食品照射に関する文献検索

健全性(WHOLESOMENESS):毒性・微生物学的安全性、栄養学的適格性を総合した考え方

毒性に関する研究(変異原性を含む)


発表場所 : 食品照射研究運営会議
著者所属機関名 : 厚生省国立衛生試験所、(財)食品薬品安全センター
発行年月日 : 昭和58年12月
2. 照射小麦の毒性に関する研究
1. 慢性毒性試験
1 緒言
(1) 検体
(2) 投与方法
2 マウスを用いた慢性毒性試験
(1) 試験方法
(a) 動物
(b) 観察及び測定項目
(2) 試験結果
(a) 一般症状
(b) 体重及び摂餌量
(c) 死亡率
(d) 病理学的検査
(イ) 肉眼的所見
(ロ) 組織学的所見
(3) 小括
3 ラットを用いた慢性毒性試験
(1) 試験方法
(a) 動物及び飼育条件
(b) 観察及び測定項目
(2) 試験結果
(a) 一般症状
(b) 体重
(c) 摂餌量
(d) 死亡率
(e) 血液形態学的検査
(f) 血液生化学的検査
(g) 臓器重量
(h) 病理組織学的検査
(イ) 肉眼的所見
(ロ) 自然的死亡動物の剖検所見
(ハ) 組織学的所見
(ニ) 腫瘍
(3) 小括
2. 世代試験
1 マウスを用いた世代試験
(1) 緒言
(2) 試験方法
(a) 検体
(b) 動物
(c) 飼育および繁殖
(d) 観察項目
(イ) 一般症状および体重
(ロ) 繁殖生理値
(ハ) 妊娠末期の母体および胎仔の検査
(ニ) 哺乳率
(ホ) 離乳時の検査
(ヘ) 骨格検査
(ト) 推計処理
(3) 結果
(a) 一般症状
(b) 体重
(イ) 一般飼育期間(4〜9週令、但しPでは5〜9週令)および哺乳期間(出産日〜3週令)
(ロ) 妊娠期間
(c) 繁殖生理値
(d) 妊娠末期の母体および胎仔の検査
(e) 哺乳率
(f) 離乳時の検査
(g) 骨格検査
(イ) 末期胎仔
(ロ) 新生仔
(4) 小括
3. 変異原性試験
1 細菌を用いる突然変異誘発試験
(1) 細菌による変異原性試験
(a) 試験方法
(b) 試験結果
(2) マウスによる宿主経由試験
(a) 試験方法
(b) 試験結果
2 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(試験管内)
(a) 試験方法
(b) 試験結果
(c) 結論
3 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(マウス生体による小核試験)
(a) 試験方法
(b) 試験結果
(2) マウスによる優性致死試験
(a) 試料
(b) 実験方法
(c) 試験結果



放射線照射による小麦の殺虫に関する研究成果報告書[資料編]−2.照射小麦の毒性に関する研究


2. 照射小麦の毒性に関する研究
1. 慢性毒性試験
1 緒言

 照射小麦の毒性を調べるために、マウス及びラットによる長期飼育試験を行った。

(1) 検体

 昭和45年に群馬県で収穫した小麦(普通2類)を必要量に応じて二分し、一方を対照群に用いる非照射小麦とし、他方を照射群に用いるために、日本原子力研究所高崎研究所において、20及び200kradのγ線照射を行った。

 これらの小麦は各々18リットル缶に分別収納し、3℃の低温倉庫(日本通運晴海倉庫)に貯蔵し、要に応じて分出した。

(2) 投与方法

 マウス及びラット用飼料(オリエンタル酵母社製、MF)の原末から小麦及びふすまを除き、代りに検体である小麦を粉末化し、45w/w%の割合で混合成型し、固形飼料としたものをマウス及びラットに摂取させた。

2 マウスを用いた慢性毒性試験
(1) 試験方法
(a) 動物

 静岡実験動物協同組合産のddY系マウス雄雌各100匹を購入し、一週間飼育用飼料(オリエンタル酵母、MF固型飼料)で馴化飼育観察した後、健康と認めた雄雌各80匹を選び、これを雄雌各40匹の2群に分け、非照射群および200krad群とした。なお非照射群には非照射小麦添加固型飼料を、200krad群には照射小麦添加飼料を自由に摂取させた。

(b) 観察及び測定項目

 体重及び摂餌量は原則として、6カ月までは週一回、その後1年目まで隔週1回、1年目から実験終了時まで4週に1回記録し、一般症状ならびに死亡動物の有無については毎日調べ、途中死亡動物及び実験終了時の生存動物については解剖し、病理学的検査を行った。

(2) 試験結果
(a) 一般症状

 試験終了時までの両群の雄雌共に、特記すべき症状の発現を認めない。

(b) 体重及び摂餌量

 24カ月間の体重及び摂餌量を図1に示す。

 体重は、雄雌共に24週までは両群間にほとんど差は見られないが、その後72週まで両群が互に交錯し、雌ではその状態がさらに実験終了時まで続く。一方雄ではその後実験終了時まで200krad群は非照射群に比べ減少が見られる。しかし雄雌いづれも群間に統計学的には有意差を認めない。

 摂餌量については、雄雌共に群間に差を認めない。


図1 体重及び摂餌量


(c) 死亡率

 期間別に集計した死亡動物数を表1に示す。

 雄では、非照射群で3カ月より死亡例が見られ、実験終了時までには全例が死亡する。200krad群は12カ月まで死亡例はなく、その後実験終了時までに38例が死亡する。雌も同様に非照射群は6カ月より死亡例が見られ、実験終了時までに38例が死亡し、200krad群は9カ月まで死亡例は見られず、その後実験終了時までに36例が死亡する。最終的には、非照射群に比べ200krad群の死亡率は、雄雌共にやや低い値を示す。


表1 死亡率
    群    
         
         
                         月                         
死亡総数


   %  
      
      
 3  
 6  
 9  
 12 
 15 
 18     
 21     
 24     

 
 
非照射    
1/40
2/39
2/37
3/35
4/32
10/28   
10/18   
 8/ 8   
 40
100.00
200krad
0/40
0/40
0/40
0/40
6/40
12/34   
 6/22   
14/16   
 38
 95.00

 
 
非照射    
0/40
1/40
3/39
3/35
6/33
12/27   
 6/15   
 7/ 8(1)
 38
 97.19
200krad
0/40
0/40
0/40
5/40
7/35
 8/27(1)
 7/18(1)
 9/11   
 36
 94.52

かっこ内は実験より外した動物の数を示した。


(d) 病理学的検査

 実験期間中に死亡した動物及び24カ月間生存した動物の、肉眼的検査及び腫瘍性変化の組織学的検索結果を表2より表4までと、図2及び図3に示した。


表2 肉眼的所見
          
          
部位   所見  群
   雄       
   雌       
非照射
200krad
非照射
200krad
  検査動物数   
40 
  40   
39 
  37   
心  
   
   
 肥大   
 1 
       
   
       
 膿瘍   
 1 
       
   
       
肺  
   
   
 腫瘤   
22 
  23   
17 
  14   
 膿瘍   
   
   1   
   
       
肝  
   
   
   
   
   
   
 表面粗ぞう
   
   2   
 3 
   3   
 肥大   
 5 
   4   
 3 
   2   
 腫瘤   
 6 
   5   
 3 
   4   
 白斑   
 1 
   2   
 1 
   1   
腎  
   
   
   
   
   
   
 表面粗ぞう
 6 
   6   
 1 
   1   
 肥大   
 2 
   2   
   
   1   
 腫瘤   
   
       
 1 
   1   
 膿瘍   
   
       
   
   1   
脾  
   
   
 肥大   
 4 
   6   
 6 
   4   
 腫瘤   
 2 
       
   
   1   
卵巣 
   
   
 腫瘤   
 − 
   −   
 3 
   3   
 血腫   
 − 
   −   
 1 
   3   
乳腺   腫瘤   
 − 
   −   
15 
  12   
リンパ節 肥大   
 8 
   6   
 6 
   8   
下垂体  肥大   
 1 
       
 1 
       
胃    肥大   
   
   1   
   
       
皮膚   腫瘤   
   
   1   
   
       
皮下   腫瘤   
 1 
   1   
   
   2   
涙腺   腫瘤   
 1 
   1   
   
       
腹腔   腹水   
 2 
       
   
   1   



表3 雄の組織学的所見
部位      所見   群
非照射                   
200krad   
肺      
       
       
腺腫    
20*1,3,4,5,6,7,8,9,10,
18*11,12,13,14,15,16,17,18,19,
腺癌    
 1                    
 3D   
肝      
       
       
       
       
       
       
       
       
肝細胞腺腫 
                      
 1*15,   
肝細胞癌  
 3*4,6,10,            
 2*18,   
内皮細胞腫 
 1A,*2,               
  
細網肉腫  
 1*7,                 
 1E   
結節状増殖 
 5*1,2,3,8,9,         
 5*13,14,16,   
腎       リンパ腫  
                      
 1*19,   
膵       島細胞腺腫 
                      
 1*17,   
腸管膜リンパ節
       
       
リンパ腫  
 1*1,                 
  
リンパ肉腫 
 2B,C,*5,             
  
皮膚     
       
       
基底細胞腫 
                      
 1*11,   
扁平上皮腫 
                      
 1*18,   
皮下組織    平滑筋腫  
                      
 1   
涙腺      乳頭状腺腫 
 1                    
 1*14,   
白血病           
 3*6,                 
 3*11,12,   
     検査動物数    
40                    
40   
     腫瘍を持った動物数
26                    
25   
     総腫瘍発現数   
33                    
34   

*番号(1〜19)は同一動物に併存。
A;脾へ転移
B;肺と脾へ転移
C;肝と腎へ転移
D;心と肺門リンパ節へ転移
E;肺と腎へ転移
A〜Eは動物個体を示す。



表4 雌の組織学的所見
部位      所見     群
非照射                         
200krad     
肺      
       
       
腺腫      
14*1,2,4,5,8,11,12,13,14,16,
 9*18,19,20,22,23,26,27,
腺癌      
 1F                         
 1*25,     
肝       結節状増殖   
 2*9,17,                    
 2*24,25,     
腎       リンパ腫    
                            
 1     
脾       血管腫     
                            
 1O     
卵巣     
       
       
       
       
顆粒膜細胞腫  
 1                          
 1H     
乳頭状のう胞腺腫
 2*2,6,                     
 2*21,     
黄体腫     
 2*7,15,                    
 1*27,     
子宮      腺癌      
 1*3                        
 1K*20,     
乳腺     
       
       
腺腫      
 9*1,8,10,11,12,13,14,      
 9*18,19,22,23,     
腺癌      
 7A,B,D,E,G,*5,6,15,16,17,  
 4I,L,M,N,*21,     
リンパ節    リンパ腫    
 1*4,                       
 1     
腸管膜リンパ節
       
       
リンパ腫    
 1*3,                       
 2*24,     
リンパ肉腫   
 1C*9,                      
 1J     
下垂体     色素嫌性腺腫  
 1                          
    
胸腺      リンパ腫    
 1                          
    
胃       リンパ腫    
                            
 1*27,     
皮下組織    血管腫     
                            
 2*26,28,     
白血病             
 4*7,8,10,                  
 3*28,     
     検査動物数      
39                          
37     
     腫瘍を持った動物数  
30                          
29     
     総腫瘍発現数     
46                          
40     

*番号(1〜28)は同一動物に併存。
A,B,D,E,G,I,L,M,N;肺へ転移
C;腎へ転移
F;胸腺へ転移
H;リンパ節へ転移
J;肝と脾へ転移
K;肺と膵へ転移
O;肝へ転移
A〜Oは動物個体を示す。



図2 雄の生存率および腫瘍発生率



図3 雌の生存率および腫瘍発生率


(イ) 肉眼的所見

 主な変化としては、雄雌各群共に肺の腫瘤、リンパ節の肥大、さらに雌の各群に乳腺腫瘤の出現が挙げられる。肺の腫瘤については、雄では15カ月以降の発現を多く認め、雌では非照射群で雄と同様15カ月以降の発現が、また200krad群では12カ月以降の発現が、それぞれ多く認められる。また乳腺腫瘤については、非照射群では12カ月より21カ月目までの間に、200krad群では12カ月より18カ月目までの間に発現がそれぞれ多く認められる。

 その他の変化としては、雄雌各群共に、肝臓の肥大あるいは腫瘤、脾臓の肥大、さらに雄の各群では、腎臓の表面粗造などが見られる。

 これら各臓器の変化には、雄雌の各群間に著しい差を認めない。

(ロ) 組織学的所見

 組織学的検査における主な変化としては、各群の雄雌共に、肺の腺腫、雄の各群で肝細胞の結節状増殖、雌の各群で乳腺の腺腫及び腺癌を認める。その他には、雄雌の各群で白血病を認める。しかし、これらの腫瘍の発現数および発現部位などは、雄雌共に群間に差を認めない。

 なお、肉眼的所見で腫瘤としたものの中には、組織学的に腫瘍性変化を示さないものが数例認められた。

 腫瘍発現時期を見ると、雄では非照射群で5カ月目より、200krad群では13カ月目より認められる。また雌では非照射群で8カ月目より、200krad群で11カ月目より認められ、雄雌共に非照射群で早い発現時期を示す。

 腫瘍の発現例数は、雄の非照射群で実験期間中に死亡した39例中26例、200krad群で実験期間中に死亡した33例中21例及び殺処分した7例中4例の計25例に認める。また、雌の非照射群で実験期間中に死亡した37例中28例及び殺処分した2例中の2例の計30例に、200krad群で実験期間中に死亡した31例中23例及び殺処分した6例中6例の計29例に認める。

(3) 小括

 一般症状、体重、摂餌量及び死亡率においては、雄雌共に群間に著しい差はなく、照射によると見られる影響は見られない。

 病理学的所見では、肉眼的及び組織学的所見共に、雄雌の各群に発現した変化、各腫瘍の種類、発現例数及び発現時期に群間で差は認められない。

3 ラットを用いた慢性毒性試験
(1) 試験方法
(a) 動物及び飼育条件

 船橋農場産のウイスター系ラット(生後4週令)、各雄雌150匹を購入し、1週間の予備飼育を行い、健康と見られる雄雌120匹を選び、これを雄雌各40匹からなる3群に分け、対照群には非照射小麦を、20krad群(W−20群)及び200krad(W−200群)にはそれぞれの線量を照射した小麦を、前記の割合で混合した固型飼料を24カ月間に亘り自由に摂取させた。

 なお飲料水(水道水)も自由に摂取させた。

 動物の飼育は、室温25℃±1℃、湿度55%±5%、100%新鮮空気調和の動物室で行った。

(b) 観察及び測定項目

 一般症状ならびに死亡動物の有無については毎日観察し、体重及び摂餌量は3カ月までは週1回、12カ月までは2週に1回、それ以降24カ月までは4週に1回の割合で記録した。

 さらに6、12及び18カ月目に各群雄雌ともに5、8及び5例づつ、24カ月目には生存する全動物について、尾静脈より採取した血液について形態学的検査を、断頭により採取した血液について生化学的検査を行った後、病理組織学的検査を行った。途中自然死亡した動物は、発見後速やかに解剖し肉眼所見を記録した後、組織学的検査を行った。なお死亡率の計算はlife−table techniqueを用いて行った。また上記の各時期に行った血液の形態学的及び生化学的検査と病理組織学的検査の内容は、次のとおりである。

 赤血球及び白血球数(RBC,WBC):トーアミクロセル

                    カウンター

 総ヘモグロビン量(Hb):シアンメトヘモグロビン法

 ヘマトクリット(Ht):毛細管遠心法

 白血球像(百分比):塗沫標本

 総蛋白量(Protein):ビュレット法

 アルブミン(Albumin):HABCA色素結合法

 血糖値(Glucose):Glucose oxidase法

 尿素窒素(Urea−N):飴野・亀岡のdiacetyl−

              monoxime直接比色法

 無機リン(Pi):サフラニン法

 総コレステロール量(T−Chol.):Zak法

 アルカリ性ホスファターゼ(ALP):Kind and King法

 トランスアミナーゼ(GOT,GPT):Reitman−

                   Frankel法変法

 カルシウム(Ca):原子吸光法

 臓器重量の測定:脳、下垂体、甲状腺、心、肺、肝、腎、

         脾、副腎、精巣、卵巣、

 肉眼的検査:同上

 組織学的検査:同上の光学顕微鏡による検査

 また24カ月目に皮下腫瘤の発生を認めた雄のW−20群の4例、W−200群の3例、雌の対照群の4例、W−20群の3例及びW−200群の2例については、血液の形態学的及び生化学的検査値と臓器重量の変動が大きく、また外観的に腫瘍を認めなかった動物と期日を別にして殺処分したので、成績から除外した。

(2) 試験結果
(a) 一般症状

 雄雌ともに試験開始後1年間は、いずれの群でも特記すべき症状の発現を見ないが、試験後期には皮下腫瘤、斜頚及び脱毛の諸症状が少数例出現した。しかしこれらの症状発現例数は、対照群と照射群の間あるいは照射群間に差を見ない。

(b) 体重

 体重の推移を図1、2に示す。雄ではW−20群が全期間に亘り対照群をやや上回る増加を示すが、W−200群と対照群との間では、殆んど差を見ない。

 一方雌では、対照群と照射群あるいは照射群間に差を見ない。


図1 体重及び摂餌量



図2 体重及び摂餌量


(c) 摂餌量

 摂餌量(g/day/rat)の推移は図1、2に示すとおりで、雄雌ともに群間に差をみない。


図1 体重及び摂餌量



図2 体重及び摂餌量


(d) 死亡率

 自然死亡動物数及び死亡率を、表1に示す。

 雄では、群間に殆んど差を見ない。雌では、W−20群が対照群に比べ低値を示すが、有意差を認めず、照射群間にも差を見ない。


表1 死亡率
   群   
       
       
                   月                   
死亡総数
    
    
  %  
     
     
 3  
 6  
 9  
 12 
 15 
 18 
 21 
 24 

 
 
 
 
 
Cont.
0/40
0/35
1/35
0/26
4/26
2/17
0/15
6/15
 13 
56.48
W− 20
0/40
0/35
0/35
1/27
2/26
0/19
2/19
5/17
 10 
43.86
W−200
     
0/40
    
0/35
    
1/35
    
1/26
    
7/25
    
0/13
    
0/13
    
4/13
    
 13 
    
53.44
     

 
 
 
 
Cont.
0/40
0/35
1/35
0/26
3/26
1/18
1/17
5/16
 11 
47.49
W− 20
0/40
0/35
0/35
0/27
3/27
0/19
1/19
3/18
  7 
29.82
W−200
0/40
0/35
0/35
1/27
5/26
3/16
0/13
6/13
 15 
65.97


(e) 血液形態学的検査

 6、12、18及び24カ月目の各時期に行った血液学的検査の成績を表2、3及び4に示す。

 6カ月:雄では、照射群でRBCが対照群に比べ減少傾向を示す。またW−20群のWBCが対照群に比べ増加傾向を示す。雌では群間に殆んど差を見ない。

 12カ月:雄では、照射群でWBCが対照群に比べ増加傾向を示す。雌でも同様に増加を示し、W−200群では有意の増加を示す。

 18カ月:雄では、照射群でRBC及びWBCが対照群に比べ、ともに増加の傾向を示す。雌では、いずれの項目についても殆んど差を見ない。

 24カ月:雄では、照射群でRBC及びHtが対照群に比べ、ともに減少傾向を示す。雌では、照射群でRBC及びWBCが対照群に比べ、ともに増加傾向を示す。

 なお、白血球百分比は検査した各時期において、群間に殆んど差を認めない。(表4)

 上述のように雄雌ともに照射群でRBC及びWBCが、対照群に比べ増加あるいは減少の傾向を示すが、これらの変化は6、12、18及び24カ月の各検査時期で、対照群と照射群あるいは照射群間に一定の傾向が見られない。


表2 血液形態学的検査(6カ月目及び12カ月目)
         群  
            
動物数
   
R.B.C     
[×10・E(4)]
W.B.C       
[×10・E(2)]  
Hemoglobin
   g/dl   
Hematcrit 
    %     
 6カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont.
 5 
852.8±32.1
168.4±61.2  
16.68±0.85
46.57±3.62
W− 20
 5 
811.3±18.8
213.6±54.2  
15.64±0.21
45.14±0.58
W−200
     
 5 
   
804.1±17.0
          
169.5±20.6  
            
15.72±0.29
          
46.19±1.65
          

 
 
 
 
 
Cont.
 5 
760.9±28.5
140.0±68.6  
15.32±1.03
46.48±1.78
W− 20
 5 
738.4±18.3
114.9± 9.4  
15.63±0.70
44.52±2.76
W−200
     
 5 
   
766.8±31.6
          
145.7±46.4  
            
15.88±0.47
          
46.00±1.98
          
12カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont.
 8 
832.3±64.2
153.1±25.1  
16.07±1.19
46.63±4.40
W− 20
 8 
822.8±35.6
183.8±70.6  
15.34±0.58
46.25±3.16
W−200
     
 8 
   
800.8±36.7
          
183.8±36.8  
            
15.05±0.87
          
47.38±2.89
          

 
 
 
 
Cont.
 8 
728.9±50.3
104.0±22.7  
15.18±1.26
45.64±4.15
W− 20
 8 
737.1±51.0
125.4±32.7  
14.69±1.16
44.00±3.32
W−200
 8 
724.9±16.0
146.6±23.8**
14.85±0.54
44.25±2.38

**:P<0.01 対照群に比べて



表3 血液形態学的検査(18カ月目及び24カ月目)
         群  
            
動物数
   
R.B.C      
[×10・E(4)] 
W.B.C     
[×10・E(2)]
Hemoglobin
   g/dl   
Hematcrit 
    %     
18カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont.
 5 
793.8±105.7
189.8±34.8
14.58±1.46
43.40±4.56
W− 20
 5 
840.2± 90.9
212.0±57.0
15.46±0.42
44.60±2.79
W−200
     
 5 
   
840.0± 61.5
           
204.6±75.2
          
14.54±3.03
          
43.00±8.25
          

 
 
 
 
 
Cont.
 5 
811.0±127.3
163.2±22.8
15.71±1.21
45.20±2.59
W− 20
 5 
815.8±107.6
161.0±54.1
14.76±1.15
43.80±3.49
W−200
     
 5 
   
826.6± 90.3
           
168.8±28.8
          
15.22±0.91
          
44.25±2.75
          
24カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont.
 9 
824.6± 91.6
202.8±69.9
15.47±1.46
46.78±5.34
W− 20
 8 
725.3± 89.5
220.3±66.1
13.85±2.05
42.94±5.43
W−200
     
 6 
   
788.7± 66.4
           
201.8±45.8
          
14.41±0.35
          
42.33±3.39
          

 
 
 
 
Cont.
 7 
688.0± 91.8
125.6±24.5
13.38±1.89
45.31±7.22
W− 20
12 
720.5±102.9
132.9±37.0
14.25±1.07
44.81±3.29
W−200
 5 
772.3± 70.3
143.0±35.0
13.96±1.18
43.58±5.24



表4 白血球百分比
         群  
Baso.
Eosino.
Band.
Segment.
Lympho.
Mono.
 6カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  3.6  
 0.2 
 11.8   
 83.0  
 0.4 
W− 20
 0   
  5.0  
 1.0 
 25.9   
 66.6  
 0.3 
W−200
     
 0   
     
  2.7  
       
 0.5 
     
 24.0   
        
 72.8  
       
 0.1 
     

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  2.0  
 0.4 
 14.0   
 81.9  
 0.1 
W− 20
 0   
  4.6  
 0.4 
 15.3   
 79.8  
 0.3 
W−200
     
 0   
     
  2.8  
       
 0.9 
     
 20.7   
        
 75.0  
       
 0.6 
     
12カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  1.9  
 0.6 
 19.2   
 78.3  
 0.3 
W− 20
 0   
  3.4  
 1.5 
 21.5   
 72.5  
 0.1 
W−200
     
 0.1 
     
  4.5  
       
 0.8 
     
 22.4   
        
 71.9  
       
 0.3 
     

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  1.9  
 0.3 
 23.9   
 73.6  
 0.4 
W− 20
 0   
  2.8  
 0.9 
 20.5   
 75.4  
 0.5 
W−200
     
 0.1 
     
  2.6  
       
 0.3 
     
 18.9   
        
 78.0  
       
 0.4 
     
18カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  1.8  
 0.8 
 26.6   
 70.2  
 0.6 
W− 20
 0   
  3.6  
 0.4 
 23.4   
 72.0  
 0.6 
W−200
     
 0.2 
     
  2.0  
       
 0.2 
     
 22.6   
        
 74.2  
       
 0.8 
     

 
 
 
 
 
Cont 
 0.2 
  1.4  
 0.4 
 27.0   
 70.6  
 0.4 
W− 20
 0.2 
  2.8  
 0.6 
 24.6   
 71.6  
 0.2 
W−200
     
 0   
     
  2.7  
       
 0.3 
     
 22.7   
        
 74.3  
       
 0   
     
24カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
Cont 
 0   
  2.8  
 1.2 
 25.6   
 70.4  
 0.3 
W− 20
 0   
  4.9  
 1.1 
 24.9   
 69.3  
 0.4 
W−200
     
 0   
     
  3.7  
       
 2.1 
     
 27.0   
        
 66.8  
       
 0.7 
     

 
 
 
 
Cont 
 0   
  3.2  
 0.8 
 27.3   
 68.7  
 0.2 
W− 20
 0   
  3.6  
 0.6 
 23.4   
 69.0  
 0.2 
W−200
 0   
  3.9  
 1.4 
 28.3   
 66.1  
 0.3 


(f) 血液生化学的検査

 6、12、18及び24カ月目の各時期に行った血液生化学的検査の成績を表5、6に示す。

 6カ月:雄雌ともに照射群でALP,GOT及びGPTが対照群に比べ、軽度の減少傾向を示すが、有意の差はいずれの項目にも認められない。

 12カ月:雄では、W−20群でGlucoseが対照群に比べ有意の増加を、また、W−20群及びW−200群でPiが有意の減少を示す。雌では、W−20群でAlbuminが有意の増加を、また、W−200群でCaが有意の減少を示す。雄雌に共通する変化あるいは照射群間の明らかな差は認められない。

 18カ月:雄では、W−20群でT−Chol.が対照群に比べ有意の増加を、GOTが有意の減少を、W−200群でUrea−N及びCaが、いずれも有意の減少を示す。雌では、W−20群及びW−200群でGlucoseが対照群に比べ有意の減少を示す。12カ月と同様、群間に一定の傾向の差は認められない。

 24カ月:雄では、W−20群で蛋白及びCaが、W−200群で蛋白及びT−Chol.が、いずれも対照群に比べ有意の減少を示す。雌では、いずれの項目についても対照群と照射群の間に有意の差を認めない。

 上述のように6、12、18及び24カ月目の各時期で群間にいくつかの差を見るが、対照群と照射群あるいは照射群間に一定の傾向を認めない。


表5 血液生化学的検査(6カ月目及び12カ月目)
         群  
            
            
動物数
   
   
Protein
 g/dl  
       
Albumin
 g/dl  
       
 A/G 
     
     
Glucose
 mg/dl 
       
T−Chol.
 mg/dl 
       
  AlP    
mg.phenol
     /dl 
G.O.T 
 U.  
     
G.P.T
  U. 
     
Urea−N
 mg/dl
      
  Pi  
mEq/dl
      
S−Ca   
mg/dl  
       
 6カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 5 
   
 6.95  
±0.29  
 4.08  
±0.33  
 1.47
±0.37
134.00 
±22.79 
 65.89 
± 9.29 
 32.45   
± 7.24   
109.40
± 1.67
30.40
±4.76
23.94 
±3.03 
 7.64 
±0.94 
 9.82  
±0.50  
W− 20
     
 5 
   
 7.08  
±0.17  
 4.12  
±0.27  
 1.40
±0.15
132.31 
±11.72 
 73.89 
± 4.94 
 24.79   
± 4.08   
82.80
±13.43
21.70
±1.52
19.98 
±3.97 
 7.01 
±1.82 
12.79  
±1.73  
W−200
     
     
 5 
   
   
 7.12  
±0.26  
       
 4.35  
±0.29  
       
 1.57
±0.35
     
159.54 
±54.62 
       
 70.44 
±13.02 
       
 27.64   
±10.16   
         
92.10
± 9.89
     
24.88
±3.61
     
24.17 
±2.67 
      
 6.50 
±0.38 
      
11.54  
±0.92  
       

 
 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 5 
   
 7.49  
±0.34  
 4.86  
±0.25  
 1.76
±0.25
137.69 
± 6.75 
121.33 
±19.32 
 27.50   
± 2.57   
94.70
±25.02
30.96
±7.10
25.45 
±3.28 
 5.91 
±0.57 
12.05  
±1.24  
W− 20
     
 5 
   
 7.69  
±0.35  
 4.94  
±0.66  
 1.84
±0.43
141.49 
± 8.10 
127.22 
±28.63 
 22.73   
± 4.30   
89.00
±17.19
27.63
±3.20
21.59 
±0.81 
 4.75 
±1.73 
12.04  
±0.56  
W−200
     
     
 5 
   
   
 7.22  
±0.25  
       
 4.42  
±0.42  
       
 1.61
±0.33
     
152.31 
±16.82 
       
 99.72 
± 6.25 
       
 24.08   
± 2.21   
         
86.00
± 2.17
     
28.88
±1.93
     
23.57 
±1.83 
      
 5.33 
±0.62 
      
11.76  
±1.18  
       
12カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 8 
   
 7.85  
±0.45  
 4.61  
±0.73  
 1.52
±0.50
117.01 
±14.83 
 94.35 
±24.58 
 23.44   
± 8.07   
116.50
±21.78
18.00
±6.63
18.26 
±2.67 
 5.28 
±0.79 
 9.39  
±0.74  
W− 20
     
 8 
   
 7.64  
±0.49  
 4.61  
±0.34  
 1.56
±0.28
132.97 
±44.99*
 96.05 
±18.63 
 17.70   
± 4.50   
132.29
±22.73
18.79
±3.94
19.70 
±2.91 
 4.33 
±0.37*
 8.77  
±0.51  
W−200
     
     
 8 
   
   
 7.78  
±0.54  
       
 4.38  
±0.47  
       
 1.50
±0.75
     
129.86 
±47.08 
       
120.40 
±33.08 
       
 19.86   
± 8.39   
         
102.50
±15.02
     
19.50
±6.86
     
18.16 
±2.25 
      
 4.20 
±0.74*
      
 8.90  
±0.44  
       

 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 8 
   
 9.12  
±2.05  
 5.39  
±0.51  
 1.57
±0.49
100.21 
±11.52 
129.04 
±24.61 
 17.11   
± 7.19   
83.29
±19.85
23.00
±9.12
19.75 
±4.74 
 4.97 
±0.75 
10.03  
±0.35  
W− 20
     
 8 
   
10.83  
±2.28  
 6.16  
±0.66* 
 1.47
±0.50
104.71 
± 7.81 
146.39 
±19.23 
 23.02   
±11.74   
90.31
±15.07
27.00
±9.35
17.87 
±2.37 
 5.06 
±0.37 
 9.78  
±0.37  
W−200
     
 8 
   
11.41  
±2.71  
 6.18  
±1.21  
 1.16
±0.36
105.65 
±15.84 
140.96 
±20.87 
 17.88   
± 9.36   
88.57
±31.69
28.00
±8.37
16.18 
±2.40 
 4.61 
±0.59 
 9.21  
±0.42**

 *:P<0.05 対照群に比べて
**:P<0.01 対照群に比べて



表6 血液生化学的検査(18カ月目及び24カ月目)
         群  
            
            
動物数
   
   
Protein
 g/dl  
       
Albumin
 g/dl  
       
 A/G 
     
     
Glucose
 mg/dl 
       
T−Chol. 
 mg/dl  
        
  AlP    
mg.phenol
     /dl 
G.O.T  
  U.   
       
G.P.T 
  U.  
      
Urea−N
 mg/dl
      
  Pi  
mEq/dl
      
S−Ca   
mg/dl  
       
18カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 5 
   
 7.72  
±0.75  
 3.71  
±0.32  
 0.95
±0.23
 94.65 
±20.61 
 140.89 
± 32.99 
16.97    
±5.59    
127.20 
±18.17 
 44.32
±12.39
17.90 
±1.78 
 5.14 
±1.96 
14.83  
±1.19  
W− 20
     
 5 
   
 7.51  
±0.22  
 3.65  
±0.41  
 0.98
±0.29
 92.18 
±14.39 
 296.82 
±146.54*
11.90    
±1.95    
100.60 
±13.87*
 33.72
±11.97
17.18 
±2.06 
 3.85 
±0.34 
13.97  
±0.39  
W−200
     
 5 
   
 7.57  
±0.23  
 3.54  
±0.38  
 0.90
±0.23
 91.20 
±12.05 
 143.44 
± 37.61 
16.41    
±4.06    
122.60 
±17.64 
 35.02
± 9.14
13.84 
±2.09*
 4.37 
±0.46 
12.18  
±0.87**

 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 5 
   
 8.10  
±0.35  
 4.55  
±0.15  
 1.29
±0.11
124.93 
± 9.88 
 156.67 
± 66.63 
 8.86    
±1.64    
140.00 
±61.02 
 49.00
±27.24
14.60 
±1.77 
 3.99 
±0.41 
13.60  
±0.87  
W− 20
     
 5 
   
 8.10  
±0.70  
 4.30  
±0.47  
 1.19
±0.30
 93.29 
±17.07*
 271.89 
±111.62 
 7.73    
±2.62    
119.50 
±26.15 
 63.88
±18.42
17.53 
±3.70 
 4.05 
±0.79 
13.34  
±1.26  
W−200
     
 5 
   
 8.36  
±0.40  
 5.08  
±0.50  
 1.57
±0.26
 97.72 
±12.86*
 190.33 
± 58.35 
 8.03    
±1.93    
114.60 
±33.38 
 45.10
±23.94
14.52 
±0.81 
 3.87 
±0.66 
14.04  
±0.53  
24カ月
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 9 
   
 6.79  
±0.77  
 3.58  
±0.48  
 1.19
±0.40
 99.14 
±32.14 
 229.86 
±103.68 
14.53    
±5.81    
 90.17 
±20.30 
 24.67
±16.62
22.82 
±5.81 
 3.97 
±1.29 
 8.25  
±0.83  
W− 20
     
 8 
   
 5.87  
±0.73* 
 3.39  
±0.49  
 1.39
±0.26
 87.55 
±29.49 
 164.28 
± 88.27 
 9.70    
±3.34    
 91.38 
±28.50 
 18.38
± 9.21
20.11 
±3.85 
 5.10 
±1.46 
 7.35  
±0.42* 
W−200
     
 6 
   
 5.66  
±0.24* 
 3.08  
±0.34  
 1.21
±0.26
 97.00 
± 8.01 
 105.23 
± 15.03*
10.31    
±1.61    
 87.50 
±15.26 
 14.88
± 7.15
17.48 
±5.22 
 6.15 
±0.87 
 7.19  
±0.36  

 
 
 
 
 
 
 
Cont 
     
 7 
   
 7.46  
±1.30  
 4.06  
±0.54  
 1.42
±0.70
114.56 
±25.51 
 176.48 
± 91.91 
 8.43    
±3.90    
100.50 
±24.74 
 30.58
±17.57
21.95 
±3.69 
 5.25 
±0.25 
 8.12  
±0.76  
W− 20
     
12 
   
 7.40  
±0.57  
 4.70  
±0.44  
 1.86
±0.58
104.70 
±17.50 
 133.47 
± 28.58 
 7.30    
±1.35    
104.05 
±25.09 
 30.41
±19.14
21.72 
±3.48 
 4.26 
±1.18 
 8.38  
±0.86  
W−200
     
 5 
   
 7.19  
±0.78  
 4.28  
±0.56  
 1.51
±0.46
124.67 
±20.08 
 155.24 
± 52.70 
 9.14    
±3.20    
 90.20 
±22.72 
 12.80
± 6.54
17.66 
±2.33 
 5.25 
±0.39 
 7.92  
±0.99  

 *:P<0.05 対照群に比べて
**:P<0.01 対照群に比べて


(g) 臓器重量

 6、12、18及び24カ月目の各時期に解剖した動物の臓器実重量及び体重比について、表7、8、9、10に示す。以下対照群と比べ、実重量と体重比でともに同一方向に差を示すものについて述べる。

 6カ月:雄では、照射群で下垂体及び肺が増加傾向を、甲状腺及び精巣が減少傾向を示す。雌では、照射群で下垂体及び甲状腺が増加傾向を示す。

 12カ月:雄では、W−20群で脾が増加ないしその傾向を、W−200群で副腎及び脾が増加傾向を示す。雌では、W−20群で肝及びW−200群の腎が、いずれも増加の傾向ないし増加を示す。

 18カ月:雄では、W−20群で下垂体が増加を、W−200群で脳が減少を示す。雌ではW−20群で脾が増加を、脳、下垂体、甲状腺及び卵巣では、いずれも減少ないしその傾向を示す。W−200群で卵巣が減少を示す。

 24カ月:雄では、W−200群の副腎が減少ないしその傾向を示す。雌では、W−20群の肝が減少ないしその傾向を示す。

 上述のように6、12、18及び24カ月目の各時期で群間にいくつかの変化を見るが、対照群と照射群あるいは照射群間に一定の傾向を見ない。


表7 臓器重量(6カ月目)
       群   
           
動物数
   
 体重  
     
  脳  
  g  
 下垂体 
  mg 
  甲状腺   
   mg   
  心  
  g  
  肺  
  g  
  肝  
  g  
  腎
  g
  副腎   
  mg   
  脾  
  g  
精巣・卵巣 
 g,mg 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
     
     
 2.10
±0.08
11.50
±1.54
37.25   
±5.98   
 1.31
±0.16
 1.73
±0.24
15.66
±2.55
 2.93
±0.41
 61.44 
± 3.98 
 0.60
±0.13
  2.94
 ±0.47
W− 20
     
 5 
   
     
     
 2.05
±0.06
12.90
±3.77
30.10   
±2.16   
 1.29
±0.18
 2.16
±0.49
16.11
±2.01
 2.77
±0.22
 61.50 
± 8.57 
 0.61
±0.07
  2.82
 ±0.45
W−200
     
     
 5 
   
   
     
     
     
 2.05
±0.23
     
13.30
±4.64
     
29.00   
±2.76   
        
 1.27
±0.13
     
 2.15
±0.12
     
14.97
±1.12
     
 2.74
±0.13

 55.20 
± 6.46 
       
 0.55
±0.07
     
  2.65
 ±0.31
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
453.6
±50.8
 0.47
±0.06
 2.58
±0.53
 8.10   
±2.00   
 0.29
±0.01
 0.38
±0.04
 3.44
±0.22
 0.65
±0.05
 13.67 
± 1.67 
 0.14
±0.04
  0.66
 ±0.14
W− 20
     
 5 
   
481.8
±53.0
 0.43
±0.04
 2.70
±0.80
 6.30   
±0.70   
 0.27
±0.03
 0.45
±0.09
 3.34
±0.12
 0.58
±0.03
 12.94 
± 2.70 
 0.13
±0.00
  0.59
 ±0.10
W−200
     
     
 5 
   
   
457.8
±43.6
     
 0.45
±0.06
     
 2.98
±1.23
     
 6.42   
±1.17   
        
 0.27
±0.01
     
 0.47
±0.07
     
 3.28
±0.20
     
 0.60
±0.04

 12.21 
± 2.22 
       
 0.12
±0.02
     
  0.58
 ±0.08
      

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
     
     
 1.89
±0.11
13.10
±1.29
21.33(3)
        
 1.07
±0.58
 1.71
±0.22
10.39
±1.20
 1.93
±0.23
 91.50 
± 8.53 
 0.46
±0.13
 65.90
±14.13
W− 20
     
 5 
   
     
     
 1.77
±0.38
15.30
±3.27
21.75   
±4.41   
 0.84
±0.10
 1.37
±0.13
 9.72
±1.56
 1.86
±0.22
 83.80 
±14.70 
 0.43
±0.03
 64.60
±23.59
W−200
     
     
 5 
   
   
     
     
     
 1.79
±0.12
     
14.38
±2.84
     
26.88   
±5.89   
        
 0.78
±0.10
     
 1.37
±0.14
     
 8.57
±0.39
     
 1.72
±0.15

 80.12 
± 4.27*
       
 0.35
±0.04
     
 62.70
± 9.74
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
269.2
±24.3
 0.70
±0.04
 4.87
±5.01
 7.81(3)
        
 0.39
±0.20
 0.63
±0.06
 3.85
±0.79
 0.71
±0.04
 33.38 
± 2.83 
 0.17
±0.03
 24.00
± 4.12
W− 20
     
 5 
   
246.2
±25.3
 0.73
±0.18
 6.17
±0.76
 8.58   
±0.10   
 0.34
±0.03
 0.56
±0.08
 3.93
±0.26
 0.62
±0.31
 34.29 
± 6.98 
 0.18
±0.03
 27.14
±12.42
W−200
     
 5 
   
247.0
±26.1
 0.74
±0.13
 5.90
±1.36
10.94   
±2.03   
 0.32
±0.04
 0.57
±0.07
 3.52
±0.38
 0.71
±0.05
 32.84 
± 2.82 
 0.15
±0.03
 25.68
± 4.08

*:P<0.05 対照群に比べて
かっこ内数字は、検査動物数。



表8 臓器重量(12カ月)
       群   
           
動物数
   
 体重  
  g  
  脳  
  g  
 下垂体 
  mg 
 甲状腺 
  mg 
  心  
  g  
  肺  
  g  
  肝   
  g   
  腎   
  g   
  副腎  
  mg  
  脾   
  g   
精巣・卵巣 
 g,mg 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 8 
   
     
     
 2.03
±0.12
12.13
±5.03
32.57
±9.46
 1.34
±0.11
 2.25
±0.67
17.50 
±3.18 
 3.08 
±0.35 
 55.88
±11.17
 0.61 
±0.06 
  3.04
 ±0.29
W− 20
     
 8 
   
     
     
 2.13
±0.15
15.44
±2.74
32.50
±6.49
 1.42
±0.12
 2.46
±0.52
18.88 
±1.68 
 3.36 
±0.36 
 59.50
± 9.26
 0.68 
±0.06*
  3.12
 ±0.46
W−200
     
     
 8 
   
   
     
     
     
 2.14
±0.09
     
15.19
±4.39
     
32.06
±5.90
     
 1.43
±0.21
     
 2.07
±0.27
     
16.38 
±1.70 
      
 3.12 
±0.45 
      
 62.44
±12.81
      
 0.66 
±0.13 
      
  2.96
 ±0.23
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 8 
   
548.3
±66.8
 0.38
±0.06
 2.57
±0.38
 5.96
±1.58
 0.25
±0.03
 0.41
±0.13
 3.15 
±0.30 
 0.57 
±0.06 
 10.34
± 2.33
 0.11 
±0.01 
  0.56
 ±0.05
W− 20
     
 8 
   
580.1
±53.7
 0.37
±0.03
 2.69
±0.56
 5.68
±0.88
 0.25
±0.02
 0.43
±0.09
 3.25 
±0.24 
 0.58 
±0.05 
 10.24
± 1.10
 0.12 
±0.01 
  0.54
 ±0.09
W−200
     
     
 8 
   
   
528.1
±64.6
     
 0.41
±0.05
     
 2.93
±0.99
     
 6.12
±1.23
     
 0.27
±0.02
     
 0.39
±0.05
     
 3.12 
±0.37 
      
 0.59 
±0.06 
      
 11.98
± 2.92
      
 0.13 
±0.03 
      
  0.57
 ±0.07
      

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 8 
   
     
     
 1.86
±0.07
17.18
±1.53
23.13
±5.14
 0.99
±0.11
 1.63
±0.51
10.70 
±1.57 
 1.98 
±0.26 
 71.50
± 9.03
 0.46 
±0.12 
 43.50
± 8.49
W− 20
     
 8 
   
     
     
 1.91
±0.07
17.19
±5.76
23.94
±5.00
 0.91
±0.09
 1.68
±0.27
10.93 
±1.82 
 1.99 
±0.26 
 77.50
±15.09
 0.42 
±0.09 
 53.63
±22.84
W−200
     
     
 8 
   
   
     
     
     
 1.91
±0.12
     
16.86
±2.79
     
24.64
±6.11
     
 0.96
±0.10
     
 1.49
±0.12
     
10.77 
±0.92 
      
 2.17 
±0.16 
      
 82.43
±11.87
      
 0.45 
±0.06 
      
 53.75
±13.23
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 8 
   
335.0
±41.9
 0.56
±0.07
 5.37
±0.69
 7.00
±1.36
 0.30
±0.03
 0.50
±0.18
 3.20 
±0.29 
 0.59 
±0.06 
 21.83
± 4.98
 0.14 
±0.03 
 13.10
± 2.49
W− 20
     
 8 
   
316.6
±47.3
 0.62
±0.09
 5.45
±1.51
 7.76
±2.31
 0.29
±0.03
 0.55
±0.14
 3.57 
±0.25*
 0.63 
±0.06 
 24.69
± 4.90
 0.13 
±0.02 
 16.60
± 5.27
W−200
     
 8 
   
314.9
±36.2
 0.61
±0.07
 5.32
±1.16
 7.95
±1.58
 0.31
±0.04
 0.48
±0.08
 3.44 
±0.26 
 0.69 
±0.08*
 26.93
± 4.93
 0.14 
±0.02 
 17.19
± 4.81

*:P<0.05 対照群に比べて



表9 臓器重量(18カ月)
       群   
           
動物数
   
  体重   
   g   
  脳    
  g    
 下垂体   
  mg   
 甲状腺   
  mg   
  心  
  g  
  肺  
  g  
  肝  
  g  
  腎  
  g  
  副腎  
  mg  
  脾    
  g    
  精巣・卵巣 
   g,mg 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
       
       
 2.29  
±0.07  
11.30  
±2.73  
36.80  
±5.02  
 1.53
±0.13
 2.94
±0.60
16.80
±2.70
 3.42
±0.38
 71.68
± 6.09
 0.70  
±0.17  
  3.30  
 ±0.49  
W− 20
     
 5 
   
       
       
 2.23  
±0.12  
17.60  
±2.47**
42.13  
±4.94  
 1.48
±0.09
 2.97
±0.20
16.50
±2.56
 3.67
±0.54
 71.40
± 9.70
 0.73  
±0.09  
  3.17  
 ±0.11  
W−200
     
     
 5 
   
   
       
       
       
 2.10  
±0.08**
       
12.16  
±3.02  
       
35.84  
±6.02  
       
 1.61
±0.33
     
 2.98
±0.39
     
15.35
±2.68
     
 3.25
±0.39
     
 74.08
±20.65
      
 0.68  
±0.13  
       
  3.28  
 ±0.26  
        
体重比
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
564.0  
±36.2  
 0.41  
±0.02  
 2.02  
±0.53  
 6.52  
±0.74  
 0.27
±0.03
 0.52
±0.08
 2.84
±0.34
 0.61
±0.07
 12.72
± 0.97
 0.12  
±0.03  
  0.58  
 ±0.05  
W− 20
     
 5 
   
523.6  
±37.8  
 0.43  
±0.02  
 3.36  
±0.39**
 8.10  
±1.12* 
 0.29
±0.03
 0.57
±0.03
 3.16
±0.53
 0.71
±0.14
 13.68
± 1.39
 0.14  
±0.02  
  0.60  
 ±0.04  
W−200
     
     
 5 
   
   
571.6  
±74.8  
       
 0.37  
±0.05  
       
 2.11  
±0.32  
       
 6.41  
±1.65  
       
 0.28
±0.02
     
 0.53
±0.08
     
 2.69
±0.39
     
 0.57
±0.03
     
 13.43
± 3.64
      
 0.12  
±0.02  
       
  0.58  
 ±0.04  
        

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
       
       
 1.99  
±0.02  
22.60  
±7.30  
26.52  
±5.84  
 1.06
±0.27
 1.61
±0.56
 8.92
±1.03
 2.14
±0.21
 70.14
±19.16
 0.34  
±0.07  
 87.32  
±18.96  
W− 20
     
 5 
   
       
       
 1.94  
±0.11  
16.84  
±3.42  
23.50  
±6.24  
 2.12
±1.14
 1.71
±0.65
10.41
±2.18
 2.58
±0.51
 87.94
±13.03
 0.52  
±0.08**
 57.78  
±34.49  
W−200
     
     
 5 
   
   
       
       
       
 1.97  
±0.14  
       
14.48  
±3.63  
       
23.16  
±3.66  
       
 1.16
±0.07
     
 1.99
±0.48
     
 9.00
±1.89
     
 2.25
±0.30
     
 80.68
±15.08
      
 0.48  
±0.12  
       
 52.40  
±10.36**
        
体重比
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 5 
   
291.0  
±35.1  
 0.69  
±0.08  
 7.50  
±1.57  
10.28  
±1.39  
 0.37
±0.04
 0.57
±0.22
 3.06
±0.10
 0.74
±0.01
 24.12
± 6.58
 0.12  
±0.01  
 30.25  
± 7.40  
W− 20
     
 5 
   
341.0  
±32.5**
 0.57  
±0.04* 
 4.91  
±0.68**
 6.58  
±1.44**
 0.60
±0.42
 0.50
±0.16
 3.04
±0.53
 0.75
±0.12
 25.88
± 3.70
 0.15  
±0.01**
 16.52  
± 8.27* 
W−200
     
 5 
   
329.6  
±59.2  
 0.61  
±0.08  
 4.45  
±1.08  
 7.11  
±1.16  
 0.36
±0.05
 0.61
±0.10
 2.75
±0.41
 0.69
±0.09
 25.14
± 6.90
 0.15  
±0.02  
 16.08  
± 3.25**

 *:P<0.05 対照群に比べて
**:P<0.01 対照群に比べて



表10 臓器重量(24カ月目)
       群   
           
動物数
   
 体重  
  g  
  脳  
  g  
 下垂体 
  mg 
 甲状腺 
  mg 
  心  
  g  
  肺  
  g  
  肝   
  g   
  腎  
  g  
 副腎   
 mg   
  脾  
  g  
精巣・卵巣 
 g,mg 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 9 
   
     
     
 2.16
±0.14
16.06
±5.41
33.72
±6.14
 1.54
±0.12
 3.12
±0.89
17.36 
±3.77 
 3.39
±0.56
90.78 
±19.35 
 0.76
±0.14
  3.03
 ±0.33
W− 20
     
 8 
   
     
     
 2.15
±0.10
17.14
±6.18
34.50
±6.81
 1.60
±0.16
 2.85
±0.44
15.87 
±2.33 
 3.78
±0.44
128.43 
±62.95 
 0.87
±0.19
  3.03
 ±0.41
W−200
     
     
 6 
   
   
     
     
     
 2.05
±0.10
     
12.83
±4.84
     
30.33
±4.90
     
 1.57
±0.11
     
 2.91
±0.64
     
14.63 
±1.56 
      
 3.41
±0.33
     
68.50 
± 7.64*
      
 0.78
±0.15
     
  4.01
 ±2.02
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 9 
   
487.3
±76.0
 0.45
±0.09
 3.41
±1.30
 6.96
±1.08
 0.32
±0.05
 0.67
±0.28
 3.60 
±0.86 
 0.71
±0.15
19.22 
± 5.97 
 0.16
±0.03
  0.64
 ±0.12
W− 20
     
 8 
   
530.8
±25.8
 0.42
±0.07
 3.30
±1.30
 6.73
±1.74
 0.31
±0.05
 0.55
±0.11
 3.08 
±0.69 
 0.74
±0.14
26.88 
±14.36 
 0.17
±0.05
  0.59
 ±0.10
W−200
     
     
 6 
   
   
488.2
±29.4
     
 0.42
±0.03
     
 2.66
±1.07
     
 6.21
±0.85
     
 0.32
±0.02
     
 0.60
±0.12
     
 3.01 
±0.35 
      
 0.70
±0.05
     
14.06 
± 1.58 
      
 0.16
±0.03
     
  0.81
 ±0.36
      

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実測値
   
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 7 
   
     
     
 1.93
±0.16
15.20
±4.48
24.43
±3.74
 1.11
±0.18
 2.04
±0.42
 9.93 
±2.02 
 2.26
±0.35
89.64 
±20.10 
 0.51
±0.20
 61.83
±16.94
W− 20
     
12 
   
     
     
 1.95
±0.17
19.23
±3.96
26.08
±5.23
 1.13
±0.11
 2.03
±0.70
 9.44 
±1.54 
 2.34
±0.29
80.50 
± 8.02 
 0.51
±0.11
 66.82
±19.38
W−200
     
     
 5 
   
   
     
     
     
 1.88
±0.09
     
16.17
±5.06
     
25.20
±6.75
     
 1.21
±0.24
     
 2.09
±0.45
     
 9.27 
±2.24 
      
 2.48
±0.79
     
88.60 
±24.21 
      
 0.55
±0.23
     
 53.72
±18.71
      
体重比
   
   
   
   
   
   
   
Cont 
     
 7 
   
287.4
±42.0
 0.68
±0.10
 4.96
±1.56
 8.67
±1.92
 0.39
±0.11
 0.74
±0.27
 3.47 
±0.57 
 0.80
±0.15
31.38 
± 8.45 
 0.19
±0.10
 22.14
± 4.89
W− 20
     
12 
   
321.5
±44.3
 0.62
±0.10
 6.33
±1.59
 8.16
±1.41
 0.36
±0.06
 0.63
±0.22
 2.95 
±0.36*
 0.74
±0.10
25.52 
± 3.84 
 0.16
±0.04
 20.91
± 5.90
W−200
     
 5 
   
326.0
±81.7
 0.60
±0.11
 7.69
±4.97
 7.87
±2.14
 0.38
±0.04
 0.65
±0.10
 2.87 
±0.37 
 0.76
±0.11
27.43 
± 4.91 
 0.17
±0.05
 17.64
± 7.94

*:P<0.01 対照群に比べて


(h) 病理組織学的検査
(イ) 肉眼的所見

 6、12、18及び24カ月目の各時期の剖検結果を表11、12、13、14に示す。

 6カ月:雄では、対照群及びW−200群で下腹部に1及び2例の膿瘍形成を見るが、雌では特記すべき変化を見ない。

 12カ月:雄の対照群で3例に肺炎を認めるほか、内耳、下垂体、肝、腎、子宮、卵巣、精巣及び腸間膜リンパ節などに散発的に変化を見るが、群間に明らかな差を見ない。なお雄のW−20群で内耳に膿瘍を示す1例は、一般症状として斜頚を呈した動物である。

 18カ月:雄では、肺炎が対照群で2例、W−20群で3例、W−200群で1例、副腎の腫瘤がW−20群で1例、雌では、肺炎が対照群及びW−20群で各1例、W−200群で副腎の肥大など解剖した動物の過半数になんらかの変化を見るが、群間に著しい差を見ない。

 24カ月:殆んどの動物に変化が見られ、雄では肝褪色がW−20群及びW−200群で各々3例、腎の表面粗造が対照群で4例、W−200群で2例、雌では肺炎が対照群で2例、W−20群で5例、W−200群で1例、肝褪色が対照群及びW−20群で各々3例、W−200群で2例を認める。しかし雄雌いずれも群間あるいは照射群間に一定の傾向を示唆するものは認められない。


表11 肉眼的検査(6カ月目)
        
      群 
        
        
所見  検査例数
       雄       
       雌       
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 5  
 5  
 5   
 5  
 5  
 5   
下腹部  膿瘍 
 1  
    
 2   
    
    
     
変化を見た例数 
 1  
    
 2   
    
    
     



表12 肉眼的検査(12カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
       雄       
       雌       
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 8  
 8  
 8   
 8  
 8  
 8   
内 耳     膿 瘍   
    
 1  
     
    
    
     
下垂体  
     
     
  肥 大   
    
    
     
    
 1  
     
  血 腫   
    
    
     
 1  
    
     
肺       肺 炎   
 3  
    
 1   
    
 1  
     
肝    
     
     
     
     
  炭末沈着  
    
    
     
 1  
    
     
  褪 色   
 2  
 1  
     
 2  
    
     
  脆 弱   
 2  
    
     
 1  
    
 1   
腎       水泡形成  
    
 1  
     
    
    
     
子 宮     蓄 膿   
    
    
     
 1  
    
     
卵 巣     嚢 腫   
    
    
     
 1  
 1  
 2   
精 巣     水 腫   
    
 2  
     
    
    
     
腸管膜リンパ節 腫 大   
 1  
    
     
    
    
 1   
  変化を見た例数     
 6  
 5  
 1   
 6  
 2  
 3   



表13 肉眼的検査(18カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
       雄       
       雌       
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 5  
 5  
 5   
 5  
 5  
 5   
下腹部     腫 瘤   
    
    
     
    
 1  
     
下垂体   
      
      
 腫 瘤   
    
    
     
 1  
    
     
 血 腫   
    
    
     
 1  
    
     
肺     
      
      
      
      
 肺 炎   
 2  
 3  
 1   
 1  
 1  
     
 膿 瘍   
 1  
    
     
    
    
 1   
 腫 瘤   
    
    
     
 1  
    
     
肝     
      
      
      
      
 褪 色   
    
    
 1   
    
    
     
 脆 弱   
    
    
 1   
    
    
 1   
 混濁腫脹  
    
    
 1   
    
    
 1   
腎     
      
      
 嚢 腫   
    
    
     
    
 1  
     
 萎 縮   
 1  
    
     
    
 1  
     
副 腎   
      
      
 肥 大   
    
    
     
    
    
 1   
 腫 瘤   
    
 1  
     
    
    
     
卵 巣     嚢 腫   
    
    
     
 1  
    
     
腸管膜リンパ節 腫 大   
    
    
     
 1  
    
     
  変化を見た例数     
 3  
 3  
 3   
 4  
 3  
 3   



表14 肉眼的検査(24カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
       雄       
       雌       
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 9  
12  
 9   
11  
15  
 7   
頭蓋側頭骨部 膿 瘍    
    
    
     
    
 1  
     
顎下部    腫 瘤    
    
    
     
 1  
    
 1   
背 部    腫 瘤    
    
    
 1   
    
    
     
腋下部    腫 瘤    
    
 3  
 1   
 2  
 2  
     
胸 部    腫 瘤    
    
 1  
     
    
    
     
下腹部    腫 瘤    
    
    
 2   
    
    
     
そけい部   腫 瘤    
    
    
     
 2  
 2  
     
臀 部    腫 瘤    
    
    
     
    
    
 1   
胸 水    貯 溜    
    
    
 2   
    
    
     
腹膜炎           
    
    
     
    
 1  
     
下垂体  
     
     
 肥 大    
 1  
 1  
     
 2  
 1  
 2   
 血 腫    
    
    
     
 1  
 1  
 1   
肺    
     
     
     
     
     
     
     
     
 肺 炎    
 3  
 2  
 1   
 2  
 5  
 1   
 炭末沈着   
 1  
    
 1   
    
    
     
 膿 瘍    
 1  
    
     
    
 2  
     
 出 血    
    
 1  
     
    
    
     
 腫 瘤    
 1  
    
     
    
    
     
肝    
     
     
     
     
     
     
     
     
 褪 色    
 1  
 3  
 3   
 3  
 3  
 2   
 脆 弱    
    
 1  
 1   
 2  
    
     
 肥 大    
    
 1  
 1   
    
 1  
     
 腫 瘤    
 1  
    
 2   
 2  
 1  
     
 嚢 腫    
    
 1  
 1   
    
    
     
腎    
     
     
     
     
     
     
 表面粗造   
 4  
    
 2   
    
 1  
     
 褪 色    
 1  
    
     
    
    
     
 萎 縮    
 1  
    
     
    
    
     
 嚢 腫    
    
 2  
     
    
    
     
脾      腫 瘤    
    
 1  
     
    
    
     
副 腎    肥 大    
    
 2  
 1   
    
 3  
 1   
胃      腺胃部潰瘍  
 1  
 1  
     
    
    
     
腸      出 血    
    
 1  
     
    
    
     
精 巣    水 腫    
    
 1  
 3   
    
    
     
子 宮  
     
     
 蓄 膿    
    
    
     
 1  
    
     
 壁肥厚    
    
    
     
    
 2  
     
卵 巣    嚢 腫    
    
    
     
    
 1  
 1   
  変化を見た例数     
 8  
10  
 8   
 6  
 9  
 6   


(ロ) 自然的死亡動物の剖検所見

 飼育期間中に自然死亡した動物の剖検所見を表15に示す。雄雌ともに実験初期においては、肺炎及び肺の充ウッ血が認められ、また実験後期には、肺炎及び腫瘤の発現が多く認められる。しかしこれらの変化は、対照群と照射群あるいは照射群間に一定の傾向を認めない。

 上述のように6、12、18及び24カ月目の解剖例及び自然死亡例の肉眼的所見には、雄雌ともに対照群と照射群あるいは照射群間に著しい差は、認められない。


表15 肉眼的検査(自然死亡動物)
                
              群 
                
                
所 見         検査例数
       雄       
       雌       
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
13  
 9  
11   
11  
 6  
 3   
眼       出 血     
    
    
     
 1  
    
     
後頭部     潰 瘍     
    
 1  
     
    
    
     
顎下部     潰 瘍     
    
 1  
     
    
    
     
腋下部     腫 瘍     
    
    
     
 1  
    
 1   
胸 部     腫 瘤     
    
    
     
    
    
 1   
腹 部   
      
      
 腫 瘤     
    
    
     
 1  
    
 2   
 潰 瘍     
 1  
    
     
    
    
     
そけい部  
      
      
 腫 瘤     
    
    
     
 1  
 1  
 1   
 膿 瘍     
    
    
     
    
    
 1   
胸 水     貯 溜     
    
    
 1   
    
    
 2   
腹 膜     粟粒大腫瘤   
    
    
     
 1  
    
     
下垂体     血 腫     
    
 1  
 1   
 2  
 2  
 1   
甲状腺     肥 大     
    
    
     
 1  
    
     
心       肥 大     
    
    
 1   
    
    
     
肺     
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
 肺 炎     
 4  
 5  
 6   
 4  
 3  
 8   
 膿 瘍     
    
    
 1   
    
    
     
 充ウッ血    
 4  
 4  
 5   
 5  
 4  
 4   
 粟粒大結節   
 1  
    
     
    
    
     
 腹膜癒着    
    
    
 2   
    
    
 2   
 腫 瘤     
    
 1  
     
    
    
     
肝     
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
 肥 大     
 3  
 2  
     
    
 1  
 1   
 充ウッ血    
 3  
 1  
 2   
 2  
    
     
 褐色(脂肪肝) 
 2  
 2  
 2   
    
    
 1   
 脆 弱     
    
 1  
 1   
    
    
 1   
 混 濁     
    
    
 1   
    
    
     
 ビマン性結節  
    
    
     
 1  
    
 1   
 硬 変     
    
    
     
    
    
 1   
 腫 瘤     
 1  
 1  
     
    
    
 1   
腎     
      
      
      
      
      
      
      
      
 萎 縮     
    
    
     
 1  
    
 1   
 表面粗造    
 1  
 1  
     
    
    
     
 充ウッ血    
    
    
 1   
    
    
     
 肥 大     
 1  
    
     
    
    
     
 膿 瘍     
 1  
    
     
    
    
     
脾       肥 大     
    
 3  
 2   
 2  
    
 2   
副 腎     肥 大     
    
    
 1   
 5  
    
 3   
膵       腫 瘤     
    
    
     
 1  
    
     
腸       重 畳     
    
    
 1   
    
    
     
卵 巣     嚢 腫     
    
    
     
    
 1  
     
腸間膜リンパ節 腫 大     
    
    
     
    
    
 1   
  変化を見た例数       
11  
 9  
11   
10  
 6  
13   


(ハ) 組織学的所見

 6、12、18及び24カ月目に解剖した検査結果を表16、17、18、19に示す。また実験期間中に死亡した動物については、組織学的検査で膿瘍と判定されたものについて記述する。

 なお、雄雌ともにW−20群の各1例及びW−200群の各2例は、自己融解が著しく検査不能の為、成績より除外した。また、腫瘍については、腫瘍の項で述べる。

 6カ月:主な変化としては、雄雌ともに腎で尿細管の上皮性尿円柱の出現を見るが、群間に差を見ない。

 12カ月:主な変化は、雄雌ともに肺で肺胞内の泡沫細胞の浸潤及び肺胞壁の肥厚、肝で肝細胞の空胞化、腎で尿細管の上皮性尿円柱、硝子様尿円柱及び尿細管上皮細胞の硝子滴変性などである。

 これらの変化は、群間に殆んど差を見ない。

 18カ月:雄雌の主な変化は、肺で肺胞内泡沫細胞の浸潤及び肺胞壁の肥厚が、肝で肝細胞の空胞化及び肥大、腎で尿細管上皮細胞の膨化脱落、硝子滴変性を、尿細管内には、上皮性あるいは硝子様の尿円柱を、また間質内円形細胞浸潤あるいは結合織の増殖を認める。その他、下垂体、甲状腺、副腎及び胸部皮下に変化を認める。これらの変化は、群間に差を見ない。

 24カ月:雄雌ともに下垂体、甲状腺、心、肺、肝、腎、脾、副腎及び生殖器(精巣・卵巣)などに変化が見られ、その主な変化としては、肺で肺胞内泡沫細胞の浸潤、肉芽形成及び肺胞壁の肥厚など、いわゆる肺炎像を呈するものを多く認める。肝では類洞内に円形細胞の浸潤、肝細胞の空胞化、膨化及び壊死、クッパー細胞の肥大などを認める。腎ではボーマン嚢の半月体形成、糸球体の膨化、尿細管上皮細胞の膨化脱落、上皮細胞の硝子滴変性、上皮性尿円柱、硝子様尿円柱、間質の増殖及び円形細胞の浸潤など、いわゆる慢性腎炎の像を呈するものを見る。これらの変化は、雄雌ともに群間に差がなく、照射群間にも一定の傾向を見ない。また、他の臓器における変化は、散発的であり、群間に差を見ない。


表16 組織学的検査(6カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 5  
 5  
 5   
 5  
 5  
 5   
肺     
      
      
泡沫細胞浸潤 
    
    
     
    
 1  
     
肺胞壁肥厚  
    
 1  
 1   
    
    
     
肝     
      
      
      
肝細胞空胞化 
    
    
 1   
    
    
     
グリッソン鞘内
 円形細胞浸潤
    
 2  
    
 1  
     
     
    
    
    
    
     
     
腎 
  
  
  
  
尿細管
   
   
上皮性尿円柱 
 2  
 3  
 4   
 4  
 5  
 3   
硝子様尿円柱 
 2  
    
 1   
    
 1  
     
間 質 円形細胞浸潤 
 1  
    
 1   
 2  
 2  
     
精巣
  
  
精細管
   
   
石灰沈着   
 1  
    
     
    
    
     
萎 縮    
 1  
    
     
    
    
     



表17 組織学的検査(12カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 8  
 8  
 8   
 8  
 8  
 8   
脳     
      
      
偽神経喰作用 
 1  
    
     
    
    
     
グリア細胞集簇
 1  
    
     
    
    
     
下垂体   
      
      
充ウッ血   
 1  
    
     
    
    
     
嚢胞形成   
    
 1  
     
    
    
     
肺 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
気管支 多核白血球浸潤
 2  
 1  
 1   
    
 1  
     
肺 胞
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
多核白血球浸潤
 1  
    
 1   
    
    
     
泡沫細胞浸潤 
 3  
 2  
 1   
 2  
 2  
 1   
肺胞壁肥厚  
 3  
 5  
 5   
 2  
 3  
 4   
石灰沈着   
    
    
 1   
    
    
     
腺腫様変化  
    
    
 1   
    
    
     
リンパ組織拡張
 3  
    
     
    
 1  
     
肝 
  
  
  
  
  
  
  
肝細胞
   
   
   
   
   
   
   
空胞化    
 4  
 4  
 2   
 4  
 5  
 5   
肥 大    
 1  
 2  
 1   
 2  
 1  
 3   
グリッソン鞘内
 円形細胞浸潤
    
 1  
    
    
     
 3   
    
    
    
 1  
     
     
類洞拡張   
    
 1  
     
    
    
     
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
尿細管
   
   
   
   
   
   
上皮性尿円柱 
 8  
 8  
 8   
 6  
 8  
 6   
硝子様尿円柱 
 7  
 5  
 6   
 4  
 1  
 3   
硝子滴変性  
 3  
 2  
 1   
    
    
     
石灰沈着   
    
    
 1   
    
    
     
間 質 円形細胞浸潤 
    
 1  
     
    
    
     
副腎 皮 質 空胞化    
 2  
    
 1   
    
    
     
腸間膜リンパ節 拡張    
    
    
 2   
    
    
     
精巣     水 腫    
 1  
    
     
    
    
     
卵巣    
      
      
顆粒細胞増殖 
    
    
     
    
 1  
     
嚢胞形成   
    
    
     
    
 1  
     



表18 組織学的検査(18カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 5  
 5  
 5   
 5  
 5  
 5   
下垂体    色素嫌性細胞腫
    
    
     
 2  
    
     
甲状腺   
      
      
      
      
濾胞上皮扁平化
 1  
 1  
 1   
    
    
     
腺腫様変化  
    
 2  
 1   
    
    
     
腺 腫    
    
    
 1   
 1  
    
     
肺 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
気管支 多核白血球浸潤
 1  
 1  
     
 1  
    
     
肺胞 
   
   
   
   
   
   
   
   
多核白血球浸潤
 1  
    
     
    
    
     
泡沫細胞浸潤 
 2  
    
 1   
 3  
 3  
     
壊 死    
 1  
    
     
    
    
     
肺胞壁肥厚  
 4  
 3  
 3   
 3  
 3  
 2   
充ウッ血   
    
    
     
    
 1  
     
肝     
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
壊 死    
 1  
    
     
    
 1  
     
空胞化    
 5  
 4  
 5   
 3  
 4  
 3   
肥 大    
 5  
 4  
 4   
 1  
 2  
 2   
肝索不整   
    
 2  
     
    
    
     
クッパー星細胞
    肥 大
    
 1  
    
 2  
     
 2   
    
 1  
    
 1  
     
     
脂肪腫    
 1  
    
     
    
    
     
結節性増殖  
 1  
 2  
 1   
 1  
    
     
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
尿細管
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
上皮細胞膨化 
 3  
    
     
 2  
 4  
 1   
    脱落 
 5  
 5  
 3   
 3  
    
     
硝子滴変性  
 4  
 5  
 1   
 1  
 3  
 3   
上皮性尿円柱 
 5  
 5  
 5   
 4  
 4  
 5   
硝子様尿円柱 
 5  
 5  
 4   
 3  
 4  
 3   
拡 張    
 5  
 5  
 3   
 1  
 3  
 3   
石灰沈着   
    
    
 1   
    
 1  
     
ボーマ
ンノウ
   
半月体形成  
 1  
    
 1   
    
    
     
糸球体膨化  
 1  
 1  
     
    
    
     
間質 
   
   
結合織増殖  
 1  
 3  
 2   
 1  
 2  
 1   
円形細胞浸潤 
 1  
 3  
 3   
 1  
 2  
 1   
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
皮質 
   
   
   
   
膨 化    
    
    
 1   
    
    
     
空胞化    
 1  
 1  
     
    
 1  
     
腺腫様変化  
 2  
    
 1   
    
    
     
髄質 
   
   
   
   
褐色細胞増殖 
    
    
 1   
    
    
     
褐色細胞腫  
    
 1  
     
    
    
     
充ウッ血   
    
    
     
    
 1  
 1   
胸部皮下   線維腺腫   
    
    
     
    
 1  
     



表19−a 組織学的検査(24カ月目)
                 
               群 
                 
                 
所 見          検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 9  
12  
 9   
11  
14  
 8   
下垂体     
        
        
        
        
        
        
グリア細胞増殖 
    
    
     
 1  
    
     
色素嫌性細胞増殖
    
    
     
 1  
 2  
 1   
色素嫌性細胞腫 
 2  
 3  
 3   
 1  
 3  
 3   
充ウッ血    
    
    
 3   
 1  
    
     
甲状腺     
        
        
腺腫様変化   
    
    
 1   
    
    
     
腺 腫     
    
 1  
     
    
 1  
 2   
心 
  
  
  
  
  
  
  
  
間質   
円形細胞浸潤  
 2  
 1  
 1   
    
    
     
筋    
     
     
     
     
     
     
膨 化     
 1  
    
     
    
    
     
石灰沈着    
    
 1  
     
    
    
     
壊 死     
    
    
 1   
    
    
     
動脈周囲細胞浸潤
    
 1  
     
    
    
     
肺 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
気管支  
多核白血球浸潤 
 2  
    
 1   
 1  
 2  
 1   
肺胞   
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
多核白血球浸潤 
 1  
    
 2   
    
    
     
壊 死     
 1  
    
 1   
 1  
 2  
 1   
泡沫細胞浸潤  
 5  
 4  
 4   
 1  
 4  
 3   
肉芽形成    
 6  
 2  
 5   
 3  
 3  
 4   
肺胞肥厚    
 8  
10  
 8   
 8  
10  
 5   
石灰沈着    
    
    
     
    
    
 1   
リンパ組織
     
     
     
     
拡張      
    
    
 1   
 2  
 1  
 1   
充ウッ血    
    
 1  
     
    
    
     
細網細胞腫   
 1  
    
     
    
    
     
肝       
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
円形細胞浸潤  
 4  
 6  
 5   
    
 3  
     
空胞化     
 6  
 8  
 6   
 8  
 9  
 4   
膨 化     
 7  
 9  
 8   
 4  
 8  
 1   
壊 死     
 1  
 1  
     
    
 1  
     
類同拡張    
    
    
     
 3  
 2  
 1   
クッパー星細胞 
    肥 大 
    
 1  
    
 9  
     
 3   
    
 2  
    
 2  
     
 2   
グリッソン鞘内 
  円形細胞浸潤
    
 1  
    
 1  
     
 1   
    
    
    
    
     
     
結節性増殖   
 3  
 4  
 4   
 1  
 4  
     
充ウッ血    
    
    
     
 1  
 2  
 3   
毛細胆管増殖  
    
    
     
 1  
 1  
     



表19−b 組織学的検査(24カ月目)
               
所 見           群
               
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
ボーマンノウ 半月体形成
 8  
11  
 4   
 1  
    
 2   
糸球体
   
   
壊 死     
 1  
    
     
    
    
     
膨 化     
 3  
 2  
 2   
 3  
 4  
 2   
尿細管
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
上皮細胞膨化  
 2  
 6  
 3   
    
    
     
脱 落     
 4  
 9  
 3   
    
 1  
 2   
上皮性尿円柱  
 6  
12  
 7   
 5  
11  
 4   
硝子様尿円柱  
 8  
10  
 8   
 7  
13  
 7   
硝子滴変性   
 5  
 7  
 4   
 2  
 6  
 1   
拡 張     
 5  
10  
 7   
 5  
11  
 5   
石灰沈着    
 2  
 1  
 2   
    
 3  
 3   
間質 
   
   
増 殖     
 7  
 9  
 5   
 3  
 6  
 3   
円形細胞浸潤  
 4  
 8  
 5   
 3  
 6  
 3   
脾      リンパ球増殖  
    
 1  
     
    
    
     
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
皮質 
   
   
空胞化     
 5  
 1  
     
 5  
 1  
 3   
壊 死     
 1  
 1  
     
    
    
     
髄質 
   
   
   
   
充ウッ血    
    
    
     
 1  
 1  
 2   
壊 死     
    
 1  
     
    
 1  
     
褐色細胞腫   
 2  
 3  
 1   
    
 2  
 1   
膵      腺 腫     
    
    
     
 1  
 1  
     
胃 
  
  
    角質の増加   
    
    
     
 1  
    
     
粘膜下織円形細胞浸潤  
    
    
 1   
 1  
    
 1   
精 巣   
      
      
      
      
精細管萎縮   
    
    
 1   
    
    
     
石灰化     
    
 1  
 1   
    
    
     
間質水腫    
    
    
 3   
    
    
     
卵 巣    嚢胞形成    
    
    
     
 1  
    
 1   
子 宮   
      
      
内皮細胞増殖  
    
    
     
 1  
 1  
     
乳頭腫     
    
    
     
 1  
 1  
     
顎下部皮下  線維腫     
    
    
     
    
    
 1   
腋下部皮下 
      
      
線維腫     
    
 2  
 1   
 1  
    
     
線維腺腫    
    
    
     
    
 1  
     
胸部皮下   脂肪腫     
    
 1  
     
    
    
     
下腹部・  
そけい部  
      
      
      
線維腫     
    
    
 2   
 1  
    
     
線維腺腫    
    
    
     
    
 2  
 1   
線維肉腫    
    
    
     
 1  
    
     
背部皮膚   乳頭腫     
    
    
 1   
    
    
     
背部皮下   線維腫     
    
    
 1   
    
    
     


(ニ) 腫瘍

 自然死亡動物(表20)では、雄で下垂体の色素嫌性細胞腫、肺の細網細胞腫、肝の結節性増殖及び肝細胞癌(リンパ節へ転移)などを見るが、群間に一定の傾向を見ない。雌では下垂体の色素嫌性細胞腫、膵の腺癌(腹壁の転移)、腋下部あるいは下腹部などの皮下織の線維腫あるいは線維腺腫の発現を見るが、群間に差を見ない。

 各解剖時の腫瘍性変化(表18、19に含む)は、12カ月目までは認められず、18カ月目には、雄の対照群で肝の脂肪腫及び結節性増殖を各1例、W−20群で肝の結節性増殖を2例及び副腎の褐色細胞腫を1例、W−200群で甲状腺の腺腫及び肝の結節性増殖が、各1例に認められる。雌では、対照群で下垂体の色素嫌性細胞腫を2例、甲状腺の腺腫及び肝の結節性増殖を各々1例、W−20群で胸部皮下織の線維腺腫を1例認める。24カ月目では、雄の対照群で下垂体の色素嫌性細胞腫を2例、肺の細網細胞腫を1例、肝の結節性増殖を3例及び副腎の褐色細胞腫を2例認める。W−20群で下垂体の色素嫌性細胞腫を3例、甲状腺の腺腫を1例、肝の結節性増殖を4例、副腎の褐色細胞腫を3例、その他顎下部及び胸部皮下織で線維腫及び脂肪腫を、それぞれ2及び1例認める。W−200群で下垂体の色素嫌性細胞腫を3例、肝の結節性増殖を4例、副腎の褐色細胞腫を1例、腋下部、下腹部及び背部の線維腫を、それぞれ1、2及び1例、背部乳頭腫を1例認める。一方雌では、対照群で下垂体の色素嫌性細胞腫、肝の結節性増殖及び子宮の乳頭腫をそれぞれ1例、また腋下部及び下腹部に線維腫をそれぞれ1例認める。

 W−20群では、下垂体の色素嫌性細胞腫を3例、甲状腺の腺腫を1例、肝の結節性増殖を4例、副腎の褐色細胞腫を2例、膵の腺腫1例、子宮の乳頭腫を1例、腋下部及び下腹部の線維腺腫をそれぞれ1及び2例認める。W−200群では、下垂体の色素嫌性細胞腫を3例、甲状腺の腺腫を2例、副腎の褐色細胞腫及び顎下部皮下織の線維腫をそれぞれ1例、下腹部皮下織の線維腺腫を1例認める。

 これらの変化は18カ月目及び24カ月目で、雄雌ともに群間に差がなく、照射群間にも一定の傾向を見ない。

 また自然死亡動物及び各群の定期解剖時に認められた腫瘍の総括を表21に示す。腫瘍発現動物数は、雄の対照群で7/40例、W−20群で10/39例、W−200群で8/38例である。一方雌では、対照群で14/40例、W−20群で12/39例、W−200群で11/38例である。以上のように腫瘍の発現についても、雄雌ともに群間に一定の傾向が見られない。


表18 組織学的検査(18カ月目)
              
            群 
              
              
所 見       検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 5  
 5  
 5   
 5  
 5  
 5   
下垂体    色素嫌性細胞腫
    
    
     
 2  
    
     
甲状腺   
      
      
      
      
濾胞上皮扁平化
 1  
 1  
 1   
    
    
     
腺腫様変化  
    
 2  
 1   
    
    
     
腺 腫    
    
    
 1   
 1  
    
     
肺 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
気管支 多核白血球浸潤
 1  
 1  
     
 1  
    
     
肺胞 
   
   
   
   
   
   
   
   
多核白血球浸潤
 1  
    
     
    
    
     
泡沫細胞浸潤 
 2  
    
 1   
 3  
 3  
     
壊 死    
 1  
    
     
    
    
     
肺胞壁肥厚  
 4  
 3  
 3   
 3  
 3  
 2   
充ウッ血   
    
    
     
    
 1  
     
肝     
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
      
壊 死    
 1  
    
     
    
 1  
     
空胞化    
 5  
 4  
 5   
 3  
 4  
 3   
肥 大    
 5  
 4  
 4   
 1  
 2  
 2   
肝索不整   
    
 2  
     
    
    
     
クッパー星細胞
    肥 大
    
 1  
    
 2  
     
 2   
    
 1  
    
 1  
     
     
脂肪腫    
 1  
    
     
    
    
     
結節性増殖  
 1  
 2  
 1   
 1  
    
     
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
尿細管
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
上皮細胞膨化 
 3  
    
     
 2  
 4  
 1   
    脱落 
 5  
 5  
 3   
 3  
    
     
硝子滴変性  
 4  
 5  
 1   
 1  
 3  
 3   
上皮性尿円柱 
 5  
 5  
 5   
 4  
 4  
 5   
硝子様尿円柱 
 5  
 5  
 4   
 3  
 4  
 3   
拡 張    
 5  
 5  
 3   
 1  
 3  
 3   
石灰沈着   
    
    
 1   
    
 1  
     
ボーマ
ンノウ
   
半月体形成  
 1  
    
 1   
    
    
     
糸球体膨化  
 1  
 1  
     
    
    
     
間質 
   
   
結合織増殖  
 1  
 3  
 2   
 1  
 2  
 1   
円形細胞浸潤 
 1  
 3  
 3   
 1  
 2  
 1   
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
皮質 
   
   
   
   
膨 化    
    
    
 1   
    
    
     
空胞化    
 1  
 1  
     
    
 1  
     
腺腫様変化  
 2  
    
 1   
    
    
     
髄質 
   
   
   
   
褐色細胞増殖 
    
    
 1   
    
    
     
褐色細胞腫  
    
 1  
     
    
    
     
充ウッ血   
    
    
     
    
 1  
 1   
胸部皮下   線維腺腫   
    
    
     
    
 1  
     



表19−a 組織学的検査(24カ月目)
                
              群 
                
                
所 見         検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
 9  
12  
 9   
11  
14  
 8   
下垂体
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
グリア細胞増殖 
    
    
     
 1  
    
     
色素嫌性細胞増殖
    
    
     
 1  
 2  
 1   
色素嫌性細胞腫 
 2  
 3  
 3   
 1  
 3  
 3   
充ウッ血    
    
    
 3   
 1  
    
     
甲状腺
   
   
   
   
   
腺腫様変化   
    
    
 1   
    
    
     
腺 腫     
    
 1  
     
    
 1  
 2   
心  
   
   
   
   
   
   
   
   
間質 
円形細胞浸潤  
 2  
 1  
 1   
    
    
     
筋  
   
   
   
   
   
   
膨 化     
 1  
    
     
    
    
     
石灰沈着    
    
 1  
     
    
    
     
壊 死     
    
    
 1   
    
    
     
動脈周囲細胞浸潤
    
 1  
     
    
    
     
肺  
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
気管支
多核白血球浸潤 
 2  
    
 1   
 1  
 2  
 1   
肺胞 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
多核白血球浸潤 
 1  
    
 2   
    
    
     
壊 死     
 1  
    
 1   
 1  
 2  
 1   
泡沫細胞浸潤  
 5  
 4  
 4   
 1  
 4  
 3   
肉芽形成    
 6  
 2  
 5   
 3  
 3  
 4   
肺胞肥厚    
 8  
10  
 8   
 8  
10  
 5   
石灰沈着    
    
    
     
    
    
 1   
リンパ
組織 
拡張 
   
   
   
   
        
        
        
    
    
    
    
    
    
 1   
     
     
 2  
    
    
 1  
    
    
 1   
     
     
充ウッ血    
    
 1  
     
    
    
     
細網細胞腫   
 1  
    
     
    
    
     
肝  
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
円形細胞浸潤  
 4  
 6  
 5   
    
 3  
     
空胞化     
 6  
 8  
 6   
 8  
 9  
 4   
膨 化     
 7  
 9  
 8   
 4  
 8  
 1   
壊 死     
 1  
 1  
     
    
 1  
     
類同拡張    
    
    
     
 3  
 2  
 1   
クッパー星細胞 
    肥 大 
    
 1  
    
 9  
     
 3   
    
 2  
    
 2  
     
 2   
グリッソン鞘内 
  円形細胞浸潤
    
 1  
    
 1  
     
 1   
    
    
    
    
     
     
結節性増殖   
 3  
 4  
 4   
 1  
 4  
     
充ウッ血    
    
    
     
 1  
 2  
 3   
毛細胆管増殖  
    
    
     
 1  
 1  
     



表19−b 組織学的検査(24カ月目)
               
所 見           群
               
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
腎 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
ボーマンノウ 半月体形成
 8  
11  
 4   
 1  
    
 2   
糸球体
   
   
壊 死     
 1  
    
     
    
    
     
膨 化     
 3  
 2  
 2   
 3  
 4  
 2   
尿細管
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
上皮細胞膨化  
 2  
 6  
 3   
    
    
     
脱 落     
 4  
 9  
 3   
    
 1  
 2   
上皮性尿円柱  
 6  
12  
 7   
 5  
11  
 4   
硝子様尿円柱  
 8  
10  
 8   
 7  
13  
 7   
硝子滴変性   
 5  
 7  
 4   
 2  
 6  
 1   
拡 張     
 5  
10  
 7   
 5  
11  
 5   
石灰沈着    
 2  
 1  
 2   
    
 3  
 3   
間質 
   
   
増 殖     
 7  
 9  
 5   
 3  
 6  
 3   
円形細胞浸潤  
 4  
 8  
 5   
 3  
 6  
 3   
脾      リンパ球増殖  
    
 1  
     
    
    
     
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
皮質 
   
   
空胞化     
 5  
 1  
     
 5  
 1  
 3   
壊 死     
 1  
 1  
     
    
    
     
髄質 
   
   
   
   
充ウッ血    
    
    
     
 1  
 1  
 2   
壊 死     
    
 1  
     
    
 1  
     
褐色細胞腫   
 2  
 3  
 1   
    
 2  
 1   
膵      腺 腫     
    
    
     
 1  
 1  
     
胃 
  
  
    角質の増加   
    
    
     
 1  
    
     
粘膜下織円形細胞浸潤  
    
    
 1   
 1  
    
 1   
精 巣   
      
      
      
      
精細管萎縮   
    
    
 1   
    
    
     
石灰化     
    
 1  
 1   
    
    
     
間質水腫    
    
    
 3   
    
    
     
卵 巣    嚢胞形成    
    
    
     
 1  
    
 1   
子 宮   
      
      
内皮細胞増殖  
    
    
     
 1  
 1  
     
乳頭腫     
    
    
     
 1  
 1  
     
顎下部皮下  線維腫     
    
    
     
    
    
 1   
腋下部皮下 
      
      
線維腫     
    
 2  
 1   
 1  
    
     
線維腺腫    
    
    
     
    
 1  
     
胸部皮下   脂肪腫     
    
 1  
     
    
    
     
下腹部・  
そけい部  
      
      
      
線維腫     
    
    
 2   
 1  
    
     
線維腺腫    
    
    
     
    
 2  
 1   
線維肉腫    
    
    
     
 1  
    
     
背部皮膚   乳頭腫     
    
    
 1   
    
    
     
背部皮下   線維腫     
    
    
 1   
    
    
     



表20 組織学的検査(自然死亡動物)
             
           群 
             
             
所 見      検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
13  
 9  
11   
11  
 6  
12   
下垂体   色素嫌性細胞腫
 1  
 1  
 1   
 1  
 2  
 1   
肺     細網細胞腫  
    
 1  
     
    
    
     
肝    
     
     
腺 腫    
 1  
    
     
    
    
     
肝細胞癌   
    
 1*a
     
    
    
     
膵     腺 癌    
    
    
     
 1*b
    
     
腋下部皮下
     
     
線維腫    
    
    
     
    
    
 1   
線維腺腫   
    
    
     
 1*1
    
     
下腹部・ 
そけい部 
     
線維腫    
    
    
     
 1  
 1  
 2   
線維腺腫   
    
    
     
 2*1
    
 1   
  腫瘍発現動物数    
 2  
 3  
 1   
 5  
 3  
 5   

*a:リンパ節へ転移
*b:腹壁へ転移
*1:同一動物に併発



表21 組織学的検査(腫瘍総括)
               
             群 
               
               
所 見        検査例数
      雄        
      雌        
Cont
W−20
W−200
Cont
W−20
W−200
40  
39  
38   
40  
39  
38   
下垂体   色素嫌性細胞腫  
 3  
 4  
 4   
 4  
 5  
 4   
甲状腺   腺 腫      
    
 1  
 1   
 1  
 1  
 2   
肺     細網細胞腫    
 1  
 1  
     
    
    
     
肝    
     
     
     
     
結節性増殖(腺腫)
 5  
 6  
 5   
 2  
 4  
     
肝細胞癌     
 1*1
    
     
    
    
     
脂肪腫      
 1  
    
     
    
    
     
副 腎  
     
     
     
     
腺 腫      
    
 1  
     
    
    
     
褐色細胞腫    
 2  
 4  
 1   
    
 2  
 1   
神経細胞腫    
    
    
 1   
    
    
     
膵    
     
     
腺 腫      
    
    
     
    
 1  
     
腺 癌      
    
    
     
 1*2
    
     
子 宮   乳頭状腺腫    
    
    
     
 1  
 1  
     
顎下部皮下 線維腺腫     
    
    
     
    
    
 1   
腋下部皮下
     
     
線維腫      
    
 2  
 1   
 1  
    
 1   
線維腺腫     
    
    
     
 1  
 1  
     
胸部皮下 
     
     
     
     
脂肪腫      
    
 1  
     
    
    
     
線維腫      
    
 1  
     
    
    
     
線維腺腫     
    
    
     
    
 1  
     
下腹部・ 
そけい部 
皮下   
     
     
     
     
線維腫      
    
 1  
 2   
 2  
 2  
 2   
線維腺腫     
    
    
     
 2  
 2  
 2   
脂肪腫      
    
 1  
     
    
    
     
線維肉腫     
    
    
     
 1  
    
     
背部皮下 
     
     
乳頭腫      
    
    
 1   
    
    
     
線維腫      
    
    
 1   
    
    
     
  腫瘍発現動物数      
 7  
10  
 8   
14  
12  
11   

*1:リンパ節へ転移
*2:腹壁へ転移


(3) 小括

 ラットを用い、非照射小麦、20及び200kradの照射小麦を各々飼料に添加して、2年間の飼育試験を行った。

 血液学的検査、臓器重量及び病理組織学的検査で、群間に各々若干の差が認められたが、対照群と照射群、あるいは照射群間に一定傾向の差は認められなかった。従って今回の条件下では照射によると見なされる影響はないと判断された。

2. 世代試験
1 マウスを用いた世代試験
(1) 緒言

 γ線照射小麦の繁殖生理におよぼす影響および催奇形性の有無を調べる目的で、マウスによる世代試験を行った。

(2) 試験方法
(a) 検体

 非照射および200krad照射の小麦を粉末化し、マウス繁殖用粉末(オリエンタル酵母社製、NMF)から小麦とフスマを除いたものに45w/w%の割合に混合し、固型化の後動物に与えた。なお、使用した小麦は群馬県産の普通2類で、日本原子力研究所高崎研究所にて照射の後、日本通運晴海倉庫に3℃で保存し、用に応じて分出したものである。

(b) 動物

 静岡県実験動物農業協同組合産の生後4週令のddY系マウス雄雌各100匹を用いた。

(c) 飼育および繁殖

 4週令で購入した動物を1週間飼育観察した後、健康と認めた雄雌80匹を選び、これを雄雌各40匹よりなる2群に分け、非照射群および照射群とした。2群に分けた動物(以下「P」という)には、図1の様に以後全期間各検体を与え、4週間後1代目(以下「F1」という)を得るために、各群ごとに雄雌1:1で4日間に亘り毎日午後5時より翌朝9時30分まで同居させ、交配を行った。なお、同居後膣栓が確認された雌を妊娠動物と見なし、この日を妊娠0日とした。妊娠動物は2分し、1群は妊娠末期に胎仔催奇形性を検査するために解剖し、他の1群はF1を出産させた。更にF1を離乳時に2分し、1群は離乳時の催奇形性検査のために解剖し、他の1群は離乳後6週間飼育し、その後各群で2代目(以下「F2」という)を得るために交配させた。なお、その後は図1に示す様に、3代目(以下「F3」という)まで実験を行い、各世代で骨格標本を用いた催奇形性についても検査した。

 なお、全試験期間動物室は温度25±1℃、湿度55±5%に維持した。


図1 交配、出産、離乳スケジュール


(d) 観察項目
(イ) 一般症状および体重

 一般症状は毎日、体重については、一般飼育期間および哺乳期間(生後3週まで)は週1回、妊娠期間中は毎日測定した。

(ロ) 繁殖生理値

 P,F1およびF2世代において、親動物の交配率および妊娠率ならびに出産した仔の同腹仔数および体重(0日令)を検査した。

(ハ) 妊娠末期の母体および胎仔の検査

 各世代において、妊娠18日目に各群15匹の母動物を任意に選び、エーテル麻酔の後、開腹し、総着床数、着床痕跡数、胎盤遺残数および浸軟胎仔数を調べ、胎仔については生存胎仔数、外形異常、発育遅延、同腹仔数、生存胎仔体重および性比について検査した。

(ニ) 哺乳率

 離乳時(3週令)に母獣が生存していた乳仔についての生存率を調べた。

(ホ) 離乳時の検査

 各世代において離乳時にF1およびF2については一部、F3については全動物を解剖し剖検の後、肝、腎および生殖器の重量測定を行った。

(ヘ) 骨格検査

 妊娠末期胎仔および3週令の動物について、と殺解剖後、90%アルコールで固定し、Dawsonのアリザリン・レッドS染色法で骨格標本を作製し、実体顕微鏡下で観察した。また化骨進行度を調べる目的で後肢跡骨の化骨率(被検動物の総数に対する両跡骨の化骨を認めた個体の%)および仙椎数と尾椎数の合計数を調べ、化骨進行度の指標とした。

(ト) 推計処理

 各測定値の推計処理は、妊娠動物の体重、平均着床数、平均同腹仔数、臓器重量および骨格検査のうち仙椎数+尾椎数については、Studentのt検定を行い、胎仔体重および出生仔体重については、WeilのWeightin

factorを用い平均値および標準偏差値を求めた後、t検定を行った。交配率および妊娠率についてはX・E(2)検定を用い、その他の測定値についてはWilcoxonの順位和検定によってそれぞれ非照射群および照射群の比較を行った。

(3) 結果
(a) 一般症状

 非照射群および照射群ともに特記すべき症状の発現を認めない。

(b) 体重
(イ) 一般飼育期間(4〜9週令、但しPでは5〜9週令)および哺乳期間(出産日〜3週令)

 3週令までは雄雌混合値、4週令以後は雄雌別とし、結果は図2に示す通りである。Pについては雄では群間に差は見られないが、雌では非照射群に比べ照射群でやや高い値を示す。F1については、全期間を通して照射群でやや高い値を示すが、F2では群間に明らかな差が認められない。F3では非照射群でやや高い値を示す。


図2 一般飼育期間および哺乳期の体重曲線


(ロ) 妊娠期間

 図3に示す如く、Pでは群間に差を認めないが、F1およびF2では非照射群に比べ照射群で全期間を通して軽度の増加傾向が認められる。


図3 妊娠母獣体重増加曲線


(c) 繁殖生理値

 表1に示すように、P,F1およびF2について、いずれの値にもほとんど差が見られない。


第1表 繁殖生理値
  群  
     
     
     P     
     F1    
     F2    
 非照射 
 照 射 
 非照射 
 照 射 
 非照射 
 照 射 
交配
  
  
数 
38/40
38/40
40/40
38/40
35/40
37/39
率%
 95.0
 95.0
100.0
 95.0
 87.5
 94.9
妊娠
  
  
数 
33/38
35/38
40/40
37/38
33/35
37/37
率%
 86.8
 92.1
100.0
 97.4
 94.3
100.0


(d) 妊娠末期の母体および胎仔の検査

 結果は表2に示す通りである。いずれの値においてもP,F1およびF2を通して2群間に著明な差は見られない。


第2−a表 妊娠末期の母体及び胎仔の検査(その1)
    群       
            
            
       P/F1        
      F1/F2         
       F2/F3        
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射     
  非照射     
 照 射    
妊娠母獣数       
 15      
 15      
 15      
 15       
 15       
15      
総着床数        
188      
182      
179      
183       
178       
172      
平均着床数       
 12.5    
 12.1    
 11.9    
 12.2     
 11.9     
11.5    
着床跡数        
  0      
  0      
  0      
  0       
  0       
 0      
胎盤遺残数       
  6(3.2%)
 10(5.5%)
  3(1.7%)
  6(3.3%) 
 13(7.3%) 
 9(5.2%)
浸軟胎仔数       
  9(4.8%)
  7(3.9%)
  3(1.7%)
  4(2.2%) 
  1(0.6%) 
 3(1.7%)
跡、遺残、浸軟の合計数 
 15(8.0%)
 17(9.3%)
  6(3.4%)
 10(5.5%) 
 14(7.9%) 
12(7.9%)
総生存胎仔数      
173      
165      
173      
173       
164       
160      
胎仔生存率       
 92.0%   
 90.7%   
 96.7%   
 94.5%    
 92.1%    
93.0%   
外形異常を示す生存胎仔数
  0      
  0      
  0      
  1*(0.6%)
  4*(2.4%)
 1(0.6%)
発育遅延胎仔数     
  0      
  1(0.6%)
  0      
  0       
  1 (0.6%)
 0      
平均同腹仔数      
 11.5    
 11.0    
 11.5    
 11.5     
 10.9     
10.7    
 生存胎仔
 平均体重
     
 雄    
1.40±0.10
1.45±0.14
1.39±0.14
1.39±0.11 
1.40±0.12 
1.38±0.11
 雌    
1.37±0.10
1.41±0.13
1.34±0.12
1.35±0.10 
1.40±0.13 
1.34±0.10
性比          
  1.24   
  1.21   
  1.07   
  1.13    
  1.17    
 0.95   

*:いずれも1例が口蓋細裂で、他は皮下出血



第2−b表 妊娠末期の検査(その2)
    群       
            
            
       P/F1        
      F1/F2        
      F2/F3         
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射      
出生仔数/母獣数    
195/18   
227/20   
248/25   
230/22   
176/18   
241/21     
平均同腹仔数      
 10.8    
 11.4    
  9.9    
 10.5    
  9.8    
 11.5      
出産日平均体重     
1.66±0.12
1.73±0.17
1.72±0.16
1.71±0.12
1.72±0.15
1.61±0.08**

**:P<0.01で非照射に比べ有意差あり


(e) 哺乳率

 表3に示すように、離乳時の生存率はいずれの世代においても2群間に著明な差を認めない。


第3表 離乳時における生存率
   群
世代  
 非照射 
     
 照 射 
     
F1  
99.0%
99.5%
F2  
91.1%
95.9%
F3  
98.9%
99.5%


(f) 離乳時の検査

 (イ)剖検所見:Pにおいて、照射群で1例に尾椎湾曲、F1では非照射群で4例に脾の肥大、1例に精巣充血、照射群では1例に脾の肥大、F2においては非照射群で2例に1側腎欠損、照射群で1例に腹腔内出血を認める。

 (ロ)臓器重量:各世代の新生仔について3週令時に臓器重量を測定し、その結果は表4の通りである。

 (ハ)肝臓:雄雌ともに各世代を通して、照射群および非照射群の間に一定の傾向を認めない。

 (ニ)腎臓:雄では、F1において非照射群に比べ照射群で増加の傾向を示すが、F3では照射群で減少の傾向を示す。雌では、F1において照射群で増加傾向を示すが、F3では逆に照射群で減少傾向を示す。

 (ホ)生殖器:雄雌ともに照射群、非照射群間および各世代に一定の傾向が見られない。


第4表 離乳期臓器重量
    群     
          
          
          
          雄             
          雌               
 体重 
    
  肝  
     
  腎    
       
 精巣  
(mg) 
 体重 
    
  肝  
     
  腎    
       
 卵巣    
(mg)   
実重量
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
F1
  
  
  
  
非照射
   
    
    
 0.79
±0.02
 0.20  
±0.04  
 62.0
±18.2
    
    
 0.77
±0.19
 0.19  
±0.04  
 5.83  
±1.49  
照 射
   
    
    
 0.84
±0.19
 0.22  
±0.04**
 66.2
±21.0
    
    
 0.77
±0.18
 0.21  
±0.04* 
 5.41  
±1.63  
F2
  
  
  
  
非照射
   
    
    
 0.70
±0.23
 0.20  
±0.05  
 47.1
±19.8
    
    
 0.73
±0.21
 0.22  
±0.05  
 6.53  
±1.90  
照 射
   
    
    
 0.75
±0.31
 0.20  
±0.07  
 46.8
±23.2
    
    
 0.71
±0.23
 0.22  
±0.05  
 5.80  
±2.02  
F3
  
  
  
  
非照射
   
    
    
 0.79
±0.19
 0.22  
±0.04  
 55.6
±14.9
    
    
 0.71
±0.18
 0.22  
±0.04  
 6.12  
±1.57  
照 射
   
    
    
 0.76
±0.16
 0.20  
±0.03**
 57.3
±16.9
    
    
 0.69
±0.18
 0.20  
±0.04**
 6.55  
±2.04  
比重量
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
F1
  
  
  
  
非照射
   
12.3
±2.1
 6.35
±0.77
 1.61  
±0.16  
 497 
±102 
12.0
±2.0
 6.36
±0.78
 1.63  
±0.17  
 50.2  
±10.9  
照 射
   
13.1
±2.2
 6.40
±0.86
 1.69  
±0.23* 
 504 
±156 
12.4
±2.3
 6.12
±0.61
 1.73  
±0.20* 
 43.7  
± 9.7**
F2
  
  
  
  
非照射
   
10.5
±2.9
 6.47
±1.07
 1.93  
±0.33  
 430 
±127 
11.0
±2.6
 6.32
±0.73
 1.96  
±0.22  
 57.8  
±14.4  
照 射
   
11.5
±3.8
 6.28
±0.95
 1.77  
±0.19* 
 379 
±129 
11.0
±2.4
 6.23
±0.76
 1.94  
±0.22  
 49.2  
±14.9* 
F3
  
  
  
  
非照射
   
12.4
±2.2
 6.33
±0.74
 1.82  
±0.20  
 455 
±106 
11.9
±2.2
 5.96
±0.77
 1.84  
±0.24  
 51.4  
±12.6  
照 射
   
12.0
±1.7
 6.29
±0.75
 1.75  
±0.22* 
 477 
±119 
11.2
±1.9
 6.19
±0.78
 1.78  
±0.21  
 57.9  
±16.1**

*P<0.05、**P<0.01で非照射に比べ有意差あり


(g) 骨格検査
(イ) 末期胎仔

 結果は表5に示す通りである。

 F1世代:頚椎椎体不化骨および胸骨列不整(複数の胸骨が変形をきたし、列が不整となったものを胸骨列不整とした)については、非照射群に比べ照射群でやや高い値を示すが、腰肋および第5胸骨分離については非照射群で高い値を示し、第5胸骨分離で有意差が認められる。 F2世代:腰肋については、照射群でやや高い値を示す。

 F3世代:後頭骨分離、頚椎椎体不化骨、胸骨列不整および第5胸骨分離については照射群でやや高値を示すが、頚肋については逆に非照射群で高い値を示す。

 化骨進行度およびその他の項目については、いずれの世代についても非照射群、照射群の間に著明な差は見られない。


第5表 末期胎仔骨格検査成績
    世 代     
         F1        
         F2        
         F3       
     群      
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射    
   母獣数      
 15      
 15      
 15      
 15      
 15      
 15      
   被検動物数    
171      
165      
172      
172      
160      
160      
   後頭骨 分離   
  0      
  0      
  2(1.2) 
  1(0.6) 
  0      
  3(1.9) 
       過剰骨  
  0      
  0      
  1(0.6) 
  1(0.6) 
  3(1.9) 
  2(1.3) 
   側頭骨 過剰骨  
  0      
  0      
  0      
  0      
  1(0.6) 
  0      
   頸 肋      
 26(15.2)
 24(14.5)
 25(14.5)
 20(11.6)
 37(23.1)
 21(13.1)
   頸椎 椎体不化骨 
  8(4.7) 
 16(9.6) 
  6(3.5) 
  4(2.3) 
  2(1.3) 
 16(10.0)
      椎弓先端分岐
  5(2.9) 
  5(3.0) 
  0      
  2(1.2) 
  1(0.6) 
  2(1.3) 
      椎弓過剰骨 
  0      
  0      
  0      
  0      
  1(0.6) 
  1(0.6) 
   腰 肋      
  8(4.7) 
  4(2.4) 
  4(2.3) 
  8(4.7) 
  4(2.5) 
  5(3.1) 
   第6腰椎翼仙椎化 
  1(0.6) 
  1(0.6) 
  0      
  0      
  3(1.9) 
  1(0.6) 
   胸骨 列不整   
  4(2.3) 
  7(4.2) 
  8(4.7) 
  9(5.2) 
  5(3.1) 
  9(5.6) 
      第5分離  
 32(18.7)
 13(7.8)*
 17(9.9) 
 17(9.9) 
  5(3.1) 
 16(10.0)
   肋骨 不全    
  2(1.2) 
  0      
  1(0.6) 
  0      
  2(1.3) 
  2(1.3) 
      仙椎前骨数 
          異常
  3(1.8) 
         
  2(1.2) 
         
  5(2.9) 
         
  1(0.6) 
         
  4(2.5) 
         
  4(2.5) 
      
化骨進行度
     
     
趾骨 化骨率
 52.1%   
 66.9%   
 26.2%   
 30.2%   
 33.8%   
 28.8%   
仙椎+尾椎数
11.5±1.3 
11.9±1.8 
11.8±1.6 
11.8±1.5 
11.7±1.6 
11.9±1.5 

*:P<0.05で非照射群に比べ有意差あり


(ロ) 新生仔

 結果は表6に示す通りである。

 F1世代:頚肋については照射群でやや高い値を示すが、その他の項目ではほとんど差は見られない。

 F2世代:頚肋については照射群で低い値を示すが、他の項目については照射群および非照射群間に著明な差は見られない。

 F3世代:頚肋については照射群でやや低い値を示す。頚椎椎体欠損は非照射群では見られないが照射群で3例認められる。仙椎前骨数異常については、非照射群で2例見られるが、照射群では認められない。その他の項目についても2群間の差は僅かであり有意差は認められない。


第6表 新生仔骨格検査成績
  世 代   
         F1        
         F2        
         F3   
   群    
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射    
  非照射    
  照 射   
被検動物数   
112      
120      
 73      
 49      
173      
214   
後頭骨 過剰骨 
  1(1.0) 
  2(1.7) 
  0      
  0      
  0      
  0   
頸 肋     
 14(12.5)
 19(15.8)
 10(13.7)
  2(4.1) 
 22(12.7)
 17(7.9) 
頸椎 椎体欠損 
  5(4.5) 
  7(5.8) 
  1(1.4) 
  0      
  0      
  3(1.4) 
   過剰骨  
  1(1.0) 
  0      
  0      
  0      
  0      
  0   
胸椎 椎体分離 
  0      
  0      
  1(1.4) 
  1(2.0) 
  0      
  0   
   椎体欠損 
  0      
  0      
  0      
  2(4.1) 
  0      
  1(0.5) 
腰 肋     
  3(2.7) 
  2(1.7) 
  0      
  1(2.0) 
  1(0.6) 
  2(0.9) 
第6腰椎翼仙椎化
  1(1.0) 
  1(0.8) 
  0      
  2(4.1) 
  4(2.3) 
  4(1.9) 
仙椎 変異   
  0      
  1(0.8) 
  0      
  0      
  0      
  1(0.5) 
尾椎 変異   
  1(1.0) 
  2(1.7) 
  0      
  0      
  0      
  1(0.5) 
胸骨 列不整  
  2(1.8) 
  1(0.8) 
  0      
  0      
  0      
  1(0.5) 
肋骨 欠損   
  0      
  1(0.8) 
  2(2.7) 
  1(2.0) 
  0      
  1(0.5) 
仙椎前骨数異常 
  0      
  0      
  0      
  0      
  2(1.2) 
  0   


(4) 小括

 照射小麦の繁殖生理におよぼす影響ならびに催奇形性の有無を調べる目的で、マウスによる連続3代の世代試験を行った。一般症状、体重、繁殖生理値、妊娠末期および離乳期の検査ならびに骨格検査を3世代にわたり検討した結果、照射によると考えられる明らかな傾向は認められなかった。

3. 変異原性試験
1 細菌を用いる突然変異誘発試験
(1) 細菌による変異原性試験
(a) 試験方法

 (イ)試料:米国産(Dark Nothern Spring種)の小麦に、Co−60を線源として50krad(線量率2590rad/分)を照射した。

 (ロ)検定菌:Salmonella typhimurium TA100,TA98,TA1535,TA1537,TA1538および大腸菌WP2uvrA。

 試験にさいしては0.4%NaCl加nutrient broth(Difco)を入れたL字型試験管に種菌を接種し、37℃で16時間振とう培養して試験に用いた。

 (ハ)試験検体:照射および非照射コムギを粉砕したものを70%エタノール1mlあたり100mgの割合に浮遊させ室温に4時間放置したものを試験試料とした。また陽性対照薬剤としてAF2,9−aminoacridine,4−nitro−o−phenylenediamine(4NOPD),N−ethyl−N’−nitro−N−nitroso−guanidine(ENNG),2−aminoanthracene(S

 (ニ)試験操作法:いわゆるプレート法(Plate incorporation method)によった。

 検定菌液0.1ml,試験試料0.1ml,S−9混液(1)またはリン酸緩衝液0.5mlを内径13mmの試験管中に入れ、融解したtop agar(2)2mlと混合しbase agar(3)平板上に流して固める。培養は37℃で48時間行い、発生した変異集落を算定した。

(b) 試験結果

 試験結果は表に示すごとくで、6菌株とも照射・非照射を問わず、陰性対照にくらべて変異集落の増加は認められなかった。

 以上の結果から、照射コムギを使用した試験系について突然変異性を有しないものと結論される。

 1)Top agar(TA系菌株用)

   Bacto agar     0.6%

   NaCl           0.5%

   L−Histidine*  0.05mM

   Biotin*       0.05mM

 2)S−9混液(1ml中下記の成分を含む)

   S−9**      0.1ml

   MgCl2     8μmole

   KCl       33μmole

   G−6−p      5μmole

   NADH       4μmole

   NADPH      4μmole

   0.2Mリン酸緩衝液  (pH7.4) 0.5ml

 3)Base agar(培地1Lあたり)

   MgSO4・7H2O        0.2g

   Citric acid・H2O     2g

   K2HPO4             10g

   NaNH4HPO4         3.5g

   Glucose            20g

   NaCl                5g

   Bacto agar         15g

   径90mmのシャーレ1枚あたり30mlを流して固める。

   *WP2株用にははぶき、かわりにL−Tryptophane 0.05mMを加える。


表2−1 照射コムギの細胞による変異原性試験
    群    
         
         
    TA100   
    TA98    
   TA1535  
   TA1537  
   TA1538  
   WP2uvrA  
  −   
  +  
  −   
  +  
  −  
  +  
  −  
  +  
  −  
  +  
  −   
  +  
非照射コムギ粉  
(10mg/平板)
         
146   
122   
105   
139  
131  
135  
15    
30    
26    
56   
49   
21   
30   
25   
36   
15   
37   
35   
30   
19   
 −   
20   
22   
 −   
 9   
23   
 −   
28   
23   
27   
22    
15    
13    
21   
23   
22   
 平   均   
         
124.3 
      
135.0
     
23.7  
      
42.0 
     
30.3 
     
29.0 
     
24.5 
     
21.0 
     
16.0 
     
26.0 
     
16.7  
      
22.0 
     
照射コムギ粉   
(10mg/平板)
         
176   
154   
117   
122  
128  
113  
21    
38    
25    
46   
45   
35   
33   
37   
19   
14   
28   
41   
28   
26   
21   
23   
31   
27   
21   
16   
 −   
44   
20   
17   
15    
13    
11    
18   
16   
14   
 平   均   
         
149.0 
      
121.0
     
28.0  
      
42.0 
     
29.7 
     
27.7 
     
25.0 
     
27.0 
     
18.5 
     
27.0 
     
13.0  
      
16.0 
     
 対   照   
         
         
136   
142   
138   
137  
138  
115  
22    
24    
18    
36   
42   
29   
32   
38   
37   
24   
22   
30   
32   
27   
29   
36   
25   
45   
21   
18   
15   
39   
31   
25   
10    
27    
14    
29   
33   
27   
 平   均   
         
138.7 
      
130.0
     
21.3  
      
35.7 
     
35.7 
     
25.3 
     
29.3 
     
35.3 
     
18.0 
     
31.7 
     
17.0  
      
29.7 
     
陽性対照
    
    
    
薬剤  
    
AF2   
0.01μg
2AA  
0.5μg
AF2   
0.02μg
2AA  
0.5μg
ENNG 
5μg  
2AA  
1μg  
9AA  
50μg 
2AA  
1μg  
4NOPD
1μg  
2AA  
0.5μg
AF2   
0.04μg
2AA  
10μg 
平均  
514   
326  
176   
134  
116  
98   
113  
74   
127  
139  
188   
370  

表中の数字は1平板あたりの変異コロニー数を示す。
−:S−9 無添加
+:S−9 添 加


(2) マウスによる宿主経由試験
(a) 試験方法

 9週令のBDF1雄マウス(24〜26g)を用いて照射および非照射コムギについて試験した。マウスは1群6匹とし、1%CMC水溶液にコムギエキス(染色体異常試験で用いたものと同じ)を1日1回1mlずつ、対照群には同一条件で1%CMC水溶液を3日間連続経口投与した。3回目の投与と同時に検定菌液(Salmonella typhimurium G46のnutrient broth培養液)1mlを腹腔内に投与し、3時間後に頚椎脱臼によってと殺を行い、生理食塩水1mlを腹腔内に注入して腹部を軽くもんでから注射器を用いて腹腔液を回収した。

 (イ)Mutant数の測定:回収した腹腔液0.1mlを2mlの軟寒天にまぜ、2%ブドウ糖加Vogel−Bonner培地30mlを流し固めた平板培地上に流し、37℃で48時間培養後発生した集落数を算定し、1平板あたりの変異コロニー数とした。

 (ロ)生菌数の測定:回収した腹腔液をリン酸緩衝液を用いて10倍希釈を行い、10の4乗〜10の7乗倍希釈液をつくる。それぞれの希釈段階の0.1mlを2mlの軟寒天にまぜ、0.5%NaCl加nutrient agar(Difco)20mlを流し固めた平板培地上に流した。これを37℃で24時間培養したのち発生した集落数を算定し、腹腔液1mlあたりのの生菌数に換算した。

(b) 試験結果

 表に示すごとく1平板あたりの変異コロニー数に関して、対照、照射および非照射群の間に有意差は認められなかった。


表2−2 マウスによる宿主経由試験
 検   体  マウスNo.
腹腔液1mlあたりの生菌数
1平板あたりの変異コロニー数
対     照  
         
         
         
         
         
1   
5.96×10・E(10)
     2.5      
2   
2.19×10・E(10)
     3.5      
3   
    
8.28×10・E(10)
             
     4.0      
              
照射コムギエキス 
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
1   
5.46×10・E(10)
     3.5      
2   
6.16×10・E(10)
     4.0      
3   
7.50×10・E(10)
     5.5      
4   
1.00×10・E(11)
     4.5      
5   
1.19×10・E(11)
     7.0      
6   
    
2.00×10・E(11)
             
     3.0      
              
非照射コムギエキス
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
1   
1.10×10・E(11)
     6.5      
2   
6.50×10・E(10)
     2.5      
3   
8.38×10・E(10)
     7.5      
4   
7.65×10・E(10)
     5.0      
5   
9.66×10・E(10)
     2.5      
6   
2.10×10・E(10)
     2.5      


2 哺乳動物培養細胞を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(試験管内)
(a) 試験方法

 チャイニーズハムスター細胞株(CHL)に、50%エタノールに溶解したコムギ抽出物を種々の濃度で作用させ、その細胞遺伝学的影響を染色体異常を指標として調査した。

 今回の実験では高濃度(過飽和)及び、低濃度(飽和以下)の2用量を用いた。培養液には10%の牛胎児血清を含むイーグル培地を用い、処理時間は24時間、48時間とし、固定前2〜3時間に0.25μg/mlのコルヒチンを添加して中期分裂像を蓄積後、ギムザ染色により染色体標本を作成し、100個の中期分裂像について染色体異常を調べた。また、各実験群毎に最終濃度0.5%のエタノール(細胞の増殖に影響しない最高濃度)を含む培養液で処理した細胞を対照とした。

(b) 試験結果

 結果は表に示す通りであり、今回の実験に用いた濃度範囲では照射、非照射群共に細胞の分裂抑制は見られなかった。

 観察された異常は主として動原体を含まない断片(acentric fragment)の形成であり、1細胞あたりのギャップは、照射群、非照射群共に、0.02以下、切断率(二動原体染色体、リング染色体、染色分体交換は2切断として数えた。)は0.01〜0.10の値を示し、染色体異常を持った細胞の出現頻度は7%以内であった。これらの数値の変動には濃度依存性が認められず、対照群と実験群(照射群、非照射群を含む)との間に差が認められなかった。


表3−1 非照射コムギの染色体異常試験(試験管内)
    試 料 濃 度  
             
作用時間
    
Chromatid
   gap   
Chromatid
  break  
Chromatid
exchange 
Dicentric
 or ring 
Acentric
fragment
細胞あたりの
 Gap  
細胞あたりの
 Break
染色体異常を
持つ細胞の%
実験1
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
    0    
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
   1  
 0.00 
 0.01 
 1.0  
0.8 mg/ml
 24 
    −    
    −    
    −    
    1    
   3  
 0.00 
 0.05 
 4.0  
1.0 mg/ml
 24 
    1    
    −    
    −    
    −    
   2  
 0.01 
 0.02 
 3.0  
1.5 mg/ml
         
 24 
    
    −    
         
    −    
         
    −    
         
    −    
         
   4  
 
 0.00 
      
 0.04 
      
 4.0  
      
    0    
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   4  
 0.00 
 0.04 
 3.0  
0.8 mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    1    
   3  
 0.00 
 0.05 
 4.0  
1.0 mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    2    
   4  
 0.00 
 0.08 
 6.0  
1.5 mg/ml
         
 48 
    
    −    
         
    −    
         
    −    
         
    −    
         
   1  
 
 0.00 
      
 0.01 
      
 1.0  
      
実験2
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
    0    
 24 
    −    
    −    
    −    
    1    
   3  
 0.00 
 0.05 
 4.0  
0.01mg/ml
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
   3  
 0.00 
 0.03 
 3.0  
0.03mg/ml
 24 
    −    
    −    
    −    
    1    
   6  
 0.00 
 0.08 
 7.0  
0.05mg/ml
         
 24 
    
    −    
         
    −    
         
    −    
         
    1    
         
   2  
 
 0.00 
      
 0.04 
      
 3.0  
      
    0    
 48 
    2    
    −    
    −    
    −    
   4  
 0.02 
 0.04 
 5.0  
0.01mg/ml
 48 
    1    
    −    
    −    
    2    
   3  
 0.01 
 0.07 
 6.0  
0.03mg/ml
 48 
    −    
    −    
    1    
    1    
   6  
 0.00 
 0.00 
 6.0  
0.05mg/ml
 48 
    2    
    −    
    −    
    −    
   3  
 0.02 
 0.03 
 5.0  

0=対照(0.5%エタノール)。それぞれ100個の中期分裂像について分析を行った。



表3−2 照射コムギの染色体異常試験(試験管内)
    試 料 濃 度  
             
作用時間
    
Chromatid
   gap   
Chromatid
  break  
Chromatid
exchange 
Dicentric
 or ring 
Acentric
fragment
細胞あたりの
 Gap  
細胞あたりの
 Break
染色体異常を
持つ細胞の%
実験1
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
    0    
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
   2  
 0.00 
 0.02 
 2.0  
0.8 mg/ml
 24 
    1    
    −    
    −    
    −    
   2  
 0.01 
 0.02 
 3.0  
1.0 mg/ml
 24 
    −    
    −    
    2    
    −    
   2  
 0.00 
 0.06 
 4.0  
1.5 mg/ml
         
 24 
    
    −    
         
    −    
         
    −    
         
    1    
         
   4  
 
 0.00 
      
 0.06 
      
 5.0  
      
    0    
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   5  
 0.00 
 0.05 
 5.0  
0.8 mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   2  
 0.00 
 0.02 
 2.0  
1.0 mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   6  
 0.00 
 0.06 
 6.0  
1.5 mg/ml
         
 48 
    
    1    
         
    −    
         
    −    
         
    −    
         
   5  
 
 0.01 
      
 0.05 
      
 6.0  
      
実験2
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
    0    
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
   3  
 0.00 
 0.03 
 3.0  
0.01mg/ml
 24 
    2    
    −    
    −    
    −    
   4  
 0.02 
 0.04 
 5.0  
0.03mg/ml
 24 
    −    
    −    
    −    
    −    
   6  
 0.00 
 0.06 
 3.0  
0.05mg/ml
         
 24 
    
    −    
         
    −    
         
    −    
         
    −    
         
   6  
 
 0.00 
      
 0.06 
      
 6.0  
      
    0    
 48 
    −    
    1    
    −    
    −    
   3  
 0.00 
 0.04 
 4.0  
0.01mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    1    
   5  
 0.00 
 0.07 
 5.0  
0.03mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   2  
 0.00 
 0.02 
 2.0  
0.05mg/ml
 48 
    −    
    −    
    −    
    −    
   3  
 0.00 
 0.03 
 3.0  

0=対照(0.5%エタノール)。それぞれ100個の中期分裂像について分析を行った。


(c) 結論

 この実験に用いた照射および非照射コムギの抽出物は、本実験の濃度範囲では、チャイニーズハムスターの細胞に対して、染色体異常の誘発も、細胞分裂の抑制も示さなかった。

3 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) 染色体異常試験(マウス生体による小核試験)
(a) 試験方法

 (イ)実験動物と飼育条件:静岡実験動物農業協同組合より購入した生後8週のBDF1(C57BL/6とDBA/2の近交系間F1マウス)雄マウスを1週間予備飼育して用いた。動物は143×293×148HのTPX樹脂製ケージ(日本チャールス・リバー株式会社製)に1頭づつ収容し、室温24±1℃、湿度55±5%に調節されたバリヤー・システムの飼育室内で固型飼料(CMF)と水道水を自由に摂取させて飼育した。

 (ロ)投与群の設定:9週令のBDF1マウス30頭を次のようにそれぞれ5頭づつ6群に分けた。

 (ハ)投与方法:コムギ抽出物の1頭当りの投与量が体重1g当り0.02mlになるように0.5% CMC(Carboxy methyl cellulose)水溶液に懸濁し、胃ゾンデを用いて5日間連日経口投与した。陽性対照として用いたMTX(Amethopterine)は水に溶解し同様に5日間連日投与した。

 (ニ)標本の作製方法:Schmidの方法に従って標本を作製した。投与30時間後に頚椎脱臼により屠殺して右大腿骨を摘出した。骨髄細胞は、両骨端を切除した大腿骨より牛胎児血清(0.2ml)で洗い出し遠沈管に集め、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を除いた。ピペッティング後、細胞浮遊液の一部をスライドガラスに塗抹し、一夜室温で乾燥させた。乾燥させたスライドは1分間メタノールで固定し、May−Gruenwald染色(pH 6.8のリン酸緩衝液で1:1に希釈したMay−Gruenwald液で5分間染色)およびギムザ染色(pH 6.8のリン酸緩衝液で2.5%に希釈したギムザ液で20分間染色)してpH 6.8のリン酸緩衝液および蒸留水中です

 (ホ)小核赤血球の観察:観察はブラインド法で3名の観察者によりおこない、1個体あたり1500個の多染性赤血球(polychromatic erythrocyte)をカウントし、小核を有する多染性赤血球の出現頻度を求めた。

 (ヘ)有意差検定:陰性対照群と検体投与群および陽性対照群との間の有意差検定は、カイ2乗[(χ・E(2)]法によりおこなった。

(b) 試験結果

 小核試験の結果は表に示した。小核を有する多染性赤血球の出現頻度は照射群、非照射群のいずれの濃度投与群においても陰性対照群との間に有意な差は認められなかった。

 一方、MTX2.5mg/kgを投与した陽性対照群においては高い頻度で小核を生じ陰性対照群との間に有意差がみられた。

 これらの結果により、照射コムギエキスはマウス骨髄細胞において染色体異常を誘起せず、加えて紡錘体形成阻害作用も有しないと考えられる。


表4−1 実験群
 実験群            
                
コムギ抽出物の1回の投与量 
mg/kg(5日間連続投与)
コムギとしての1日摂取量
 (体重1kg当り)  
照射コムギ           
                
                
     290      
     145      
      72.5    
    5g      
    2.5g    
    1.25g   
非照射コムギ          
     283      
    5g      
陰性対照            
(0.5%CMC20ml/kg)
              
              
            
            
陽性対照            
(MTX25mg/kg)    
              
              
            
            



表4−2 マウス生体による小核試験
実 験 群    
         
         
投与量/kg   
         
         
マウスの
個体番号
    
分析した
細胞数 
    
小核を有す
る多染性赤
血 球 数
小核の出現頻度  
(1000個当り)
         
X・E(2)−test
(p<0.05)   
           
照射コムギ    
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
290mg×5  
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
  1 
1500
  4  
         
           
  2 
1500
  3  
         
           
  3 
1500
  3  
         
           
  4 
1500
  6  
         
           
  5 
    
    
1500
7500
    
  3  
 19  
     
         
  2.53   
         
           
     −     
           
照射コムギ    
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
145mg×5  
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
  6 
1500
  3  
         
           
  7 
1500
  3  
         
           
  8 
1500
  3  
         
           
  9 
1500
  5  
         
           
 10 
    
    
1500
7500
    
  4  
 18  
     
         
  2.40   
         
           
     −     
           
照射コムギ    
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 72.5mg×5
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 11 
1500
  0  
         
           
 12 
1500
  2  
         
           
 13 
1500
  2  
         
           
 14 
1500
  7  
         
           
 15 
    
    
1500
7500
    
  3  
 14  
     
         
  1.87   
         
           
     −     
           
非照射コムギ   
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
283mg×5  
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 16 
1500
  4  
         
           
 17 
1500
  4  
         
           
 18 
1500
  7  
         
           
 19 
1500
  2  
         
           
 20 
    
    
1500
7500
    
  3  
 20  
     
         
  2.67   
         
           
     −     
           
陰 性 対 照  
(0.5%CMC)
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 20mg×5  
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 21 
1500
  3  
         
           
 22 
1500
  1  
         
           
 23 
1500
  3  
         
           
 24 
1500
  2  
         
           
 25 
    
    
1500
7500
    
  4  
 13  
     
         
  1.73   
         
           
     −     
           
陽 性 対 照  
(MTX)    
         
         
         
         
         
         
         
         
  2.5mg×5
         
         
         
         
         
         
         
         
         
 26 
1500
 13  
         
           
 27 
1500
 15  
         
           
 28 
1500
 19  
         
           
 29 
1500
 24  
         
           
 30 
    
1500
7500
 20  
 91  
         
 12.13   
           
     +     


(2) マウスによる優性致死試験
(a) 試料

 照射または非照射コムギ40%を含む固型試料を調製して実験試料とした。なお試験中のコムギの含有量(40%)およびその他の成分の組成は通常我々が用いているCMF飼料(オリエンタル酵母)のものに準拠した。

(b) 実験方法

 BDF1(C57BL/6×DBA/2,静動協)雄マウスに対して6週令から14週令までの8週間にわたり照射および非照射コムギ試料を与えた。対照群にはCMF飼料を与え、陽性対照群にはMitomycin C(MC、協和発酵)を同期間中4日毎に1回(計14回)、1回につき0.5mg/kgを腹腔内投与した。なお、MCはHanks溶液中に溶解し、25gのマウスが0.5ml投与されるように薬量を調整した。実験に用いた雄マウス数は照射・非照射コムギ群および対照群で各30頭、陽性対照群では10頭とした。投与終了後1頭の雄マウスに2頭の9週令無処理BDF1(静動協)雌マウスを開腹し、黄体数、生存および死亡(前期および後期)着床数を調べた。またこれらの数値から着床前死亡(黄体数−着床数)および着床後死亡(前期死亡着床数+後期死亡着床数)を求めた。優性致死率は下記の2通り(A・B)の式により算定した。

 A=[1−(妊娠雌あたりの生存着床数:処理群) / (妊娠雌

 あたりの生存着床数:対照群)]×100

 B=[1−(妊娠雌あたりの生存着床数/着床数:処理群) /

 妊娠雌あたりの生存着床数/着床数:対照群)]×100

 統計処理は上記の各項目について対照群と各処理群間においてt−検定を行った。

 また各群の雄マウスについて処理期間中、週に一度体重および摂餌量を測定した。

(c) 試験結果

 照射・非照射群とも、対照群(オリエンタル酵母CMF固型飼料で飼育)に比べ優性致死率に関して有意の差は認められなかった。一方陽性対照として用いたMitomycin Cについては陽性の結果が得られた。


表4−3 照射、非照射コムギ連続投与による雄マウスを用いた優性致死試験(総括)
  実 験 群    
           
           
処理雄数
    
    
妊娠雌数 
/交配雌数
     
    妊娠雌あたりの(平均±標準偏差)      
  優性致死率  % 
  黄体数   
  着床数   
 生存着床数  
  A  
  B  
対  照       
(無処理)      
 30 
    
55/60
     
10.4±1.0
        
10.0±1.4
        
9.5±1.6 
        
  −  
     
  −  
     
非照射小麦      
           
 30 
    
53/60
     
10.3±1.2
        
 9.8±1.7
        
9.3±1.7 
        
 2.18
     
−0.27
     
照射小麦       
           
 30 
    
55/60
     
10.5±0.9
        
 9.9±1.6
        
9.4±1.8 
        
 0.76
     
−0.51
     
陽性対照       
mitomycinC 
0.5mg/kg×14
           
 10 
    
    
    
15/20
     
     
     
 9.3±1.0
        
        
        
 7.3±3.2
        
        
        
6.5±2.9*
        
        
        
22.62
     
     
     
 5.66
     
     
     
対 照(Hanks溶液
20ml/kg×14)
 10 
    
18/20
     
 9.2±1.4
        
 8.9±1.4
        
8.4±1.7 
        
  −  
     
  −  
     

*:5%レベルで有意差あり



表4−4a 解剖結果:無処理対照群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
 2 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 3 
   
   
1  
  9  
  9  
  6  
 3  
 0  
 0 
 3 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 4 
   
   
1  
 11  
 11  
  9  
 2  
 0  
 0 
 2 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 5 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 12  
 12  
 12  
 0  
 0  
 0 
 0 
 6 
   
   
1  
 10  
 10  
  8  
 1  
 1  
 0 
 2 
2  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
 7 
   
   
1  
 13  
 12  
 11  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
  8  
  8  
  7  
 1  
 0  
 0 
 1 
 8 
   
   
1  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
 13  
 13  
 13  
 0  
 0  
 0 
 0 
 9 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 10  
  9  
 0  
 1  
 1 
 1 
10 
   
   
1  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
11 
   
   
1  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
12 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
13 
   
   
1  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
14 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
15 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 



表4−4b 解剖結果:無処理対照群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
17 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 12  
 12  
 0  
 0  
 0 
 0 
18 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
19 
   
   
1  
 10  
 10  
  8  
 2  
 0  
 0 
 2 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
20 
   
   
1  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 13  
 13  
 13  
 0  
 0  
 0 
 0 
21 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
  8  
  8  
 0  
 0  
 2 
 0 
22 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
  5  
  5  
 0  
 0  
 5 
 0 
23 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
24 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
  6  
  6  
 0  
 0  
 5 
 0 
25 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
26 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
  9  
  8  
  8  
 0  
 0  
 1 
 0 
27 
   
   
1  
 11  
 11  
  9  
 2  
 0  
 0 
 2 
2  
     
     
     
    
    
   
   
28 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
29 
   
   
1  
 10  
 10  
  8  
 2  
 0  
 0 
 2 
2  
     
     
     
    
    
   
   
30 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
   計   
573  
550  
523  
25  
 2  
23 
27 
  平均   
 10.4
 10.0
  9.5
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.0
  1.4
  1.6
    
    
   
   



表4−5a 解剖結果:非照射小麦群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
  9  
  7  
  7  
 0  
 0  
 2 
 0 
 2 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 11  
 10  
 1  
 0  
 1 
 1 
 3 
   
   
1  
  9  
  8  
  8  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 4 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 13  
  9  
  8  
 1  
 0  
 4 
 1 
 5 
   
   
1  
  9  
  2  
  2  
 0  
 0  
 7 
 0 
2  
 12  
 12  
 11  
 1  
 0  
 0 
 1 
 6 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 7 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 8 
   
   
1  
 11  
 11  
 10  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 9 
   
   
1  
 10  
  8  
  8  
 0  
 0  
 2 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
10 
   
   
1  
 11  
 11  
 10  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
  9  
  7  
  7  
 0  
 0  
 2 
 0 
11 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
 12  
 10  
  9  
 0  
 1  
 2 
 1 
12 
   
   
1  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
13 
   
   
1  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
14 
   
   
1  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
15 
   
   
1  
 10  
  9  
  7  
 2  
 0  
 1 
 2 
2  
 10  
 10  
  9  
 0  
 1  
 0 
 1 



表4−5b 解剖結果:非照射小麦群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
  9  
 2  
 0  
 0 
 2 
17 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
18 
   
   
1  
 12  
 11  
 10  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
19 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
  6  
 4  
 0  
 0 
 4 
20 
   
   
1  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 12  
 12  
 0  
 0  
 0 
 0 
21 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
22 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 11  
  9  
 2  
 0  
 1 
 2 
23 
   
   
1  
  9  
  8  
  8  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
24 
   
   
1  
  8  
  8  
  7  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
25 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
     
     
     
    
    
   
   
26 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
27 
   
   
1  
  8  
  8  
  7  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
28 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
29 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
 12  
 11  
 11  
 0  
 0  
 1 
 0 
30 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 12  
 11  
 11  
 0  
 0  
 1 
 0 
   計   
548  
518  
493  
23  
 2  
30 
25 
  平均   
 10.3
  9.8
  9.3
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.2
  1.7
  1.7
    
    
   
   



表4−6a 解剖結果:照射小麦群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
1  
  9  
  9  
  6  
 3  
 0  
 0 
 3 
2  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
 2 
   
   
1  
 10  
  8  
  8  
 0  
 0  
 2 
 0 
2  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
 3 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
 4 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 5 
   
   
1  
 11  
 11  
  7  
 3  
 1  
 0 
 4 
2  
     
     
     
    
    
   
   
 6 
   
   
1  
 12  
 11  
 11  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 12  
 12  
 12  
 0  
 0  
 0 
 0 
 7 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 8 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 10  
  8  
 2  
 0  
 2 
 2 
 9 
   
   
1  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
  9  
  8  
  6  
 1  
 1  
 1 
 2 
10 
   
   
1  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
11 
   
   
1  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
12 
   
   
1  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 10  
  1  
  1  
 0  
 0  
 9 
 0 
13 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
14 
   
   
1  
 11  
 11  
 10  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
15 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 



表4−6b 解剖結果:照射小麦群
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
16 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
17 
   
   
1  
 12  
 11  
 11  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
18 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
19 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
20 
   
   
1  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
 11  
 10  
 10  
 0  
 0  
 1 
 0 
21 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 10  
 1  
 0  
 0 
 1 
22 
   
   
1  
 11  
 11  
 10  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
23 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
24 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 10  
  9  
 1  
 0  
 1 
 1 
25 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
 10  
  9  
  8  
 1  
 0  
 1 
 1 
26 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 0  
 1  
 0 
 1 
2  
 12  
 12  
 12  
 0  
 0  
 0 
 0 
27 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
28 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 12  
 12  
 11  
 1  
 0  
 0 
 1 
29 
   
   
1  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
  8  
 2  
 0  
 0 
 2 
30 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
  6  
  6  
 0  
 0  
 5 
 0 
   計   
576  
544  
519  
22  
 3  
32 
25 
  平均   
 10.5
  9.9
  9.4
    
    
   
   
 標準偏差  
  0.9
  1.6
  1.8
    
    
   
   



表4−7 解剖結果:Hanks溶液20ml/kg×14
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
1  
  8  
  7  
  6  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
  8  
  7  
  7  
 0  
 0  
 1 
 0 
 2 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
 3 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
 4 
   
   
1  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
 5 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
 11  
 0  
 0  
 0 
 0 
 6 
   
   
1  
 10  
 10  
  9  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
 7 
   
   
1  
  9  
  8  
  7  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
  7  
  7  
  7  
 0  
 0  
 0 
 0 
 8 
   
   
1  
 13  
 12  
 11  
 1  
 0  
 1 
 1 
2  
  9  
  8  
  8  
 0  
 0  
 1 
 0 
 9 
   
   
1  
  9  
  9  
  9  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
  9  
  9  
  6  
 3  
 0  
 0 
 3 
10 
   
   
1  
  9  
  9  
  8  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
   計   
165  
160  
152  
 8  
 0  
 5 
 8 
  平均   
  9.2
  8.9
  8.4
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.4
  1.4
  1.5
    
    
   
   



表4−8 解剖結果:Mifomycin−C0.5mg/kg×14
 雄 
No.
   
 雌 
No.
   
 黄体数 
     
     
着床数  
(計)  
     
  着  床  内  訳   
着床前
死亡数
   
着床後
死亡数
   
 生存  
前期死亡
後期死亡
 1 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 11  
 11  
  9  
 2  
 0  
 0 
 2 
 2 
   
   
1  
 10  
  9  
  9  
 0  
 0  
 1 
 0 
2  
  9  
  9  
  6  
 3  
 0  
 0 
 3 
 3 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
  8  
  8  
  8  
 0  
 0  
 0 
 0 
 4 
   
   
1  
 11  
  8  
  7  
 1  
 0  
 3 
 1 
2  
  9  
  7  
  7  
 0  
 0  
 2 
 0 
 5 
   
   
1  
  8  
  8  
  7  
 1  
 0  
 0 
 1 
2  
     
     
     
    
    
   
   
 6 
   
   
1  
 10  
  9  
  5  
 4  
 0  
 1 
 4 
2  
  9  
  1  
  1  
 0  
 0  
 8 
 0 
 7 
   
   
1  
 10  
 10  
 10  
 0  
 0  
 0 
 0 
2  
 10  
  9  
  8  
 1  
 0  
 1 
 1 
 8 
   
   
1  
     
     
     
    
    
   
   
2  
     
     
     
    
    
   
   
 9 
   
   
1  
  8  
  2  
  2  
 0  
 0  
 6 
 0 
2  
     
     
     
    
    
   
   
10 
   
   
1  
  8  
  6  
  6  
 0  
 0  
 2 
 0 
2  
  9  
  2  
  2  
 0  
 0  
 7 
 0 
   計   
140  
109  
 97  
12  
 0  
31 
12 
  平均   
  9.3
  7.3
  6.5
    
    
   
   
 標準偏差  
  1.0
  3.2
  2.9
    
    
   
   



表4−9 照射、非照射小麦投与マウスの体重の推移(g)
    週
群    
     0    
          
     1    
          
     2    
          
     3    
          
     4    
          
5    
     
     6    
          
     7    
          
     8    
          
対  照 
22.79±1.10
23.53±0.96
24.63±0.88
25.20±1.01
26.24±1.32
27.11±1.48
28.33±1.78
29.10±2.02
30.06±2.48
非照射小麦
22.74±0.87
23.71±0.96
24.55±1.05
25.48±1.11
26.28±1.36
26.81±2.14
28.34±1.78
29.10±1.75
30.03±2.21
照射小麦 
22.75±0.99
24.01±1.07
24.69±0.97
25.53±1.88
26.68±0.96
27.63±1.33
29.19±1.72
30.05±2.02
31.30±2.52



表4−10 交配終了時における雄マウスの体重および精巣重量
  群  
     
  体重(g)   
          
 精巣重量(mg) 
          
精巣重量(mg) 
/体重(g)   
対  照 
29.66±2.03
252.9±22.1
8.86±0.87
非照射小麦
29.82±2.10
252.2±20.5
8.48±0.77
照射小麦 
30.83±2.32
256.2±21.1
8.33±0.83



表4−11 摂餌量(g/日/マウス、平均±標準偏差)
    週
群    
     1   
         
     2   
         
     3   
         
     4   
         
     5   
         
     6   
         
     7   
         
     8   
         
対  照 
3.50±0.29
3.55±0.22
3.60±0.30
3.74±0.28
3.79±0.22
3.84±0.23
3.80±0.27
3.83±0.29
非照射小麦
2.34±0.26
3.31±0.29
3.37±0.23
3.41±0.28
3.57±0.28
3.33±0.33
3.51±0.30
3.60±0.35
照射小麦 
2.82±0.27
3.35±0.21
3.44±0.22
3.39±0.25
3.54±0.27
3.56±0.41
3.65±0.31
3.70±0.37





関連する論文一覧に戻る

ホームに戻る