値の推計処理は、P世代の雌雄動物、P,F1およびF2世代の妊娠動物の体重および摂餌量、平均着床数および平均同腹仔数はt検定、胎仔体重、F1、F2およびF3世代の出生仔の体重および摂餌量、臓器重量は、Weilのweighting factorを用いたt検定(1)、死亡胎仔数、出生仔の哺乳期および離乳後の生存率、外形異常胎仔数および骨格検査の結果はWilcoxonの順位和検定、交配率および妊娠率は、x(E2)検定を行った。

 なお、これらの検定は、対照群と各添加群、更にまた、非照射群と各照射群(50群および100群)間について行った。

(3) 結果
(a) 一般症状

 各群のP世代より3世代に亘って試験期間を通して、特記すべき症状の出現は認められない。

(b) 体重(増加量)
(イ) 雌動物(図2)

 P世代では、非照射群および50群は実験開始の8週より10週まで対照群と同様の増加を示すが、11週以後抑制がみられ、50群では12週で対照群に比して有意の抑制(P<0.05)が認められる。100群は投与初期に抑制がみられるが、以後は順調な増加を示す。

 F1、F2およびF3世代の離乳前の体重(1腹の雌雄をまとめて測定)は、各群ともに同様な増加を示す。離乳後は、F1世代では、100群は対照群と同様な増加を示すが、非照射群および50群は対照群を上廻る増加を示す。F2世代では、添加3群は対照群を下廻る増加を示す。F3世代では、添加3群は対照群を上廻る増加を示す。なお、各世代の群間に有意の差は認められない。


図2 雌動物体重増加曲線(離乳前は雌雄混合)


(ロ) 雄動物(図3)

 P世代では、非照射群は対照群を上廻る増加を示し、11週で対照群に比して有意の増加(P<0.05)が認められる。50群は対照群をやや上廻る増加を示すが、12週で軽度な減少を示す。100群は投与初期に抑制を認めるが、以後は順調な増加を示す。

 F1、F2およびF3世代の離乳前の体重(1腹の雌雄をまとめて測定)は、各群ともに同様な増加を示す。離乳後は、F1世代では、添加3群は対照群を上廻る増加を示し、7週以後、3群ともに対照群に比して有意の増加(P<0.05)が認められる。F2世代では、50群および100群は対照群とほぼ同様な増加を示す。非照射群は対照群を上廻る増加を示し、7週以後、対照群に比して有意の増加(P<0.05)が認められる。F3世代では、添加3群は対照群を上廻る増加を示し、非照射群で10週以後対照群に比して有意の増加(P<0.05)が認められる。なお、F2世代の添加3群間では、100群の11週で非照射群に比較し有意の抑制(P<0.05)が認められるが、P,F1およびF3世代での添加3群間には有意の差は認められない。


図3 雄動物体重増加曲線(離乳前は雌雄混合)


(ハ) 妊娠動物(図4)

 P,F1およびF2世代ともに各群間に有意の差は認められない。


図4 妊娠動物体重増加曲線


(c) 摂餌量(図5)

図5 摂餌量曲線


(イ) 雌動物

 P,F1、F2およびF3世代において、添加3群は対照群を下廻る摂餌量を示す。

(ロ) 雄動物

 P,F1、F2およびF3世代において、添加3群は対照群を下廻る摂餌量を示す。

(ハ) 妊娠動物

 P,F1およびF2世代の群間に差は認められない。

(d) 繁殖生理値
(イ) 交配率(表2)

 P,F1およびF2世代の各群の交配率は80〜100%の範囲にあり、各世代の群間に有意の差は認められない。


表2 繁殖生理値
       世 代 
           
項 目      群 
           P           
           F1          
     F2          
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 


 
 
交配数/使用動物数
30/30
27/30
30/30
29/30
28/30
28/30
28/30
30/30
29/30
24/30
29/30
30/30
   %     
         
100  
     
 90.0
     
100  
     
 96.7
     
 93.3
     
 93.3
     
 93.3
     
100  
     
 96.7
     
 80.0
     
 96.7
     
100  
     


 
妊娠数/交配数  
28/30
24/27
26/30
28/29
20/28
24/28
24/28
30/30
25/29
20/24
25/29
26/30
   %     
 93.3
 88.9
 86.7
 96.6
 71.4
 85.7
 85.7
100  
 86.2
 83.3
 86.2
 86.7


(ロ) 妊娠率(表2)

 P,F1およびF2世代の各群の妊娠率は71〜100%の範囲にあり、各世代の群間に有意の差は認められない。


表2 繁殖生理値
       世 代 
           
項 目      群 
           P           
           F1          
     F2          
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 


 
 
交配数/使用動物数
30/30
27/30
30/30
29/30
28/30
28/30
28/30
30/30
29/30
24/30
29/30
30/30
   %     
         
100  
     
 90.0
     
100  
     
 96.7
     
 93.3
     
 93.3
     
 93.3
     
100  
     
 96.7
     
 80.0
     
 96.7
     
100  
     


 
妊娠数/交配数  
28/30
24/27
26/30
28/29
20/28
24/28
24/28
30/30
25/29
20/24
25/29
26/30
   %     
 93.3
 88.9
 86.7
 96.6
 71.4
 85.7
 85.7
100  
 86.2
 83.3
 86.2
 86.7


(ハ) 平均着床数(表3)

 P,F1およびF2世代の各群の平均着床数は10〜13の範囲にあり、各世代の群間に有意の差は認められない。


表3 繁殖生理値
        世 代
           
 項 目      群
                     P                     
          F1                              
                    F2                    
 対 照      
 非照射      
  50      
 100      
 対 照     
 非照射      
  50       
 100     
 対 照      
 非照射     
  50      
 100      
妊娠母獣数      
 10       
 10       
 10       
 10       
  8      
  9       
  9        
 10      
 10       
 10      
 10       
 10       
総着床数       
109       
107       
115       
111       
 81      
109       
117        
111      
118       
104      
116       
125       
平均着床数      
10.9±1.60 
10.7±3.23 
11.5±2.51 
11.1±3.84 
10.1±4.19
12.1±2.09 
13.0±1.41  
11.1±1.91
11.8±0.92 
10.4±3.44
11.6±0.97 
12.5±1.58 
着床痕跡数      
  0       
  0       
  0       
  2( 1.8) 
  1( 1.2)
  0       
  0        
  0      
  0       
  0      
  0       
  0       
胎盤遺残数      
  2( 1.8) 
  3( 2.8) 
  6( 5.2) 
  6( 5.4) 
 10(12.3)
 11(10.1) 
 10( 8.6)  
 13(11.7)
 11( 9.3) 
  2( 1.9)
  3( 2.6) 
  6( 4.8) 
浸軟胎仔数      
  3( 2.8) 
  3( 2.8) 
  2( 1.7) 
  4( 3.6) 
  2( 2.5)
  4( 3.7) 
  1( 0.9)  
  2( 1.8)
  2( 1.7) 
 11(10.6)
  1( 0.9) 
  3( 2.4) 
生存胎仔数      
104(95.4) 
101(94.4) 
107(93.0) 
 99(89.2) 
 68(84.0)
 94(86.2) 
106(90.5)  
 96(86.5)
105(89.0) 
 91(87.5)
112(96.6) 
116(92.8) 
平均同腹仔数     
10.40±1.71
10.10±3.11
10.70±2.21
11.00±2.35
9.71±1.89
10.44±1.94
11.78±1.48*
9.60±1.58
10.50±1.18
9.10±3.04
11.20±1.03
11.60±1.78
生存胎仔平均体重(g)
 1.39±0.08
 1.47±0.13
 1.45±0.09
 1.36±0.13
1.31±0.20
 1.33±0.17
 1.29±0.14 
1.37±0.14
 1.37±0.05
1.43±0.08
 1.43±0.09
 1.44±0.10
分娩母獣数      
 15       
 13       
 14       
 15       
 12      
 15       
 15        
 15      
 15       
 10      
 14       
 15       
出生仔数       
151       
141       
150       
158       
128      
153       
166        
152      
168       
111      
146       
149       
平均同腹出生仔数   
10.1±1.62 
10.9±1.95 
10.7±2.27 
10.5±1.64 
10.7±2.19
10.2±2.01 
11.1±1.49  
10.1±2.29
11.2±1.52 
11.1±1.66
10.4±2.28 
9.9±1.53  

( ):総着床数に対する%
 * :対照に比較しP<0.05で有意差あり


(ニ) 生存胎仔(表3)

 平均同腹仔数(litter size)では、F1世代の50群で対照群に比して有意の増加(P<0.05)を示すが、PおよびF2世代での群間に有意の差は認められない。

 胎仔体重は、P,F1およびF2世代での群間に有意の差は認められない。


表3 繁殖生理値
        世 代
           
 項 目      群
                     P                     
          F1                              
                    F2                    
 対 照      
 非照射      
  50      
 100      
 対 照     
 非照射      
  50       
 100     
 対 照      
 非照射     
  50      
 100      
妊娠母獣数      
 10       
 10       
 10       
 10       
  8      
  9       
  9        
 10      
 10       
 10      
 10       
 10       
総着床数       
109       
107       
115       
111       
 81      
109       
117        
111      
118       
104      
116       
125       
平均着床数      
10.9±1.60 
10.7±3.23 
11.5±2.51 
11.1±3.84 
10.1±4.19
12.1±2.09 
13.0±1.41  
11.1±1.91
11.8±0.92 
10.4±3.44
11.6±0.97 
12.5±1.58 
着床痕跡数      
  0       
  0       
  0       
  2( 1.8) 
  1( 1.2)
  0       
  0        
  0      
  0       
  0      
  0       
  0       
胎盤遺残数      
  2( 1.8) 
  3( 2.8) 
  6( 5.2) 
  6( 5.4) 
 10(12.3)
 11(10.1) 
 10( 8.6)  
 13(11.7)
 11( 9.3) 
  2( 1.9)
  3( 2.6) 
  6( 4.8) 
浸軟胎仔数      
  3( 2.8) 
  3( 2.8) 
  2( 1.7) 
  4( 3.6) 
  2( 2.5)
  4( 3.7) 
  1( 0.9)  
  2( 1.8)
  2( 1.7) 
 11(10.6)
  1( 0.9) 
  3( 2.4) 
生存胎仔数      
104(95.4) 
101(94.4) 
107(93.0) 
 99(89.2) 
 68(84.0)
 94(86.2) 
106(90.5)  
 96(86.5)
105(89.0) 
 91(87.5)
112(96.6) 
116(92.8) 
平均同腹仔数     
10.40±1.71
10.10±3.11
10.70±2.21
11.00±2.35
9.71±1.89
10.44±1.94
11.78±1.48*
9.60±1.58
10.50±1.18
9.10±3.04
11.20±1.03
11.60±1.78
生存胎仔平均体重(g)
 1.39±0.08
 1.47±0.13
 1.45±0.09
 1.36±0.13
1.31±0.20
 1.33±0.17
 1.29±0.14 
1.37±0.14
 1.37±0.05
1.43±0.08
 1.43±0.09
 1.44±0.10
分娩母獣数      
 15       
 13       
 14       
 15       
 12      
 15       
 15        
 15      
 15       
 10      
 14       
 15       
出生仔数       
151       
141       
150       
158       
128      
153       
166        
152      
168       
111      
146       
149       
平均同腹出生仔数   
10.1±1.62 
10.9±1.95 
10.7±2.27 
10.5±1.64 
10.7±2.19
10.2±2.01 
11.1±1.49  
10.1±2.29
11.2±1.52 
11.1±1.66
10.4±2.28 
9.9±1.53  

( ):総着床数に対する%
 * :対照に比較しP<0.05で有意差あり


(ホ) 死亡胎仔(表3)

 着床痕跡数、胎盤遺残数および浸軟胎仔数は、P,F1およびF2世代での群間に有意の差は認められない。


表3 繁殖生理値
        世 代
           
 項 目      群
                     P                     
          F1                              
                    F2                    
 対 照      
 非照射      
  50      
 100      
 対 照     
 非照射      
  50       
 100     
 対 照      
 非照射     
  50      
 100      
妊娠母獣数      
 10       
 10       
 10       
 10       
  8      
  9       
  9        
 10      
 10       
 10      
 10       
 10       
総着床数       
109       
107       
115       
111       
 81      
109       
117        
111      
118       
104      
116       
125       
平均着床数      
10.9±1.60 
10.7±3.23 
11.5±2.51 
11.1±3.84 
10.1±4.19
12.1±2.09 
13.0±1.41  
11.1±1.91
11.8±0.92 
10.4±3.44
11.6±0.97 
12.5±1.58 
着床痕跡数      
  0       
  0       
  0       
  2( 1.8) 
  1( 1.2)
  0       
  0        
  0      
  0       
  0      
  0       
  0       
胎盤遺残数      
  2( 1.8) 
  3( 2.8) 
  6( 5.2) 
  6( 5.4) 
 10(12.3)
 11(10.1) 
 10( 8.6)  
 13(11.7)
 11( 9.3) 
  2( 1.9)
  3( 2.6) 
  6( 4.8) 
浸軟胎仔数      
  3( 2.8) 
  3( 2.8) 
  2( 1.7) 
  4( 3.6) 
  2( 2.5)
  4( 3.7) 
  1( 0.9)  
  2( 1.8)
  2( 1.7) 
 11(10.6)
  1( 0.9) 
  3( 2.4) 
生存胎仔数      
104(95.4) 
101(94.4) 
107(93.0) 
 99(89.2) 
 68(84.0)
 94(86.2) 
106(90.5)  
 96(86.5)
105(89.0) 
 91(87.5)
112(96.6) 
116(92.8) 
平均同腹仔数     
10.40±1.71
10.10±3.11
10.70±2.21
11.00±2.35
9.71±1.89
10.44±1.94
11.78±1.48*
9.60±1.58
10.50±1.18
9.10±3.04
11.20±1.03
11.60±1.78
生存胎仔平均体重(g)
 1.39±0.08
 1.47±0.13
 1.45±0.09
 1.36±0.13
1.31±0.20
 1.33±0.17
 1.29±0.14 
1.37±0.14
 1.37±0.05
1.43±0.08
 1.43±0.09
 1.44±0.10
分娩母獣数      
 15       
 13       
 14       
 15       
 12      
 15       
 15        
 15      
 15       
 10      
 14       
 15       
出生仔数       
151       
141       
150       
158       
128      
153       
166        
152      
168       
111      
146       
149       
平均同腹出生仔数   
10.1±1.62 
10.9±1.95 
10.7±2.27 
10.5±1.64 
10.7±2.19
10.2±2.01 
11.1±1.49  
10.1±2.29
11.2±1.52 
11.1±1.66
10.4±2.28 
9.9±1.53  

( ):総着床数に対する%
 * :対照に比較しP<0.05で有意差あり


(へ) 出生仔(表3)

 平均同腹出生仔数では、P,F1およびF2世代での群間に有意の差は認められない。


表3 繁殖生理値
        世 代
           
 項 目      群
                     P                     
          F1                              
                    F2                    
 対 照      
 非照射      
  50      
 100      
 対 照     
 非照射      
  50       
 100     
 対 照      
 非照射     
  50      
 100      
妊娠母獣数      
 10       
 10       
 10       
 10       
  8      
  9       
  9        
 10      
 10       
 10      
 10       
 10       
総着床数       
109       
107       
115       
111       
 81      
109       
117        
111      
118       
104      
116       
125       
平均着床数      
10.9±1.60 
10.7±3.23 
11.5±2.51 
11.1±3.84 
10.1±4.19
12.1±2.09 
13.0±1.41  
11.1±1.91
11.8±0.92 
10.4±3.44
11.6±0.97 
12.5±1.58 
着床痕跡数      
  0       
  0       
  0       
  2( 1.8) 
  1( 1.2)
  0       
  0        
  0      
  0       
  0      
  0       
  0       
胎盤遺残数      
  2( 1.8) 
  3( 2.8) 
  6( 5.2) 
  6( 5.4) 
 10(12.3)
 11(10.1) 
 10( 8.6)  
 13(11.7)
 11( 9.3) 
  2( 1.9)
  3( 2.6) 
  6( 4.8) 
浸軟胎仔数      
  3( 2.8) 
  3( 2.8) 
  2( 1.7) 
  4( 3.6) 
  2( 2.5)
  4( 3.7) 
  1( 0.9)  
  2( 1.8)
  2( 1.7) 
 11(10.6)
  1( 0.9) 
  3( 2.4) 
生存胎仔数      
104(95.4) 
101(94.4) 
107(93.0) 
 99(89.2) 
 68(84.0)
 94(86.2) 
106(90.5)  
 96(86.5)
105(89.0) 
 91(87.5)
112(96.6) 
116(92.8) 
平均同腹仔数     
10.40±1.71
10.10±3.11
10.70±2.21
11.00±2.35
9.71±1.89
10.44±1.94
11.78±1.48*
9.60±1.58
10.50±1.18
9.10±3.04
11.20±1.03
11.60±1.78
生存胎仔平均体重(g)
 1.39±0.08
 1.47±0.13
 1.45±0.09
 1.36±0.13
1.31±0.20
 1.33±0.17
 1.29±0.14 
1.37±0.14
 1.37±0.05
1.43±0.08
 1.43±0.09
 1.44±0.10
分娩母獣数      
 15       
 13       
 14       
 15       
 12      
 15       
 15        
 15      
 15       
 10      
 14       
 15       
出生仔数       
151       
141       
150       
158       
128      
153       
166        
152      
168       
111      
146       
149       
平均同腹出生仔数   
10.1±1.62 
10.9±1.95 
10.7±2.27 
10.5±1.64 
10.7±2.19
10.2±2.01 
11.1±1.49  
10.1±2.29
11.2±1.52 
11.1±1.66
10.4±2.28 
9.9±1.53  

( ):総着床数に対する%
 * :対照に比較しP<0.05で有意差あり


(ト) 末期胎仔の外形異常(表4)

 外形異常は、P世代で対照群に曲尾1例、100群に皮下出血1例が認められる。F1世代では、50群に内反足1例、100群に曲尾+内反足の合併症1例、曲尾および内反足各1例の計3例が認められる。F2世代では、対照群に内反足1例および皮下出血1例の計2例、50群に内反足2例および合指+多指合併症1例の計3例、100群に内反足2例および背部皮膚の小突起1例の計3例が認められる。これら外形異常の発生については、各世代での群間に有意の差は認められない。


表4 末期胎仔外形検査
     世 代
        
 項 目   群
         P         
         F1        
         F2   
対 照 
非照射 
 50 
100 
対 照 
非照射 
 50 
100 
対 照 
非照射 
 50 
100 
被検体仔数   
104 
101 
107 
 99 
 68 
 94 
106 
 96 
105 
 91 
112 
116 
外形異常仔数  
  1a
  0 
  0 
  1b
  0 
  0 
  1c
  3d
  2e
  0 
  3f
3g
外形正常仔数  
103 
101 
107 
 98 
 68 
 94 
105 
 93 
103 
 91 
109 
113 

a:曲尾  b:皮下出血  c:内反足
d:曲尾・内反足、曲尾、内反足  e:内反足、皮下出血
f:内反足、合指・多指  g:背部皮膚小出血、内反足


(e) 生後発育(表5)

 4日令時死亡率(周産期死亡率)、離乳前死亡率および11週令時死亡率は、F1、F2およびF3世代での群間に有意の差は認められない。


表5 出生仔の離乳前および離乳後の死亡率
世代
  
  
  
 群 
   
   
   
            離  乳  前            
              離  乳  後         
出生仔数  
/母獣数  
周産期a) 
(%)   
淘汰後b)
出生仔数 
     
  週  
死亡数c)
(%)  
離乳後e)
出生仔数 
雌雄別 
 仔数 
           
        週  
死亡数f) 
(%)   
  
   
      
      
     



     
     
    






10
11
      
F1
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照
   
151/15
      
   0  
      
 141 
     

 

 

 
  0  
     
 109 
     
雌 60
雄 49












 0
 0


0     
1(2.0)
非照射
   
141/13
      
   0  
      
 125 
     

 

 

 
  7  
(5.6)
  88 
     
雌 45
雄 43












 0
 0


1(2.2)
0     
 50
   
150/14
      
   0  
      
 132 
     

 

 

 
  0  
     
 102 
     
雌 45
雄 57












 0
 0


0     
0     
100
   
158/15
      
   0  
      
 144 
     

 

 

 
  0  
     
 114 
     
雌 54
雄 60












 0
 0


0     
0     
F2
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照
   
128/12
      
  13d)
(10.2)
 102 
     

 

 

 
  2  
(2.0)
  80 
     
雌 39
雄 41












 0
 0


0     
1(2.4)
非照射
   
153/15
      
   0  
      
 139 
     

 

 

 
  0  
     
 109 
     
雌 58
雄 51












 0
 0


0     
0     
 50
   
166/15
      
   3  
 (1.8)
 147 
     

 

 

 
  0  
     
 118 
     
雌 57
雄 61












 0
 0


0     
0     
100
   
152/15
      
   0  
      
 138 
     

 

 

 
  1  
(0.7)
 108 
     
雌 51
雄 57












 0
 0


0     
1(1.8)
F3
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 対照
   
168/15
      
   1  
 (0.6)
 147 
     

 

 

 
  0  
     
  87 
     
雌 43
雄 44












 0
 0


0     
0     
非照射
   
111/10
      
   0  
      
  98 
     

 

 

 
  0  
     
  68 
     
雌 26
雄 42












 0
 0


0     
0     
 50
   
146/14
      
   0  
      
 129 
     

 

 

 
  0  
     
  69 
     
雌 36
雄 33












 0
 0


0     
0     
100
   
149/15
      
   3  
 (2.0)
 140 
     

 

 

 
  0  
     
  80 
     
雌 38
雄 42












 0
 0


0     
0     

a):4日目までに死亡した出生仔数/出生仔数×100
b):4日目に1腹10匹以上のものは10匹に淘汰
c):3週令までに死亡した出生仔数/淘汰後出生仔数×100
d):食殺
e):離乳時に約30匹を骨格標本に選抜
f):11週令までに死亡した出生仔数/離乳後出生仔数×100


(f) 末期胎仔骨格検査
(イ) F1世代(表6)

 検査仔数は対照群104匹、非照射群101匹、50群107匹および100群99匹である。

 症例所有仔数は対照群で27/104例、非照射群で34/101例、50群で26/107例および100群では38/99例であるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 非照射群に胸骨癒合1例と第13肋骨欠損を2例認める。各群に頚肋および頚椎椎弓の分裂、分岐の出現が高く認められる。また過剰胸骨核、胸骨核不相称、第13肋骨不相称、腰肋、第14肋骨および仙椎前椎骨数異常などが対照群を含む各群に若干認められる。なお、いずれの症例も群間に有意の差は認められない。

 化骨進行度の指標とした肢骨の指骨平均化骨数、趾骨平均化骨数および腰椎後椎骨平均化骨数においても群間に有意の差は認められない。


表6−a 骨格検査一覧・末期胎仔(F1)
              群   
   項 目            
  対 照     
          
  非照射     
          
   50     
          
  100     
          
    母獣数           
   10     
   10     
   10     
   9      
   検査仔数           
  104     
  101     
  107     
  99      
  各症例所有仔数(%)*1    
27(26.0)  
34(33.7)  
26(24.3)  
38(38.4)  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均



表6−b 骨格検査一覧・末期胎仔(F1)
              群   
  対 照     
  非照射     
   50     
  100     
    個 別 症 例       
                  
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       


 
 
 
 
 
  胸骨癒合          
          
 1.0  ( 1)
          
          
 第13肋骨欠損        
          
 2.0  ( 2)
          
          
 第10・11肋骨分岐     
          
          
          
          
(第10・11胸椎椎体癒合合弁)
          
          
          
          


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  前頭間骨          
 1.0  ( 1)
 5.0  ( 5)
          
 5.1  ( 5)
 頸肋             
11.5  (12)
14.9  (15)
 9.3  (10)
23.2  (23)
 第1・2頚椎椎弓の分裂分岐  
 9.6  (10)
10.9  (11)
13.1  (14)
14.1  (14)
 過剰椎骨核          
 1.0  ( 1)
          
 0.9  ( 1)
 1.0  ( 1)
 胸骨格不相称         
 2.9  ( 3)
 4.0  ( 4)
 3.7  ( 4)
 7.1  ( 7)
 過剰胸骨核          
          
          
          
          
 第13肋骨不相称       
          
          
          
 2.0  ( 2)
 腰肋             
          
 1.0  ( 1)
          
          
 第14肋骨          
 1.0  ( 1)
 3.0  ( 3)
          
          
 仙椎前椎骨数異常       
 6.7  ( 7)
10.9  (11)
 4.7  ( 5)
 4.0  ( 4)





 
 
  指骨平均化骨数*2     
 7.1±0.36 
 7.1±0.32 
 7.4±0.23 
 7.0±0.64 
 趾骨平均化骨数*2      
 7.0±0.59 
 7.0±0.78 
 7.4±0.72 
 6.0±1.58 
 腰椎後椎骨・平均化骨数    
                
                
 8.2±0.72 
          
          
 8.1±1.39 
          
          
 8.0±1.34 
          
          
 7.1±1.71 
          
          

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
*2:基節骨+中節骨


(ロ) F2世代(表7)

 検査仔数は対照群68匹、非照射群94匹、50群106匹および100群96匹である。

 症例所有仔数は、対照群27/68例、非照射群38/94例、50群30/106例および100群では20/96例を認めるが、群間に差は認められない。 非照射群に第13肋骨欠損の出現を2例認める。また、各群に頚肋の出現を14〜24例認める。なお、それらの出現率では群間に有意の差は認められない。

 化骨進行度における指骨平均化骨数、趾骨平均化骨数および腰椎後椎骨平均化骨数においても群間に有意の差は認められない。


表7−a 骨格検査一覧・末期胎仔(F2)
              群   
   項 目            
  対 照     
          
  非照射     
          
   50     
          
  100     
          
    母獣数           
    7     
    9     
    9     
  10      
   検査仔数           
   68     
   94     
  106     
  96      
  各症例所有仔数(%)*1    
27(39.7)  
38(40.4)  
30(28.3)  
20(20.8)  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均



表7−b 骨格検査一覧・末期胎仔(F2)
              群   
  対 照     
  非照射     
   50     
  100     
    個 別 症 例       
                  
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       


 
 
 
 
 
  胸骨癒合          
          
          
          
          
 第13肋骨欠損        
          
 2.1  ( 2)
          
          
 第10・11肋骨分岐     
          
          
          
          
(第10・11胸椎椎体癒合合弁)
          
          
          
          


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  前頭間骨          
          
          
          
          
 頸肋             
25.0  (17)
24.5  (23)
22.6  (24)
14.6  (14)
 第1・2頚椎椎弓の分裂分岐  
 7.4  ( 5)
13.8  (13)
 2.8  ( 3)
          
 過剰椎骨核          
          
          
          
          
 胸骨格不相称         
10.3  ( 7)
 5.3  ( 5)
 2.8  ( 3)
          
 過剰胸骨核          
 1.5  ( 1)
          
          
          
 第13肋骨不相称       
 1.5  ( 1)
          
          
          
 腰肋             
          
          
          
 1.0  ( 1)
 第14肋骨          
          
          
          
          
 仙椎前椎骨数異常       
 8.8  ( 6)
14.9  (14)
 5.7  ( 6)
 6.3  ( 6)





 
 
  指骨平均化骨数*2     
 6.5±1.23 
 6.1±1.49 
 6.7±0.69 
 6.8±0.81 
 趾骨平均化骨数*2      
 5.8±2.24 
 5.6±2.01 
 5.4±1.39 
 6.2±1.67 
 腰椎後椎骨・平均化骨数    
                
                
 6.9±2.52 
          
          
 7.3±2.78 
          
          
 6.6±2.02 
          
          
 7.6±1.80 
          
          

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
*2:基節骨+中節骨


(ハ) F3世代(表8)

 検査仔数は対照群105匹、非照射群91匹、50群112匹および100群116匹である。

 症例所有仔数は、対照群25/105例、非照射群31/91例、50群34/112例および100群に19/116例認めるが、それぞれの出現率では群間に差は認められない。

 胸骨癒合が50群および100群に各々1例、また、胸椎椎体癒合とそれにともなう肋骨分岐との合併症例が非照射群に1例認められる。頚肋および第1、2頚椎椎弓の分裂・分岐の出現が各群に高く認められる。なお、それぞれの出現率において群間に有意の差は認められない。 化骨進行度においては、50群および100群の腰椎後椎骨平均化骨数が、対照群ならびに非照射群に比して有意の増加(P<0.05あるいはP<0.01)を示す。


表8−a 骨格検査一覧・末期胎仔(F3)
              群   
   項 目            
  対 照     
          
  非照射     
          
   50     
          
  100     
          
    母獣数           
   10     
   10     
   10     
  10      
   検査仔数           
  105     
   91     
  112     
 116      
  各症例所有仔数(%)*1    
25(23.8)  
31(34.1)  
34(30.4)  
19(16.4)  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均



表8−b 骨格検査一覧・末期胎仔(F3)
              群   
  対 照     
  非照射     
   50     
  100     
    個 別 症 例       
                  
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       
出現率*1 (仔数)
(%)       


 
 
 
 
 
  胸骨癒合          
          
          
 0.9  ( 1)
 0.9  ( 1)
 第13肋骨欠損        
          
          
          
          
 第10・11肋骨分岐     
          
 1.1  ( 1)
          
          
(第10・11胸椎椎体癒合合弁)
          
          
          
          


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  前頭間骨          
          
          
          
          
 頸肋             
13.3  (14)
22.0  (20)
17.9  (20)
10.3  (12)
 第1・2頸椎椎弓の分裂分岐  
11.4  (12)
14.3  (13)
12.5  (14)
 1.7  ( 2)
 過剰椎骨核          
          
          
          
 0.9  ( 1)
 胸骨格不相称         
 1.0  ( 1)
 2.2  ( 2)
 2.7  ( 3)
 6.0  ( 7)
 過剰胸骨核          
          
          
          
          
 第13肋骨不相称       
 1.0  ( 1)
 1.0  ( 1)
 0.9  ( 1)
          
 腰肋             
          
          
          
          
 第14肋骨          
          
          
          
          
 仙椎前椎骨数異常       
 1.9  ( 2)
 3.3  ( 3)
 2.7  ( 3)
          





 
 
  指骨平均化骨数*2     
 7.2±0.49 
 7.3±0.40 
 7.5±0.34 
 6.9±0.59 
 趾骨平均化骨数*2      
 7.1±1.00 
 7.1±0.99 
 7.9±0.88 
 6.9±0.93 
 腰椎後椎骨・平均化骨数    
                
                
 7.6±1.02 
          
          
 8.4±1.53 
          
          
10.9±2.65 
     ※※(※)
          
13.0±1.03 
    ※※(※※)
          

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
*2:基節骨+中節骨
 ※※ :対照群に比較して有意差あり (P<0.01)
 (※):非照射群に比較して有意差あり(P<0.05)
(※※):非照射群に比較して有意差あり(P<0.01)


(g) 出生仔骨格検査
(イ) F1世代

 i)3週令(表9)

 雄の症例所有仔数は、対照群7/17例、非照射群5/15例、50群2/15例および100群では4/15例認めるが、それぞれの出現率では群間に差は認められない。

 軟骨癒合(肋軟骨)、第13肋骨欠損および第13・14脊椎骨癒合が対照群に各々1例、頚椎椎体2分離が50群に2例認める。頚肋の出現は、各群に1〜5例認める。なお、それぞれの出現率において群間に有意の差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数において群間に有意の差は認められない。

 雌の症例所有仔数は、対照群4/15例、非照射群3/15例、50群5/15例および100群に1/15例認めるが、群間に差は認められない。

 第9肋骨欠損を対照群に1例認める。頚肋の出現を各群に高く認めるが、それらの出現率において群間に有意の差は認められない。また、非照射群および50群に第6腰椎翼仙椎化を認めるが、その出現率において群間に差は認められない。

 なお、化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に有意の差は認められない。

 ii)10週令(表10)

 雄の症例所有仔数は、非照射群2/10例、50群1/10例および100群では1/10例を認めるが、それぞれの出現率において群間に差は認められない。

 第6腰椎翼仙椎化の出現を各添加群に認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数においても群間に差は認められない。

 雌の症例所有仔数は、対照群に1/10例および非照射群に1/9例認めるが、その出現率において群間に有意の差は認められない。

 第6腰椎翼仙椎化が対照群と非照射群に認められるが、その出現率において群間に差は認められない。

 なお、化骨進行度における尾椎平均化骨数についても、群間に差は認められない。


表9−a 骨格検査一覧・F1 雄(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   17      
   15      
   15      
   15      
各症例所有仔数(%)    
              
    7(41.2)
           
    5(33.3)
           
    3(20.0)
           
    4(26.7)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 
 
 
 
 
 
 頸椎椎体2分離    
           
           
13.3  (2)  
           
軟骨癒合        
 5.9  (1)  
           
           
           
第13肋骨欠損     
 5.9  (1)  
           
           
           
第13・14脊椎骨癒合 
 5.9  (1)  
           
           
           

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 過剰骨核(頸椎間)  
           
           
13.3  (2)  
           
頸肋          
29.4  (5)  
20.0  (3)  
 6.7  (1)  
20.0  (3)  
胸骨列不順       
 5.9  (1)  
           
           
           
肋軟骨列不順      
11.8  (2)  
           
           
           
第6腰椎翼仙椎化    
           
20.0  (3)  
 6.7  (1)  
 6.7  (1)  
仙椎前椎骨数25    
17.6  (3)  
           
           
           
尾椎平均化骨数       
33.8±0.95  
33.9±0.96  
33.5±0.99  
33.1±0.70  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表9−b 骨格検査一覧・F1 雌(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   15      
   15      
   15      
   15      
各症例所有仔数(%)    
              
    4(26.7)
           
    3(20.0)
           
    5(33.3)
           
    1( 6.7)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

第9肋骨欠損      
 6.7  (1)  
           
           
           

 
 
頸肋          
26.7  (4)  
13.3  (2)  
20.0  (3)  
 6.7  (1)  
第6腰椎翼仙椎化    
           
13.3  (2)  
20.0  (3)  
           
尾椎平均化骨数       
33.7±0.80  
33.4±0.74  
33.3±0.59  
33.3±0.90  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表10−a 骨格検査一覧・F1 雄(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
    8      
   10      
   10      
   10      
各症例所有仔数(%)    
              
    0      
           
    2(20.0)
           
    1(10.0)
           
    1(10.0)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

   −        
           
           
           
           

第6腰椎翼仙椎化    
           
20.0  (2)  
10.0  (1)  
10.0  (1)  
尾椎平均化骨数       
33.9±0.64  
33.5±0.53  
33.4±0.52  
33.0±0.47  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表10−b 骨格検査一覧・F1 雌(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   10      
    9      
   10      
    9      
各症例所有仔数(%)    
              
    1(10.0)
           
    1(11.1)
           
    0      
           
    0      
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

   −        
           
           
           
           

第6腰椎翼仙椎化    
10.0  (1)  
11.1  (1)  
           
           
尾椎平均化骨数       
33.6±0.52  
33.0±0.87  
33.4±0.52  
33.0±1.22  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異


(ロ) F2世代

 i)3週令(表11)

 雄の症例所有仔数は、対照群4/10例、非照射群7/13例、50群3/15例および100群では2/13例を認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 頚椎癒合を非照射群に1例、また、曲尾を100群に1例認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。一方、頚肋および第6腰椎翼仙椎化においても同様にそれらの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 雌の症例所有仔数は、対照群1/10例、非照射群7/17例、50群5/14例および100群に3/14例認めるが、群間に差は認められない。

 第13肋骨欠損を非照射群に1例、また頚肋の出現を各群に若干認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 ii)10週令(表12)

 雄の症例所有仔数は、非照射群2/9例、50群2/10例および100群1/10例を認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 第6腰椎翼仙椎化の出現が、非照射群および50群に各々2例、更に100群に1例を認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 雌の症例所有仔数は、非照射群1/10例、50群2/10例および100群1/10例を認めるが、群間に差は認められない。

 第6腰椎翼の仙椎化の出現が非照射および100群に各々1例、50群に2例認めるが、それらの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。


表11−a 骨格検査一覧・F2 雄(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   10      
   13      
   15      
   13      
各症例所有仔数(%)    
              
    4(40.0)
           
    7(53.8)
           
    3(20.0)
           
    2(15.4)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 
第5・6頸椎癒合    
曲尾          
           
           
 7.7  (1)  
           
           
           
           
 7.7  (1)  

 
頸肋          
第6腰椎翼仙椎化    
10.0  (1)  
30.0  (3)  
30.8  (4)  
23.1  (3)  
20.0  (3)  
13.3  (2)  
           
 7.7  (1)  
尾椎平均化骨数       
32.9±1.85  
33.6±0.51  
33.1±0.70  
33.5±0.88  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表11−b 骨格検査一覧・F2 雌(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   10      
   17      
   14      
   14      
各症例所有仔数(%)    
              
    1(10.0)
           
    7(41.2)
           
    5(35.7)
           
    3(21.4)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

第13肋骨欠損     
           
 5.9  (1)  
           
           

 
 
 
 
 
 
頸肋          
10.0  (1)  
23.5  (4)  
21.4  (3)  
 7.1  (1)  
胸骨列不順       
           
           
 7.1  (1)  
           
肋軟骨列不順      
           
           
 7.1  (1)  
           
第6腰椎翼仙椎化    
           
11.8  (2)  
 7.1  (1)  
14.3  (2)  
尾椎平均化骨数       
33.8±0.42  
33.4±0.87  
32.7±1.44  
33.1±0.66  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表12−a 骨格検査一覧・F2 雄(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
    5      
    9      
   10      
   10      
各症例所有仔数(%)    
              
    0      
           
    2(22.2)
           
    2(20.0)
           
    1(10.0)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

   −        
           
           
           
           

第6腰椎翼仙椎化    
           
22.2  (2)  
20.0  (2)  
10.0  (1)  
尾椎平均化骨数       
33.0±0.71  
33.1±0.33  
33.3±0.48  
32.1±2.18  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表12−b 骨格検査一覧・F2 雌(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
    5      
   10      
   10      
   10      
各症例所有仔数(%)    
              
    0      
           
    1(10.0)
           
    2(20.0)
           
    1(10.0)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

   −        
           
           
           
           

第6腰椎翼仙椎化    
           
10.0  (1)  
20.0  (2)  
10.0  (1)  
尾椎平均化骨数       
33.0±1.22  
33.3±2.00  
32.7±0.48  
32.3±2.98  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異


(ハ) F3世代

 i)3週令(表13)

 雄の症例所有仔数は、対照群5/29例、非照射群1/14例、50群6/29例および100群に8/30例を認めるが、その出現率において各群間に差は認められない。

 第5胸骨欠損を対照群に1例認める。頚肋の出現を各群に認めるが、その出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 雌の症例所有仔数は、対照群9/29例、非照射群2/15例、50群7/30例および100群13/30例を認めるが、群間に差は認められない。100群の新生仔に頚椎椎体形成不全、肋骨癒合および第13肋骨欠損、更に、それにともなう頚椎椎弓および胸椎間の過剰骨と仙椎前椎骨数の異常などの合併症例を1例認める。頚肋および第6腰椎翼仙椎化の出現を各群に高く認めるが、それぞれの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 ii)10週令(表14)

 雄の症例所有仔数は、対照群4/15例、非照射群1/10例、50群4/15例および100群2/15例認めるが、その出現率において群間に差は認められない。

 胸骨癒合を対照群および50群に各々1例認める。また、肋軟骨列不順を対照群および50群に各々1例認め、第6腰椎翼仙椎化が各群に1〜3例認められる。なお、それぞれの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認められない。

 雌の各症例所有仔数は、対照群2/15例、非照射群1/10例および100群に2/15例認められるが、その出現率において群間に差は認められない。

 第13肋骨欠損を100群に1例認める。第13肋骨不相称が100群に1例、第6腰椎翼仙椎化が対照群2例、非照射群および100群に各々1例、また、仙椎前椎骨数の異常を100群に1例認める。なお、それぞれの出現率において群間に差は認められない。

 化骨進行度における尾椎平均化骨数についても群間に差は認めない。


表13−a 骨格検査一覧・F3 雄(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   29      
   14      
   29      
   30      
各症例所有仔数(%)    
              
    5(17.2)
           
    1( 7.1)
           
    6(20.7)
           
    8(26.7)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 第5胸骨欠損     
 3.4  (1)  
           
           
           

 
 
 
 
 
 
 
 
 頸肋         
 6.9  (2)  
 7.1  (1)  
 6.9  (2)  
 6.7  (2)  
胸骨核変形       
 3.4  (1)  
           
           
           
第13肋骨不相称    
           
           
           
 3.3  (1)  
腰肋          
           
           
 3.4  (1)  
           
第6腰椎翼仙椎化    
 6.9  (2)  
           
13.8  (4)  
23.3  (7)  
尾椎平均化骨数       
33.5±0.95  
33.5±1.16  
33.1±1.31  
33.1±0.66  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表13−b 骨格検査一覧・F3 雌(3週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   29      
   15      
   30      
   30      
各症例所有仔数(%)    
              
    9(31.0)
           
    2(13.3)
           
    7(23.3)
           
   13(43.3)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 
 
 
 
 頚椎椎体形成不全   
           
           
           
 3.3  (1)★ 
第2・3、6・7肋骨癒合
           
           
           
 3.3  (1)★ 
第13肋骨欠損     
           
           
           
 3.3  (1)★ 

 
 
 
 
 
 
 
 
 頸肋         
10.3  (3)  
 6.7  (1)  
16.7  (5)  
26.7  (8)  
過剰骨核(頚椎椎弓)  
           
           
           
 3.3  (1)★ 
    (胸椎間)   
           
           
           
 3.3  (1)★ 
第6腰椎翼仙椎化    
24.1  (7)  
 6.7  (1)  
13.3  (4)  
23.3  (7)  
仙椎前椎骨数27    
           
           
           
 3.3  (1)★ 
尾椎平均化骨数       
33.5±0.87  
34.2±0.77  
33.0±2.51  
33.1±1.37  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異
★ : 合併症



表14−a 骨格検査一覧・F3 雄(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   15      
   10      
   15      
   15      
各症例所有仔数(%)    
              
    4(26.7)
           
    1(10.0)
           
    4(26.7)
           
    2(13.3)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 第2・3胸骨癒合   
 6.7  (1)  
           
 6.7  (1)  
           

 
 
 肋軟骨列不順     
 6.7  (1)  
           
 6.7  (1)  
           
第6腰椎翼仙椎化    
20.0  (3)  
10.0  (1)  
20.0  (3)  
13.3  (2)  
尾椎平均化骨数       
33.3±0.82  
33.3±0.67  
32.2±2.88  
32.9±0.46  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異



表14−b 骨格検査一覧・F3 雌(10週令)
項 目        群  
  対 照      
  非照射      
   50      
  100      
検 査 仔 数       
   15      
   10      
   15      
   15      
各症例所有仔数(%)    
              
    2(13.3)
           
    1(10.0)
           
    0      
           
    2(13.3)
           
  個 別 症 例     
              
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        
出現率*1 (仔数) 
(%)        

 第13肋骨欠損    
           
           
           
 6.7  (1)  

 
 
 
 
 第13肋骨不相称   
           
           
           
 6.7  (1)  
第6腰椎翼仙椎化    
13.3  (2)  
10.0  (1)  
           
 6.7  (1)  
仙椎前椎骨数25    
           
           
           
 6.7  (1)  
尾椎平均化骨数       
33.0±1.25  
33.4±0.52  
32.5±1.88  
33.0±0.53  

*1:各母獣単位での出現率の加重平均
異 : 異常
変 : 変異


(h) 臓器重量

 実重量および100g体重比が対照群に比して同一方向の増減を示す臓器について述べる。

(イ) 雄動物(表15)

 F1およびF2の各群では群間に差は認められず、F3世代の50群の腎で対照群に比して減少を認める。しかし、これらの変化は、非対照群との比較では差は認められない。


表15−a 臓器重量(10週令)・雄 実重量
 世 代
    
項目 群
           F1          
              F2          
       F3              
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50    
 100 
 対 照 
 非照射   
  50     
 100     
例 数 
   9 
  10 
  10 
  10 
   3 
   7 
  10    
  10 
  15 
  10   
  14     
  14     
 肝  
(g) 
 1.90
±0.35
 2.18
±0.76
 2.00
±0.53
 1.99
±0.25
 1.96
±0.28
 2.16
±0.42
 1.90   
±0.23   
 2.27
±0.37
 2.04
±0.31
 2.32  
±0.23* 
 2.15    
±0.31    
 2.15    
±0.36    
 腎  
(g) 
 0.57
±0.06
 0.57
±0.10
 0.58
±0.12
 0.58
±0.05
 0.58
±0.07
 0.62
±0.06
 0.57   
±0.06   
 0.64
±0.07
 0.65
±0.09
 0.63  
±0.06  
 0.56    
±0.08*(*)
 0.64    
±0.07    
精 巣 
(g) 
 0.27
±0.02
 0.29
±0.03
 0.28
±0.03
 0.28
±0.03
 0.27
±0.03
 0.27
±0.03
 0.27   
±0.03   
 0.29
±0.03
 0.25
±0.03
 0.27  
±0.03* 
 0.26    
±0.03    
 0.27    
±0.03*   

  * :対照に比較してP<0.05で有意差あり。
 ** :対照に比較してP<0.01で有意差あり。
 (*):非照射に比較してP<0.05で有意差あり。
(**):非照射に比較してP<0.01で有意差あり。



表15−b 臓器重量(10週令)・雄 比重量
 世 代
    
項目 群
           F1          
              F2          
       F3              
 対 照 
 非照射 
  50 
 100 
 対 照 
 非照射 
  50    
 100 
 対 照 
 非照射   
  50     
 100     
体 重 
(g) 
41.37
±4.60
44.84
±7.77
42.92
±5.25
42.67
±3.84
41.04
±2.78
44.20
±4.20
39.57   
±3.38(*)
43.22
±5.21
40.93
±3.75
46.02  
±3.21**
41.03    
±3.80(**)
43.30    
±5.15    
 肝  
(g) 
 4.64
±0.98
 4.76
±0.79
 4.60
±0.61
 4.72
±0.46
 4.77
±0.45
 4.93
±0.73
 4.80   
±0.36   
 5.24
±0.45
 4.99
±0.61
 5.06  
±0.46  
 5.24    
±0.53    
 4.96    
±0.45    
 腎  
(g) 
 1.39
±0.24
 1.28
±0.17
 1.35
±0.16
 1.37
±0.19
 1.41
±0.09
 1.41
±0.09
 1.46   
±0.21   
 1.50
±0.21
 1.60
±0.24
 1.37  
±0.11* 
 1.38    
±0.18**  
 1.48    
±0.07(**)
精 巣 
(g) 
 0.65
±0.09
 0.65
±0.12
 0.65
±0.08
 0.65
±0.10
 0.66
±0.04
 0.62
±0.12
 0.68   
±0.07   
 0.67
±0.08
 0.61
±0.09
 0.59  
±0.06  
 0.65    
±0.08    
 0.63    
±0.10    

  * :対照に比較してP<0.05で有意差あり。
 ** :対照に比較してP<0.01で有意差あり。
 (*):非照射に比較してP<0.05で有意差あり。
(**):非照射に比較してP<0.01で有意差あり。


(ロ) 雌動物(表16)

 F1世代では50群の卵巣、F2世代では50群の肝および腎、更に100群の肝で、それぞれ減少を認める。しかし、これらの変化は非照射群との比較では差は認められない。


表16−a 臓器重量(10週令)・雌 実重量
 世 代
    
項目 群
            F1             
            F2                
           F3                 
 対 照 
 非照射  
  50   
 100  
 対 照 
 非照射  
  50   
 100     
 対 照 
 非照射   
  50   
 100      
例 数 
   9 
  10  
  10   
  10  
   4 
  10  
  10   
  10     
15 
  10   
  14   
  15      
 肝  
(g) 
 1.59
±0.15
  1.83
± 0.61
 1.99  
±0.26**
  1.76
± 0.21
 1.89
±0.08
 1.71 
±0.24 
 1.65  
±0.18* 
  1.50   
± 0.15** 
 1.43
±0.22
 1.51  
±0.19  
 1.60  
±0.34  
 1.64     
±0.30*    
 腎  
(g) 
 0.38
±0.02
  0.39
± 0.08
 0.39  
±0.03  
  0.38
± 0.03
 0.44
±0.05
 0.40 
±0.04 
 0.38  
±0.04* 
  0.39   
± 0.06   
 0.38
±0.04
 0.35  
±0.03  
 0.36  
±0.04  
 0.38     
±0.03     
卵 巣 
(mg)
12.25
±2.05
 11.79
± 2.84
10.42  
±1.59* 
 12.70
± 3.47
11.50
±2.09
12.90 
±2.09 
11.86  
±2.37  
 12.10   
± 3.67   
10.89
±2.01
12.20  
±2.11  
10.65  
±2.24  
11.69     
±2.86     



表16−b 臓器重量(10週令)・雌 比重量
 世 代
    
項目 群
            F1             
            F2                
           F3                 
 対 照 
 非照射  
  50   
 100  
 対 照 
 非照射  
  50   
 100     
 対 照 
 非照射   
  50   
 100      
体 重 
(g) 
32.42
±3.30
 36.77
±12.41
37.64  
±3.01**
 33.13
± 1.93
33.56
±1.74
33.76 
±2.30 
34.27  
±2.57  
 31.15   
± 2.74(*)
31.96
±3.63
34.61  
±3.36  
34.59  
±4.49  
34.19     
±4.22     
 肝  
(g) 
 4.96
±0.70
  5.00
± 0.56
 5.28  
±0.52  
  5.34
± 0.57
 5.63
±0.26
 5.05 
±0.54 
 4.82  
±0.44**
  4.82   
± 0.31** 
 4.47
±0.49
 4.35  
±0.36  
 4.58  
±0.52  
 4.78     
±0.55     
 腎  
(g) 
 1.18
±0.13
  1.10
± 0.24
 1.04  
±0.05**
  1.15
± 0.10
 1.31
±0.12
 1.18 
±0.10*
 1.11  
±0.09**
  1.25   
± 0.18   
 1.20
±0.14
 1.03  
±0.08**
 1.05  
±0.10**
 1.11     
±0.07(**)*
卵 巣 
(mg)
38.02
±6.89
 34.06
±10.47
27.78  
±4.46**
 38.38
±10.39
34.26
±5.95
38.40 
±6.82 
34.57  
±6.10  
 39.17   
±12.57   
34.37
±6.73
35.60  
±7.08  
31.32  
±7.62  
34.81     
±9.65     

  * :対照に比較してP<0.05で有意差あり。
 ** :対照に比較してP<0.01で有意差あり。
 (*):非照射に比較してP<0.05で有意差あり。
(**):非照射に比較してP<0.01で有意差あり。


(i) 血液形態学的検査(表17)

 雌雄とも、RBC,WBC,HbおよびHtの各項目において、各世代を通じて群間に差は認められない。


表17−a 血液検査
        世 代
           
性  項 目   群 
                     F1                    
           F2                    
                     F3                    
   対 照    
   非照射    
    50    
   100    
   対 照
   非照射    
    50    
   100    
   対 照    
   非照射    
    50    
   100    

 
 
 
 
 
 
 
 
 
R.B.C.   
(×10000) 
  938±123 
          
 1005±139 
          
  878±55  
          
  870±97  
          
  936±57

  888±47  
          
  914±96  
          
  949±69  
          
  934±89  
          
 1006±120 
          
  994±138 
          
 1000±87  
          
W.B.C.   
(×  100) 
   52± 19 
          
   54± 15 
          
   48±11  
          
   51±17  
          
   53± 7

   58±20  
          
   53±14  
          
   52±16  
          
   35± 9  
          
   28±  7 
          
   45± 15 
          
   44±17  
          
Hb.(g/dl)
         
16.73±0.58
          
16.58±0.54
          
16.35±0.68
          
17.07±0.45
          
15.95±0.99

15.54±0.75
          
15.69±0.70
          
16.50±0.75
          
16.87±0.41
          
17.33±0.62
          
17.03±0.61
          
17.42±0.75
          
Ht. (%)  
50.17±1.72
51.20±1.30
49.67±1.86
52.50±1.87
49.60±2.07
49.17±0.98
50.00±2.00
52.17±2.79
50.33±2.59
51.50±1.05
52.33±1.63
52.17±1.83



表17−b 血液検査
        世 代
           
性  項 目   群 
                     F1                    
           F2                    
                     F3                    
   対 照    
   非照射    
    50    
   100    
   対 照
   非照射    
    50    
   100    
   対 照    
   非照射    
    50    
   100    

 
 
 
 
 
 
 
 
 
R.B.C.   
(×10000) 
  994±250 
          
  982±91  
          
  898±29  
          
  915±63  
          
  958± 6

  939±56  
          
  942±65  
          
  984±106 
          
  915±86  
          
  947±16  
          
  912±97  
          
  810±165 
          
W.B.C.   
(×  100) 
   60± 19 
          
   68±15  
          
   55±15  
          
   49±10  
          
   50±18

   45±18  
          
   38±12  
          
   53±15  
          
   61±18  
          
   40± 6  
          
   46± 9  
          
   45±13  
          
Hb.(g/dl)
         
17.40±0.82
          
16.51±0.72
          
17.60±0.81
          
17.05±0.66
          
16.54±0.71

15.68±0.47
          
15.69±0.65
          
15.63±1.68
          
16.39±0.75
          
16.12±0.45
          
15.94±1.12
          
14.72±3.30
          
Ht. (%)  
50.17±1.72
49.25±2.22
50.17±1.47
50.17±1.72
51.60±1.52
50.17±1.94
49.83±4.31
49.33±4.03
49.83±2.86
49.67±1.03
49.50±2.74
46.50±9.61


(4) 小括

 γ線照射米の安全性を調べる目的でマウスに非照射米(非照射群)、50krad照射米(50群)および100krad照射米(100群)の各添加飼料および市販繁殖用飼料(対照群)を摂取させ、奇形学的検査を含む3世代試験(P,F1,F2およびF3)を行った。

 一般症状の観察では、各群のP,F1、F2およびF3世代の雌雄動物に変化は認められなかった。

 体重増加の推移については、若干の変動がみられるが、それらの変動は対照群および非照射群の変動範囲中にあり群間に各世代とも有意の差は認められなかった。

 摂餌量では各世代間で、米添加3群は対照群に比してその摂取量は下廻る傾向をみるが、非照射群と50群および100群との間には差は認められなかった。

 繁殖生理値および生後発育では、各世代で群間に差は認めなかった。

 各世代の末期胎仔の外形検査では、P世代の対照群に曲尾1例および100群に内出血1例認められた。またF2世代の50群に内反足1例、100群に曲尾と内反足の合併症が1例、曲尾が1例および内反足が1例認められた。更にF2世代の50群に合指と多指の合併症が1例、100群に仙椎部皮膚の小突出を1例認められた。しかしながら、本実験の対照群、当研究室のバックグラウンドデーターならびに自然発生奇形に関する報告(2)との比較において、これらの異常所見の発生頻度と照射との関連を示唆する所見は認められなかった。

 また、末期胎仔骨格検査では、各世代の群間に差は認められなかった。

 P,F1およびF2世代より得られた出生仔の3週令および10週令時における骨格検査では、群間に差は認められなかった。

 また、10週令時の臓器重量では、50群のF1世代の雌で卵巣、F2世代の雌で肝および腎、F3世代の雄で腎、100群ではF2世代の雌の肝でそれぞれ重量減少が対照群に比して認められたが、これらの変化は非照射群との間では差は認められなかった。

 10週令時の血液学的検査においても各世代で群間に有意の差は認められなかった。

 以上の結果から、本実験条件下では照射米による催奇形性は認められず、次世代に及ぼす影響も認められなかった。

文献

 1)C.S.Weil:Food Cosmet. Toxicol.

   vol 8,177(1970)

 2)亀山義郎、谷村 孝、安田峯生編:先天異常、20(1)、

   96(1980)

3. 変異原性試験
1 細菌を用いる突然変異誘発試験
(1) 試験方法
(a) 試料

 1978年10月神奈川県秦野市で収穫された玄米にCo−60を線源として50krad(線量率2890rad/分)を照射したものを試料とした。

(2) サルモネラを用いた変異原性試験
(a) 検定菌

 Salmonella typhimurium TA100およびTA98

 試験にさいしては0.5%NaCl 加 nutrient broth(Difco)を入れたL字型試験管に種菌を接種し、37℃で16時間振とう培養して試験に用いた。

(b) 試験検体

 照射および非照射玄米の80%メタノール抽出液を減圧濃縮して試験試料とした。

(c) 試験操作法

 いわゆる平板混入法(Plate incorporation method)によった。

 検定菌液0.1ml、コメエキス0.1ml、S−9混液(1)またはリン酸緩衝液0.5mlを内径13mmの試験管中に入れ、融解したtop agar(2)2mlと混合しbase agar(3)平板上に流して固めた。培養は37℃で48時間行い、発生した変異集落を算定した。

 (1)S−9混液(1ml中下記の成分を含む)

  S−9      0.1ml

  MgCl2      8μmole

  KCl      33μmole

  G−6−P    5.8μmole

  G−6−PDH  0.32U

  NADPH     4.6μmole

  0.2Mリン酸緩衝液(pH7.4) 100μmole

 (2)Top agar

   Bacto agar   0.6%

   NaCl         0.6%

   L−Histidine  0.05mM

   Biotin       0.05mM

 (3)Base agar(培地1Lあたり)

   MgSO4・7H2O       0.2g

   Citric acid・H2O    2g

   K2HPO4            10g

   NaNH4HPO4        3.5g

   Glucose           20g

   NaCl               5g

   Bacto agar        15g

   径90mmのシャーレ1枚あたり30mlを流して固める

  PCB500mg/kgをラットの腹腔内に投与5日後、肝臓をとり出し3容量の塩化カリウム水溶液を加えて磨砕した後9、000g,10分間遠心沈澱を行い、その上清をS−9とした。

(d) 試験結果

 試験結果は表に示すごとくで、両菌株について、照射、非照射を問わず、陰性対照にくらべて変異集落の増加は認められなかった。

 以上の結果から、照射コメ(玄米)は使用した試験系について突然変異性を有しないものと結論される。

  検定菌:Sal. typhimurium TA98

   NON−ACTIVATED(S−9 −)

   非照射検体   照射検体

    29      28

    14      27

    22      22

   (22)    (26)

   陰性対照    陽性対照(AF2 0.02mcg)

    30      132

    26      150

    24      144

   (27)    (142)

  ACTIVATED(S−9 +)

   非照射検体   照射検体

    42      43

    59      58

    67      43

   (56)    (48)

   陰性対照    陽性対照(2−アミノアントラセン

                   0.5mcg)

    53      126

    46      131

    49      120

   (49)    (126)

  検定菌:Sal.typhimurium TA100

   NON−ACTIVATED(S−9 −)

   非照射検体   照射検体

    188     195

    187     220

    238     267

   (204)   (227)

   陰性対照    陽性対照(AF2 0.01mcg)

    201     632

    212     669

    221     724

   (211)   (675)

   ACTIVATED(S−9 +)

   非照射検体   照射検体

    193     227

    198     212

    214     210

   (202)   (216)

   陰性対照    陽性対照(2−アミノアントラセン

                   0.5mcg)

    214     531

    202     489

    210     522

   (209)   (514)

 表中の数字は1平板あたりの復帰変異集落数を示す (   ):平均

(3) マウスによる宿主経由試験
(a) 試験方法

 9週令のBDF1雄マウス(23〜27g)を用いて照射および非照射コメについて試験した。マウスは1群5匹とし、処理群には1日1回コメエキス(平板法で用いたものと同一試料)0.5ml、対照群には同一条件で蒸留水を3日間連続経口投与した。3回目の投与と同時に検定菌液1mlを腹腔内に投与し、3時間後に頚椎脱臼によってと殺を行い、生理食塩水1mlを腹腔内に注入して腹部を軽くもんでから注射器を用いて腹腔液を回収した。

 Mutant数の測定:回収した腹腔液0.1mlを2mlの軟寒天にまぜ、2%ブドウ糖加Vogel−Bonner培地30mlを流し固めた平板培地上に流し、37℃で48時間培養発生した集落数を算定し、mutant数とした。

 生菌の測定:回収した腹腔液をNa・K bufferを用いて10倍希釈を行い、10の4乗〜10の7乗倍希釈液をつくる。それぞれの希釈段階の0.1mlを2mlの軟寒天にまぜ、0.5%NaCl加nutrient agar(Difco)20mlを流し固めた平板培地上に流した。これを37℃で24時間培養したのち発生した集落数を算定し、腹腔液1mlあたりの生菌数に換算した。

 変異頻度は次式から求めた。

 変異頻度=腹腔液1mlあたりのMutant数/腹腔液1mlあたりの生菌数

(b) 試験結果

 表に示すごとく照射および非照射群ともに対照群との間に有意差は認められなかった。

 変異頻度

  非照射検体

     処理群             対照群

 5.8×10・E(−10)  7.9×10・E(−10)

 2.4×10・E(−10)  5.6×10・E(−10)

 6.1×10・E(−10)  4.0×10・E(−10)

 8.9×10・E(−10)  7.3×10・E(−10)

 0.3×10・E(−10)  2.7×10・E(−10)

 (4.7×10・E(−10))(5.5×10・E(−10))

 照射検体

     処理群             対照群

 3.6×10・E(−9)   7.2×10・E(−9))

 4.3×10・E(−9)   6.9×10・E(−9))

 5.4×10・E(−9)   4.4×10・E(−9))

 2.5×10・E(−9)   3.4×10・E(−9))

 2.9×10・E(−9)

 0.8×10・E(−9)

 (3.3×10・E(−9)) (5.5×10・E(−9))

2 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(1) 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(a) 試料

 照射および非照射玄米の100%メタノール、80%メタノールまたは水で抽出したものを減圧濃縮して試料原液とした。

(b) 実験方法

 突然変異誘発試験:チャイニーズ・ハムスター肺由来のV79細胞に上記試料の各濃度のものを16時間作用させた後、144時間の突然変異表現時間をおき、10μg/mlの6−チオグアニンの入った培養液中でコロニー形成を行なわせ、6−チオグアニン抵抗性への突然変異率を求めた。

 代謝活性化試験:Kurokiらの系によって行った。試料にS−15mixを加えたものをV79細胞に1時間作用させたのち、144時間の突然変異表現時間をおき、10μg/mlの6−チオグアニンの入った培養液中で選択を行ない、6−チオグアニン抵抗性への突然変異率を求めた。

(c) 試験結果

 代謝活性化を行わない場合に100%メタノール、80%メタノール、水の3種類の玄米抽出物において、照射、非照射のいずれにおいても対照と比べて突然変異率の有意な増加は認められなかった。

 代謝活性化試験においては0.5μl/ml以上の濃度においては代謝活性化した場合照射、非照射をとわず細胞に対する毒性が強くあらわれたため、0.5μl/ml以下の濃度で実験を行なった。代謝活性化を行なった場合、突然変異率はほとんどの実験群において高くなったが、対照群でも高くなり、有意な差とはならなかった。

 以上から照射、非照射をとわず、代謝活性化の有無にかかわらず、突然変異率の有意な上昇は認められなかったと結論される。


表3−1 100%メタノール抽出物によるV79細胞の6−チオグアニン抵抗性変異の誘発
 試料濃度  
(μl/ml)
  接種細胞数  
         
    変異コロニー数     
                
平 均
   
生存 %
    
   変異頻度    
[×10・E(−5)]
  0    
2×10・E(5)
3,4,4,3,4,2,2,2 
3.0
52.0
   2.89    
非照射試料  
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
4,5,4,4,2,5,4,4 
4.0
63.5
   3.15    
  0.5  
2×10・E(5)
1,1,3,3,2,1,4,1 
2.0
60.5
   1.65    
  1    
2×10・E(5)
3,3,4,1,2,2,3,1 
2.4
59.0
   2.01    
  2    
2×10・E(5)
5,4,4,5,4,3,0,4 
3.6
64.9
   2.79    
照射試料   
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
4,5,4,4,2,5,4,4 
3.5
73.5
   2.38    
  0.5  
2×10・E(5)
3,3,3,3,1,3,0,1 
2.1
57.8
   1.84    
  1    
2×10・E(5)
6,4,3,3,3,4,5,1 
3.6
52.3
   3.47    
  2    
2×10・E(5)
2,0,3,1,3,3,0,5 
2.1
59.2
   1.79    



表3−2 80%メタノール抽出物によるV79細胞の6−チオグアニン抵抗性変異の誘発
 試料濃度  
(μl/ml)
  接種細胞数  
         
    変異コロニー数     
                
平 均
   
生存 %
    
   変異頻度    
[×10・E(−5)]
  0    
2×10・E(5)
1,5,3,1,2,1,1,2 
2.0
63.7
   1.57    
非照射試料  
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
2,2,4,0,2,2,2,0 
1.8
52.9
   1.66    
  0.5  
2×10・E(5)
1,2,0,4,0,1,4,1 
1.6
61.7
   1.21    
  1    
2×10・E(5)
1,1,1,2,2,3,4,6 
2.5
58.2
   2.15    
  2    
2×10・E(5)
3,2,3,2,5,1,0,2 
2.3
66.5
   1.69    
照射試料   
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
0,3,1,2,0,3     
1.5
63.8
   1.18    
  0.5  
2×10・E(5)
1,2,5,2,2,1,3,2 
2.3
65.4
   1.72    
  1    
2×10・E(5)
7,3,1,4,2,5     
3.7
69.3
   2.65    
  2    
2×10・E(5)
0,3,1,2,2,2,3,1 
1.8
58.6
   1.49    



表3−3 水抽出物によるV79細胞の6−チオグアニン抵抗性変異の誘発
 試料濃度  
(μl/ml)
  接種細胞数  
         
    変異コロニー数     
                
平 均
   
生存 %
    
   変異頻度    
[×10・E(−5)]
  0    
2×10・E(5)
1,1,4,2,3,0,2,1 
1.8
48.8
   1.79    
非照射試料  
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
0,1,0,1,0,1,1   
0.6
47.6
   0.60    
  0.5  
2×10・E(5)
2,0,0,2,1,1,2,4 
1.5
45.5
   1.64    
  1    
2×10・E(5)
2,1,2,2,1,2,2,1 
1.6
50.6
   1.60    
  2    
2×10・E(5)
2,1,1,0,0,0,1,2 
0.9
46.5
   0.94    
照射試料   
         
                
   
    
           
  0.1  
2×10・E(5)
5,1,1,1,6,2,3,2 
2.6
44.6
   2.83    
  0.5  
2×10・E(5)
5,1,0,1,1,6,0,1 
1.9
45.5
   2.10    
  1    
2×10・E(5)
1,1,3,0,1,0,0,0 
0.8
50.6
   0.77    
  2    
2×10・E(5)
1,0,0,4,3,1,0,0 
1.1
46.5
   1.14    



表3−4 80%メタノール抽出物によるV79細胞の6−チオグアニン抵抗性変異の誘発(代謝活性化試験)
 試料濃度        
(μl/ml)      
  接種細胞数  
         
    変異コロニー数     
                
 平均 
    
生存 %
    
   変異頻度    
[×10・E(−5)]
直接試験         
         
3,0,0,1,1,1,0,0 
 0.8
34.0
   1.04    
  0          
2×10・E(5)
1,1,2,0,0,1,0,0 
 0.6
33.6
   0.93    
0.1非照射試料     
2×10・E(5)
2,3,3,2,2,1,2,1 
 2.0
46.0
   2.17    
0.1照射試料      
         
                
    
    
           
0.5非照射試料*    
         
                
    
    
           
0.5Irr.*     
         
                
    
    
           
代謝活性化試験      
         
                
    
    
           
0            
2×10・E(5)
1,2,3,2,3,1,1,3 
 2.0
34.0
   2.93    
0.1非照射試料     
2×10・E(5)
1,1,5,1,2,2,1,2 
 1.9
40.3
   2.32    
0.1照射試料      
2×10・E(5)
0,0,1,1,2,1,1,3 
 1.1
37.0
   1.49    
0.5非照射試料     
2×10・E(5)
2,0,0,0,2,0,1,0 
 0.6
37.7
   0.84    
0.5照射試料      
2×10・E(5)
4,2,1,1,4,3,2,3 
 2.5
33.9
   3.68    
DMN          
 [2×10・E(−2)]
2×10・E(5)
         
22, 31, 29, 31, 
26, 28, 27, 27  
27.6
    
21.8
    
  63.51**  
           

* :細胞毒性のため、この群についての試験は不能
**:有意(P<0.01)


(2) 染色体異常試験(試験管内)
(a) 試験方法

 チャイニーズハムスター細胞株(CHL)に、80%メタノールを用いて抽出した玄米エキスを種々の濃度で作用させ、染色体異常の誘発を観察した。

 処理時間は24および48時間とし、観察は100個の中期分裂像について行った。

(b) 試験結果

 表に示すごとく、2回の繰り返し試験において、照射・非照射群とも対照に比べて有意の差は認められなかった。


表3−5 米抽出物のチャイニーズハムスター細胞(CHL)に対する染色体異常誘発
試料      
    濃度  
作用時間
    
Chromatid
 gap     
Chromatid
 break   
Chromatid
 exchange
Dicentric
 or ring 
Acentric 
fragment 
細胞あたりの
Gap 
細胞あたりの
 Break
染色体異常を
持つ細胞の%
非照射試料   
    
         
         
         
         
         
    
      
      
   0    
 24 
    1    
    1    
    −    
    2    
    1    
 0.01 
 0.06 
  5.0 
1.0μl/ml
 24 
    2    
    −    
    1    
    −    
    1    
 0.02 
 0.03 
  4.0 
0.5μl/ml
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
    2    
 0.00 
 0.02 
  2.0 
0.3μl/ml
 24 
    2    
    −    
    2    
    −    
    2    
 0.02 
 0.06 
  5.0 
   0    
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
    3    
 0.00 
 0.03 
  3.0 
1.0μl/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
    2    
 0.00 
 0.02 
  2.0 
0.5μl/ml
 48 
    1    
    1    
    −    
    −    
    −    
 0.01 
 0.01 
  2.0 
0.3μl/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
    2    
 0.00 
 0.02 
  2.0 
照射試料    
    
         
         
         
         
         
    
      
      
   0    
 24 
    2    
    −    
    −    
    1    
    1    
 0.02 
 0.03 
  4.0 
1.0μl/ml
 24 
    2    
    −    
    −    
    2    
    1    
 0.02 
 0.05 
  5.0 
0.5μl/ml
 24 
    2    
    −    
    −    
    −    
    2    
 0.02 
 0.02 
  4.0 
0.3μl/ml
 24 
    −    
    −    
    2    
    −    
    2    
 0.00 
 0.06 
  3.0 
   0    
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
    4    
 0.00 
 0.04 
  4.0 
1.0μl/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
    5    
 0.00 
 0.05 
  5.0 
0.5μl/ml
 48 
    1    
    −    
    −    
    −    
    2    
 0.01 
 0.02 
  3.0 
0.3μl/ml
 48 
    1    
    −    
    −    
    −    
    3    
 0.01 
 0.03 
  4.0 

0:対照( 1% balanced salt solution)
それぞれ100個の中期分裂像について分析した。


3 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(生体内)
(a) 試験方法

 急性試験および亜急性試験を実施した。動物は雄チャイニーズ・ハムスター、8週令、平均体重33gのものを使用した。

 i)急性試験:本試験では照射および非照射コメ(玄米)を市販のコーヒーミルにて数回粉砕し、45メッシュのふるいで通過したものを試料として使用した。ハムスターは1群5頭づつ、非照射米投与群(高用量)、照射米投与群(高用量、低用量)および陰性対照群(蒸留水)と陽性対照群(methyl methanesulfonate MMS)の5群にわけた。高用量群には米粉末1gを水1.5mlで、低用量群にはコメ粉末1gを水3mlでけんだくし、グラム当り0.05ml経口一回、胃ゾンデを用いて投与した。 ii)亜急性試験:本試験では優性致死試験に使用したコメ40%含有固型飼料を5日間自由に摂食させた。

 染色体標本の作製と観察:最終投与の20時間後、殺す1.5〜2.0時間前に4mg/kgのコルヒチンを腹腔内投与し頚椎脱臼により殺した。後肢より0.015M KCl溶液で骨髄細胞を洗い出し、20分間低張処理後、常法によりカルノア固定、空気乾燥した。染色体の観察は3名の観察者によりブラインド法で1個体あたり100個の分裂中期細胞を分析した。観察された染色体異常については、gap,break,deletion,exchangeなどの構造異常について調べ、それぞれの頻度を細胞あたりの数で算出した。

(b) 試験結果

 i)急性試験:照射米投与群は高用量、低用量群ともに対照群と比べ染色体異常の有意な増加はみられなかった。非照射米投与群においても同様に有意な増加はみられなかった。一方、陽性対照として投与したMMS 50mg/kgの投与群では細胞あたりの染色体異常は0.21と高い値を示した(表4−1)。

 ii)亜急性試験:照射、非照射米飼料投与群ともに染色体異常の有意な増加はみられなかった(表4−2)。

 両試験において観察された染色体異常の多くは染色分体型のgapがほとんどで、その他少数のiso−chromatid gapなどがみられた。

 以上の結果より、チャイニーズ・ハムスターを用いた生体内の染色体異常試験は、急性・亜急性試験ともに、コメの放射線照射による変異原性の出現は認められなかった。


表4−1 急性試験 米(粉末)のチャイニーズハムスター骨髄細胞に対する染色体異常の誘発 異常数
   群    
        
        
動物No.
     
     
分析細胞数
     
     
 異常数
    
    
       染色体異常の型および数        
細胞あたりの
 異常数  
      
cdg
idg
cdb
idb
 f 
others
対照 水    
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  1  
 100 
  3 
 3 
   
   
   
   
      
      
  2  
 100 
  6 
 6 
   
   
   
   
      
      
  3  
 100 
  3 
 3 
   
   
   
   
      
      
  4  
 100 
  5 
 4 
 1 
   
   
   
      
      
  5  
 100 
  3 
 3 
   
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 20 
19 
 1 
   
   
   
      
0.04  
非照射群 高用量
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  1  
 100 
  1 
 1 
   
   
   
   
      
      
  2  
 100 
  3 
 3 
   
   
   
   
      
      
  3  
 100 
  1 
   
   
   
 1 
   
      
      
  4  
 100 
  3 
 2 
   
   
   
 1 
      
      
  5  
 100 
  2 
 2 
   
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 10 
 8 
   
   
 1 
 1 
      
0.02  
照射群 低用量 
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  1  
 100 
 11 
 4 
 6 
   
 1 
   
      
      
  2  
 100 
  5 
 5 
   
   
   
   
      
      
  3  
 100 
  3 
 3 
   
   
   
   
      
      
  4  
 100 
 11 
 9 
   
 1 
 1 
   
      
      
  5  
 100 
  3 
 2 
 1 
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 33 
23 
 7 
 1 
 2 
   
      
0.06  
照射群 高用量 
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  1  
 100 
  5 
 5 
   
   
   
   
      
      
  2  
 100 
  6 
 5 
   
 1 
   
   
      
      
  3  
 100 
  5 
 3 
 1 
   
   
   
  1   
      
  4  
 100 
  6 
 5 
 1 
   
   
   
      
      
  5  
 100 
  6 
 4 
 1 
 1 
   
   
      
      
  計  
 500 
 28 
22 
 3 
 2 
   
   
  1   
0.05  
MMS 50  
(mg/kg) 
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  1  
 100 
 35 
14 
 1 
 9 
   
 4 
  7   
      
  2  
 100 
 31 
16 
 1 
 8 
   
 1 
  5   
      
  3  
 100 
 21 
16 
 1 
 3 
   
   
  1   
      
  4  
 100 
 12 
 2 
   
 4 
   
 6 
      
      
  5  
 100 
  9 
 5 
   
 2 
   
 2 
      
      
  計  
 500 
108 
53 
 3 
26 
   
13 
 13*  
0.21**

 *:shattered chromosomeを有する細胞5個を含む
**:有意P<0.01



表4−2 亜急性試験 米(粉末)のチャイニーズハムスター骨髄細胞に対する染色体異常の誘発
 群  
    
    
動物No.
     
     
分析細胞数
     
     
 異常数
    
    
       染色体異常の型および数        
細胞あたりの
 異常数  
      
cdg
idg
cdb
idb
 f 
others
対照群 
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
  1  
 100 
  3 
 2 
   
   
   
   
 1    
      
  2  
 100 
  2 
 2 
   
   
   
   
      
      
  3  
 100 
  7 
 6 
   
 1 
   
   
      
      
  4  
 100 
  1 
 1 
   
   
   
   
      
      
  5  
 100 
  3 
 2 
 1 
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 16 
13 
 1 
 1 
   
   
 1    
0.03  
非照射群
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
  1  
 100 
  1 
 1 
   
   
   
   
      
      
  2  
 100 
  6 
 5 
   
 1 
   
   
      
      
  3  
 100 
  2 
 1 
   
   
   
 1 
      
      
  4  
 100 
  2 
 2 
   
   
   
   
      
      
  5  
 100 
  2 
 2 
   
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 13 
11 
   
 1 
   
 1 
      
0.02  
照射群 
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
  1  
 100 
  5 
 5 
   
   
   
   
      
      
  2  
 100 
  3 
 2 
   
   
 1 
   
      
      
  3  
 100 
    
   
   
   
   
   
      
      
  4  
 100 
  1 
   
 1 
   
   
   
      
      
  5  
 100 
  1 
 1 
   
   
   
   
      
      
  計  
 500 
 10 
 8 
 1 
   
 1 
   
      
0.02  


(2) マウスによる優性致死試験
(a) 試料

 1978年秋に秦野市内で収穫された玄米にCo−60を線源として50krad(線量率2890rad/分)を照射し、表4−3に示す組成により、照射または非照射玄米40%を含む固形飼料を調製して実験試料とした。


表4−3 照射米実験飼料組成表
 組 成  
配合率(%)
玄 米   
 40   
小麦粉   
 15   
とうもろこし
  2   
ふすま   
  9   
脱脂大豆  
 12   
脱脂粉乳  
  2   
魚 粉   
 10   
ビール酵母 
  2   
大豆油   
  2   
ルーサン  
  2   
グラニュー糖
  2   
ビタミン  
  1   
ミネラル  
  1   
 合 計  
100   

コリン   150mg/kg
ビタミンE  15mg/kg


(b) 実験方法

 BDF1雄マウス(静動協)に対して6週令から14週令までの8週間にわたり上記の照射および非照射玄米試料を与えた。対照群には我々が通常用いているCMF飼料(オリエンタル酵母)を与え、陽性対照群(CMF飼料で飼育)にはmethyl methanesulfonate(MMS)を同期間中4日毎に1回(計14回)、1回につき10mg/kgを腹腔内投与した。実験に用いた雄マウス数は照射・非照射玄米群および対照群で30頭、陽性対照群では15頭とした。投与後1頭の雄マウスに対し2頭の9週令無処理BDF1雄マウスと1週間交配させ、交配後妊娠中期に雌マウスを開腹し、黄体数、生存および死亡着床数を調べ、優性致死誘発率を求めた。優性致死誘発率は下記の2通り(A,B)の式により算定した。

 A=[1−(妊娠雌あたりの生存着床数:処理群)/

 (妊娠雌あたりの生存着床数:対照群)]×100

 B=[1−(妊娠雌あたりの生存着床数/着床数:処理群)/

 (妊娠雌あたりの生存着床数/着床数:対照群)]×100

 また各雄マウスについて処理期間中、週に1度体重および摂飼量を測定した。

(c) 試験結果

 表4−4に体重、表4−5に摂飼量を示した。その結果、処理期間中の体重の増減について、照射および非照射玄米群とも対照群に比べて有意な差はみられなかったが、MMS処理群の7および8週においては有意な減少がみられた。また摂飼量においても照射および非照射群とも対照群との差はなかった。なお照射および非照射玄米試料とも、40%の照射および非照射玄米を含むことから、各群の玄米摂取量は、照射群で1.44〜1.57g/day/mouse,また非照射群では1.44〜1.62g/day/mouseとなる。表4−6以下は個々のマウスについて黄体数、着床数(生存、前期および後期死亡)を調べた結果を示した。これらの数値から着床前死亡(黄体数−着床数)と着床後死亡(前期死亡着床数+後期死亡着床数を求め、併せて示した。また黄体数、着床数および生存着床数については総数、平均値および標準偏差を示した。表4−10には各群についての集計値、優性致死試験に通常用いられている方法(Haseman et al.1976)に準じて行った統計処理の結果および優性致死誘発率を示した。その結果、妊娠率(妊娠雌数/交配雌数)には各群とも差はみられなかった。照射および非照射群とも黄体数、着床数および生存着床数について対照群と差がみられず、その結果照射および非照射玄米による優性致死誘発作用は認められなかった。一方MMS処理群では着床数および生存着床数について対照群との間に有意差を認めた。優性致死誘発率も計算式Aでは40.85%、またBでは29.72%と高い値を示した。なお今回用いたMMSの投与量10mg/kgは、1回投与においては優性致死誘発効果を示さない量である。また非照射群の雄マウスの3頭は処理期間中に飼育上の事故による死亡である。


表4−4 照射および非照射米で飼育したマウスの体重(g)
 群        週 
     0    
     1    
     2    
     3    
     4  
     5    
     6    
     7     
     8     
対 照         
23.65±1.39
25.36±1.47
26.49±1.52
27.16±1.69
28.11±1.75
29.10±1.96
29.85±2.23
28.65±1.73 
28.02±1.65 
照射米         
23.47±1.38
25.21±1.45
26.68±1.76
26.97±1.68
28.38±2.28
29.85±2.38
31.22±3.19
30.82±3.05 
29.99±3.33 
非照射米        
23.37±1.40
25.16±1.47
26.82±1.63
27.05±1.72
27.95±1.92
29.52±2.62
30.27±2.64
28.23±1.87 
28.29±1.84 
MMS         
10.0mg/kg×14
24.49±0.97
          
26.51±1.28
          
26.99±1.45
          
27.35±1.47
          
28.21±1.44
 
29.23±1.72
          
30.04±2.10
          
27.12±1.39a
           
27.13±1.39a
           

a:有意P<0.05



表4−5 雄マウスの摂餌量(g/day/mouse)
 群  週
    1    
    2    
    3    
    4    
    5    
    6    
    7    
    8    
対 照  
3.77±0.45
3.74±0.44
3.47±0.33
3.65±0.33
3.63±0.36
3.76±0.54
3.46±0.69
3.60±0.61
照射米  
3.73±0.31
3.71±0.37
3.59±0.36
3.65±0.49
3.93±0.54
3.74±0.54
3.73±0.55
3.61±0.66
非照射米 
3.87±0.39
3.86±0.46
3.60±0.49
3.73±0.44
4.04±0.78
3.84±0.49
3.61±0.62
3.86±0.57



表4−6a 解剖結果:無処理対照群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
 1 
  9  
  8  
  8  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
 11  
 10  
  9  
  1 
  0 
 1 
 1 
 2 
   
   
 1 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
 3 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 4 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 11  
 11  
  9  
  2 
  0 
 0 
 2 
 5 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
 11  
 11  
 10  
  1 
  0 
 0 
 1 
 6 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 7 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 8 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
 9 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
 12  
 12  
 12  
  0 
  0 
 0 
 0 
10 
   
   
 1 
  9  
  9  
  7  
  2 
  0 
 0 
 2 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
11 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
12 
   
   
 1 
  8  
  8  
  7  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
13 
   
   
 1 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
14 
   
   
 1 
  9  
  8  
  8  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
15 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 



表4−6b 解剖結果:無処理対照群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
 1 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
     
     
     
    
    
   
   
17 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
18 
   
   
 1 
  7  
  3  
  3  
  0 
  0 
 4 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
19 
   
   
 1 
  8  
  8  
  7  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
 12  
 12  
 10  
  2 
  0 
 0 
 2 
20 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
21 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
22 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
23 
   
   
 1 
  9  
  6  
  5  
  1 
  0 
 3 
 1 
 2 
     
     
     
    
    
   
   
24 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  0 
  1 
 0 
 1 
 2 
 12  
 12  
 11  
  1 
  0 
 0 
 1 
25 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
 11  
  9  
  5  
  4 
  0 
 2 
 4 
26 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
     
     
     
    
    
   
   
27 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
28 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  9  
  8  
  1 
  0 
 1 
 1 
29 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  9  
  8  
  8  
  0 
  0 
 1 
 0 
30 
   
   
 1 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  6  
  6  
  6  
  0 
  0 
 0 
 0 
   計   
519  
503  
478  
 24 
  1 
16 
25 
  平 均  
  9.4
  9.1
  8.7
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.2
  1.5
  1.6
    
    
   
   



表4−7a 解剖結果:照射米
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  9  
  9  
  7  
  2 
  0 
 0 
 2 
 3 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 12  
  3  
  3  
  0 
  0 
 9 
 0 
 4 
   
   
 1 
 10  
  9  
  8  
  1 
  0 
 1 
 1 
 2 
  8  
  8  
  7  
  1 
  0 
 0 
 1 
 5 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  8  
  8  
  0 
  0 
 2 
 0 
 6 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 7 
   
   
 1 
 10  
  9  
  8  
  1 
  0 
 1 
 1 
 2 
 11  
 11  
  9  
  2 
  0 
 0 
 2 
 8 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  6  
  2 
  0 
 0 
 2 
 9 
   
   
 1 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
10 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  8  
  8  
  0 
  0 
 1 
 0 
11 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
12 
   
   
 1 
 13  
 13  
 13  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 13  
 10  
 10  
  0 
  0 
 3 
 0 
13 
   
   
 1 
 12  
 12  
 11  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
 11  
 10  
 10  
  0 
  0 
 1 
 0 
14 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
15 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 



表4−7b 解剖結果:照射米
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
 1 
 12  
 12  
 12  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
17 
   
   
 1 
 14  
 10  
  7  
  3 
  0 
 4 
 3 
 2 
 11  
  9  
  9  
  0 
  0 
 2 
 0 
18 
   
   
 1 
  7  
  6  
  6  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
19 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
20 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  8  
  8  
  0 
  0 
 2 
 0 
21 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
22 
   
   
 1 
  9  
  7  
  7  
  0 
  0 
 2 
 0 
 2 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
23 
   
   
 1 
  9  
  9  
  7  
  2 
  0 
 0 
 2 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
24 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
25 
   
   
 1 
  8  
  7  
  7  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
26 
   
   
 1 
 10  
 10  
  8  
  2 
  0 
 0 
 2 
 2 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
27 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
28 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
29 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
30 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
   計   
557  
523  
503  
 20 
  0 
34 
20 
  平 均  
  9.6
  9.0
  8.7
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.4
  1.4
  1.5
    
    
   
   



表4−8a 解剖結果:非照射米
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
 1 
  9  
  8  
  8  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
 12  
 12  
 12  
  0 
  0 
 0 
 0 
 3 
   
   
 1 
 10  
 10  
  8  
  2 
  0 
 0 
 2 
 2 
     
     
     
    
    
   
   
 4 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  7  
  7  
  7  
  0 
  0 
 0 
 0 
 5 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 6 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 11  
 11  
 10  
  1 
  0 
 0 
 1 
 7 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 8 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 9 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
10 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
11 
   
   
 1 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
12 
   
   
 1 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 11  
 10  
 10  
  0 
  0 
 1 
 0 
13 
   
   
 1 
  9  
  8  
  6  
  2 
  0 
 1 
 2 
 2 
 11  
 10  
 10  
  0 
  0 
 1 
 0 
14 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  8  
  7  
  7  
  0 
  0 
 1 
 0 
15 
   
   
 1 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 



表4−8b 解剖結果:非照射米
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
 1 
 12  
 12  
 12  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
17 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
18 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
19 
   
   
 1 
 10  
  9  
  9  
  0 
  0 
 1 
 0 
 2 
  8  
  1  
  1  
  0 
  0 
 7 
 0 
20 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
 10  
 10  
 10  
  0 
  0 
 0 
 0 
21 
   
   
 1 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
22 
   
   
 1 
  9  
  9  
  8  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  9  
  7  
  7  
  0 
  0 
 2 
 0 
23 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  9  
  7  
  7  
  0 
  0 
 2 
 0 
24 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
25 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
26 
   
   
 1 
  9  
  9  
  9  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  7  
  6  
  6  
  0 
  0 
 1 
 0 
27 
   
   
 1 
  9  
  5  
  4  
  1 
  0 
 4 
 1 
 2 
 11  
 11  
 11  
  0 
  0 
 0 
 0 
   計   
476  
450  
439  
 11 
  0 
26 
11 
  平 均  
  9.5
  9.0
  8.8
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.1
  1.8
  1.9
    
    
   
   



表4−9 解剖結果:MMS,10mg/kg×14
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
 着床数 
 (計) 
     
  着 床 内 訳      
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生 存 
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
 1 
     
     
     
    
    
   
   
 2 
  8  
  8  
  5  
  3 
  0 
 0 
 3 
 2 
   
   
 1 
  9  
  8  
  3  
  5 
  0 
 1 
 5 
 2 
 10  
 10  
  8  
  2 
  0 
 0 
 2 
 3 
   
   
 1 
  9  
  8  
  4  
  4 
  0 
 1 
 4 
 2 
     
     
     
    
    
   
   
 4 
   
   
 1 
  8  
  7  
  6  
  1 
  0 
 1 
 1 
 2 
 10  
  8  
  7  
  1 
  0 
 2 
 1 
 5 
   
   
 1 
  9  
  3  
  2  
  1 
  0 
 6 
 1 
 2 
  9  
  1  
  1  
  0 
  0 
 8 
 0 
 6 
   
   
 1 
 11  
  7  
  5  
  2 
  0 
 4 
 2 
 2 
 12  
 11  
  9  
  2 
  0 
 1 
 2 
 7 
   
   
 1 
 10  
  9  
  8  
  1 
  0 
 1 
 1 
 2 
 10  
  9  
  2  
  7 
  0 
 1 
 7 
 8 
   
   
 1 
 11  
 11  
  9  
  2 
  0 
 0 
 2 
 2 
  9  
  7  
  4  
  3 
  0 
 2 
 3 
 9 
   
   
 1 
 10  
  7  
  1  
  6 
  0 
 3 
 6 
 2 
  9  
  2  
  2  
  0 
  0 
 7 
 0 
10 
   
   
 1 
 10  
 10  
  7  
  3 
  0 
 0 
 3 
 2 
  9  
  6  
  4  
  2 
  0 
 3 
 2 
11 
   
   
 1 
 10  
 10  
  9  
  1 
  0 
 0 
 1 
 2 
  8  
  8  
  6  
  2 
  0 
 0 
 2 
12 
   
   
 1 
  8  
  8  
  8  
  0 
  0 
 0 
 0 
 2 
  9  
  3  
  2  
  1 
  0 
 6 
 1 
13 
   
   
 1 
 10  
 10  
  4  
  6 
  0 
 0 
 6 
 2 
  9  
  8  
  6  
  2 
  0 
 1 
 2 
14 
   
   
 1 
 11  
 10  
  4  
  6 
  0 
 1 
 6 
 2 
  9  
  8  
  5  
  3 
  0 
 1 
 3 
15 
   
   
 1 
  9  
  9  
  6  
  3 
  0 
 0 
 3 
 2 
 11  
 10  
  7  
  3 
  0 
 1 
 3 
   計   
267  
216  
144  
 72 
  0 
51 
72 
  平 均  
  9.5
  7.7
  5.1
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.0
  2.6
  2.5
    
    
   
   



表4−10 照射米の雄マウス投与による優性致死試験
 群       
         
         
雄No.
    
    
妊娠雌数 
/交配雄数
     
 妊娠雌あたりの 
  黄体数a   
         
  妊娠雌あたり  
  の着床数a   
          
 妊娠雌あたりの  
 生存着床数a   
          
優性致死誘発率 (%)
 (A) 
 (B) 
対 照      
 30 
55/60
9.44±1.24
9.15±1.53 
8.69±1.57 
  −  
  −  
照射米      
 30 
58/60
9.60±1.39
9.02±1.44 
8.67±1.49 
 0.23
−1.32
非照射米     
 27 
50/54
9.52±1.09
9.00±1.80 
8.76±1.87 
−0.80
−2.59
MMS      
10.0mg/kg
     ×14 
 15 
    
    
28/30
     
     
9.54±1.04
         
         
7.71±2.62b
          
          
5.14±2.49b
          
          
40.85
     
     
29.72
     
     

a:平均±S.D.
b:有意P<0.01
優性致死誘発率(%)
 A={1−[妊娠雌あたりの生存着床数(処理群)]/[妊娠雌あたりの生存着床数(対照群)]}×100
 B={1−[妊娠雌あたりの生存着床数/着床数(処理群)]/[妊娠雌あたりの生存着床数/着床数(対照群)]}×100


文献

 Haseman.J.K.et.al.:Mutation Research.,41,277−288(1976)




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