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健全性(WHOLESOMENESS):毒性・微生物学的安全性、栄養学的適格性を総合した考え方

毒性に関する研究(変異原性を含む)


発表場所 : 食品照射研究運営会議
著者所属機関名 : 厚生省国立衛生試験所、(財)食品薬品安全センター
発行年月日 : 昭和63年 3月
2. 電子線照射みかんの安全性に関する研究
1. 慢性毒性試験
(1) マウスを用いた慢性毒性試験
1 緒言
2 試験方法
(1) 検体および投与方法
(2) 供試動物および飼育条件
(3) 観察
3 結果
(1) 一般状態
(2) 体重および摂飼量(図1、2)
(3) 死亡率(表1)
(4) 病理組織学的検査
4 小括
(2) ラットを用いた慢性毒性試験
1 緒言
2 試験方法
(1) 検体および投与方法
(2) 供試動物および飼育条件
(3) 観察および測定項目
3 結果
(1) 一般状態
(2) 体重および摂餌量(図1、2)
(3) 死亡率(表2)
(4) 血液形態学的検査
(5) 血液生化学的検査
(6) 臓器重量
(7) 病理学的検査
4 小括
(3) サルを用いた慢性毒性試験
1 緒言
2 試験方法
(1) 検体
(2) 動物
(3) 投与方法
(4) 観察項目
(5) 推計学的処理
3 結果
(1) 一般状態
(2) 体重
(3) 血液形態学的検査
(4) 血液生化学的検査
(5) 臓器重量
(6) 肉眼的検査
(7) 病理組織学的検査
4 小括
2. 世代試験
(1) マウスを用いた世代試験
1 緒言
2 実験方法
(1) 検体および飼料調整法
(2) 動物および飼育条件
(3) 世代試験の方法
(4) 観察および検査項目
1) 一般状態、体重および摂餌量
2) 繁殖生理値
3) 妊娠末期の母体および胎仔の検査
4) 臓器重量
5) 妊娠末期胎仔および新生仔の骨格検査
6) 推計処理
3 結果
(1) 一般状態
(2) 体重および摂餌量
1) 成長曲線(図2)
2) 摂餌量(図2)
(3) 妊娠母獣体重増加曲線(図3)
(4) 繁殖生理値(表1)
(5) 妊娠末期の母体および胎仔の検査(表2)
(6) 新生仔の臓器の肉眼的変化および重量
1) 肉眼的変化
2) 臓器重量(表3)
(7) 骨格検査(表4)
1) 妊娠末期胎仔(表4)
2) 新生仔(表5)
4 小括
3. 変異原性試験
1. はじめに
2. 細菌を用いる突然変異誘発試験
1 緒言
2 試験方法
(1) 検定菌
(2) 試験検体
(3) 試験操作法
(4) 培地組成
3 試験結果
3. 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) マウス生体による小核試験
1 目的
2 試験方法
(1) 検体及び動物
(2) 急性試験
(3) 亜急性試験
3 試験結果
(1) 急性試験
(2) 亜急性試験
(2) マウスによる優性致死試験
1 目的
2 試験方法
3 試験結果
文献
4. 電子線照射オレンジジュースの突然変異原性と染色体異常に関する研究
1. 緒言
2. 実験方法及び材料
(1) 電子線照射及び非照射オレンジジュース
(2) オレンジジュースの有機溶媒に因る分画方法
(3) 突然変異試験法
(4) 染色体異常試験
3. 実験結果
4. 結語
文献



放射線照射によるみかんの表面殺菌に関する研究成果報告書[資料編]−2.安全性に関する研究


2. 電子線照射みかんの安全性に関する研究
1. 慢性毒性試験
(1) マウスを用いた慢性毒性試験
1 緒言

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的でマウスによる24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。

2 試験方法
(1) 検体および投与方法

 科学技術庁食品照射研究運営会議指定の和歌山県産L級温州みかんを2分して、一方を非照射みかんとし、他方は日本原子力研究所大阪研究所において150kradの電子線照射を行い照射みかんとして、各々ジュース加工々場において、殺菌処理を除く通常の方法で、濃縮ジュース(濃縮率1/5、水分含量約50%)を作製した。

 これらをマウス飼育用粉末飼料(オリエンタル酵母製MF)に非照射および照射みかんともに6W/W%の割合で混合し、円柱型ペレットに成型して検体飼料とした。これらの飼料を24ヶ月間に亘り自由に動物に与えた。

(2) 供試動物および飼育条件

 静岡県実験動物農業協同組合産の生後4週齢の雄雌のSlc:ddYマウス(SPF)を購入後1週間馴化飼育し、5週齢時に健康と思われるマウスを雄雌各々50匹からなる2群に分け、各々非照射群(N群)および照射群(R群)とした。

 動物は、当所マウス飼育室(温度:23±1℃、湿度:55±5%、照明:12時間明・12時間暗、バリアーシステム)にて飼育し、プラスチック製マウス用ケージ(寸法W216×L316×H130mm)1個につき、雄は2匹、雌は3匹を収容した。飲水はタンク式自動給水装置による水道水を自由に摂取させた。

(3) 観察

 一般状態および死亡の有無は毎日観察し、体重および摂飼量は、実験開始後6ヶ月目までは週1回、12ヶ月目までは隔週、それ以降24ヶ月目まで4週に1回の割合で測定した。

 実験開始後24ヶ月目に生存する全動物を屠殺し、外表および諸臓器の肉眼的検査を行った後、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、精巣(卵巣)、脳下垂体、甲状腺、副腎、胸腺、顎下腺、スイ臓、消化管、腸間膜リンパ節、精嚢、精巣上体、子宮、膀胱、座骨神経、筋肉(骨格筋)、大腿骨および脊髄を摘出し、10%等張中性ホルマリン溶液にて固定し、常法に従ってヘマトキシリン−エオジン染色標本を作製し、組織学的検査に供した。

 途中死亡動物についても、発見後可及的速やかに解剖を行い、臓器の肉眼的および組織学的検査を行った。

 なお、死亡率の計算は、lift−table technicalを用いて行い、実験結果の統計的有意性は、χ・E(2)テストにより検討した。

3 結果
(1) 一般状態

 24ヶ月間の飼育期間を通じて、雄雌ともに特記すべき徴候の発現は認められない。

(2) 体重および摂飼量(図1、2)

 雄では、R群がN群に比べ終始軽度の体重増加の抑制が見られるが、雌ではR群が逆に10ヶ月頃より増加の傾向を示す。

 摂餌量には雄雌ともに両群間にほとんど差は見られない。


図1 体重および摂飼量(雄)



図2 体重および摂飼量(雌)


(3) 死亡率(表1)

 24ヶ月目までの途中死亡動物の月別例数および死亡率は、雄雌ともに群間にほとんど差をみないが、全体的に雌がやや高い傾向を示す。


表1 死亡率
 群 
   
   
                   月                      
死亡総数
    
    
  %  
     
     
 3  
 6  
 9  
 12 
 15 
  18 
  21 
  24 

 
 

0/50
0/50
1/50
3/49
3/46
 9/43
12/34
12/22
 40 
80.00

0/50
0/50
1/50
3/49
8/46
 8/38
 8/30
13/22
 41 
82.00

 
 

0/50
1/50
3/49
5/46
9/41
12/32
 9/20
 8/11
 47 
94.03

0/50
0/50
1/50
7/49
9/42
15/33
 8/18
 7/10
 47 
94.00

Mortality was calculated using life−table technique.


(4) 病理組織学的検査

 実験期間中に死亡した動物および24ヶ月後に屠殺した動物のうち検査が可能であった動物の数は、雄ではN群で48例とR群で49例であり、雌ではN群で50例とR群で49例である。

 なお、雄のN群の2例とR群の1例および雌のR群の1例は、自己融解が著明なために所見が取れなかったので検査の対象から除外した。

 肉眼的検査(表2)

 主な変化は、雄雌各群ともに肺の腫瘤が多く見られることであった。その他、雄では脾臓および腸間膜リンパ節の肥大がN群に多く認められる。雌でも脾臓および腸間膜リンパ節の肥大が認められるが、N群とR群の間に差を見ない。また乳腺の腫瘤がR群でわずかに多く認められるが有意差は認められない。

 組織学的検査(表3、4)

 雄雌ともに肺の腺腫が多く認められるが、雄雌ともN群とR群の間に差を見ない。乳腺の腺腫は、雌のR群でN群より高い傾向を示す。一方、リンパ性白血病は雄雌ともにN群で多く認められるが、有意の差は認められない。また、その他の臓器にも1〜3例の腫瘍を認めるが、雄雌とも群間に一定の傾向は認められない。なお、雌のR群で1例、腹腔内に組織球腫を認めるが、その原発臓器は不明である。

 腫瘍発現状況および例数(図3、4)

 雄ではN群で9ヶ月目より、R群で16ヶ月目、また、雌ではN群で5ヶ月目より、R群で7ヶ月目より、腫瘍の発現を認める。

 腫瘍発現例数(表3、4)は、雄ではN群で実験期間中に死亡した38例中31例および屠殺した10例中7例の計38例(79.2%)に、R群で実験期間中死亡した40例中27例および屠殺した9例中6例の計33例(67.3%)である。雌ではN群で実験期間中死亡した47例中29例および屠殺した3例中全ての計32例(64.0%)に、R群で実験期間中死亡した46例中31例および屠殺した3例中1例の計32例(65.3%)である。


表2 肉眼的検査
   性    
  雄  
  雌  
   群    
N 
R 
N 
R 
検 査 例 数 
48
49
50
49
肺  
   
   
腫 瘤 
22
22
14
12
白 斑 
  
  
 2
  
肝 臓
   
   
   
   
腫 瘤 
 3
 3
 1
  
白 斑 
 1
  
 1
 3
表面粗造
 2
  
 1
 3
腎 臓 腫 瘤 
  
  
 1
  
脾 臓
   
   
肥 大 
 8
 2
 7
 3
白 斑 
  
  
  
 1
腸間膜リンパ節 
    肥 大 
  
 6
  
 2
  
 6
  
 5
下垂体 肥 大 
  
  
  
 1
胸 腺 肥 大 
  
 1
 1
 2
副 腎 肥 大 
 1
  
  
  
子 宮 腫 瘤 
  
  
 1
  
乳 腺 腫 瘤 
  
  
 7
11
腸   腫 瘤 
 2
  
 1
  
皮下織 腫 瘤 
 1
 2
  
 1
腹 腔 腹膜炎 
  
  
  
 1



表3 組織学的検査(雄)
      群        
 N                     
 R            
肺      
       
       
腺 腫    
27*1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
25*12、13、14、15
腺 癌    
                       
 2*17、H、G     
肝 臓    
       
       
       
       
       
       
肝 癌    
 2*4                   
 1*15         
血管外皮細胞腫
 1                     
              
細網内皮腫  
 1                     
              
結節性増殖  
 1*8                   
 2*13、18      
脾 臓    
       
       
       
       
細網肉腫   
 1C                    
              
リンパ腫   
 2*9                   
              
リンパ肉腫  
 2*5、A、B               
 1*12、I       
胸 腺     リンパ腫   
                       
 1            
腸間膜リンパ節
       
       
リンパ腫   
 1*1                   
 1*16         
リンパ肉腫  
 3*7、E、D、F             
 1J           
副 腎 皮質  腺 腫    
 1*2                   
              
精 巣    
       
       
間質細胞腫  
                       
 1*10         
精上皮腫   
                       
 1K           
小 腸     リンパ腫   
 1                     
              
皮下織    
       
       
組織球腫   
                       
 1            
線維肉腫   
                       
 1*14         
皮 膚     基底細胞腫  
 1*3                   
              
リンパ性白血病        
 5*1、6、10              
 2            
  検査例数         
48                     
49            
  腫瘍発現動物数      
38                     
33            
  腫瘍総数         
48                     
38            

*  :(1〜18)同一動物。
A、I:肝臓にも見られる。
B  :腎臓、膵臓にも見られる。
C  :肝臓及び小腸に転移。
D、J:肝臓及び脾臓にも見られる。
E  :膵臓、胃及び小腸にも見られる。
F  :肺、肝臓、腎臓及び脾臓にも見られる。
G  :肝臓に転移。
H  :脾臓に転移。
K  :リンパ節に転移。



表4 組織学的検査(雌)
       群       
 N            
 R               
肺      
       
       
腺 腫    
15*1、2、3、4、5、6
14*7、8、9、10、11、12
腺 癌    
 1A           
                 
肝 臓     結節性増殖  
 1*6          
                 
脾 臓     リンパ肉腫  
 1*4、B        
 1H              
胸 腺     リンパ腫   
 1            
 2               
腸間膜リンパ節
       
       
リンパ腫   
 1*3          
 3               
リンパ肉腫  
 2*1、C、D      
 2I、J            
下垂体     嫌色素性腺腫 
              
 1*9             
子 宮     腺 癌    
 1E           
                 
乳 腺    
       
       
       
       
腺 腫    
 5*2          
 9*7、8、10、11、12  
線維腺腫   
              
 1               
腺 癌    
 3F、G         
 2               
腹腔内     組織球腫   
              
 1               
皮下織     線維性組織球腫
              
 1               
リンパ性白血病        
 7*5          
 1               
   検査例数        
50            
49               
   腫瘍発現動物数     
32            
32               
   腫瘍総数        
37            
38               

*  :(1〜10)同一動物。
A  :腎臓に転移。
B、H,I:肝臓にも見られる。
C  :肝臓、腎臓、脾臓及び小腸にも見られる。
D  :腎臓、脾臓及び膵臓にも見られる。
E  :肺及び脾臓に転移。
F、G:肺に転移。
J  :肝臓、腎臓及び脾臓にも見られる。



図3 生存率及び腫瘍発生率(雄)



図4 生存率及び腫瘍発生率(雌)


4 小括

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的でマウスによる24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。

 一般状態、体重、摂餌量および死亡率においては、雄雌ともに群間に著しい差はなく、病理組織学的検査では、肉眼的検査で雄雌各群ともに肺の腫瘤が最も多く見られたが、顕微鏡的検査では、これらの多くは腺腫であった。その他の臓器にも腫瘍の発現を見るが、散発的であり、肺の腺腫と同様に雄雌とも群間に一定の傾向を認めない。また、腫瘍発現状況および例数とも群間に明らかな差は認められない。

 以上の結果、本試験では、電子線照射みかんによると見なされる影響はないものと判断される。

(2) ラットを用いた慢性毒性試験
1 緒言

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的で、ラットによる24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。

2 試験方法
(1) 検体および投与方法

 科学技術庁食品照射研究運営会議指定の和歌山県産L級温州みかんを2分して、一方を非照射みかんとし、他方は日本原子力研究所大阪研究所において150kradの電子線照射を行い照射みかんとし、各々ジュース加工々場において、殺菌処理を除く通常の方法で、濃縮ジュース(濃縮率1/5、水分含量約50%)を作製した。これらをラット飼育用粉末飼料(オリエンタル酵母製MF)に非照射および照射みかん共に2および6W/W%の割合で混合し、円柱型ペレットに成型して検体飼料とした。これらの飼料を24ヶ月に亘り自由に動物に与えた。

(2) 供試動物および飼育条件

 静岡県実験動物農業協同組合産の生後4週齢のSlc:wistarラット(SPF)を購入後1週間馴化飼育し、5週齢時に健康と思われるラットを、雄雌各々1群50匹からなる4群に分け、非照射群(2%:N−2、6%:N−6)および照射群(2%:R−2、6%:R−6)とした。

 動物は、当所ラット飼育室(温度:23±1℃、湿度:55±5%、照明:12時間明・12時間暗、バリアーシステム)にて、各々個別ケージ(寸法W220×L220×H170mm)に入れ、飲水は自動給水装置による水道水を自由に摂取させるベルト式自動飼育機で飼育した。

(3) 観察および測定項目

 一般状態および死亡の有無は毎日観察し、体重および摂飼量は、実験開始後6ヶ月目までは週1回、18ヶ月目までは隔週、それ以降24ヶ月目まで4週に1回の割合で測定した。

 実験開始後6、12および18ヶ月目に、各群雄雌8匹ずつを任意に選び、24ヶ月目に生存する全ての動物について次の諸検査を行った。

 血液形態学的検査

 6、12、18および24ヶ月目の剖検日の1週間前に眼窩静脈叢から採血し、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン量(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、血小板数(PLT)および白血球数(WBC)をコールターカウンターSP型(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定し、さらに塗沫標本(ギムザ染色)を作り、白血球百分比を算出した。

 血液生化学的検査

 血液形態学的検査実施1週間後に、同じ動物を用い、エーテル麻酔下で眼窩静脈叢より採血し、分離した血清を用いて表1に示す項目について、ジェムサック4型自動分析機(Electro Nacleonics社製)を用いて測定した。

 なお、Na、KおよびClは日立702型電解質自動分析機(日立製作所製)で測定した。

 病理組織学的検査

 頸動脈より放血致死させた後解剖し、外表および諸臓器の肉眼的検査を行い、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、精巣(卵巣)、脳下垂体、甲状腺および副腎を取出して重量を測定した。また、これらの諸臓器の他に顎下腺、胸腺、脊髄、消化管、すい臓、腸間膜リンパ節、精嚢、精巣上体、子宮、膀胱、座骨神経、筋肉(骨格筋)および大腿骨を摘出し、10%等張中性ホルマリン溶液にて固定し、組織学的検査に供した。

 なお、死亡率の計算はlife−table technicalを用いて行い、実験結果の統計的有意性は、Students t−testにより、同一添加量の非照射群と照射群の間で検討した。


表1 血液生化学的検査項目
         項          目              
       
Total protein                      
(T−PRO)
Albumin                            
(ALB)  
Blood urea nitrogen                
(BUN)  
Creatinine                         
(CRN)  
Uric acid                          
(UA)   
Glucose                            
(GLU)  
Non−esterified fatty acid          
(NEFA) 
Phospholipids                      
(PL)   
Triglycerides                      
(T−GLY)
Total cholesterol                  
(T−CHO)
Free cholesterol                   
(F−CHO)
Alkaline phosphatase               
(ALP)  
Cholineesterase                    
(CHE)  
Creatine kinase                    
(CK)   
Glutamate−oxaloacetate transaminase
(GOT)  
Glutamate−pyruvate transaminase    
(GPT)  
α−Hydroxybutylate dehydrogenase    
(HBDH) 
Leucine aminopeptidase             
(LAP)  
Lactate dehydrogenase              
(LDH−P)
Calcium                            
(Ca)   
Phosphorus inorganic               
(Pi)   
Sodium                             
(Na)   
Potassium                          
(K)    
Chlorine                           
(Cl)   
Magnesium                          
(Mg)   


3 結果
(1) 一般状態

 飼育期間の24ヶ月間に、各群の雄雌とも、特記すべき徴候の発現は認められない。

(2) 体重および摂餌量(図1、2)

 体重:雄では、R−2群でN−2群に比べ終始軽度の成長抑制が見られる。N−6群とR−6群との間には、ほとんど差がない。雌では、各群間にほとんど差は見られない。

 摂餌量:雄雌とも各群間にほとんど差は見られない。


図1 雌の成長曲線・摂飼量



図2 雄の成長曲線・摂飼量


(3) 死亡率(表2)

 雄では、R−2群がN−2群に比べ低い死亡率を示す外は、N−6群とR−6群の間にも、また雌の各群間においても、差は認められない。


表2 死亡率
  群  
     
     
                   月                   
死亡総数
    
    
  %  
     
     
 3  
 6  
 9  
12  
15  
18  
21  
24  

 
 
 
 
 
 
N−2
0/50
0/50
0/42
0/42
1/34
2/33
5/23
4/18
 12 
40.18
N−6
0/50
0/50
1/42
0/41
0/33
2/33
3/23
6/20
 12 
40.63
R−2
0/50
0/50
0/42
0/42
0/34
1/34
0/25
4/25
  5 
18.01
R−6
0/50
0/50
0/42
0/42
1/34
1/33
5/24
3/19
 10 
34.31

 
 
 
 
 
 
N−2
0/50
0/50
0/42
0/42
0/34
1/34
1/25
7/24
  9 
32.87
N−6
0/50
0/50
0/42
0/42
0/34
1/34
1/25
5/24
  7 
25.38
R−2
0/50
0/50
0/42
0/42
0/34
1/34
0/25
6/25
  7 
25.55
R−6
0/50
0/50
1/42
0/41
0/33
2/33
5/23
3/18
 11 
36.63


(4) 血液形態学的検査

 6ヶ月目(表3、4)

 雄では、R−6群でMCVがN−6群に比べ有意の増加を、雌ではR−2群でRBCがN−2群に比べ有意の減少を示す。

 12ヶ月目(表5、6)

 雄では、R−6群でPLTがN−6群に比べ有意の増加を示す。雌では群間に差を見ない。

 18ヶ月目(表7、8)

 雄では、R−2群でWBCがN−2群に比べ有意の減少を示す。雌では、R−2群でMCVおよびMCHがN−2群に比べ有意の増加を示す。

 24ヶ月目(表9、10)

 雄では、N−2群でHbおよびMCHがN−2群に比べ有意の増加を示し、R−6群でMCVがN−6群に比べ有意の減少を示す。雌では、R−2群でMCVがN−2群に比べ有意の増加を、MCHCが逆に有意の減少を示し、R−6群でMCVおよびMCHがN−6群に比べ有意の増加を、PLTおよびWBCが有意の減少を示す。

 上述のように6、12、18および24ヶ月目の各時期において、白血球百分比も含め同一添加量の非照射群および照射群の間に一定傾向の差を見ない。


表3 血液形態学的検査(6カ月目、雄)
       群        
   N−2      
   N−6   
   R−2      
   R−6      
   動 物 数        
    8       
    8    
    8       
    8       
RBC    
×10・E(6)
9.24±0.35   
9.10±0.38
9.13±0.47(7)
9.20±0.37(7)
Hb     
g/dl    
17.4±0.9    
17.1±0.7 
17.5±1.0    
17.4±0.3    
Ht     
 %      
44.9±1.9    
44.1±2.1 
45.2±3.0    
45.6±2.5    
MCV    
μm・E(3) 
48.5±0.3    
48.4±0.4 
48.8±0.4    
48.9±0.3(*) 
MCH    
μμg     
18.8±0.6    
18.8±0.4 
19.0±0.5    
18.7±0.3    
MCHC   
g/dl    
38.8±1.1    
38.7±0.7 
38.8±1.0    
38.2±0.7    
PLT    
×10・E(3)
 757±117(7) 
 654±53  
 686±82     
 650±69     
WBC    
       
×10・E(3)
        
 6.2±1.4    
            
 5.5±1.4 
         
 6.0±0.8    
            
 5.5±1.0    
            
Baso.  
 %      
 0          
 0  (7)  
 0          
 0          
Eosino.
 %      
 0.9        
 1.3(7)  
 1.2        
 1.1        
Band.  
 %      
 2.9        
 4.3(7)  
 2.6        
 3.5        
Seg.   
 %      
15.6        
16.4(7)  
16.8        
14.9        
Lympho.
 %      
78.2        
75.5(7)  
77.1        
78.6        
Mono.  
 %      
 2.2        
 2.5(7)  
 2.4        
 1.9        

(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表4 血液形態学的検査(6カ月目、雌)
       群        
   N−2   
   N−6     
   R−2    
   R−6   
   動 物 数        
    8    
    8      
    8     
    8    
RBC    
×10・E(6)
8.81±0.34
8.63±0.40  
8.21±0.61*
8.24±0.50
Hb     
g/dl    
17.0±0.6 
16.4±1.1   
16.0±1.2  
15.9±0.8 
Ht     
 %      
46.4±2.1 
45.1±2.2   
43.5±3.3  
43.5±2.7 
MCV    
μm・E(3) 
52.6±0.5 
52.2±0.6   
52.8±0.4  
52.7±0.4 
MCH    
μμg     
19.3±0.3 
19.0±1.0   
19.5±0.5  
19.3±0.5 
MCHC   
g/dl    
36.7±0.5 
36.4±2.3   
36.9±0.7  
36.7±1.0 
PLT    
×10・E(3)
 688±104 
 640±88    
 673±66   
 732±103 
WBC    
       
×10・E(3)
        
 4.1±0.6 
         
 4.3±0.9(7)
           
 3.8±0.4  
          
 4.1±1.3 
         
Baso.  
 %      
 0       
 0         
 0  (7)   
 0       
Eosino.
 %      
 1.1     
 1.2       
 1.1(7)   
 1.4     
Band.  
 %      
 2.9     
 2.4       
 2.3(7)   
 2.1     
Seg.   
 %      
13.0     
11.6       
10.2(7)   
10.8     
Lympho.
 %      
80.9     
82.7       
84.0(7)   
84.1     
Mono.  
 %      
 2.1     
 2.2       
 2.4(7)   
 1.6     

*:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表5 血液形態学的検査(12カ月目、雄)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2     
   R−6     
   動 物 数        
    8    
    8    
    8      
    8      
RBC    
×10・E(6)
8.16±1.13
8.69±0.50
8.31±0.81  
8.60±0.78  
Hb     
g/dl    
15.4±2.2 
16.3±0.8 
15.6±1.6   
16.3±0.9   
Ht     
 %      
39.9±5.6 
42.4±2.6 
40.9±4.4   
42.2±4.1   
MCV    
μm・E(3) 
48.8±0.5 
48.8±0.4 
49.1±0.8   
49.0±1.1   
MCH    
μμg     
18.8±0.5 
18.8±0.3 
18.8±0.3   
19.0±1.0   
MCHC   
g/dl    
38.5±1.1 
38.5±0.7 
38.3±0.9   
38.7±2.2   
PLT    
×10・E(3)
 680±135 
 656±116 
 643±107(6)
 796±113(*)
WBC    
       
×10・E(3)
        
 4.9±0.7 
         
 5.5±0.6 
         
 5.6±1.0   
           
 5.8±1.2   
           
Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0         
 0         
Eosino.
 %      
 1.6     
 1.6     
 1.8       
 1.7       
Band.  
 %      
 0.3     
 0.3     
 0.3       
 0.4       
Seg.   
 %      
22.3     
21.6     
27.8       
26.7       
Lympho.
 %      
74.8     
75.5     
69.0       
70.4       
Mono.  
 %      
 1.1     
 0.9     
 1.1       
 0.8       

(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表6 血液形態学的検査(12カ月目、雌)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2   
   R−6   
   動 物 数        
    8    
    8    
    8    
    8    
RBC    
×10・E(6)
7.81±0.26
7.95±0.21
7.94±0.19
7.93±0.24
Hb     
g/dl    
15.9±0.4 
15.8±0.4 
15.9±0.6 
15.7±0.5 
Ht     
 %      
42.1±1.5 
42.5±1.2 
43.0±1.2 
42.7±1.4 
MCV    
μm・E(3) 
53.8±0.7 
53.4±0.3 
54.0±0.5 
53.8±0.6 
MCH    
μμg     
20.4±0.6 
19.9±0.3 
20.1±0.4 
19.7±0.1 
MCHC   
g/dl    
37.9±1.1 
37.1±0.6 
37.1±0.7 
36.6±0.4 
PLT    
×10・E(3)
 726±131 
 647±107 
 692±145 
 665±69  
WBC    
       
×10・E(3)
        
 3.6±0.7 
         
 3.5±0.6 
         
 3.0±0.5*
         
 3.2±0.5 
         
Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0       
 0       
Eosino.
 %      
 1.4     
 1.6     
 1.7     
 1.1     
Band.  
 %      
 0.2     
 0.2     
 0.3     
 0.2     
Seg.   
 %      
20.8     
24.6     
30.1     
23.8     
Lympho.
 %      
76.4     
72.6     
66.8     
73.6     
Mono.  
 %      
 1.3     
 1.1     
 1.1     
 1.1     

*:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。



表7 血液形態学的検査(18カ月目、雄)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2   
   R−6      
     動 物 数      
    8    
    8    
    8    
    8       
RBC    
×10・E(6)
8.40±0.91
8.90±0.33
8.62±0.32
8.64±0.46   
Hb     
g/dl    
15.3±1.3 
16.5±0.5 
16.0±0.5 
16.1±0.6    
Ht     
 %      
42.2±4.1 
45.4±1.5 
43.9±1.8 
44.2±1.5    
MCV    
μm・E(3) 
50.3±1.5 
51.0±1.4 
50.9±1.0 
51.2±1.5    
MCH    
μμg     
18.2±0.7 
18.5±0.4 
18.5±0.3 
18.7±0.5    
MCHC   
g/dl    
36.2±0.7 
36.3±0.4 
36.4±0.5 
36.4±0.9    
PLT    
×10・E(3)
 708±107 
 716±48  
 661±162 
 761±67(7)  
WBC    
       
×10・E(3)
        
 6.3±1.3 
         
 5.9±0.8 
         
 5.0±0.7*
         
 6.1±1.2    
            
Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0       
 0          
Eosino.
 %      
 1.6     
 1.5     
 1.1     
 1.9        
Band.  
 %      
 0.3     
 0.4     
 0.2     
 0.4        
Seg.   
 %      
40.4     
29.8     
28.6     
36.9        
Lympho.
 %      
56.5     
66.8     
69.1     
59.6        
Mono.  
 %      
 1.2     
 1.5     
 1.1     
 1.3        

*:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表8 血液形態学的検査(18カ月目、雌)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2    
   R−6      
     動 物 数      
    8    
    8    
    8     
    8       
RBC    
×10・E(6)
7.90±0.25
7.69±0.34
7.60±0.33 
7.79±0.21   
Hb     
g/dl    
15.7±0.4 
15.4±0.5 
15.4±0.7  
15.7±0.5    
Ht     
 %      
42.5±1.3 
41.8±1.8 
41.6±1.7  
42.4±1.2    
MCV    
μm・E(3) 
53.8±0.3 
54.4±0.7 
54.7±0.8* 
54.4±0.6    
MCH    
μμg     
19.9±0.3 
20.1±0.7 
20.3±0.4* 
20.1±0.3    
MCHC   
g/dl    
36.9±0.7 
36.9±1.4 
37.1±0.5  
37.0±0.7    
PLT    
×10・E(3)
 654±63  
 646±34  
 684±57   
 689±113(7) 
WBC    
       
×10・E(3)
        
 3.4±0.2 
         
 3.6±0.8 
         
 3.8±0.9  
          
 3.7±0.9(7) 
            
Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0        
 0          
Eosino.
 %      
 1.8     
 1.4     
 1.9      
 1.8        
Band.  
 %      
 0.3     
 0.2     
 0.3      
 0.4        
Seg.   
 %      
33.6     
36.1     
30.0      
30.6        
Lympho.
 %      
63.3     
61.3     
66.6      
66.1        
Mono.  
 %      
 1.1     
 1.0     
 1.2      
 1.1        

*:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表9 血液形態学的検査(24カ月目、雄)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2       
   R−6
     動 物 数      
   14    
   14    
   21        
   16
RBC    
×10・E(6)
7.11±0.86
7.05±1.00
7.71±1.47    
7.52±0.83(13)
Hb     
g/dl    
13.4±1.5 
13.8±1.4 
15.1±2.1*    
14.2±1.6(13)
Ht     
 %      
37.2±4.3 
38.5±3.5 
40.0±9.5     
39.5±4.5(13)
MCV    
μm・E(3) 
52.3±1.0 
55.0±3.9 
52.1±12.7    
52.4±1.6(*)(13)
MCH    
μμg     
18.9±0.5 
19.7±1.3 
19.8±1.7*    
18.9±0.8(13)
MCHC   
g/dl    
36.0±0.6 
35.8±0.6 
36.4±1.0     
35.9±0.7(13)
PLT    
×10・E(3)
 840±134 
 834±189 
 742±382     
 773±151(13)
WBC    
       
×10・E(3)
        
 6.9±1.6 
         
 7.6±3.2 
         
 6.7±2.0(20) 
             
 6.3±1.9(13)

Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0(20)       
 0(15)
Eosino.
 %      
 1.3     
 1.5     
 1.3         
 1.4
Band.  
 %      
 0.6     
 0.5     
 0.6         
 0.4
Seg.   
 %      
49.8     
48.8     
44.6         
45.1
Lympho.
 %      
47.4     
48.1     
52.6         
52.0
Mono.  
 %      
 1.0     
 1.2     
 1.0         
 1.1

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表10 血液形態学的検査(24カ月目、雌)
       群        
   N−2   
   N−6   
   R−2       
   R−6       
     動 物 数      
   17    
   19    
   19        
   15        
RBC    
×10・E(6)
7.57±0.41
7.49±0.34
7.27±0.79    
7.13±0.76    
Hb     
g/dl    
15.1±0.8 
14.7±0.7 
14.8±0.9     
14.5±0.9     
Ht     
 %      
40.8±2.1 
40.3±1.9 
41.0±2.4     
39.3±2.9     
MCV    
μm・E(3) 
53.8±0.9 
53.8±0.8 
56.8±5.6*    
55.3±2.2(*)  
MCH    
μμg     
19.9±0.4 
19.6±0.3 
20.6±1.9     
20.4±1.1(**) 
MCHC   
g/dl    
37.0±0.6 
36.4±0.6 
36.2±0.5**   
36.8±0.9     
PLT    
×10・E(3)
 670±63  
 738±133 
 680±84      
 633±113(*)  
WBC    
       
×10・E(3)
        
 4.7±1.3 
         
 5.5±1.3 
         
 4.5±1.4(18) 
             
 3.9±1.0(**) 
             
Baso.  
 %      
 0       
 0       
 0(18)       
 0           
Eosino.
 %      
 2.0     
 1.8     
 1.6         
 1.2         
Band.  
 %      
 0.4     
 0.3     
 0.4         
 0.5         
Seg.   
 %      
45.6     
46.7     
46.8         
39.7         
Lympho.
 %      
50.9     
50.1     
50.2         
57.5         
Mono.  
 %      
 1.2     
 1.1     
 1.1         
 1.1         

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*) :p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。


(5) 血液生化学的検査

 6ヶ月目(表11、12)

 雄では、R−2群でPLおよびT−CHOがN−2群に比べ有意の増加を、Kが有意の減少を示す。また、R−6群でLAPがN−6群に比べ有意の増加を示す。雌では、R−2群でALBがN−2群に比べ有意の増加を、Piが有意の減少を示し、R−6群でGPTがN−6群に比べ有意の減少を示す。

 12ヶ月目(表13、14)

 雄では、R−2群でCRNがN−2群に比べ有意の増加を、R−6群でCHEがN−6群に比べ有意の増加を示す。雌では、R−2群でCRN、ClおよびMgがN−2群に比べいずれも有意の上昇を、Caが有意の低下を示し、R−6群でUAおよびKがN−6群に比べいずれも有意の低下を示す。

 18ヶ月目(表15、16)

 雄では、R−2群でGLUおよびPiがN−2群に比べいずれも有意の減少を示す。また、R−6群でGLUがN−6群に比べ減少傾向を示す。雌では、R−2群でT−PRO、BUN、CRN、LDH−P、Na、ClおよびMgがN−2群に比べいずれも有意の増加を、NEFAが有意の減少を示す。また、R−6群でGLUがN−6群に比べ有意の減少を示す。

 24ヶ月目(表17、18)

 雄では、R−2群でT−PROおよびGLUがN−2群に比べ有意の減少を、NEFA、NaおよびClが有意の増加を示す。また、R−6群でALPおよびLAPがN−6群に比べ有意の減少を、Na、KおよびClがいずれも有意の増加を示す。雌ではR−2群でLAPおよびClがN−2群に比べ有意の増を示し、R−6群でT−PRO、T−GLY、T−CHOおよびF−CHOがN群に比べいずれも有意の増加を、Na、KおよびClが有意の減少を示す。

 上述のように6、12、18および24ヶ月目の各時期で群間にいくつかの差が見られるが、同一添加量の非照射群および照射群の間で一定傾向の差は見られない。


表11 血液生化学的検査(6カ月、雄)
     群     
   N−2   
   N−6     
   N−2   
   N−6   
   動 物 数   
    8    
    8      
    8    
    8    
T−PRO
 g/dl
 7.1±0.3 
 7.1±0.3   
 7.1±0.2 
 7.2±0.3 
ALB  
 g/dl
 4.4±0.2 
 4.4±0.1   
 4.4±0.1 
 4.5±0.2 
BUN  
mg/dl
  21±2   
  21±2     
  22±1   
  21±2   
CRN  
mg/dl
0.72±0.07
0.70±0.09  
0.68±0.05
0.71±0.06
UA   
mg/dl
1.84±0.51
2.04±0.67  
1.76±0.65
2.33±0.96
GLU  
mg/dl
 144±17  
 142±32    
 136±12  
 142±17  
NEFA 
mEq/l
0.76±0.13
0.76±0.21  
0.71±0.14
0.82±0.21
PL   
mg/dl
 157±13  
 170±11    
 171±12* 
 173±13  
T−GLY
mg/dl
 122±36  
 123±27    
 118±26  
 120±20  
T−CHO
mg/dl
  65±6   
  76±8     
  73±8*  
  78±8   
F−CHO
mg/dl
  10±2   
  12±3     
  11±2   
  11±2   
ALP  
mU/ml
 190±22  
 182±8     
 190±18  
 189±16  
CHE  
mU/ml
 658±142 
 615±139   
 609±141 
 587±97  
CK   
mU/ml
 271±150 
 344±227   
 200±116 
 183±67  
GOT  
mU/ml
 113±20  
 119±45    
 112±14  
 112±35  
GPT  
mU/ml
  63±14  
  67±23    
  62±10  
  72±16  
HBDH 
mU/ml
 125±83  
 156±140   
 128±100 
 116±60  
LAP  
mU/ml
  47±2   
  47±2     
  47±2   
  50±2(*)
LDH−P
mU/ml
 587±428 
 520±406(7)
 613±535 
 512±280 
Ca   
mg/dl
10.8±0.7 
10.5±0.6   
10.4±0.5 
10.8±0.6 
Pi   
mg/dl
 5.0±0.1 
 5.0±0.8   
 4.7±0.5 
 5.0±1.0 
Na   
mEq/l
 141±6   
 140±2     
 140±2   
 141±2   
K    
mEq/l
 4.8±0.3 
 4.5±0.3   
 4.4±0.4*
 4.8±0.6 
Cl   
mEq/l
 106±5   
 104±2     
 105±2   
 106±3   
Mg   
mg/dl
 2.1±0.2 
 2.1±0.4   
 2.1±0.3 
 2.4±0.3 

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表12 血液生化学的検査(6カ月、雌)
     群     
   N−2   
   N−6   
   N−2   
   N−6      
   動 物 数   
    8    
    8    
    8    
    8       
T−PRO
 g/dl
 7.4±0.4 
 7.3±0.3 
 7.7±0.2 
 7.2±0.3(7) 
ALB  
 g/dl
 4.4±0.2 
 4.4±0.2 
 4.6±0.1*
 4.4±0.1(7) 
BUN  
mg/dl
  22±2   
  20±1   
  21±2   
  19±2(7)   
CRN  
mg/dl
0.73±0.09
0.68±0.03
0.73±0.07
0.67±0.06(7)
UA   
mg/dl
2.81±0.98
2.40±0.51
2.66±0.82
1.92±0.38(7)
GLU  
mg/dl
 129±18  
 130±14  
 123±14  
 142±29(7)  
NEFA 
mEq/l
1.01±0.28
0.80±0.11
0.87±0.11
0.88±0.06(7)
PL   
mg/dl
 197±22  
 195±18  
 206±13  
 202±15(7)  
T−GLY
mg/dl
  85±20  
  72±17  
  85±19  
  85±20(7)  
T−CHO
mg/dl
  90±16  
  91±14  
 102±8   
  95±13(7)  
F−CHO
mg/dl
  22±4   
  21±4   
  23±3   
  20±4(7)   
ALP  
mU/ml
 127±12  
 140±21  
 121±14  
 124±12(7)  
CHE  
mU/ml
2236±219 
2176±200 
2162±121 
2149±82(7)  
CK   
mU/ml
 398±289 
 174±109 
 348±169 
 309±298(7) 
GOT  
mU/ml
 116±34  
 131±35  
 145±39  
 119±24(7)  
GPT  
mU/ml
  57±23  
  67±14  
  70±15  
  54±6(*)(7)
HBDH 
mU/ml
 134±22  
 115±48  
 142±42  
 113±30(7)  
LAP  
mU/ml
  45±3   
  46±3   
  43±2   
  46±3(7)   
LDH−P
mU/ml
 551±90  
 475±235 
 603±214 
 488±125(7) 
Ca   
mg/dl
 9.9±0.4 
10.1±0.7 
 9.6±0.3 
 9.8±0.4(7) 
Pi   
mg/dl
 4.9±1.2 
 3.7±0.8 
 3.5±0.7*
 3.2±0.5(7) 
Na   
mEq/l
 144±1   
 144±1   
 145±2   
 145±1(7)   
K    
mEq/l
 5.0±0.6 
 4.4±0.5 
 4.8±0.4 
 4.3±0.4(7) 
Cl   
mEq/l
 108±2   
 107±2   
 109±2   
 107±1(7)   
Mg   
mg/dl
 2.5±0.4 
 2.4±0.2 
 2.1±0.2 
 2.3±0.3(7) 

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表13 血液生化学的検査(12カ月、雄)
     群     
   N−2      
   N−6   
   N−2     
   N−6     
   動 物 数   
    8       
    8    
    8      
    8      
T−PRO
 g/dl
 6.9±0.1    
 6.9±0.1 
 7.0±0.2   
 7.0±0.2   
ALB  
 g/dl
 4.0±0.1    
 4.1±0.1 
 4.1±0.1   
 4.1±0.1   
BUN  
mg/dl
  15±1      
  16±2   
  17±2     
  17±3     
CRN  
mg/dl
0.54±0.04(7)
0.61±0.07
0.64±0.06**
0.61±0.06  
UA   
mg/dl
1.52±0.26(7)
2.37±1.04
1.84±0.62  
1.63±0.91  
GLU  
mg/dl
 141±17     
 135±17  
 146±19    
 128±13    
NEFA 
mEq/l
0.69±0.06(7)
0.67±0.11
0.68±0.12  
0.70±0.12  
PL   
mg/dl
 173±14     
 178±11  
 183±11    
 187±16    
T−GLY
mg/dl
 105±21     
  99±14  
 105±20    
 115±27    
T−CHO
mg/dl
  88±13     
  94±10  
  91±10    
  93±14    
F−CHO
mg/dl
  19±4      
  19±3   
  19±3     
  20±5     
ALP  
mU/ml
 198±16     
 188±27  
 199±17    
 197±11    
CHE  
mU/ml
 535±142    
 512±100 
 571±116   
 676±180(*)
CK   
mU/ml
 253±129(7) 
 339±394 
 415±401   
 288±208   
GOT  
mU/ml
  93±29(7)  
 118±37  
 113±28    
 117±47    
GPT  
mU/ml
  55±11     
  66±24  
  63±15    
  65±14    
HBDH 
mU/ml
  98±44(7)  
 115±41  
 108±52    
 103±46    
LAP  
mU/ml
  46±2      
  46±3   
  45±3     
  46±1     
LDH−P
mU/ml
 466±240    
 489±156 
 470±236   
 462±204   
Ca   
mg/dl
 9.5±0.2    
 9.6±0.4 
 9.4±0.3   
 9.5±0.2   
Pi   
mg/dl
 4.6±0.6    
 4.7±0.7 
 4.5±0.9   
 4.4±0.9   
Na   
mEq/l
 145±3(7)   
 147±3   
 145±4     
 150±7     
K    
mEq/l
 4.6±0.2(7) 
 4.7±0.5 
 4.6±0.3   
 4.6±0.6   
Cl   
mEq/l
 104±2(7)   
 107±3   
 106±3     
 110±6     
Mg   
mg/dl
 2.1±0.2    
 2.2±0.2 
 2.1±0.2   
 2.3±0.2   

 **:p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表14 血液生化学的検査(12カ月、雌)
     群     
   N−2   
   N−6   
   N−2     
   N−6      
   動 物 数   
    8    
    8    
    8      
    8       
T−PRO
 g/dl
 7.3±0.2 
 7.5±0.4 
 7.4±0.5   
 7.4±0.3    
ALB  
 g/dl
 4.4±0.1 
 4.5±0.2 
 4.4±0.2   
 4.4±0.1    
BUN  
mg/dl
  18±4   
  17±4   
  15±1     
  16±2      
CRN  
mg/dl
0.52±0.03
0.56±0.05
0.63±0.07**
0.60±0.04   
UA   
mg/dl
1.55±0.29
1.61±0.16
1.59±0.38  
1.22±0.44(*)
GLU  
mg/dl
 112±15  
 108±13  
 114±13    
 106±11     
NEFA 
mEq/l
0.58±0.13
0.61±0.09
0.59±0.06  
0.59±0.11   
PL   
mg/dl
 231±16  
 229±17  
 224±15    
 227±10     
T−GLY
mg/dl
  73±23  
  61±12  
  63±12    
  59±10     
T−CHO
mg/dl
 127±12  
 132±14  
 127±14    
 124±13     
F−CHO
mg/dl
  35±4   
  34±4   
  32±3     
  33±4      
ALP  
mU/ml
 123±12  
 123±12  
 117±15    
 119±20     
CHE  
mU/ml
2244±253 
2278±107 
2035±257   
2239±124    
CK   
mU/ml
 123±40  
 188±49  
 384±636   
 272±209    
GOT  
mU/ml
 198±79  
 249±138 
 205±124   
 284±118    
GPT  
mU/ml
  95±27  
  97±44  
  83±32    
 107±46     
HBDH 
mU/ml
 101±25  
 146±40  
 144±90    
 138±41     
LAP  
mU/ml
  43±3   
  44±3   
  40±4     
  42±2      
LDH−P
mU/ml
 467±136 
 669±215 
 648±406   
 610±193    
Ca   
mg/dl
10.6±0.3 
10.4±0.4 
 9.9±0.3** 
10.2±0.3    
Pi   
mg/dl
 3.0±0.7 
 3.3±0.7 
 2.9±0.7   
 2.8±0.4    
Na   
mEq/l
 142±2   
 143±1   
 143±2     
 144±2      
K    
mEq/l
 4.0±0.2 
 4.2±0.2 
 4.0±0.3   
 3.9±0.2(**)
Cl   
mEq/l
 104±2   
 106±1   
 106±1**   
 107±3      
Mg   
mg/dl
 2.1±0.1 
 2.2±0.1 
 2.2±0.1*  
 2.2±0.2    

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*) :p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。



表15 血液生化学的検査(18カ月、雄)
     群     
   N−2   
   N−6   
   N−2   
   N−6   
   動 物 数   
    8    
    8    
    8    
    8    
T−PRO
 g/dl
 7.0±0.4 
 6.7±0.1 
 6.8±0.2 
 6.8±0.2 
ALB  
 g/dl
 3.8±0.2 
 3.9±0.1 
 3.9±0.1 
 3.9±0.1 
BUN  
mg/dl
  20±5   
  17±2   
  19±1   
  18±2   
CRN  
mg/dl
0.74±0.14
0.73±0.09
0.71±0.05
0.74±0.04
UA   
mg/dl
2.07±0.49
2.30±0.64
2.12±0.48
1.79±0.25
GLU  
mg/dl
 135±13  
 131±36  
 116±9** 
 109±20  
NEFA 
mEq/l
0.63±0.13
0.51±0.18
0.50±0.10
0.44±0.06
PL   
mg/dl
 247±89  
 213±25  
 213±22  
 216±24  
T−GLY
mg/dl
 259±108 
 232±93  
 222±65  
 193±41  
T−CHO
mg/dl
 123±30  
 114±13  
 106±25  
 123±23  
F−CHO
mg/dl
  51±44  
  36±8   
  31±10  
  35±9   
ALP  
mU/ml
 143±41  
 152±17  
 179±82  
 154±21  
CHE  
mU/ml
1058±539 
 986±220 
1060±177 
1003±258 
CK   
mU/ml
 308±253 
 463±457 
 445±413 
 238±61  
GOT  
mU/ml
  84±17  
  93±29  
 129±88  
  90±23  
GPT  
mU/ml
  45±7   
  48±10  
  57±35  
  48±15  
HBDH 
mU/ml
 110±43  
 140±65  
 191±100 
 161±62  
LAP  
mU/ml
  45±6   
  44±2   
  45±8   
  46±3   
LDH−P
mU/ml
 442±176 
 566±248 
 872±526 
 712±297 
Ca   
mg/dl
11.9±1.4 
11.1±0.8 
10.9±1.5 
10.9±0.6 
Pi   
mg/dl
 5.5±0.8 
 4.6±0.6 
 4.5±0.4*
 4.3±0.5 
Na   
mEq/l
 150±7   
 149±4   
 149±3   
 147±1   
K    
mEq/l
 5.5±0.9 
 5.1±0.5 
 5.1±0.3 
 5.1±0.2 
Cl   
mEq/l
 105±7   
 105±4   
 106±3   
 104±1   
Mg   
mg/dl
 2.0±0.2 
 2.0±0.2 
 2.1±0.1 
 2.1±0.2 

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。



表16 血液生化学的検査(18カ月、雌)
     群     
   N−2   
   N−6   
   N−2    
   N−6    
   動 物 数   
    8    
    8    
    8     
    8     
T−PRO
 g/dl
 6.5±0.3 
 6.7±0.2 
 6.8±0.2* 
 6.7±0.2  
ALB  
 g/dl
 3.9±0.2 
 4.0±0.1 
 4.1±0.1  
 4.0±0.2  
BUN  
mg/dl
  16±1   
  16±3   
  18±3*   
  19±1    
CRN  
mg/dl
0.60±0.02
0.63±0.07
0.70±0.10*
0.62±0.03 
UA   
mg/dl
1.81±0.45
1.83±0.20
2.12±1.07 
1.75±0.27 
GLU  
mg/dl
 133±9   
 123±8   
 124±20   
 102±9(**)
NEFA 
mEq/l
0.81±0.22
0.71±0.15
0.53±0.17*
0.69±0.11 
PL   
mg/dl
 223±18  
 232±18  
 227±20   
 227±14   
T−GLY
mg/dl
 113±29  
 112±42  
 100±41   
 109±34   
T−CHO
mg/dl
  95±11  
 108±16  
 107±16   
 106±8    
F−CHO
mg/dl
  25±4   
  29±5   
  26±5    
  25±3    
ALP  
mU/ml
 110±12  
 117±29  
 111±16   
 110±8    
CHE  
mU/ml
1894±236 
1948±185 
1940±108  
2030±190  
CK   
mU/ml
 163±131 
 188±86  
 248±169  
 195±78   
GOT  
mU/ml
 112±42  
  87±16  
 102±31   
  87±19   
GPT  
mU/ml
  56±19  
  43±5   
  52±10   
  42±8    
HBDH 
mU/ml
  93±49  
 129±74  
 145±50   
 145±39   
LAP  
mU/ml
  41±2   
  40±2   
  40±3    
  41±2    
LDH−P
mU/ml
 406±232 
 612±396 
 768±266* 
 662±237  
Ca   
mg/dl
 9.3±0.4 
 9.4±0.7 
 9.7±0.6  
 9.9±0.3  
Pi   
mg/dl
 3.4±0.7 
 3.5±0.5 
 3.8±1.2  
 3.3±0.8  
Na   
mEq/l
 143±1   
 144±1   
 145±1**  
 145±1    
K    
mEq/l
 5.0±0.3 
 4.9±0.2 
 5.2±0.4  
 4.9±0.4  
Cl   
mEq/l
 101±1   
 102±2   
 102±1*   
 103±1    
Mg   
mg/dl
 1.8±0.1 
 2.0±0.0 
 2.2±0.3* 
 2.0±0.1  

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。



表17 血液生化学的検査(24カ月、雄)
     群     
   N−2     
   N−6      
   N−2     
   N−6          
   動 物 数   
   14      
   14       
   21      
   16           
T−PRO
 g/dl
 7.7±1.0   
 7.1±0.8    
 6.9±0.6** 
 6.7±0.4(15)    
ALB  
 g/dl
 3.6±0.3   
 3.6±0.4    
 3.7±0.3   
 3.8±0.4(15)    
BUN  
mg/dl
  29±13    
  29±15     
  24±8     
  27±15(15)     
CRN  
mg/dl
1.08±0.49  
0.90±0.40   
0.86±0.24  
1.07±0.72(15)   
UA   
mg/dl
2.11±0.53  
1.62±0.50   
1.81±0.28  
1.72±0.30(15)   
GLU  
mg/dl
 136±33    
 111±14     
 109±14*   
 113±13(15)     
NEFA 
mEq/l
0.61±0.14  
0.64±0.19   
0.76±0.18**
0.66±0.18(15)   
PL   
mg/dl
 338±109   
 299±107    
 313±79    
 271±44(15)     
T−GLY
mg/dl
 319±112   
 285±129    
 289±95    
 251±79(15)     
T−CHO
mg/dl
 208±67    
 188±123    
 162±80    
 141±67(15)     
F−CHO
mg/dl
  61±28(13)
  56±48     
  56±33    
  45±23(15)     
ALP  
mU/ml
 128±84    
 168±84     
 128±69    
 119±22(*)(15)  
CHE  
mU/ml
1823±585   
1503±516    
1664±587   
1481±411(15)    
CK   
mU/ml
 134±86    
 192±168    
 205±171   
 239±194(15)    
GOT  
mU/ml
  90±79    
 103±57     
  74±50    
 100±120(15)    
GPT  
mU/ml
  39±18    
  63±53     
  38±14    
  44±38(15)     
HBDH 
mU/ml
  90±98    
  81±46     
  84±48    
 115±94(15)     
LAP  
mU/ml
  39±8     
  44±6      
  38±6     
  39±5(*)(15)   
LDH−P
mU/ml
 369±476   
 298±188    
 330±188   
 480±456(15)    
Ca   
mg/dl
12.2±2.1   
12.1±1.5    
11.3±1.4   
11.2±1.2(15)    
Pi   
mg/dl
 6.2±1.7   
 5.1±0.8(13)
 5.6±1.3   
 5.3±1.4(14)    
Na   
mEq/l
 140±2     
 142±1      
 152±2**   
 157±5(**)(15)  
K    
mEq/l
 5.9±0.9   
 5.4±0.5    
 6.3±0.6   
 6.1±0.5(**)(15)
Cl   
mEq/l
 103±3     
 104±3      
 113±3**   
 118±5(**)(15)  
Mg   
mg/dl
 2.4±0.4   
 2.3±0.3    
 2.6±0.5   
 2.3±0.3(15)    

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*) :p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表18 血液生化学的検査(24カ月、雌)
     群     
   N−2     
   N−6   
   N−2   
   N−6          
   動 物 数   
   17      
   19    
   19    
   15           
T−PRO
 g/dl
 7.4±0.6   
 7.0±0.8 
 7.6±0.6 
 7.5±0.5(*)     
ALB  
 g/dl
 4.1±0.3   
 4.2±0.4 
 4.2±0.3 
 4.1±0.4        
BUN  
mg/dl
  16±2     
  15±2   
  17±3   
  16±3          
CRN  
mg/dl
0.65±0.09  
0.64±0.05
0.69±0.05
0.61±0.08       
UA   
mg/dl
2.07±0.53  
1.69±0.38
1.78±0.33
1.64±0.61       
GLU  
mg/dl
 126±18    
 119±14  
 121±18  
 109±18         
NEFA 
mEq/l
0.89±0.16  
0.69±0.23
0.79±0.19
0.71±0.10       
PL   
mg/dl
 301±87    
 253±40  
 299±73  
 270±82         
T−GLY
mg/dl
 264±124   
 171±67  
 307±144 
 287±149(**)    
T−CHO
mg/dl
 157±49    
 128±31  
 185±63  
 172±77(*)      
F−CHO
mg/dl
  57±28(16)
  38±12  
  68±27  
  56±30(*)      
ALP  
mU/ml
  97±26    
 109±40  
 104±44  
 104±42         
CHE  
mU/ml
2130±355   
2066±372 
2146±275 
2035±271        
CK   
mU/ml
 169±129   
 169±126 
 101±50  
 151±135        
GOT  
mU/ml
  83±35    
 103±64  
  92±69  
 103±70         
GPT  
mU/ml
  43±13    
  51±19  
  51±20  
  44±24         
HBDH 
mU/ml
 103±40    
 118±62  
  88±59  
  84±52         
LAP  
mU/ml
  37±5     
  40±5   
  42±5** 
  37±6          
LDH−P
mU/ml
 522±389   
 421±266 
 312±219 
 283±161        
Ca   
mg/dl
11.0±0.9   
10.2±1.1 
10.7±0.6 
 9.8±1.0        
Pi   
mg/dl
 3.9±0.7   
 3.6±0.7 
 4.0±0.7 
 3.8±1.4        
Na   
mEq/l
 156±4     
 157±2   
 156±2   
 145±12(**)(14) 
K    
mEq/l
 5.9±0.7   
 5.9±0.5 
 6.1±0.8 
 5.2±0.6(**)(14)
Cl   
mEq/l
 115±4     
 115±2   
 118±2** 
 107±11(**)     
Mg   
mg/dl
 2.4±0.3   
 2.1±0.2 
 2.3±0.2 
 2.2±0.2        

 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*) :p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。


(6) 臓器重量

 6、12、18および24ヶ月目の各時期に解剖した動物の臓器実測値および体重比がともに同一方向に差を示すものについて述べる。

 6ヶ月目(表19、20)

 雄では、R−6群で精巣がN−6群に比べ増加傾向を示す。雌では、R−2群で卵巣および脳下垂体がN−2群に比べ有意の減少ないしその傾向を示す。

 12ヶ月目(表21、22)

 雄では、R−2群で脾臓がN−2群に比べ増加傾向を、R−6群で肝臓がN−6群に比べ減少傾向を示す。雌では、R−2群で卵巣がN−2群に比べ有意の増加を、脾臓および副腎に増加の傾向を示す。また、R−6群甲状腺および副腎がN−6群に比べ増加傾向を示す。

 18ヶ月目(表23、24)

 雄では、R−2群で副腎がN−2群に比べ有意の減少を示す。雌では、R−2群およびR−6群の副腎がそれぞれN−2群およびN−6群に比べ有意の減少を示す。

 24ヶ月目(表25、26)

 雄雌ともに同一方向に差を示す臓器は見られない。

 上述のように6、12、18および24ヶ月目の各時期でいくつかの差を示す臓器を見るが、同一添加量の非照射群および照射群の間で一定傾向の差は見られない。


表19 臓器重量(6カ月目、雄)
     群  
    N−2   
    N−6      
    R−2      
    R−6      
    動物数 
     8    
     8       
     8       
     8       
 体 重  g 
367.3±24.5
365.0±18.5   
359.7±36.4   
353.7±27.7   
実測値     
          
             
             
             
 脳    g 
 1.90±0.03
 1.92±0.05   
 1.91±0.04   
 1.93±0.07   
 心 臓  g 
 0.95±0.07
 0.94±0.04   
 0.94±0.08   
 0.95±0.07   
 肺    g 
 1.01±0.10
 1.04±0.04   
 1.09±0.13   
 1.02±0.09   
 肝 臓  g 
 8.85±0.82
 8.98±0.60   
 8.74±1.16   
 8.50±0.63   
 腎 臓  g 
 2.03±0.20
 2.04±0.10   
 2.07±0.18   
 2.04±0.10   
 脾 臓  g 
 0.61±0.04
 0.62±0.06   
 0.60±0.04   
 0.60±0.06   
 精 巣  g 
 2.91±0.12
 2.87±0.16   
 2.89±0.15(6)
 2.93±0.16   
 下垂体 mg 
    8±2   
    8±1(7)   
    9±2      
    8±2      
 甲状腺 mg 
   15±5   
   17±2      
   16±2      
   19±4      
 副 腎 mg 
   42±4   
   41±4      
   42±2      
   43±5      
体重比     
          
             
             
             
 脳    g%
 0.52±0.03
 0.53±0.03   
 0.54±0.05   
 0.55±0.04   
 心 臓  g%
 0.26±0.01
 0.26±0.01   
 0.26±0.02   
 0.27±0.03   
 肺    g%
 0.28±0.02
 0.29±0.01   
 0.30±0.04   
 0.29±0.03   
 肝 臓  g%
 2.41±0.13
 2.46±0.09   
 2.42±0.13   
 2.40±0.10   
 腎 臓  g%
 0.55±0.03
 0.56±0.03   
 0.58±0.03   
 0.58±0.06   
 脾 臓  g%
 0.17±0.01
 0.17±0.01   
 0.17±0.01   
 0.17±0.02   
 精 巣  g%
 0.79±0.03
 0.79±0.04   
 0.82±0.03(6)
 0.83±0.05(*)
 下垂体 mg%
  2.1±0.5 
  2.3±0.2(7) 
  2.6±0.7    
  2.4±0.7    
 甲状腺 mg%
  4.2±1.1 
  4.6±0.6    
  4.4±0.6    
  5.4±1.2    
 副 腎 mg%
 11.4±0.8 
 11.3±1.0    
 11.7±1.3    
 12.4±2.0    

(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表20 臓器重量(6カ月目、雌)
     群  
    N−2     
    N−6   
    R−2     
    R−6   
    動物数 
     8      
     8    
     8      
     8    
 体 重  g 
189.6±27.3  
182.8±16.7
200.4±8.7   
191.0±14.4
実測値     
            
          
            
          
 脳    g 
 1.71±0.04  
 1.72±0.09
 1.76±0.06  
 1.75±0.02
 心 臓  g 
 0.60±0.06  
 0.59±0.03
 0.60±0.04  
 0.62±0.03
 肺    g 
 0.82±0.22  
 0.76±0.08
 0.74±0.05  
 0.76±0.06
 肝 臓  g 
 4.79±0.69  
 4.78±0.69
 4.75±0.43  
 4.87±0.29
 腎 臓  g 
 1.24±0.12  
 1.27±0.16
 1.30±0.10  
 1.27±0.09
 脾 臓  g 
 0.36±0.05  
 0.35±0.03
 0.37±0.04  
 0.37±0.04
 卵 巣 mg 
   61±8     
   59±10  
   55±7     
   62±8   
 下垂体 mg 
   15±2(6)  
   13±2   
   13±3     
   13±2   
 甲状腺 mg 
   13±2     
   14±3   
   12±2     
   14±3   
 副 腎 mg 
   50±8     
   50±5   
   52±5(7)  
   54±3   
体重比     
            
          
            
          
 脳    g%
 0.92±0.16  
 0.94±0.09
 0.88±0.04  
 0.92±0.07
 心 臓  g%
 0.32±0.02  
 0.32±0.02
 0.30±0.02  
 0.32±0.03
 肺    g%
 0.43±0.08  
 0.41±0.02
 0.37±0.02  
 0.40±0.05
 肝 臓  g%
 2.54±0.30  
 2.61±0.22
 2.37±0.14  
 2.56±0.21
 腎 臓  g%
 0.66±0.06  
 0.69±0.06
 0.65±0.05  
 0.67±0.07
 脾 臓  g%
 0.19±0.01  
 0.19±0.01
 0.18±0.01  
 0.20±0.04
 卵 巣 mg%
 32.2±4.2   
 32.2±5.2 
 27.5±2.8*  
 32.2±3.8 
 下垂体 mg%
  8.0±1.3(6)
  7.1±1.3 
  6.5±1.2*  
  6.9±0.8 
 甲状腺 mg%
  7.1±1.7   
  7.5±1.8 
  6.2±1.2   
  7.3±1.2 
 副 腎 mg%
 26.6±4.4   
 27.5±2.1 
 25.6±2.1(7)
 28.2±2.7 

 *:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表21 臓器重量(12カ月目、雄)
     群  
    N−2   
    N−6   
    R−2     
    R−6      
    動物数 
     8    
     8    
     8      
     8       
 体 重  g 
419.5±32.7
402.2±19.4
404.3±33.8  
425.1±25.6   
実測値     
          
          
            
             
 脳    g 
 1.92±0.04
 1.94±0.04
 1.94±0.05  
 1.95±0.06   
 心 臓  g 
 1.07±0.10
 1.05±0.08
 1.06±0.09  
 1.08±0.06   
 肺    g 
 1.10±0.15
 1.05±0.07
 1.11±0.07  
 1.31±0.45   
 肝 臓  g 
10.60±1.43
 9.35±0.39
 9.73±1.03  
10.08±0.80(*)
 腎 臓  g 
 2.34±0.24
 2.20±0.18
 2.25±0.16  
 2.26±0.10   
 脾 臓  g 
 0.63±0.09
 0.64±0.05
 0.68±0.08  
 0.69±0.06   
 精 巣  g 
 2.91±0.11
 3.07±0.39
 2.69±0.65  
 3.08±0.08   
 下垂体 mg 
   10±3   
    8±2   
    8±2(6)  
    9±3(6)   
 甲状腺 mg 
   20±5   
   19±6   
   17±3     
   17±5      
 副 腎 mg 
   37±9   
   41±4   
   41±7(7)  
   40±5      
体重比     
          
          
            
             
 脳    g%
 0.46±0.03
 0.48±0.02
 0.48±0.03  
 0.46±0.04   
 心 臓  g%
 0.26±0.02
 0.26±0.02
 0.26±0.01  
 0.26±0.01   
 肺    g%
 0.26±0.04
 0.26±0.02
 0.28±0.03  
 0.31±0.11   
 肝 臓  g%
 2.54±0.36
 2.33±0.05
 2.41±0.13  
 2.37±0.06   
 腎 臓  g%
 0.56±0.05
 0.55±0.02
 0.56±0.03  
 0.53±0.02   
 脾 臓  g%
 0.15±0.01
 0.16±0.01
 0.17±0.02* 
 0.16±0.01   
 精 巣  g%
 0.70±0.06
 0.76±0.07
 0.67±0.16  
 0.73±0.04   
 下垂体 mg%
  2.3±0.7 
  2.0±0.5 
  2.0±0.7(6)
  2.2±0.8(6) 
 甲状腺 mg%
  4.8±1.2 
  4.8±1.5 
  4.3±0.8   
  3.9±1.1    
 副 腎 mg%
  8.9±2.2 
 10.3±1.1 
 10.1±1.8(7)
  9.4±1.1    

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表22 臓器重量(12カ月目、雌)
     群  
    N−2     
    N−6   
    R−2    
    R−6      
    動物数 
     8      
     8    
     8     
     8       
 体 重  g 
230.1±17.9  
233.0±29.5
232.2±17.1 
210.9±12.5   
実測値     
            
          
           
             
 脳    g 
 1.78±0.05  
 1.78±0.06
 1.82±0.02 
 1.78±0.04   
 心 臓  g 
 0.66±0.05  
 0.66±0.06
 0.68±0.04 
 0.65±0.07   
 肺    g 
 0.78±0.04  
 0.76±0.06
 0.78±0.02 
 0.75±0.07   
 肝 臓  g 
 5.44±0.34  
 5.41±0.45
 5.71±0.56 
 5.07±0.56   
 腎 臓  g 
 1.50±0.09  
 1.40±0.11
 1.51±0.10 
 1.36±0.13   
 脾 臓  g 
 0.39±0.03  
 0.40±0.06
 0.45±0.05*
 0.38±0.04   
 卵 巣 mg 
   54±10(7) 
   61±17  
   68±13*  
   54±13     
 下垂体 mg 
   11±2(7)  
   12±4   
   12±4    
   12±3      
 甲状腺 mg 
   12±3     
   11±3   
   13±4    
   15±5      
 副 腎 mg 
   50±4     
   50±7   
   56±6*   
   55±5      
体重比     
            
          
           
             
 脳    g%
 0.78±0.05  
 0.77±0.08
 0.79±0.06 
 0.84±0.04(*)
 心 臓  g%
 0.29±0.02  
 0.29±0.02
 0.30±0.02 
 0.31±0.04   
 肺    g%
 0.34±0.02  
 0.33±0.03
 0.34±0.02 
 0.35±0.02   
 肝 臓  g%
 2.37±0.13  
 2.34±0.14
 2.47±0.27 
 2.40±0.19   
 腎 臓  g%
 0.65±0.03  
 0.60±0.04
 0.65±0.07 
 0.64±0.04   
 脾 臓  g%
 0.17±0.02  
 0.17±0.02
 0.19±0.02 
 0.18±0.02   
 卵 巣 mg%
 23.3±4.8(7)
 26.1±6.8 
 29.1±5.4* 
 25.5±6.0    
 下垂体 mg%
  4.6±0.9(7)
  5.1±1.5 
  5.5±1.8  
  5.6±1.5    
 甲状腺 mg%
  5.4±1.2   
  4.9±1.0 
  5.5±2.0  
  7.1±2.2(*) 
 副 腎 mg%
 21.9±2.5   
 21.9±3.6 
 24.2±2.6  
 26.0±2.4(*) 

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
(*):p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表23 臓器重量(18カ月目、雄)
     群  
    N−2      
    N−6     
    R−2      
    R−6     
    動物数 
     8       
     8      
     8       
     8      
 体 重  g 
437.3±32.8   
451.6±31.4  
436.0±21.0   
438.1±18.7  
実測値     
             
            
             
            
 脳    g 
 2.01±0.08   
 1.97±0.08  
 1.96±0.04   
 1.96±0.05  
 心 臓  g 
 1.08±0.03   
 1.11±0.12  
 1.09±0.06   
 1.08±0.08  
 肺    g 
 1.32±0.29   
 1.22±0.20  
 1.32±0.14   
 1.22±0.09  
 肝 臓  g 
11.69±1.33   
10.54±1.05  
10.55±0.86   
 9.87±0.79  
 腎 臓  g 
 2.82±0.38   
 2.53±0.19  
 2.56±0.27   
 2.44±0.18  
 脾 臓  g 
 0.90±0.25   
 0.80±0.10  
 0.80±0.10(6)
 0.83±0.08  
 精 巣  g 
 2.94±0.41(6)
 2.67±0.33  
 3.49±0.70   
 2.86±0.19  
 下垂体 mg 
    8±3(7)   
    9±2(6)  
   10±2(7)   
   10±1(6)  
 甲状腺 mg 
   16±3(7)   
   19±3(7)  
   18±3(7)   
   20±3(7)  
 副 腎 mg 
   43±11(7)  
   39±11    
   30±5*     
   36±8(7)  
体重比     
             
            
             
            
 脳    g%
 0.46±0.03   
 0.44±0.03  
 0.45±0.02   
 0.45±0.03  
 心 臓  g%
 0.25±0.02   
 0.25±0.01  
 0.25±0.01   
 0.25±0.02  
 肺    g%
 0.30±0.06   
 0.27±0.04  
 0.30±0.04   
 0.28±0.02  
 肝 臓  g%
 2.69±0.44   
 2.34±0.21  
 2.42±0.13   
 2.26±0.18  
 腎 臓  g%
 0.65±0.12   
 0.56±0.05  
 0.59±0.04   
 0.56±0.04  
 脾 臓  g%
 0.21±0.06   
 0.18±0.02  
 0.18±0.02(6)
 0.19±0.02  
 精 巣  g%
 0.68±0.09(6)
 0.59±0.08  
 0.81±0.19   
 0.65±0.06  
 下垂体 mg%
  2.0±0.8(7) 
  2.0±0.5(6)
  2.4±0.5(7) 
  2.2±0.3(6)
 甲状腺 mg%
  3.6±0.7(7) 
  4.3±0.6(7)
  4.3±0.8(7) 
  4.5±0.7(7)
 副 腎 mg%
 10.0±3.2(7) 
  8.7±2.4   
  6.9±1.1*   
  8.2±1.5(7)

*:p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表24 臓器重量(18カ月目、雌)
     群  
    N−2     
    N−6     
    R−2      
    R−6      
    動物数 
     8      
     8      
     8       
     8       
 体 重  g 
292.5±26.3  
290.1±29.7  
290.6±39.9   
283.5±33.4   
実測値     
            
            
             
             
 脳    g 
 1.83±0.06  
 1.74±0.07  
 1.80±0.06   
 1.81±0.05(*)
 心 臓  g 
 0.75±0.05  
 0.69±0.04  
 0.70±0.05   
 0.74±0.07   
 肺    g 
 0.93±0.13  
 0.83±0.07  
 0.84±0.08   
 0.80±0.07(7)
 肝 臓  g 
 6.37±0.39  
 6.44±0.50  
 6.42±1.02(7)
 6.18±0.74   
 腎 臓  g 
 1.73±0.14  
 1.72±0.17  
 1.69±0.15   
 1.73±0.23   
 脾 臓  g 
 0.47±0.07  
 0.47±0.07  
 0.46±0.05   
 0.45±0.08   
 卵 巣 mg 
   78±10    
   74±19    
   69±17     
   67±9(7)   
 下垂体 mg 
   10±3     
   10±5(5)  
   10±2(6)   
   10±3      
 甲状腺 mg 
   14±2     
   13±4(7)  
   13±3(6)   
   13±4      
 副 腎 mg 
   53±3(7)  
   51±6     
   44±5**    
   42±8(*)   
体重比     
            
            
             
             
 脳    g%
 0.63±0.05  
 0.60±0.06  
 0.63±0.09   
 0.65±0.06   
 心 臓  g%
 0.26±0.03  
 0.24±0.02  
 0.24±0.03   
 0.26±0.02(*)
 肺    g%
 0.32±0.05  
 0.29±0.03  
 0.29±0.03   
 0.28±0.02(7)
 肝 臓  g%
 2.18±0.11  
 2.23±0.13  
 2.18±0.08(7)
 2.18±0.10   
 腎 臓  g%
 0.59±0.05  
 0.59±0.04  
 0.59±0.04   
 0.61±0.03   
 脾 臓  g%
 0.16±0.02  
 0.16±0.03  
 0.16±0.03   
 0.16±0.03   
 卵 巣 mg%
 26.6±3.1   
 25.7±6.8   
 23.5±4.0    
 23.4±2.4(7) 
 下垂体 mg%
  3.4±1.0   
  3.3±1.8(5)
  3.5±0.9(6) 
  3.6±0.8    
 甲状腺 mg%
  4.7±0.5   
  4.3±1.4(7)
  4.6±1.3(6) 
  4.8±1.4    
 副 腎 mg%
 18.4±1.5(7)
 17.6±1.6   
 15.5±3.0*   
 14.9±2.0(**)

 *  :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
 ** :p<0.01でN−2群に対して有意差あり。
(*) :p<0.05でN−6群に対して有意差あり。
(**):p<0.01でN−6群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表25 臓器重量(24カ月目、雄)
     群  
    N−2      
    N−6       
    R−2       
    R−6  
    動物数 
    14       
    14        
    21        
    16  
 体 重  g 
412.7±29.3   
403.6±37.6    
403.0±24.6    
402.1±43.1  
実測値     
             
              
              
 
 脳    g 
 2.07±0.07   
 2.03±0.06    
 2.02±0.05*   
 2.00±0.09  
 心 臓  g 
 1.17±0.11   
 1.22±0.15    
 1.16±0.09    
 1.26±0.12  
 肺    g 
 1.56±0.26   
 1.50±0.41    
 1.48±0.31    
 1.48±0.32  
 肝 臓  g 
12.89±1.86   
12.59±3.20    
12.53±1.98    
11.14±1.38  
 腎 臓  g 
 3.29±0.55   
 3.19±0.79    
 3.07±0.38    
 3.03±0.60(15)
 脾 臓  g 
 1.61±0.72   
 1.76±1.58(13)
 1.67±1.29(20)
 1.27±0.73(15)
 精 巣  g 
 3.88±1.88   
 3.42±1.62(13)
 4.09±1.57    
 3.65±1.31(15)
 下垂体 mg 
   20±9(13)  
   17±10      
   24±16(20)  
   20±8  
 甲状腺 mg 
   21±4      
   21±4       
   24±13      
   2512(15)  
 副 腎 mg 
   62±14     
   61±9(13)   
   60±5       
   62±9(15)  
体重比     
             
              
              
 
 脳    g%
 0.50±0.04   
 0.51±0.05    
 0.50±0.03    
 0.50±0.07  
 心 臓  g%
 0.28±0.03   
 0.31±0.06    
 0.29±0.03    
 0.32±0.06  
 肺    g%
 0.38±0.07   
 0.38±0.11    
 0.37±0.09    
 0.38±0.13  
 肝 臓  g%
 3.14±0.53   
 3.20±1.14    
 3.12±0.52    
 2.82±0.64  
 腎 臓  g%
 0.80±0.15   
 0.81±0.31    
 0.76±0.09    
 0.77±0.21(15)
 脾 臓  g%
 0.39±0.18   
 0.43±0.39(13)
 0.47±0.32(20)
 0.31±0.16(15)
 精 巣  g%
 0.95±0.47   
 0.83±0.39(13)
 1.01±0.36    
 0.89±0.32(15)
 下垂体 mg%
  4.7±2.0(13)
  4.2±2.8     
  6.1±4.0(20) 
  5.2±2.2  
 甲状腺 mg%
  5.2±1.3    
  5.2±1.1     
  5.9±3.0     
  6.3±3.1(15) 
 副 腎 mg%
 15.2±3.9    
 14.9±2.7(13) 
 14.9±1.7     
 15.6±3.8(15) 

 * :p<0.05でN−2群に対して有意差あり。
( )内は検査動物数。



表26 臓器重量(24カ月目、雌)
     群  
    N−2   
    N−6      
    R−2      
    R−6      
    動物数 
     8    
     8       
     8       
     8       
 体 重  g 
324.5±25.5
303.0±22.3   
318.4±23.7   
312.5±32.6   
実測値     
          
             
             
             
 脳    g 
 1.83±0.08
 1.82±0.05   
 1.81±0.08   
 1.83±0.08   
 心 臓  g 
 0.85±0.08
 0.85±0.07   
 0.87±0.13   
 0.86±0.09   
 肺    g 
 0.95±0.11
 0.98±0.26   
 1.06±0.44   
 1.01±0.22   
 肝 臓  g 
 8.20±1.31
 7.36±0.86   
 8.67±1.84   
 7.94±1.52   
 腎 臓  g 
 2.07±0.24
 1.90±0.16   
 2.10±0.22   
 1.97±0.25   
 脾 臓  g 
 0.63±0.36
 0.60±0.22   
 1.02±1.23   
 0.95±1.13   
 卵 巣 mg 
   66±12  
   60±10(17) 
   66±9(17)  
   62±15(14) 
 下垂体 mg 
   19±10  
   17±15(17) 
   14±4(18)  
   15±5      
 甲状腺 mg 
   15±3   
   15±3      
   16±3      
   15±2(14)  
 副 腎 mg 
   52±5   
   53±9      
   54±9      
   51±6      
体重比     
          
             
             
             
 脳    g%
 0.57±0.04
 0.60±0.04   
 0.57±0.05   
 0.59±0.06   
 心 臓  g%
 0.26±0.03
 0.28±0.03   
 0.27±0.04   
 0.28±0.03   
 肺    g%
 0.29±0.04
 0.32±0.08   
 0.34±0.14   
 0.32±0.07   
 肝 臓  g%
 2.53±0.35
 2.44±0.28   
 2.73±0.59   
 2.55±0.49   
 腎 臓  g%
 0.64±0.07
 0.63±0.08   
 0.66±0.09   
 0.64±0.10   
 脾 臓  g%
 0.20±0.12
 0.20±0.07   
 0.32±0.40   
 0.29±0.31   
 卵 巣 mg%
 20.3±3.8 
 19.7±3.1(17)
 20.8±3.2(17)
 19.8±5.6(14)
 下垂体 mg%
  6.0±3.2 
  5.9±5.2(17)
  4.5±1.4(18)
  4.7±1.5    
 甲状腺 mg%
  4.8±0.8 
  4.9±1.0    
  5.1±1.0    
  4.9±1.1(14)
 副 腎 mg%
 16.1±1.9 
 17.6±2.8    
 17.0±3.4    
 16.5±2.7    

( )内は検査動物数。


(7) 病理学的検査

 肉眼的検査

 6ヶ月目では、雄のR−6群で肝横隔膜ヘルニアが3例、雌のN−6群で卵巣の嚢腫形成が1例、R−2群で肝の腫瘍が1例、それぞれ認められた。12および18ヶ月目では、雄雌ともに各臓器で特記すべき変化は見られない。

 24ヶ月目では、雄のN−2、N−6、R−2およびR−6の各群で下垂体の血腫が、それぞれ4、1、6および5例、精巣の間質明瞭化が、11、7、16および9例、精巣の縮小が、4、5、2および1例、水腫が、8、1、4および1例認められる。腫瘤は、R−6群で腎臓および膀胱に各1例認められるほか、全ての群で皮下に2〜4例を認められる。雌では、N−2、N−6、R−2およびR−6群で下垂体の血腫がそれぞれ5、2、2および4例認められる。腫瘤は、N−2群で脾臓および胃に各1例、N−6群で空腸に1例、R−2群で肝臓に1例、子宮に3例、R−6群で腎臓に1例、子宮に3例認められるほか、N−6群を除く他の3群で皮下に1〜4例認められる。

 途中死亡動物の雄では、下垂体の血腫がN−2、N−6、R−2およびR−6群でそれぞれ5、1、1および4例、精巣の縮小がN−6、R−2およびR−6群でそれぞれ5、3および3例認められる。腫瘤は、N−2群の甲状腺で1例、N−6群の腎臓に1例認められるほか、皮下にN−2およびN−6群で2〜3例認められる。雌では、下垂体の血腫がN−2、N−6、R−2およびR−6群でそれぞれ3、5、2および5例、肝臓の表面粗造化が3、1、1および3例、脾臓の肥大が2、1、1および1例認められる。腫瘤は、N−6群を除く3群で皮下に1〜4例認められる。

 組織学的検査

 6ヶ月目(表27)

 雄では、腎尿細管上皮の硝子滴変性がN−2およびN−6群で各8例、R−2およびR−6群で、それぞれ0および4例認められ、非照射群に変化が多く見られる。また、腎尿細管の拡張がN−2およびN−6群で各1例認められるのに反し、R−2およびR−6群では各8例と照射群に多く、非照射および照射群間に差を認める。雌では、腎臓の上皮性円柱がN−2およびN−6群でそれぞれ4および6例、R−2およびR−6群で各8例認められ、照射群にやや多い傾向が見られる。

 12ヶ月目(表28)

 雄では、腎尿細管の拡張がN−2およびN−6群で各2例認められるのに反し、R−2およびR−6群では、いずれも認められず、非照射群にやや多い傾向が認められる。また、腎尿細管上皮の硝子滴変性はN−2、N−6、R−2およびR−6の各群でそれぞれ0、1、3および2例認められ、照射群でやや多い傾向にある。雌では、いずれの変化も散発的であり、群間に差は認められない。

 18ヶ月目(表29)

 雄では、腎尿細管の拡張がN−2およびN−6群でそれぞれ5および7例、R−2およびR−6ではそれぞれ2および0例認められ、非照射群に多い。雌では、いずれの変化も群間に差は認められない。

 24ヶ月目(表30−1、2、3)

 雄では、下垂体の充血がN−2、N−6、R−2およびR−6の各群でそれぞれ2、0、3および5例が認められ、照射群に変化が多く見られる。腎尿細管上皮の再生は、各群それぞれ順に0、10、17、および10例認められ、N−2群を除く他の3群では差が認められない。すい臓ではR−2およびR−6群で島細胞腫がそれぞれ3および1例認められる。雌では、肝臓の細胞浸潤がN−2、N−6、R−2およびR−6の各群でそれぞれ7、4、3および1例に認められ、非照射群に多い傾向が見られる。また、子宮内膜肉腫はR−2およびR−6群にそれぞれ3および2例認められる。

 途中死亡動物(表31−1、2、3)では、雄雌ともに下垂体の嫌色素性腺腫、肝臓の限局性壊死、空胞化および細胞浸潤、腎尿細管の拡張および硝子様円柱が、更に雄では、肺の腺腫および精巣の間質細胞腫が認められるが、死亡時期による差があり、群間に一定の傾向は認められない。また、その他の腫瘍も散発的であり、群間に差は認められない。

 上述のように6、12、18および24ヶ月目に肝臓および腎臓に種々の変化を認め、加齢に伴い下垂体、甲状腺および精巣の変化が増加する。しかし、これらの変化には群間に一定の傾向を認めない。また、途中死亡動物も含め腫瘍の発生も加齢に伴うと思われる肺の腺腫および精巣の間質細胞腫を除いては、いずれも散発的であり、群間に差は見られない。


表27 組織学的検査(6カ月目)
       性    
       雄       
       雌       
       群    
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
     動 物 数  
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
肺   肺胞壁肥厚 ± 
   
   
   
   
 1 
   
   
   
腎臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
尿細管      
 硝子滴変性 ± 
   
 2 
   
 2 
   
   
   
 2 
   
   
   
   
   
   
   
   
       + 
 6 
 6 
   
 2 
   
   
   
   
 上皮剥離  + 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
 拡張    ± 
 1 
 1 
 3 
 2 
 3 
 1 
   
 1 
       + 
   
   
 5 
 6 
 2 
 6 
 8 
 7 
       ++
   
   
   
   
   
 1 
   
   
 上皮性円柱 ± 
 2 
   
 2 
 1 
 4 
 5 
 1 
 1 
       + 
 3 
 7 
 6 
 5 
   
 1 
 7 
 7 
       ++
 1 
   
   
   
   
   
   
   
 硝子様円柱 ± 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
       + 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
 上皮空胞化 ± 
   
   
   
   
   
 1 
 1 
   
       + 
   
   
   
   
   
 1 
   
   
副腎  空胞化   ± 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
精巣
  
  
 精子不形成 ++
   
   
 1 
   
   
   
   
   
 水腫    + 
   
   
 1 
   
   
   
   
   

±:軽度  +:中程度  ++:強度  +++:極度



表28 組織学的検査(12カ月目)
┌──────────────┬───────────────┬───────────────┐
│        性     │       雄       │       雌       │
├──────────────┼───┬───┬───┬───┼───┬───┬───┬───┤
│        群     │N−2│N−6│R−2│R−6│N−2│N−6│R−2│R−6│
├──────────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│      動 物 数   │ 8 │ 8 │ 8 │ 8 │ 8 │ 8 │ 8 │ 8 │
├──────────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│下垂体 充血      + │   │   │   │   │   │ 1 │   │   │
├──────────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│心臓  線維化     ± │ 1 │   │   │   │   │   │   │   │
├──┬───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│肝臓│ 限局性細胞浸潤 ± │ 1 │   │   │   │ 2 │   │   │ 1 │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 限局性壊死   ± │   │   │   │   │ 2 │   │ 1 │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │   │   │   │   │   │ 1 │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 硝子滴変性   ± │   │   │ 1 │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 細胆管増殖   ± │   │   │   │   │   │   │ 2 │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │ 1 │   │   │   │   │   │   │   │
├──┼───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│腎臓│尿細管        │   │   │   │   │   │   │   │   │
│  │ 拡張      ± │   │ 1 │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │ 2 │ 1 │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 上皮性円柱   ± │   │ 1 │ 2 │   │ 1 │ 1 │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │ 2 │ 2 │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 硝子様円柱   ± │   │ 1 │ 1 │ 1 │ 1 │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │ 3 │   │ 1 │ 2 │   │ 1 │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 硝子滴変性   ± │   │ 1 │ 3 │ 1 │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         + │   │   │   │ 1 │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 嚢胞      + │   │   │ 1 │   │   │   │   │   │
├──┼───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│膵臓│ 空胞化     ± │ 1 │   │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 膵臓炎     + │   │   │   │ 1 │   │   │   │   │
├──┼───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│胃 │ ビラン     ++│   │   │   │   │ 1 │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 潰瘍      + │   │   │   │   │ 1 │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │粘膜固有層      │   │   │   │   │   │   │   │   │
│  │ 増殖      + │   │   │   │   │   │   │   │ 1 │
├──┼───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│精巣│ 間質細胞腫     │   │   │ 1 │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 間質細胞増殖  ± │ 1 │   │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 水腫      + │   │ 1 │ 1 │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │         ++│ 2 │   │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 萎縮      + │   │ 1 │   │   │   │   │   │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 精子不形成   + │ 2 │   │ 2 │ 1 │   │   │   │   │
├──┴───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│子宮 子宮内膜       │   │   │   │   │   │   │   │   │
│    増殖      + │   │   │   │   │   │   │ 1 │   │
├──┬───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│皮膚│ 潰瘍      + │   │   │   │   │   │   │ 1 │   │
│  ├───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│  │ 毛嚢上皮増殖  + │   │   │   │ 1 │   │   │   │   │
└──┴───────────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
±:軽度  +:中等度  ++:強度  +++:極度



表29 組織学的検査(18カ月目)
        性      
       雄       
       雌       
        群      
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
      動 物 数    
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
 8 
下垂体
   
   
   
   
   
   
嫌色素性腺腫     
   
   
   
 1 
   
   
   
   
嫌色素性細胞増殖 + 
   
   
   
   
   
 1 
   
   
充血       ± 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
         + 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
甲状腺
   
   
腺腫         
 1 
   
 1 
   
   
   
 1 
   
扁平上皮化    ± 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
肝臓 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
限局性壊死    ± 
 2 
 2 
 2 
 3 
 2 
 4 
 3 
 3 
         + 
   
 1 
   
   
 2 
   
   
   
限局性細胞浸潤  ± 
   
   
   
   
 2 
 4 
 2 
 4 
         + 
   
   
   
   
 3 
   
   
   
空胞化      ± 
 1 
 1 
 1 
   
   
   
   
   
         + 
 1 
   
 1 
   
   
   
   
   
細胆管増殖    + 
   
   
 1 
   
   
   
 1 
   
腎臓 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
尿細管        
 拡張      ± 
   
   
   
 3 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
         + 
 4 
 4 
 2 
   
   
   
   
   
         ++
 1 
   
   
   
   
   
   
   
上皮性円柱    ± 
 2 
   
   
   
   
   
   
   
硝子様円柱    ± 
   
 2 
 4 
   
 3 
 4 
 2 
 3 
         + 
 4 
 6 
 2 
 7 
 2 
 2 
 2 
 1 
         ++
 4 
   
 1 
   
   
   
   
   
硝子滴変性    ± 
 1 
 1 
   
 2 
   
   
   
   
間質         
 円形細胞浸潤  ± 
   
 3 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
線維化      ± 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
         + 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
副腎 
   
   
皮質腺腫       
   
   
   
   
   
 1 
   
   
空胞化      ± 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
膵臓 
   
   
   
   
   
   
空胞化      ± 
 1 
 1 
 2 
 1 
   
 3 
 1 
   
         + 
 2 
   
   
 1 
   
   
   
   
膵臓炎      ± 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
         + 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
精巣 
   
   
間質細胞腫      
 5 
 4 
 6 
 4 
   
   
   
   
間質細胞増殖   + 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
子宮 
   
   
   
子宮内膜増殖   + 
   
   
   
   
   
   
 1 
   
腺房         
 拡張      + 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
皮膚  毛嚢上皮腫      
   
   
 1 
   
   
   
   
   

±:軽度  +:中等度  ++:強度  +++:極度



表30−1 組織学的検査(24カ月目)
        性      
       雄       
       雌       
        群      
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
      動 物 数    
14 
14 
21 
16 
17 
19 
19 
15 
下垂体
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
嫌色素性腺腫     
 2 
 1 
 2 
   
 3 
 1 
 1 
 1 
嫌色素性細胞増殖 + 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
血腫       + 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
充血       ± 
 1 
   
   
 1 
 1 
 2 
   
 1 
         + 
 1 
   
 3 
 4 
 1 
 2 
 2 
 2 
         ++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
腺房         
 拡張      ++
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
甲状腺
   
   
   
腺腫         
 2 
 1 
 1 
 4 
   
   
 2 
   
腺房         
 萎縮      + 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
 1 
   
   
心臓 
   
   
   
   
線維化      ± 
 3 
 1 
   
   
   
 1 
   
 1 
         + 
 1 
   
   
   
 1 
   
   
   
円形細胞浸潤   ± 
   
   
   
   
   
 1 
 1 
   
肺  
   
   
   
   
腺腫         
 2 
 1 
 2 
   
   
   
   
   
肺胞壁肥厚    + 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
        +++
   
   
   
   
   
   
 1 
   
肝臓 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
胆管腫        
   
 1 
   
   
   
   
   
   
結節性増殖    + 
   
 1 
   
   
   
   
 2 
 1 
限局性壊死    ± 
 2 
   
   
 1 
 4 
 3 
 1 
 7 
         + 
 1 
 1 
   
   
 7 
 5 
 4 
   
         ++
   
 1 
   
 1 
 1 
   
   
   
肝細胞膨化    ± 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
空胞化      ± 
 3 
 2 
 1 
 1 
 1 
 2 
 1 
 2 
         + 
 1 
 2 
 2 
 1 
 1 
 5 
 2 
 1 
円形細胞浸潤   ± 
   
   
   
   
 2 
 1 
 1 
 1 
         + 
   
 1 
   
   
 3 
 3 
 2 
   
         ++
   
   
   
   
 2 
   
   
   
        +++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
リンパ球増殖   ++
   
   
   
   
   
   
   
 1 
核濃縮      + 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
細胆肝増殖    + 
 1 
   
 1 
 1 
 1 
 1 
 1 
 1 
         ++
   
   
   
   
   
   
 1 
   
        +++
   
 1 
   
 1 
   
 1 
   
   



表30−2 組織学的検査(24カ月目)
        性      
       雄       
       雌       
        群      
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
      動 物 数    
14 
14 
21 
16 
17 
19 
19 
15 
腎臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 移行上皮腫      
   
   
   
 1 
   
   
   
   
尿細管         
 拡張       ± 
   
   
   
 2 
   
   
   
   
   
 2 
   
 6 
   
 4 
   
 2 
          + 
 5 
 8 
12 
10 
 6 
 7 
 9 
 5 
          ++
 7 
 3 
 8 
 5 
 5 
 3 
 5 
 6 
         +++
   
 1 
 1 
 1 
 1 
   
   
   
 硝子様円柱    ± 
   
 1 
   
   
 2 
 6 
 2 
 2 
          + 
 6 
 8 
12 
10 
 9 
 8 
11 
 5 
          ++
 8 
 3 
 8 
 5 
 4 
 3 
 5 
 6 
         +++
   
 2 
 1 
 1 
 1 
   
   
   
 上皮再生     ± 
   
 1 
   
   
 1 
 4 
   
 2 
          + 
   
 8 
15 
 9 
 6 
 3 
12 
 8 
          ++
   
 1 
 2 
 1 
 1 
   
   
   
 硝子滴変性    ± 
 1 
 3 
 2 
   
   
   
 1 
 1 
          + 
   
 1 
   
   
   
   
 1 
 1 
 上皮膨化     + 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
 色素沈着     ++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
 増殖       + 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
 空胞化      + 
   
   
   
   
 1 
   
 1 
   
 嚢胞       + 
 1 
   
   
   
   
   
 1 
   
間質          
 円形細胞浸潤   ± 
   
 2 
   
 4 
   
 3 
   
   
   
   
   
 1 
   
 2 
   
 1 
          + 
 5 
 1 
 9 
 6 
 3 
   
 2 
   
          ++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
 線維化      ± 
 2 
 1 
   
 1 
   
   
   
 1 
          + 
 4 
 1 
 2 
 1 
 1 
   
   
 2 
          ++
   
 1 
   
 1 
   
   
   
   
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
クロム親和性細胞腫   
   
 2 
   
 1 
   
   
   
   
腺腫          
   
   
 1 
   
   
   
   
   
充血        + 
   
   
   
   
   
   
 1 
   
空胞化       ± 
   
   
   
 1 
 1 
   
   
 1 
          + 
   
   
 1 
   
   
   
 1 
   
          ++
   
   
   
   
   
   
 1 
   
膵臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 島細胞腫       
   
   
 3 
 1 
   
   
   
 1 
 膵臓炎      + 
 2 
   
   
 1 
   
   
   
   
島 拡大      + 
   
   
   
   
   
   
 1 
   
腺房 萎縮     + 
   
   
   
 2 
 1 
 1 
   
 1 
          ++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
間質 線維化    + 
   
   
 1 
 1 
 1 
   
   
   



表30−3 組織学的検査(24カ月目)
        性      
       雄       
       雌       
        群      
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
      動 物 数    
14 
14 
21 
16 
17 
19 
19 
15 
脾臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
壊死        + 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
線維化       ± 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
          + 
   
   
 3 
   
   
   
   
   
小胞拡大      + 
   
   
   
 1 
 1 
   
   
   
          ++
   
   
   
 1 
   
   
   
   
脾細胞減少     + 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
肥伴細胞浸潤    ++
   
   
   
   
   
 1 
   
   
充血        + 
   
 2 
   
   
   
   
 1 
 1 
          ++
   
   
   
   
   
   
   
 1 
         +++
   
   
   
   
   
   
 1 
   
胃 
  
  
  
  
 乳頭腫        
   
   
   
   
 1 
   
   
   
 上皮増殖     + 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
腺房 拡張     ± 
   
   
   
   
 1 
   
   
   
膀胱
  
  
  
  
  
  
平滑筋腫        
   
   
   
 1 
   
   
   
   
移行上皮腫       
   
   
   
   
   
 2 
   
   
乳頭腫         
   
   
   
 1 
   
 1 
   
   
円形細胞浸潤    + 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
精巣
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
間質細胞腫       
12 
10 
 9 
12 
   
   
   
   
中皮腫         
   
 1 
   
 1 
   
   
   
   
間質細胞増殖    + 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
石灰化       + 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
萎縮        + 
 1 
 1 
 1 
 1 
   
   
   
   
          ++
 1 
 1 
   
 1 
   
   
   
   
水腫        + 
   
   
   
 1 
   
   
   
   
          ++
 1 
   
   
 1 
   
   
   
   
精嚢 水腫        + 
   
 1 
   
   
   
   
   
   
卵巣
  
  
顆粒膜細胞腫      
   
   
   
   
   
   
   
 1 
充血        ++
   
   
   
   
   
   
   
 1 
子宮
  
  
  
  
  
  
  
  
 子宮内膜肉腫     
   
   
   
   
   
   
 3 
 2 
 充血       + 
   
   
   
   
   
   
 1 
   
機能層 増殖    + 
   
   
   
   
 1 
 1 
   
   
腺胞 拡張     + 
   
   
   
   
   
 1 
   
   
          ++
   
   
   
   
   
   
   
 1 
空腸 線維肉腫        
   
   
   
   
   
 1 
   
   
皮膚 毛嚢上皮腫       
 1 
   
   
   
   
   
   
   



表30−4 組織学的検査(24カ月目)
        性      
       雄       
       雌       
        群      
N−2
N−6
R−2
R−6
N−2
N−6
R−2
R−6
      動 物 数    
14 
14 
21 
16 
17 
19 
19 
15 
その他            
   
   
   
   
   
   
   
   
   下顎部         
     線維腺腫      
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   
   
     膿瘍      + 
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   鼻端部         
     乳頭腫       
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   耳根部         
     膿瘍      + 
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   背部皮下織       
     毛嚢上皮腫     
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   腋下部皮下織      
     線維肉腫      
   
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   腹部皮下織       
     線維腫       
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
     乳頭腫       
   
   
 1 
 1 
   
   
   
   
   腎臓周囲の脂肪     
     脂肪腫       
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
 1 
   
   大腿部皮下織      
     線維腫       
   
   
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   ソケイ部皮下織     
     線維肉腫      
   
   
 1 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
     毛嚢上皮腫     
   
   
   
   
 1 
   
 1 
   
     線維腺腫      
   
   
   
   
   
   
 1 
 1 
     線維腫       
   
   
 1 
   
   
   
   
   

±:軽度  +:中等度  ++:強度  +++:極度



表31−1 組織学的検査(途中死亡動物)
        性       
        雄       
        雌       
        群       
N−2
N−6 
R−2
R−6
N−2 
N−6
R−2
R−6
      動 物 数     
12 
12  
 5 
10 
 9  
 7 
 7 
11 
下垂体
   
   
   
   
   
   
   
   
嫌色素性腺腫      
 4 
    
   
 1 
 2  
 3 
   
 1 
血腫        + 
   
    
   
 1 
    
   
   
   
充血        ± 
   
    
   
   
    
 1 
   
   
          + 
 1 
 1  
 1 
 1 
 1  
 1 
 2 
 1 
          ++
   
    
   
 1 
    
 1 
   
 2 
甲状腺
   
   
   
   
腺癌          
   
    
   
   
 1*2
   
   
   
腺腫          
 1 
    
   
 1 
 1  
   
 1 
   
円形細胞浸潤    + 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
心臓 
   
   
   
   
   
   
線維化       ± 
   
    
   
 2 
    
   
   
   
          + 
 2 
    
 2 
 2 
    
   
   
 1 
円形細胞浸潤    ± 
   
 3  
 1 
   
    
   
 1 
   
          + 
   
    
   
   
 1  
   
   
   
肺  
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
腺腫          
   
 3  
 1 
 1 
    
   
   
   
肺胞壁肥厚     ± 
 1 
    
 1 
   
    
   
   
   
          + 
   
    
   
   
 1  
   
 1 
 1 
円形細胞浸潤    ++
   
    
   
   
 1  
   
   
 1 
泡沫性細胞浸潤   ± 
   
    
   
   
    
   
 1 
 1 
剥離        + 
   
    
   
   
    
   
 1 
   
肝臓 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
肝細胞癌        
   
    
   
   
 1*3
   
   
   
限局性壊死     ± 
 1 
 1  
 1 
 1 
 2  
 1 
   
   
          + 
   
 4  
 1 
   
    
   
   
   
          ++
 1 
 1  
   
 1 
 1  
 1 
   
 1 
肝細胞膨化     + 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
空胞化       ± 
   
    
 1 
   
    
   
   
   
          + 
   
 2  
 1 
   
 1  
 2 
   
   
          ++
 3 
 3  
   
 2 
 3  
 2 
 1 
 1 
         +++
 1 
    
   
   
    
   
 1 
 1 
円形細胞浸潤    ± 
   
    
   
   
 1  
   
   
 1 
          + 
   
 2  
   
 1 
    
 1 
   
 2 
          ++
   
    
 1 
 2 
 2  
   
 1 
 1 
         +++
 2 
    
   
   
 1  
   
   
 1 
肉芽        + 
   
    
   
 2 
    
   
   
   
細胆肝増殖     + 
 1 
 2  
   
 1 
 1  
   
   
   
          ++
   
 1  
   
   
    
   
   
   
類洞          
 拡張        +
   
   
    
 4  
   
 1 
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
          ++
   
 1  
   
   
    
   
   
   



表31−2 組織学的検査(途中死亡動物)
        性       
        雄       
        雌       
        群       
N−2
N−6 
R−2
R−6
N−2 
N−6
R−2
R−6
      動 物 数     
12 
12  
 5 
10 
 9  
 7 
 7 
11 
腎臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 腎芽細胞腫       
   
    
 1 
 1 
    
   
   
   
尿細管          
 拡張        ± 
   
   
    
 1  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
 1 
   
   
           + 
 5 
 4  
 3 
 3 
 2  
 3 
 1 
 4 
           ++
   
    
   
 2 
    
 1 
 1 
   
          +++
   
    
 1 
   
    
   
   
   
 硝子様円柱     ± 
   
 1  
   
   
 2  
   
 2 
   
           + 
 6 
 4  
 3 
 3 
 3  
 3 
   
 3 
           ++
   
    
   
 2 
    
 1 
 1 
 1 
          +++
   
    
 1 
   
    
   
   
   
 上皮剥離      ± 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
           + 
   
    
 1 
   
 2  
   
   
   
 硝子滴変性     ± 
 1 
    
   
   
    
 2 
   
   
           + 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
 空胞化       ++
 1 
 1  
   
   
    
   
   
   
間質           
 円形細胞浸潤    ± 
   
   
    
 1  
   
   
   
 2 
    
 1  
   
   
   
   
   
   
           + 
   
 1  
 2 
   
    
   
   
   
           ++
 1 
    
   
   
    
   
   
   
 線維化       ± 
   
    
 2 
   
    
   
   
   
           ++
   
    
 1 
 1 
    
   
   
   
 水腫        + 
   
    
   
 1 
    
   
   
   
糸球体          
 萎縮        + 
   
   
    
    
   
 1 
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
副腎
  
  
  
  
  
  
  
  
 クロム親和性細胞腫   
 1 
    
 1 
   
    
   
   
   
 円形細胞浸潤    + 
   
    
   
 1 
    
 1 
   
   
 空胞化       ± 
   
    
   
   
    
 1 
   
   
           + 
 1 
 2  
   
 1 
 1  
   
 1 
   
 膿瘍        ++
   
    
   
   
 1  
   
   
   
膵臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
島細胞腫         
 1 
    
   
   
    
   
   
   
膿胞           
 拡張        ++
   
   
    
 1  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
 萎縮        ± 
 1 
 1  
   
   
    
   
   
   
島            
 拡大        + 
   
   
    
 1  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
間質           
円形細胞浸潤     + 
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
 1 
           ++
   
 1  
   
   
 1  
   
   
   
 水腫        + 
   
 1  
   
   
    
   
   
   
静脈           
 血栓        + 
   
   
    
 1  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   



表31−3 組織学的検査(途中死亡動物)
        性       
        雄       
        雌       
        群       
N−2
N−6 
R−2
R−6
N−2 
N−6
R−2
R−6
      動 物 数     
12 
12  
 5 
10 
 9  
 7 
 7 
11 
脾臓
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 壊死        ++
   
 1  
   
   
 1  
   
   
   
 線維化       ± 
   
 1  
   
   
    
   
   
   
 充血        ± 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
           + 
   
 1  
 1 
   
    
   
 1 
   
           ++
   
 4  
   
   
    
   
 1 
 2 
          +++
   
    
   
   
    
 1 
   
 1 
 リンパ球増殖    ++
   
    
   
   
 1  
   
   
   
濾胞           
 拡大        + 
   
 1 
    
    
   
   
   
   
    
    
   
 1 
   
   
   
   
胃 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 乳頭腫         
   
    
   
   
    
 1 
 1 
   
 潰瘍        + 
   
    
 2 
 2 
    
   
   
   
 角化症       + 
   
    
   
   
 1  
   
 1 
   
粘膜固有層        
 円形細胞浸潤    + 
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
 1 
   
   
   
   
   
           ++
   
    
 1 
   
    
   
   
   
 好酸性浸潤     + 
   
    
   
   
    
 1 
   
   
 水腫        + 
   
    
 1 
   
    
   
   
   
           ++
   
    
   
   
    
   
   
 1 
膀胱
  
  
  
  
 出血        ± 
   
    
   
 1 
    
   
   
   
           + 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
 円形細胞浸潤    + 
   
 1  
   
   
    
   
   
   
精巣
  
  
  
  
  
  
  
  
 間質細胞腫       
 5 
 8  
 2 
 4 
    
   
   
   
 精子不形成     ++
   
    
 1 
   
    
   
   
   
 水腫        + 
   
    
   
 1 
    
   
   
   
 萎縮        + 
 1 
    
   
   
    
   
   
   
           ++
   
 1  
   
 1 
    
   
   
   
精巣上体            
    水腫        + 
   
   
    
 1  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
    好酸性浸潤     + 
   
 1  
   
   
    
   
   
   
子宮 子宮筋腫         
    増殖        + 
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
 1 
   
   
   
   
乳腺  増殖       +++
   
    
   
   
 1  
   
   
 1 
白血病             
   
    
   
 1 
 1  
 1 
   
   
その他             
   
    
   
   
    
   
   
   
   顎凹部皮下織       
    線維腺腫        
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
 1 
   胸部皮下織        
    線維腫         
   
   
    
    
   
   
   
   
    
 1  
   
   
   
   
   
   
   腋下部皮下織       
    線維腺腫        
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
 1 
   
   
    線維腫         
 1 
    
   
   
    
   
   
   



表31−4 組織学的検査(途中死亡動物)
        性       
        雄       
       雌        
        群       
N−2
N−6 
R−2
R−6
N−2 
N−6
R−2
R−6
      動 物 数     
12 
12  
 5 
10 
 9  
 7 
 7 
11 
   肩甲部皮下織       
    線維腺腫        
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
 1 
   腹部皮膚         
    毛嚢上皮腫       
   
 2 
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
   腹部皮下織        
    線維腺腫        
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
 1 
   
   
    線維腫         
   
 1  
   
   
    
   
   
   
   腹膜           
    中皮腫         
   
   
    
 2  
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
   大腿部皮下織       
    組織腫         
   
   
    
 1*1
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
   
   ソケイ部皮下織      
    腺腫          
   
   
    
    
   
   
   
   
    
    
   
   
   
   
   
 1 

±:軽度  +:中等度  ++:強度  +++:極度
*1:肝臓、脾臓、腸間膜リンパ節に転移
*2:肺に転移
*3:肺、腹膜に転移


4 小括

 ラットを用い、非照射みかんおよび150kradの電子線照射みかんをそれぞれ飼料に2W/W%および6W/W%添加して、24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。

 一般状態、体重、摂餌量および死亡率については、雄雌ともに24ヶ月に亘って同一添加量による非照射群と照射群の間に明らかな差は認められない。また、定期的に行った血液の形態学的および生化学的検査の各時期で群間に有意差を示す若干の項目を認めるが、雄雌ともに明らかな傾向は認められない。病理学的検査でも、その臓器重量および腫瘍の発現に雄雌ともに群間に明らかな差は認められない。

 以上、今回の条件下では電子線照射みかんをラットに投与しても、照射によると見なされる影響は認められない。

(3) サルを用いた慢性毒性試験
1 緒言

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的で、サルによる24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。

2 試験方法
(1) 検体

 科学技術庁食品照射研究運営会議指定の和歌山県産L級温州みかんを用い、日本原子力研究所大阪研究所において電子線照射(150krad)を行った。この照射みかんと非照射みかんを南海加工(株)にて殺菌処理を除く通常の方法で容量が1/5となるように濃縮し、サル飼育用粉末飼料[船橋農場(株)]に6.0W/W%の割合で添加し、固定化し動物に与えた。

(2) 動物

 推定年齢が5〜7才の雄雌各6頭のカニクイザル(Macaca fascicularis)を静岡県実験動物農業協同組合より購入し、当所で5週間馴化飼育した後、試験に供した。

(3) 投与方法

 動物を雄雌各3頭からなる2群に分け、各々非照射みかん添加群(以下N群)および150krad照射みかん添加群(以下R群)とした。給餌は毎月午前11時頃行い、各々の添加飼料を150g与え、飲水は自由摂取させた。また、アスコルビン酸50mgをチョコレートに混じ週2回与えた。

(4) 観察項目

 一般症状:毎日給餌前に観察した。

 体重:月1回体重の測定を行った。

 血液形態学的検査:試験開始前(0ヶ月目)、投与開始後3、6、9、12、15、18および24ヶ月目に、伏在静脈より採血し、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン量(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、血小板数(PLT)、血小板容積(Pct)、平均血小板容積(MPV)および白血球数(WBC)については、コールターカウンターSP型(コールターエレクトロニクス社製)を用い測定した。同時に、白血球百分比(ライト・ギムザ染色)についても検査した。

 血液生化学的検査:血液形態学的検査と同時に採血し、得られた血清についてジェムサック4型自動分析機(エレクトロ・ヌクレオニクス社製)を用い、表1に示す項目を測定した。なお、Na、KおよびClについては日立702型電解質自動分析機(日立製作所製)を用いた。 病理組織学的検査:検体投与後24ヶ月目に全ての動物を放血により屠殺し、肉眼による観察を行った後、臓器重量(脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、生殖器、脳下垂体、甲状腺および副腎)の測定を行った。また、上記臓器に加え、顎下腺、胸腺、消化器系(舌、食道、胃、小腸、大腸)、副生殖器、膀胱、脊髄、末梢神経、リンパ節、皮膚および骨髄についても摘出し、ホルマリン固定の後、常法に従い、H・E染色を施し病理組織学的検査を行った。


表1 血液生化学的検査項目
         項          目              
       
Total protein                      
(T−PRO)
Albumin                            
(ALB)  
Blood urea nitrogen                
(BUN)  
Creatinine                         
(CRN)  
Uric acid                          
(UA)   
Glucose                            
(GLU)  
Non−esterified fatty acid          
(NEFA) 
Phospholipids                      
(PL)   
Triglycerides                      
(T−GLY)
Total cholesterol                  
(T−CHO)
Free cholesterol                   
(F−CHO)
Alkaline phosphatase               
(ALP)  
Cholineesterase                    
(CHE)  
Creatine kinase                    
(CK)   
Glutamate−oxaloacetate transaminase
(GOT)  
Glutamate−pyruvate transaminase    
(GPT)  
α−Hydroxybutylate dehydrogenase    
(HBDH) 
Leucine aminopeptidase             
(LAP)  
Lactate dehydrogenase              
(LDH−P)
Calcium                            
(Ca)   
Phosphorus inorganic               
(Pi)   
Sodium                             
(Na)   
Potassium                          
(K)    
Chlorine                           
(Cl)   
Magnesium                          
(Mg)   


(5) 推計学的処理

 血液形態学的検査、血液生化学的検査および臓器重量の測定結果は全て平均値とその標準偏差値(S.D.)で表わし、F検定を行った後、等分散をした場合t−検定を行い、等分散しない場合はAspin−Welchの検定を行った。

3 結果
(1) 一般状態

 N群、R群ともに試験終了時の24ヶ月目まで特異な症状の発現を認めなかった。

(2) 体重

 個体別の体重の推移は図1に示す通りである。雄ではR群の1頭(R−5)が著明な体重の増加を示すが、他の2頭およびN群では明らかな変化は見られなかった。雌では、NおよびR群ともに明確な体重の増減は認められなかった。


図1 個体別体重曲線


(3) 血液形態学的検査

 結果は表2〜7に示す通りである。雄では9、12、15、18および21ヶ月目の赤血球数ならびに6、15および21ヶ月目の白血球数において、N群に比べR群で有意に高い値を示したが、その他の項目では両群間に著名な差は見られなかった。雌では、いずれの測定項目でも両群間に有意な差は見られなかった。


表2 血液形態学的検査(0〜6カ月)

 
 群 
   
動物数
   
RBC     
×10・E(4)
Hb  
g/dl
Ht  
 %  
MCV    
μm・E(3)
MCH 
μμg 
MCHC
 %  
PLT     
×10・E(3)
  Pct 
   %  
 MPV   
μM・E(3)
WBC     
×10・E(2)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
678     
±19     
12.1
±0.2
44.4
±1.7
65.4   
±3.1   
18.1
±0.3
27.6
±1.4
 296    
± 84    
 0.248
±0.053
 8.47  
±0.73  
121     
±54     

 
 3 
   
714     
±51     
12.6
±1.2
44.9
±2.1
62.9   
±1.5   
17.6
±0.7
28.0
±1.4
 369    
±113    
 0.335
±0.106
 9.03  
±0.29  
148     
±38     

 
 
 
 

 
 3 
   
682     
±51     
12.2
±1.4
43.5
±2.0
63.9   
±2.4   
17.9
±0.7
27.9
±0.7
 274    
± 91    
 0.274
±0.080
10.03  
±1.43  
107     
±44     

 
 3 
   
713     
±23     
11.8
±0.6
41.9
±2.5
58.7   
±2.4   
16.6
±0.6
28.3
±0.4
 376    
±110    
 0.336
±0.080
 8.97  
±0.51  
156     
±24     

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
649     
±26     
11.8
±0.4
44.0
±3.7
67.7   
±3.8   
18.2
±0.5
27.0
±1.2
 339    
± 52    
 0.282
±0.018
 8.37  
±1.16  
101     
±32     

 
 3 
   
685     
±67     
12.1
±0.6
43.7
±3.4
63.8   
±2.2   
17.7
±1.3
27.8
±1.8
 329    
± 53    
 0.278
±0.060
 8.40  
±0.79  
125     
±11     

 
 
 
 

 
 3 
   
671     
±64     
11.9
±0.9
43.0
±1.8
64.4   
±4.2   
17.8
±1.0
27.6
±0.9
 338    
± 42    
 0.296
±0.013
 8.77  
±0.70  
100     
±19     

 
 3 
   
686     
±24     
11.4
±0.3
41.0
±2.2
59.9   
±3.4   
16.7
±0.5
27.9
±1.0
 349    
± 50    
 0.286
±0.039
 8.17  
±0.65  
122     
±37     

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
654     
±14     
12.2
±0.1
42.7
±1.6
65.2   
±3.6   
18.7
±0.3
28.7
±1.4
 326    
± 95    
 0.268
±0.035
 8.43  
±3.95  
108     
±21     

 
 3 
   
688     
±33     
12.3
±0.9
42.4
±1.1
61.7   
±2.2   
17.9
±0.9
29.1
±1.3
 327    
± 13    
 0.284
±0.026
 8.67  
±0.98  
150     
± 5*    

 
 
 
 

 
 3 
   
681     
±63     
12.0
±1.3
41.6
±5.5
60.9   
±4.5   
17.7
±1.1
29.0
±0.5
 281    
± 44    
 0.270
±0.030
 9.60  
±0.46  
102     
±33     

 
 3 
   
696     
±15     
11.7
±0.1
40.0
±1.2
57.5   
±2.6   
16.8
±0.3
29.3
±1.0
 344    
± 27    
 0.275
±0.002
 7.97  
±0.55  
120     
±16     

*:非照射群とp<0.05にて有意差あり



表3 血液形態学的検査(9〜15カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
RBC     
×10・E(4)
Hb  
g/dl
Ht  
 %  
MCV    
μm・E(3)
MCH 
μμg 
MCHC
 %  
PLT     
×10・E(3)
  Pct 
   %  
 MPV   
μM・E(3)
WBC     
×10・E(2)
 9
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
644     
± 9     
11.5
±0.1
43.6
±2.0
67.8   
±3.9   
17.9
±0.2
26.5
±1.2
 334    
± 76    
 0.292
±0.023
 8.87  
±1.31  
107     
±21     

 
 3 
   
698     
±11**   
12.1
±0.6
45.3
±2.6
64.9   
±3.7   
17.4
±1.2
26.8
±2.1
 294    
± 59    
 0.284
±0.074
10.40  
±0.72  
167     
±62     

 
 
 
 

 
 3 
   
648     
±64     
11.1
±1.2
41.4
±4.2
64.0   
±4.3   
17.2
±1.2
26.8
±0.2
 309    
± 63    
 0.293
±0.032
 9.60  
±1.15  
 94     
±31     

 
 3 
   
711     
±30     
11.6
±0.4
41.8
±2.4
58.8   
±2.7   
16.3
±0.3
27.7
±0.9
 290    
± 72    
 0.268
±0.057
 9.23  
±0.42  
108     
±93     
12
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
596     
±28     
11.3
±0.6
42.2
±3.1
70.9   
±3.8   
18.9
±0.1
26.8
±1.3
 373    
±124    
 0.308
±0.054
 8.50  
±1.60  
108     
±30     

 
 3 
   
668     
±34*    
12.2
±1.2
43.9
±2.0
65.8   
±3.9   
18.2
±1.2
27.7
±1.9
 348    
± 63    
 0.282
±0.066
 8.03  
±0.50  
133     
±20     

 
 
 
 

 
 3 
   
632     
±55     
11.3
±0.9
41.5
±3.3
65.8   
±4.0   
17.9
±1.4
27.2
±0.4
 303    
± 28    
 0.265
±0.025
 8.70  
±0.35  
103     
±23     

 
 3 
   
679     
±64     
11.4
±0.8
41.0
±2.8
60.5   
±3.5   
16.9
±0.5
27.9
±1.0
 338    
± 61    
 0.268
±0.036
 8.00  
±0.98  
123     
±24     
15
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
602     
±13     
11.3
±0.3
41.0
±2.6
68.1   
±3.2   
18.8
±0.5
27.6
±1.1
 338    
± 40    
 0.269
±0.020
 7.97  
±0.67  
 87     
±64     

 
 3 
   
699     
±28**   
12.6
±0.9
45.3
±1.2
64.7   
±3.0   
17.9
±1.1
27.7
±1.5
 302    
± 22    
 0.274
±0.030
 9.03  
±1.14  
145     
±28*    

 
 
 
 

 
 3 
   
638     
±57     
11.3
±1.3
41.3
±4.7
64.6   
±4.1   
17.7
±1.2
27.3
±0.2
 325    
± 17    
 0.316
±0.076
 9.63  
±1.82  
108     
±47     

 
 3 
   
679     
±33     
11.4
±0.6
40.8
±3.1
60.0   
±2.9   
16.8
±0.5
27.9
±0.9
 317    
± 37    
 0.284
±0.019
 8.97  
±0.55  
 94     
±11     

* :非照射群とp<0.05にて有意差あり
**:非照射群とp<0.01にて有意差あり



表4 血液形態学的検査(18〜24カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
RBC     
×10・E(4)
Hb  
g/dl
Ht  
 %  
MCV    
μm・E(3)
MCH 
μμg 
MCHC
 %  
PLT     
×10・E(3)
  Pct 
   %  
 MPV   
μM・E(3)
WBC     
×10・E(2)
18
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
627     
± 9     
11.7
±0.2
42.9
±1.8
68.3   
±2.3   
18.7
±0.3
27.4
±0.8
323     
±94     
 0.264
±0.004
 8.33  
±1.07  
 86     
±20     

 
 3 
   
721     
±39*    
12.7
±1.4
47.1
±3.2
65.2   
±2.8   
17.6
±1.1
27.0
±1.7
297     
±34     
 0.285
±0.004
 9.53  
±0.38  
135     
±30     

 
 
 
 

 
 3 
   
647     
±30     
11.1
±1.4
41.2
±4.4
63.6   
±4.0   
17.2
±1.3
27.0
±0.6
326     
±25     
 0.320
±0.005
 9.80  
±1.47  
 96     
±18     

 
 3 
   
685     
±48     
11.2
±0.6
41.3
±3.1
60.3   
±3.0   
16.4
±0.6
27.3
±0.6
322     
±61     
 0.269
±0.004
 8.33  
±0.42  
132     
±28     
21
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
615     
±48     
11.4
±0.9
42.6
±3.8
69.2   
±2.6   
18.5
±0.1
26.8
±1.0
340     
±74     
 0.279
±0.002
 8.30  
±1.04  
 86     
±10     

 
 3 
   
711     
±22*    
12.7
±0.9
46.0
±1.4
64.6   
±3.1   
17.9
±1.1
27.6
±1.6
317     
±20     
 0.269
±0.003
 8.43  
±0.64  
126     
±22*    

 
 
 
 

 
 3 
   
614     
± 9     
10.2
±1.3
39.2
±4.0
63.9   
±6.3   
16.6
±1.9
26.0
±0.6
326     
±27     
 0.324
±0.002
 9.93  
±1.19  
132     
± 9     

 
 3 
   
667     
±47     
10.9
±0.8
39.7
±3.7
59.5   
±3.2   
16.3
±0.5
27.4
±0.7
317     
±42     
 0.262
±0.003
 8.27  
±0.67  
112     
±26     
24
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
639     
±54     
12.3
±1.0
43.2
±2.5
67.6   
±2.2   
19.3
±0.5
28.6
±0.6
316     
±31     
 0.263
±0.001
 8.30  
±0.53  
 98     
±22     

 
 3 
   
692     
±38     
12.8
±1.3
43.9
±2.8
63.4   
±3.6   
18.4
±1.3
29.1
±1.5
291     
±21     
 0.265
±0.002
 9.07  
±0.23  
126     
±37     

 
 
 
 

 
 3 
   
631     
±28     
10.7
±1.9
39.0
±5.2
61.8   
±7.6   
17.1
±3.0
27.5
±1.7
353     
±80     
 0.362
±0.116
10.03  
±0.95  
134     
±33     

 
 3 
   
706     
±39     
12.0
±0.8
42.5
±3.6
60.0   
±2.8   
17.0
±0.5
28.3
±0.6
296     
±64     
 0.274
±0.030
 9.37  
±1.07  
110     
±22     

* :非照射群とp<0.05にて有意差あり



表5 白血球百分比(0〜6カ月)

 
 
 群 
   
   
動物数
   
   
Baso.
     
     
Eosino.
       
       
     Neutro.     
Lympho.
       
       
Mono.
     
     
Meta.
Stab.
 Seg.

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 1.0   
±1.0   
  0  
     
 3.7 
±3.0 
 30.7
±25.0
 63.6  
±27.0  
 1.2 
±0.7 

 
 3 
   
  0  
     
 1.7   
±0.3   
  0  
     
 2.8 
±0.8 
 27.3
± 9.1
 66.3  
± 9.4  
 1.8 
±0.3 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 3.2   
±1.6   
  0  
     
 4.0 
±2.2 
 46.7
± 3.3
 44.0  
± 6.1  
 2.0 
±0.9 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 5.7   
±3.9   
  0  
     
 3.8 
±1.9 
 46.0
±14.5
 43.3  
±14.6  
 1.0 
±0.9 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 0.8   
±0.6   
  0  
     
 2.8 
±1.3 
 32.9
±10.9
 62.4  
±12.8  
 1.0 
±0.5 

 
 3 
   
  0  
     
 3.2   
±2.8   
  0  
     
 2.2 
±1.9 
 38.6
± 2.8
 54.7  
± 1.3  
 1.3 
±0.3 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.3 
±0.6 
 2.2   
±1.0   
 0.7 
±0.8 
 4.8 
±4.0 
 36.8
±14.0
 54.2  
±12.3  
 1.0 
±0.5 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 7.2   
±1.3   
  0  
     
 2.3 
±1.5 
 43.7
± 9.0
 45.8  
±10.5  
 0.8 
±0.3 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 1.0   
±0.5   
 0.2 
±0.3 
 2.0 
±1.3 
 34.0
±14.0
 61.0  
±14.6  
 1.7 
±0.8 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 3.3   
±4.1   
  0  
     
 3.3 
±1.5 
 49.2
±12.0
 42.7  
±10.4  
 1.3 
±1.0 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 4.0   
±0.9   
  0  
     
 1.7 
±0.8 
 38.7
± 4.2
 54.2  
± 5.3  
 1.2 
±0.6 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 3.5   
±1.3   
 0.2 
±0.3 
 1.8 
±1.3 
 42.7
±17.3
 50.3  
±17.0  
 1.2 
±0.3 



表6 白血球百分比(9〜15カ月)
 月
  
  
 群 
   
   
動物数
   
   
Baso.
     
     
Eosino.
       
       
     Neutro.     
Lympho.
       
       
Mono.
     
     
Meta.
Stab.
 Seg.
 9
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 1.5   
±1.3   
  0  
     
  0  
     
 43.2
±10.8
 53.3  
±11.3  
 1.7 
±0.8 

 
 3 
   
  0  
     
 3.7   
±5.5   
  0  
     
 0.3 
±0.3 
 44.5
±17.3
 50.0  
±12.2  
 1.5 
±0.9 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 4.0   
±3.0   
  0  
     
 0.3 
±0.3 
 38.5
±10.9
 53.7  
±12.3  
 3.3 
±0.8 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 3.2   
±1.9   
  0  
     
 0.5 
±0.5 
 41.5
±13.5
 52.8  
±11.5  
 1.8 
±0.6 
12
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 1.5   
±0.9   
  0  
     
 0.2 
±0.3 
 41.2
± 4.5
 52.8  
± 3.6  
 2.2 
±2.1 

 
 3 
   
 0.2 
±0.3 
 3.5   
±2.3   
  0  
     
 0.8 
±0.3 
 46.8
±14.5
 47.8  
±12.1  
 1.0 
±0.5 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.3 
±0.6 
 1.7   
±2.1   
  0  
     
  0  
     
 44.2
±10.3
 51.5  
± 9.8  
 2.3 
±1.2 

 
 3 
   
 0.3 
±0.3 
 2.5   
±1.5   
  0  
     
 0.7 
±0.8 
 37.5
±14.1
 57.7  
±13.5  
 1.3 
±0.8 
15
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.3 
±0.3 
 1.2   
±1.6   
  0  
     
 0.2 
±0.3 
 37.7
± 3.3
 57.7  
± 5.5  
 3.0 
±1.3 

 
 3 
   
 0.3 
±0.3 
 3.5   
±3.9   
  0  
     
 0.2 
±0.3 
 37.2
± 7.2
 56.5  
± 5.5  
 2.3 
±0.6 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.5 
±0.5 
 2.0   
±1.0   
  0  
     
 0.2 
±0.3 
 47.8
± 8.8
 46.7  
±10.3  
 2.8 
±0.8 

 
 3 
   
 0.3 
±0.6 
 4.3   
±2.3   
  0  
     
 0.2 
±0.3 
 35.7
± 9.5
 58.5  
± 9.8  
 1.3 
±0.3 



表7 白血球百分比(18〜24カ月)
 月
  
  
 群 
   
   
動物数
   
   
Baso.
     
     
Eosino.
       
       
     Neutro.     
Lympho.
       
       
Mono.
     
     
Meta.
Stab.
 Seg.
18
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.3 
±0.7 
 1.0   
±1.0   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 36.3
±15.2
 59.7  
±15.2  
 2.3 
±2.3 

 
 3 
   
  0  
     
 3.3   
±4.9   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 31.3
± 6.7
 63.0  
± 2.6  
 1.7 
±2.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.7 
±0.6 
 1.7   
±2.7   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 36.7
± 6.8
 57.0  
± 7.9  
 3.7 
±0.6 

 
 3 
   
 0.3 
±0.7 
 2.0   
±1.0   
  0  
     
 0.7 
±0.6 
 42.0
± 9.5
 53.0  
± 8.5  
 2.0 
±1.7 
21
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 0.7 
±1.2 
 4.7   
±2.3   
  0  
     
  0  
     
 29.7
±10.4
 63.0  
±13.7  
 2.0 
±1.0 

 
 3 
   
  0  
     
 2.3   
±2.1   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 31.7
± 6.5
 64.0  
± 6.2  
 1.7 
±1.2 

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 2.0   
±1.7   
  0  
     
 1.0 
±0   
 50.7
± 6.8
 43.7  
± 4.2  
 2.3 
±2.3 

 
 3 
   
 0.3 
±0.7 
 3.0   
±1.7   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 39.7
± 8.0
 56.0  
± 7.2  
 0.7 
±0.6 
24
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
  0  
     
 1.0   
±1.0   
  0  
     
 0.3 
±0.7 
 25.7
± 8.5
 72.3  
± 9.0  
 0.3 
±0.7 

 
 3 
   
 0.3 
±0.7 
 3.7   
±5.5   
  0  
     
 0.7 
±0.6 
 32.3
±12.7
 60.7  
± 8.4  
 2.3 
±1.5 

 
 
 
 

 
 3 
   
 1.0 
±1.0 
 2.0   
±2.0   
  0  
     
  0  
     
 36.0
±16.5
 58.7  
±17.2  
 2.3 
±2.1 

 
 3 
   
 0.3 
±0.7 
 3.3   
±3.1   
  0  
     
  0  
     
 26.7
± 5.0
 67.7  
± 6.7  
 2.0 
±0   


(4) 血液生化学的検査

 結果は表8〜13に示す通りである。雄において検体投与後、N群およびR群の両群間に有意差が認められたのは、18ヶ月目のT−Pro、12および15ヶ月目のCRN、18ヶ月目のNaおよび21ヶ月目のKであり、いずれもR群で増加を示した。BUNおよびTGでは0ヶ月目にR群で減少した。雌では、6ヶ月目のUA、3、9、12、18および21ヶ月目のCh−E、3、15、18、21および24ヶ月目のr−GTP、18ヶ月目のHBDHおよび6ヶ月目のCaについていずれもR群で有意の増加を示した。


表8 血液生化学的検査(0〜6カ月)

 
 群 
   
動物数
   
T−Pro.
 g/dl 
Alb.
g/dl
 BUN 
mg/dl
 CRN 
mg/dl
 UA  
mg/dl
Glu. 
mg/dl
 PL  
mg/dl
 TG  
mg/dl
T−Cho.
mg/dl 
AlP 
mu/ml
Ch−E  
mu/ml 
 CK  
mu/ml

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 9.6  
±1.0  
 5.7
±0.1
 23  
 ±1  
 1.17
±0.15
 0.3 
±0.1 
 96  
±29  
152  
± 9  
 43  
± 6  
 164  
 ±22  
462 
±141 
14332 
±2569 
 98  
±88  

 
 3 
   
10.5  
±0.8  
 5.6
±0.1
 19  
 ±1* 
 1.12
±0.06
 0.1 
±0.2 
110  
±12  
152  
±11  
 30  
± 3* 
 199  
 ±46  
465 
±179 
11684 
±4646 
 78  
± 7  

 
 
 
 

 
 3 
   
10.1  
±0.7  
 5.6
±0.4
 21  
 ±2  
 0.86
±0.04
 0.2 
±0.1 
110  
±12  
195  
±28  
 48  
± 4  
 212  
 ±38  
610 
±162 
11499 
± 426 
157  
±71  

 
 3 
   
10.1  
±0.4  
 5.5
±0.3
 19  
 ±2  
 0.84
±0.10
 0.2 
±0.1 
 94  
±10  
190  
±11  
 59  
±15  
 170  
 ±18  
435 
±142 
14252 
±2196 
 51  
± 8  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 9.0  
±0.3  
 5.6
±0.2
 23  
 ±3  
 1.12
±0.13
 0.5 
±0.1 
100  
±14  
178  
±23  
 37  
±18  
 219  
 ±61  
421 
±154 
15421 
±2511 
 59  
±11  

 
 3 
   
 9.6  
±0.8  
 5.4
±0.2
 22  
 ±2  
 1.10
±0.06
 0.5 
±0.1 
 96  
± 3  
181  
±14  
 36  
±14  
 236  
 ±92  
454 
±138 
10635 
±4672 
 57  
±15  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.7  
±0.6  
 5.2
±0.1
 20  
 ±6  
 0.83
±0.05
 0.6 
±0.1 
 89  
±12  
194  
± 5  
 41  
± 9  
 178  
 ±40  
508 
±180 
10107 
±1234 
 52  
±13  

 
 3 
   
 9.2  
±0.6  
 5.3
±0.2
 22  
 ±6  
 0.81
±0.08
 0.7 
±0.1 
 80  
± 9  
185  
±19  
 52  
±13  
 161  
 ±13  
417 
± 79 
14030 
±2024*
 41  
± 4  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.6  
±0.3  
 5.6
±0.3
 22  
 ±5  
 1.01
±0.10
 0.2 
±0.1 
 88  
± 9  
188  
±21  
 46  
±22  
 238  
 ±67  
401 
±143 
15317 
±2608 
 64  
±13  

 
 3 
   
 9.2  
±0.5  
 5.2
±0.2
 20  
 ±0  
 1.08
±0.04
 0.1 
±0.1 
 87  
± 5  
202  
±26  
 46  
±18  
 277  
 ±98  
392 
± 76 
10112 
±4908 
 56  
±20  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.4  
±0.5  
 5.0
±0.2
 26  
 ±6  
 0.89
±0.02
 0.1 
±0.1 
 73  
± 5  
187  
±24  
 74  
± 4  
 188  
 ± 9  
474 
±200 
10142 
± 888 
 60  
±19  

 
 3 
   
 8.8  
±0.3  
 5.2
±0.1
 23  
 ±3  
 0.81
±0.10
 0.3 
±0.1*
 85  
±12  
176  
±21  
 59  
±10  
 154  
 ±35  
372 
± 44 
14505 
±2776 
 39  
±13  

*:非照射群とp<0.05にて有意差あり



表9 血液生化学的検査(0〜6カ月)

 
 群 
   
動物数
   
 GOT 
mu/ml
 GPT 
mu/ml
y−GTP
mu/ml
HBDH 
mu/ml
LDH−P
mu/ml
 Ca  
mg/dl
 Pi  
mg/dl
 Na  
mEq/l
  K  
mEq/l
 Cl  
mEq/l
 Mg  
mg/dl

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 76  
±36  
 65  
±37  
 67  
±16  
 324 
±167 
 892 
±663 
 8.7 
±0.2 
 5.6 
±1.1 
 155 
  ±5 
 5.8 
±0.5 
 119 
±3 
 2.2 
±0.2 

 
 3 
   
 33  
±22  
 56  
±30  
 77  
±10  
 189 
±  1 
 361 
± 47 
 9.5 
±0.3*
 6.4 
±0.4 
 156 
  ±8 
 5.7 
±1.2 
 121 
±6 
 2.1 
±0.3 

 
 
 
 

 
 3 
   
 30  
± 5  
 89  
±21  
 47  
± 6  
 198 
± 23 
 382 
± 21 
 9.5 
±0.4 
 6.4 
±1.0 
 158 
  ±3 
 6.0 
±0.5 
 121 
±2 
 2.3 
±0.3 

 
 3 
   
 20  
± 5  
 67  
±56  
 72  
± 7**
 209 
± 28 
 378 
± 48 
 9.5 
±0.9 
 6.1 
±0.8 
 156 
  ±5 
 6.0 
±0.9 
 119 
±3 
 2.0 
±0.2 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 26  
± 4  
 47  
±21  
 61  
±14  
 205 
± 22 
 372 
± 24 
10.1 
±0.7 
 5.3 
±1.4 
 151 
  ±3 
 5.3 
±0.7 
 104 
±4 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 34  
±12  
 67  
±24  
 64  
± 3  
 193 
± 78 
 398 
±199 
 9.8 
±0.3 
 5.3 
±1.1 
 148 
  ±5 
 5.7 
±0.4 
 102 
±3 
 2.1 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 23  
± 2  
 66  
±24  
 42  
± 8  
 145 
± 21 
 268 
± 33 
 9.3 
±0.3 
 4.3 
±0.3 
 149 
  ±1 
 5.5 
±0.4 
 102 
±2 
 2.1 
±0.1 

 
 3 
   
 21  
± 9  
 60  
±29  
 58  
± 3* 
 208 
± 96 
 421 
±233 
10.2 
±0.7 
 5.4 
±3.3 
 151 
  ±5 
 5.4 
±0.4 
 105 
±4 
 2.3 
±0.2 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 3 
   
 33  
± 7  
 59  
±29  
 62  
±15  
 207 
± 27 
 365 
± 59 
10.6 
±0.2 
 6.0 
±0.9 
 154 
  ±4 
 5.6 
±0.5 
 110 
±3 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 33  
± 6  
 74  
±18  
 63  
± 5  
 164 
± 11 
 311 
± 22 
11.0 
±0.2 
 5.4 
±1.0 
 155 
  ±2 
 6.5 
±0.6 
 110 
±2 
 2.0 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 34  
± 7  
 90  
±47  
 47  
±14  
 148 
± 10 
 275 
± 26 
10.5 
±0.1 
 4.4 
±1.0 
 152 
  ±2 
 5.5 
±0.8 
 107 
±0 
 1.9 
±0.1 

 
 3 
   
 28  
± 8  
117  
±58  
 61  
± 8  
 208 
± 80 
 355 
±103 
12.2 
±0.4*
 4.3 
±0.9 
 155 
  ±6 
 5.6 
±0.6 
 112 
±5 
 1.9 
±0.1 

 *:非照射群とp<0.05にて有意差あり
**:非照射群とp<0.01にて有意差あり



表10 血液生化学的検査(9〜15カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
T−Pro.
 g/dl 
Alb.
g/dl
 BUN 
mg/dl
 CRN  
mg/dl 
 UA  
mg/dl
Glu. 
mg/dl
 PL  
mg/dl
 TG  
mg/dl
T−Cho.
mg/dl
 AlP 
mu/ml
Ch−E  
mu/ml 
 CK  
mu/ml
 9
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.3  
±0.5  
 5.4
±0.2
 19  
 ±4  
 1.04 
±0.11 
 0.12
±0.06
 88  
±18  
175  
±25  
 47  
± 9  
 221
± 43
 339 
±106 
13892 
±3136 
 59  
±10  

 
 3 
   
 9.0  
±0.8  
 5.0
±0.3
 21  
 ±1  
 1.24 
±0.15 
 0.12
±0.02
 85  
±10  
194  
±24  
 66  
±21  
 226
± 65
 368 
± 31 
10036 
±4535 
 83  
±60  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.4  
±0.5  
 5.0
±0.3
 21  
 ±1  
 0.85 
±0.02 
 0.12
±0.06
 94  
±11  
188  
±38  
 74  
±35  
 213
± 22
 444 
±210 
 9601 
± 956 
 57  
±10  

 
 3 
   
 8.6  
±0.4  
 5.2
±0.2
 20  
 ±2  
 0.84 
±0.09 
 0.07
±0.09
 89  
± 8  
168  
±28  
 61  
± 5  
 179
± 23
 370 
± 56 
14690 
±2656*
 39  
± 6  
12
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.5  
±0.4  
 5.3
±0.3
 25  
 ±5  
 0.99 
±0.04 
 0.97
±0.66
 85  
± 5  
178  
±34  
 46  
±13  
 193
± 73
 334 
±113 
12742 
±2896 
131  
±76  

 
 3 
   
 9.4  
±0.5  
 5.2
±0.3
 22  
 ±1  
 1.12 
±0.05*
 0.65
±0.08
 87  
± 5  
184  
±10  
 50  
±26  
 253
±103
 319 
± 37 
10221 
±5211 
 59  
±24  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.9  
±0.8  
 5.0
±0.2
 21  
 ±1  
 0.76 
±0.07 
 1.51
±0.40
 83  
± 7  
193  
±24  
 63  
± 9  
 207
± 30
 396 
±224 
 9925 
± 850 
 63  
±16  

 
 3 
   
 8.9  
±0.4  
 5.1
±0.1
 22  
 ±2  
 0.79 
±0.14 
 0.86
±0.40
 78  
± 9  
171  
±25  
 57  
± 7  
 173
± 25
 409 
±161 
14604 
±1566*
 40  
± 7  
15
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.2  
±0.3  
 5.1
±0.2
 20  
 ±6  
 0.90 
±0.11 
 0.27
±0.16
 80  
± 5  
188  
±27  
 46  
±16  
 187
± 57
 325 
±117 
13692 
±1951 
 59  
±18  

 
 3 
   
 8.7  
±0.6  
 5.0
±0.2
 21  
 ±1  
 1.15 
±0.03*
 0.22
±0.16
 81  
± 8  
168  
± 8  
 37  
±11  
 186
± 60
 289 
± 30 
 9144 
±4411 
 52  
± 2  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.0  
±0.8  
 4.7
±0.3
 20  
 ±3  
 0.77 
±0.07 
 0.25
±0.18
 78  
± 7  
200  
±28  
 53  
± 9  
 178
± 16
 387 
±242 
 9921 
±2121 
 58  
±25  

 
 3 
   
 8.5  
±0.4  
 5.1
±0.2
 23  
 ±4  
 0.80 
±0.06 
 0.29
±0.06
 81  
±12  
183  
±31  
 54  
±11  
 164
± 30
 324 
± 51 
13963 
±1783 
 41  
± 6  

*:非照射群とp<0.05にて有意差あり



表11 血液生化学的検査(9〜15カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
 GOT 
mu/ml
 GPT 
mu/ml
y−GTP
mu/ml
HBDH 
mu/ml
LDH−P
mu/ml
 Ca  
mg/dl
 Pi  
mg/dl
 Na  
mEq/l
  K  
mEq/l
Cl  
mEq/l
 Mg  
mg/dl
 9
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 26  
± 8  
 53  
±24  
 68  
±27  
 193 
 ±40 
 330 
± 65 
 9.6 
±0.3 
 6.0 
±2.1 
 150 
  ±6 
 5.1 
±0.6 
106 
 ±3 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 29  
± 4  
 65  
± 4  
 66  
± 6  
 160 
 ± 1 
 308 
± 24 
10.1 
±0.4 
 3.4 
±0.5 
 153 
  ±4 
 5.6 
±0.3 
110 
 ±3 
 2.0 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 27  
±15  
 55  
±20  
 47  
±14  
 168 
 ±39 
 308 
±102 
 9.4 
±0.6 
 3.4 
±0.4 
 148 
  ±2 
 5.2 
±0.3 
106 
 ±2 
 2.0 
±0.2 

 
 3 
   
 20  
± 5  
 80  
±57  
 61  
± 6  
 167 
 ±17 
 288 
± 30 
10.0 
±0.6 
 3.6 
±1.4 
 151 
  ±2 
 5.1 
±0.5 
110 
 ±3 
 2.2 
±0.2 
12
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 52  
±10  
 84  
±46  
 55  
±16  
 254 
 ±55 
 472 
± 79 
10.3 
±0.1 
 4.7 
±0.8 
 151 
  ±3 
 5.5 
±0.9 
110 
 ±2 
 1.9 
±0.3 

 
 3 
   
 43  
±11  
 97  
±47  
 59  
± 7  
 210 
 ±11 
 449 
± 22 
10.5 
±0.2 
 4.6 
±1.2 
 152 
  ±2 
 6.0 
±0.3 
109 
 ±4 
 1.7 
±0.3 

 
 
 
 

 
 3 
   
 28  
± 7  
 55  
±21  
 44  
±12  
 196 
 ± 8 
 382 
± 24 
 9.0 
±0.6 
 4.5 
±0.4 
 149 
  ±2 
 5.3 
±0.6 
108 
 ±2 
 1.8 
±0.2 

 
 3 
   
 32  
±11  
 80  
±57  
 58  
± 6  
 250 
 ±48 
 507 
±128 
 9.5 
±0.2 
 4.1 
±0.9 
 152 
  ±3 
 5.1 
±0.5 
110 
 ±2 
 1.8 
±0.2 
15
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 36  
±13  
 59  
±26  
 61  
±12  
 202 
 ±31 
 363 
± 50 
 9.6 
±0.5 
 4.6 
±0.5 
 151 
  ±9 
 5.7 
±0.6 
 92 
 ±5 
 1.7 
±0.3 

 
 3 
   
 41  
± 3  
 91  
±14  
 62  
±13  
 163 
 ± 6 
 324 
± 15 
 9.8 
±0.9 
 4.7 
±0.5 
 159 
  ±1 
 6.2 
±0.8 
 96 
 ±1 
 1.9 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 24  
± 4  
 51  
±27  
 38  
± 5  
 165 
 ±23 
 314 
± 22 
 8.8 
±1.5 
 3.6 
±0.5 
 153 
  ±4 
 5.4 
±0.9 
 93 
 ±2 
 1.7 
±0.3 

 
 3 
   
 27  
± 8  
 65  
±48  
 59  
± 3**
 171 
 ±25 
 306 
± 22 
10.3 
±0.2 
 4.5 
±0.5 
 155 
  ±4 
 5.4 
±0.3 
 95 
 ±2 
 2.0 
±0.1 

**:非照射群とp<0.01にて有意差あり



表12 血液生化学的検査(18〜24カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
T−Pro.
 g/dl 
Alb.
g/dl
 BUN 
mg/dl
 CRN 
mg/dl
 UA  
mg/dl
Glu. 
mg/dl
 PL  
mg/dl
 TG  
mg/dl
T−Cho.
mg/dl 
 AlP 
mu/ml
Ch−E  
mu/ml 
 CK  
mu/ml
18
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.6  
±0.3  
 5.5
±0.1
 18  
 ±4  
 1.09
±0.13
 0.35
±0.11
 78  
± 8  
185  
±29  
 50  
±17  
 218  
 ±67  
 285 
± 20 
13969 
±2693 
 50  
±11  

 
 3 
   
 9.3  
±0.3* 
 5.3
±0.1
 18  
 ±1  
 1.27
±0.06
 0.38
±0.06
 87  
± 2  
152  
± 9  
 51  
±26  
 170  
 ±51  
 290 
± 40 
 9501 
±4178 
 49  
± 1  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.3  
±0.7  
 4.5
±0.8
 18  
 ±3  
 0.96
±0.09
 0.37
±0.07
 82  
± 7  
181  
±32  
100  
±49  
 161  
 ±13  
 460 
±251 
 8345 
±1035 
 61  
±19  

 
 3 
   
 8.6  
±0.3  
 5.1
±0.1
 19  
 ±4  
 0.84
±0.08
 0.48
±0.12
 93  
±19  
167  
±22  
 57  
±18  
 144  
 ±18  
 324 
± 80 
13105 
±2540*
 40  
± 5  
21
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.1  
±0.4  
 5.7
±0.2
 19  
 ±3  
 1.05
±0.13
 0.26
±0.05
 82  
± 8  
167  
±25  
 43  
± 7  
 202  
 ±84  
 226 
± 48 
14377 
±3185 
 52  
±28  

 
 3 
   
 8.7  
±0.6  
 5.4
±0.4
 20  
 ±3  
 1.15
±0.04
 0.21
±0.04
 87  
±11  
164  
± 8  
 54  
±17  
 189  
 ±53  
 297 
± 61 
10454 
±5359 
 37  
± 4  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.4  
±0.8  
 5.0
±1.3
 20  
 ±5  
 0.96
±0.09
 0.18
±0.12
 99  
± 4  
193  
±25  
 92  
±22  
 183  
 ±22  
 391 
±208 
 9758 
±1560 
 52  
±19  

 
 3 
   
 8.3  
±0.3  
 5.5
±0.1
 20  
 ±5  
 0.84
±0.11
 0.13
±0.08
 88  
±11  
174  
±15  
 70  
±21  
 153  
 ±17  
 279 
± 56 
14253 
±1835*
 34  
±12  
24
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.2  
±0.4  
 5.2
±0.1
 21  
 ±4  
 1.05
±0.11
 0.25
±0.10
 90  
±24  
168  
±25  
106  
±98  
 238  
 ±88  
 268 
± 49 
15234 
±1454 
 20  
±17  

 
 3 
   
 8.8  
±0.4  
 5.0
±0.3
 17  
 ±3  
 1.18
±0.04
 0.18
±0.23
 87  
±15  
155  
± 2  
 54  
± 9  
 229  
 ±73  
 308 
± 46 
10289 
±5247 
 25  
±10  

 
 
 
 

 
 3 
   
 8.2  
±0.8  
 4.4
±1.3
 18  
 ±5  
 0.92
±0.10
 0.23
±0.20
 92  
± 6  
192  
±19  
 93  
±26  
 199  
 ±30  
 415 
±300 
 8441 
±2268 
 31  
±33  

 
 3 
   
 8.2  
±0.5  
 5.0
±0.3
 17  
 ±3  
 0.87
±0.15
 0.15
±0.15
 83  
±13  
165  
±20  
 72  
± 6  
 168  
 ±18  
 301 
± 68 
13310 
±2412 
 11  
± 7  

*:非照射群とp<0.05にて有意差あり



表13 血液生化学的検査(18〜24カ月)
 月
  
 群 
   
動物数
   
 GOT 
mu/ml
 GPT 
mu/ml
y−GTP
mu/ml
HBDH 
mu/ml
LDH−P
mu/ml
 Ca  
mg/dl
 Pi  
mg/dl
 Na  
mEq/l
  K  
mEq/l
Cl  
mEq/l
 Mg  
mg/dl
18
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 37  
±10  
 68  
±26  
 63  
±10  
 230 
 ±72 
 425 
±156 
10.1 
±0.3 
 5.5 
±0.6 
 148 
  ±2 
 5.5 
±0.6 
115 
 ±3 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 43  
± 9  
104  
±15  
 63  
± 8  
 197 
 ±31 
 392 
 ±63 
10.6 
±0.6 
 5.5 
±1.0 
 153 
  ±2*
 6.0 
±0.2 
116 
 ±5 
 2.0 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 29  
± 9  
 51  
±45  
 34  
± 7  
 190 
 ±15 
 409 
 ±67 
10.0 
±0.7 
 3.6 
±0.4 
 146 
  ±4 
 5.2 
±0.5 
118 
 ±1 
 2.0 
±0.1 

 
 3 
   
 24  
± 3  
 50  
±28  
 57  
± 7* 
 231 
 ±14*
 470 
 ±18 
10.3 
±0.3 
 3.7 
±0.7 
 147 
  ±3 
 5.1 
±0.4 
112 
 ±5 
 1.9 
±0.1 
21
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 30  
±12  
 67  
±38  
 62  
±14  
 172 
 ±32 
 315 
 ±44 
 8.9 
±0.1 
 4.7 
±0.9 
 151 
  ±4 
 4.8 
±0.1 
108 
 ±3 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 31  
± 4  
 76  
±26  
 59  
±10  
 144 
 ± 8 
 289 
 ±15 
 9.5 
±0.5 
 4.3 
±0.8 
 154 
  ±4 
 5.3 
±0.2*
112 
 ±2 
 1.9 
±0.2 

 
 
 
 

 
 3 
   
 20  
± 4  
 36  
±14  
 33  
± 7  
 149 
 ±15 
 302 
 ±15 
 9.1 
±0.9 
 3.2 
±0.8 
 151 
  ±6 
 4.7 
±0.5 
109 
 ±4 
 2.0 
±0.2 

 
 3 
   
 22  
± 2  
 59  
±51  
 56  
± 2* 
 165 
 ±33 
 336 
 ±99 
 9.3 
±0.3 
 2.9 
±1.8 
 149 
  ±4 
 4.9 
±0.4 
109 
 ±2 
 1.9 
±0.1 
24
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 
 
 
 

 
 3 
   
 37  
±10  
 69  
±37  
 70  
±10  
 193 
 ±33 
 335 
 ±67 
 9.8 
±0.4 
 4.5 
±1.1 
 147 
  ±3 
 5.0 
±0.8 
103 
 ±2 
 1.9 
±0.2 

 
 3 
   
 37  
±11  
 98  
±44  
 82  
±15  
 169 
 ±27 
 328 
 ±67 
10.5 
±0.4 
 5.0 
±0.2 
 151 
  ±3 
 5.6 
±0.4 
107 
 ±3 
 2.0 
±0.1 

 
 
 
 

 
 3 
   
 24  
± 1  
 51  
±16  
 42  
± 6  
 177 
 ±42 
 348 
±103 
10.4 
±0.8 
 4.0 
±1.1 
 150 
  ±3 
 5.1 
±0.2 
107 
 ±3 
 2.0 
±0.1 

 
 3 
   
 26  
± 3  
 72  
±39  
 69  
± 7**
 170 
 ±52 
 302 
 ±96 
10.5 
±1.1 
 3.3 
±1.2 
 151 
  ±4 
 4.9 
±0.5 
108 
 ±2 
 2.0 
±0.1 

 *:非照射群とp<0.05にて有意差あり
**:非照射群とp<0.01にて有意差あり


(5) 臓器重量

 24ヶ月目に全ての動物を解剖し、臓器重量を測定した。結果は表14の通りである。

 雄:実重量では、精巣がN群に比べR群で有意に低い値を示したが、脳下垂体ではR群で有意に高い値を示した。その他の臓器および比重量については群間に著名な差は見られなかった。

 雌:実重量では、明らかな差は見られなかった。比重量については甲状腺でR群が有意に高い値を示したが、その他の項目では群間に明確な差は認められなかった。


表14 臓器重量
 群 
   
動物数
   
 体重  
 kg  
 脳  
 g  
 心臓  
  g  
  肺  
  g  
 肝臓  
  g  
 腎臓  
  g  
 脾臓  
  g  
 精巣  
  g  
卵巣 
mg 
 下垂体  
  mg  
甲状腺 
 mg 
 副腎 
 mg 
実重量
   
     
    
     
     
     
     
     
     
   
      
    
    

 
 
 
 

 
 3 
   
 5.61
±1.17
62.4
±3.3
18.8 
±5.5 
 19.2
± 2.9
 90.7
 ±4.0
17.3 
±1.7 
 7.8 
±1.5 
40.4 
±5.6 
   
   
 49.0 
 ±7.9 
 467
± 58
 622
±110

 
 3 
   
 6.22
±2.35
62.1
±6.8
17.8 
±2.4 
 23.7
±12.2
104.7
±50.5
16.4 
±4.3 
11.4 
±6.9 
26.7 
±5.8*
   
   
 69.0 
 ±6.1*
 542
±136
 661
± 62

 
 
 
 

 
 3 
   
 3.17
±0.31
52.2
±3.0
10.0 
±0.3 
 14.7
± 1.4
 63.3
 ±3.8
13.8 
±1.2 
 6.2 
±0.3 
     
     
364
±93
 68.3 
 ±4.0 
 425
±145
 531
±102

 
 3 
   
 2.87
±0.06
56.7
±2.7
10.9 
±1.4 
 14.6
± 1.3
 57.7
 ±3.5
12.6 
±2.1 
 5.5 
±2.1 
     
     
359
±70
 63.3 
±12.9 
 652
± 54
 660
±213
体重比
#  
     
    
     
     
     
     
     
     
   
      
    
    

 
 
 
 

 
   
   
     
     
11.5
±2.6
 3.34
±0.65
 3.46
±0.21
 16.5
 ±2.5
 3.13
±0.32
 1.46
±0.52
 7.27
±0.64
   
   
  9.1 
 ±3.0 
 85 
±18 
 113
± 25

 
   
   
     
     
10.6
±2.4
 3.02
±0.71
 3.71
±0.53
 16.4
 ±1.6
 2.74
±0.31
 1.74
±0.46
 4.74
±2.12
   
   
 11.8 
 ±2.9 
 90 
±20 
 114
± 31

 
 
 
 

 
   
   
     
     
17.6
±2.4
 3.16
±0.37
 4.67
±0.76
 20.2
 ±2.9
 4.39
±0.71
 1.97
±0.28
     
     
115
±28
 21.7 
 ±3.0 
132 
±36 
 168
± 34

 
   
   
     
     
19.8
±0.7
 3.34
±0.47
 5.09
±0.42
 20.1
 ±0.8
 4.41
±0.67
 1.91
±0.73
     
     
125
±25
 22.1 
 ±3.9 
228 
±15*
 231
± 79

 *:非照射群に比べp<0.05で有意差あり
 #:gまたはmg%


(6) 肉眼的検査

 雄では、N群で1例に肺の軽度炭粉沈着、他の1例に下顎部皮下の膿瘍が見られた。R群では1例に肺の軽度炭粉沈着、および肝に嚢胞形成が認められた。また、2例に胸部あるいは腰部皮下の白色結節が見られ、1例に精巣の萎縮が認められた。

 雌では、N群の1例に肺の膿瘍ならびに腸間膜と腹壁の癒着が認められた。

(7) 病理組織学的検査

 結果は表15に示す通りである。雄では、心臓、肺、肝臓、腎臓、小腸、前立腺、精巣、甲状腺、顎下腺、皮下織および腸間膜リンパ節などに、また雌では、肺、肝臓、腎臓、子宮、甲状腺、脊髄および皮下織などに表に示したような多彩な変化が散見されるが、いずれも群間に一定の傾向が認められなかった。また、雄雌ともに他の臓器には変化が認められなかった。


表15 組織学的検査
    
    
臓 器 
    
    
           
           
 所 見     群 
           
       動物数 
 雄 
 雌 








心 臓 
  硬 塞      
 

 
 
肺   
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
細気管支       
 
 
 
 
  好酸球浸潤    
 

 
 
  肉 芽      
 

 
 
肺 胞        
 
 
 
 
  炭粉沈着     




  泡沫細胞浸潤   
 
 
 

  硬 塞      

 
 
 
膿 瘍        
 
 
 

肝 臓 
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
肝細胞        
 
 
 
 
  明細胞巣     
 
 
 

  空胞化      




  細胞浸潤を伴う  
   限局性壊死巣  
 

 
 
 

 

結合織線維過形成を伴う
        石灰化
 

 
 
 
 
 
 
グリソン鞘      
 
 
 
 
  細胞浸潤     

 


嚢胞形成       
 

 
 
肉 芽        
 
 


腎 臓 
    
    
尿細管 硝子円柱   
 

 
 
間 質 細胞浸潤   
 
 
 

小 腸 
動脈壁 腫 脹    
 

 
 
前立腺 
    
    
肥 大        
 

 
 
間 質 細胞浸潤   

 
 
 
精 巣 
    
    
口 胞 萎 縮    
 

 
 
    巨細胞出現  
 

 
 
子 宮 
血管周囲 腫 脹   
 
 

 
甲状腺 
    
    
口 胞 拡 張    
 
 
 

細胞浸潤       

 
 
 
顎下腺 
    
    
石灰化        

 
 
 
間 質 細胞浸潤   



 
脊 髄 
    
    
グリヤ細胞過形成   
 
 

 
空胞化        
 
 

 
動 脈 
腫 脹        
 


 
皮下織 
腫 瘍        

 
 

リンパ節
拡 大        

 
 
 


4 小括

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的でサルによる24ヶ月間の慢性毒性試験を行った。N群およびR群ともに試験期間を通じて特記すべき症状の発現はなく、死亡例も認められなかった。

 血液形態学的検査において、雄のRBCおよびWBCがR群で有意に高い値を示したが、いずれも0ヶ月目にR群で高値を示す傾向が認められた項目であった。

 血清生化学的検査でも、8項目について、両群間に有意差が見られたが、いずれの項目も群間の差はわずかであり、N群の各時期を通しての変動の範囲内であるかまたは0ヶ月目に同様の差あるいは傾向の認められたものであった。

 臓器重量について、雄の実重量で精巣の減少および下垂体の増加、ならびに雌では甲状腺の比重量の増加が見られた。しかし、実重量および比重量の両者に有意差が見られず、また、病理組織学的検査でも、これらの臓器の内、精巣の精細管の萎縮および巨細胞の出現がR群に各々1例が見られること以外、明らかな変化が見られなかった。また、その他の臓器についても散発的かつ軽度な変化が見られたにすぎず、群間に一定の傾向を認めなかった。

 以上、今回の試験では、照射によると見なされる影響は認められなかった。

2. 世代試験
(1) マウスを用いた世代試験
1 緒言

 電子線照射みかんの安全性を調べる目的で、マウスによる次世代試験を実施し、繁殖生理に及ぼす影響および催奇形性の有無について検討した。

2 実験方法
(1) 検体および飼料調整法

 科学技術庁食品照射研究運営会議指定の温州みかんを日本原子力研究所(大阪)で電子線照射(150krad)した後、ジュース加工々場[南海加工(株)]で殺菌処理過程を除く通常の方法で1/5濃縮ジュースを調整し、照射みかんジュースに加工した。また、非照射みかんジュースを照射過程を除いた同様の方法で調整した。これらの濃縮ジュースをオリエンタル酵母社製繁殖用粉末飼料(NMF)に6.0W/W%の割合で添加し、混合成型した固形飼料をそれぞれ照射みかん添加飼料および非照射みかん添加飼料として用いた。

(2) 動物および飼育条件

 Slc:ddYマウス(SPF)、4週齢、雄雌各々180匹を静岡実験動物農業協同組合より購入し、1週間馴化飼育した後実験に供した。

 動物はプラスチック製ケージ(寸法W216mm×L316mm×H130mm)に雄は3匹、雌は1匹ずつ収容して、室温23±1℃、湿度55±5%、換気回数16回/時間、午前5時より照明に調節された飼育室で飼育した。水はタンク式自動給水装置により自由に摂取させた。

(3) 世代試験の方法

 馴化飼育後、健康と見られる動物を選定し、親世代動物として、1群が雄雌各40匹からなる対照群、非対照群および照射群の3群を用意し、世代試験を開始した。試験開始後は対照群にはNMF飼料を、非照射群には非照射みかん添加飼料を、そして照射群には照射みかん添加飼料を実験の全期間自由に摂取させた。

 3群に分けた動物は、図1に示すように28日後に第1世代動物を得るために各群ごとに雄雌1対1で4日間、午後5時より翌日の午前9時まで同居させ交配させた。同居翌朝、膣栓を確認した動物は交配・妊娠動物とみなし、この日を妊娠0日とした。妊娠動物は2分し、1群(15匹)は妊娠末期に胎仔の催奇形性を検査するために解剖した。残りの1群は第1世代動物を自然分娩させた。更に、第1世代動物を離乳時に2分し、1群は離乳時の催奇形性検査のために解剖した。残りの1群は離乳後42日間飼育した後、第2世代動物を得るために交配させた。その後は図1に示すように第3世代まで実験を行い、各世代で繁殖生理におよぼす影響および催奇形性の有無について検索した。


図1 照射みかんの次世代試験過程図


(4) 観察および検査項目
1) 一般状態、体重および摂餌量

 一般状態は外観上の変化を毎日観察した。体重は、哺乳期(0〜3週齢)の新生仔では1腹ごとにまとめて、4週齢より交配時までの飼育期間は個々に、それぞれ週1回測定した。妊娠期間は妊娠0日より18日目まで毎日測定し、妊娠0日を基として体重増加量を求めた。摂餌量は飼育期間について測定した。

2) 繁殖生理値

 繁殖生理値の指標として

 交配率=(交配を認めた雌数/交配に使用した雌数)×100

 妊娠率=(妊娠動物数/交配を認めた雌数)×100

 平均同腹仔数=自然分娩した動物の平均同腹仔数

 哺育率=(離乳母獣数/自然分娩母獣数)×100

 離乳率=(総離乳仔数/総出産仔数)×100

 について検索した。

3) 妊娠末期の母体および胎仔の検査

 妊娠18日目の母獣を帝王切開し、胎仔の生存の有無を検査した。更に、生存動物は個別に体重測定、口腔内を含む外形検査および発育遅延胎仔(体重1.0g以下)の検索を行った。死亡胎仔は状態により早期死亡胎仔(胎盤の遺残物のみを認めるもの)および後期死亡胎仔(浸軟胎仔)に分類した。着床数は生存胎仔数と死亡胎仔数の合計で表した。

4) 臓器重量

 新生仔(21日齢)の肝臓、腎臓、脾臓および精巣(卵巣)について肉眼的変化を観察した後、重量の測定を行った。また、それぞれについて体重比を算出した。

5) 妊娠末期胎仔および新生仔の骨格検査

 末期胎仔および新生仔は屠殺解剖後アルコール固定し、Dawson法に従いアリザリンレットS染色を施して骨格標本を作製し、骨格の異常ならびに化骨の進行状態を実体顕微鏡下で検索した。

6) 推計処理

 0〜9週齢および妊娠動物の体重、平均着床数および同腹仔数はStudentのt検定、胎仔体重、化骨進行度および臓器重量はWeilのWeighting Factorを用いたt検定、交配率、妊娠率、哺育率および離乳率はχ・E(2)検定、生存胎仔数、外形異常胎仔数、死亡胎仔数、胎仔および新生仔の骨格検査成績はWilcoxonの順位和検定を行った。なお、これらの検定は対照群と照射群および非照射群と照射群の群間で行った。

3 結果
(1) 一般状態

 各群とも特記すべき症状の発現は各世代を通じ認められない。

(2) 体重および摂餌量
1) 成長曲線(図2)

 親世代:群間に明らかな差は認められない。

 第1世代:照射群では対照群に対して全期間低値を示す傾向を認め、多くの週齢で雄雌とも有意差を認める。非照射群に対しても1部の週齢で有意に低値を示す。しかし、雄雌とも5週齢以後では非照射群との間に有意差は認められない。また8週齢以後ではほとんど同じ値を示す。

 第2世代:雄では、対照群に対し4週齢以後で照射群が有意に低値を示す傾向を認める。しかし、非照射群とはいずれの期間も有意差は認められない。

 第3世代:照射群では対照群および非照射群に比べ低値を示し、2および3週齢では対照群との群間に有意差を認める。しかし、非照射群とはいずれの週齢でも雄雌とも有意差は認められない。


図2 成長曲線


2) 摂餌量(図2)

 親世代:雄では全期間を通し対照群、照射群、非照射群の順に高値を示す。照射群では対照群に対し6〜7週齢で、非照射群に対し7週齢で有意差を認める。雌では8週齢を除き、対照群、非照射群、照射群の順に高値を示す。照射群は対照群に対し6、7および9週齢で、非照射群に対しては6、8および9週齢で有意差を認める。

 第1世代:照射群は対照群に比べ雄雌とも低値を示し、雄では全期間、雌では6週齢で有意差を認める。しかし、非照射群に対しては差を認めない。

 第2世代:雄では対照群、照射群、非照射群の順に高値を示す。照射群は対照群に対し5および6週齢で、非照射群に対し8週齢で有意差を認める。雌では群間に差は認められない。


図2 摂餌量


(3) 妊娠母獣体重増加曲線(図3)

 親世代の照射群では対照群に対し16日目で有意に高値を示す。その外の期間では差を認めない。第1世代の照射群では非照射群に対し4および6〜10日目に有意差を示す。しかし、その後はほとんど差を認めない。第2世代の照射群では対照群に対して12日目以後で有意に高値を示す。しかし、非照射群との群間に差は認められない。


図3 妊娠動物体重増加曲線


(4) 繁殖生理値(表1)

 各世代を通し照射群で対照群あるいは非照射群に対し有意差を認める項目は認められない。


表1 繁殖生理値
 世   代 
   親       世       代      
   第     一     世     代    
   第     二     世     代    
   群   
 対   照  
 非 照 射  
 照   射  
 対   照  
 非 照 射  
 照   射  
 対  照  
 非 照 射  
 照   射  
交配
  
  
数   
 38/40  
 40/40  
 37/40  
 39/40  
 40/40  
 39/40  
 39/40  
 39/40  
 39/40  
率(%)
  95.0  
 100    
  92.5  
  97.5  
 100    
  97.5  
  97.5  
  97.5  
  97.5  
妊娠
  
  
数   
 34/38  
 40/40  
 32/37  
 36/39  
 35/40  
 37/39  
 38/39  
 38/39  
 38/39  
率(%)
  89.5  
 100    
  86.5  
  92.3  
  87.5  
  94.9  
  97.4  
  97.4  
  97.4  
平均同腹仔数 
11.6±2.1
11.6±1.4
12.4±1.1
10.8±1.7
11.1±2.6
10.3±2.4
10.7±2.0
10.9±1.9
11.3±1.7
哺乳
  
  
数   
 16/19  
 21/25  
 14/17  
 19/21  
 19/20  
 21/22  
 21/23  
 23/23  
 23/23  
率(%)
  84.2  
  84.0  
  82.4  
  90.5  
  95.0  
  95.5  
  91.3  
 100    
 100    
離乳
  
  
数   
170/220 
239/289 
165/210 
197/227 
203/223 
194/226 
221/246 
238/251 
242/259 
率(%)
  77.3  
  82.7  
  78.6  
  86.8  
  91.0  
  85.8  
  89.8  
  94.8  
  93.4  


(5) 妊娠末期の母体および胎仔の検査(表2)

 親世代および第1世代では各検査項目とも群間に明らかな差を認めない。第2世代の照射群では平均同腹仔数が非照射群に対し有意に高値を示す。しかし、対照群との間に明らかな差は認められない。その外の項目では群間に有意差を認めない。


表2 妊娠末期の母体および胎仔の検査
  世   代  
     親          世          代    
     第      一      世    代     
     第      二      世      代     
    群    
  対   照   
  非 照 射   
  照   射   
  対   照   
  非 照 射   
 照   射   
  対   照   
  非 照 射   
  照   射   
妊娠母獣数    
    15    
    15    
    15    
    15    
    15    
   15    
    15    
    15    
    15    
総着床数     
   203    
   194    
   192    
   174    
   180    
  179    
   179    
   177    
   190    
平均着床数    
13.5±2.2  
12.9±1.6  
12.8±1.1  
11.6±1.8  
12.0±2.0  
11.9±1.3  
11.9±1.0  
11.8±1.8  
12.7±1.6  
生存胎仔     
          
          
          
          
          
         
          
          
          
 総生存胎仔数  
188(92.6%)
178(91.8%)
178(92.7%)
162(93.1%)
164(91.1%)
164(91.6%)
168(93.9%)
159(89.8%)
180(94.7%)
 平均同腹胎仔数 
12.5±2.3  
11.9±1.3  
11.9±1.7  
10.8±2.0  
10.9±2.2  
10.9±1.9  
11.2±1.9  
10.6±1.8  
12.0±1.7* 
 外形異常胎仔数 
     0    
     0    
     0    
     0    
     0    
    0    
     0    
     0    
     0    
 発育遅延胎仔数 
  2( 1.1%)
  1( 0.5%)
  1( 0.5%)
     0    
     0    
    0    
     0    
     0    
  1( 0.5%)
 胎仔平均体重
    (g)
       

1.36±0.12 
1.40±0.10 
1.41±0.11 
1.41±0.11 
1.42±0.11 
1.44±0.12 
1.43±0.08 
1.37±0.10 
1.38±0.10 

1.31±0.12 
1.37±0.10 
1.34±0.12 
1.37±0.10 
1.35±0.12 
1.40±0.11 
1.38±0.09 
1.33±0.10 
1.35±0.11 
死亡胎仔     
          
          
          
          
          
         
          
          
          
 総死亡胎仔数  
 15( 7.4%)
 16( 8.3%)
 14( 7.3%)
 12( 6.7%)
 16( 8.9%)
15( 8.4%)
 11( 6.1%)
 18(10.2%)
 10( 5.3%)
 早期死亡胎仔数 
 13( 6.4%)
 14( 7.2%)
 10( 5.2%)
 10( 5.8%)
 13( 7.2%)
12( 6.7%)
  9( 5.0%)
 12( 6.8%)
  9( 4.7%)
 後期死亡胎仔数 
  2( 1.0%)
  2( 1.0%)
  4( 2.1%)
  2( 1.2%)
  3( 1.7%)
 3( 1.7%)
  2( 1.5%)
  6( 3.4%)
  1( 0.5%)

*:p<0.05で非照射群に対して有意差あり。


(6) 新生仔の臓器の肉眼的変化および重量
1) 肉眼的変化

 第1世代では対照群の雄の1例に、第2世代では非対照群の雄の1例および照射群の雄の2例に腎臓欠損(片側性)を認める。第3世代では対照群の雌の1例に肝臓表面の点状の白斑の散在を、非対照群の雄に肝臓の褪色および腎水腫を各々1例を認める。

2) 臓器重量(表3)

 第1世代および第2世代:1部の臓器で実重量あるいは比重量に対し照射群で有意差を認める。しかし、いずれの臓器でも実重量と比重量の両者に有意差を認める臓器は認められない。

 第3世代:雄雌とも、照射群の肝臓が実重量・比重量とも対照群に対し有意に低値を示す。非照射群との群間にはいずれの臓器でも明らかな差は認められない。


表3 新生仔の臓器重量
   世   代    
    第      一      世      代    
    第      二      世    代     
    第      三      世      代     
     群      
  対   照  
  非 照 射  
  照   射   
  対   照  
  非 照 射  
照   射    
  対   照  
  非 照 射  
  照   射    

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
母  獣  数   
   14    
   20    
   13     
   18    
   19    
 18      
   21    
   23    
   22      
検 査 仔 数   
   42    
   71    
   31     
   62    
   62    
 62      
  104    
  124    
  105      
体 重 (g)   
10.3±2.7 
10.4±2.1 
 9.3±1.3  
11.4±2.6 
 9.9±2.3 
10.2±2.6   
12.6±1.8 
11.4±2.8 
10.7±2.3☆☆ 
肝 臓
   
   
(実重量g)
0.63±0.22
0.64±0.16
0.53±0.11 
0.71±0.21
0.62±0.21
0.59±0.20  
0.84±0.18
0.74±0.25
0.66±0.19☆☆
(比重量) 
5.90±0.84
6.00±0.68
5.74±0.65 
6.14±0.57
6.11±0.81
5.80±0.81  
6.60±0.68
6.33±0.82
6.07±0.74☆ 
腎 臓
   
   
(実重量g)
0.19±0.06
0.19±0.04
0.18±0.03 
0.21±0.05
0.19±0.04
0.18±0.05  
0.23±0.04
0.21±0.05
0.21±0.05  
(比重量) 
1.83±0.24
1.82±0.23
1.90±0.22 
1.82±0.15
1.93±0.16
1.75±0.19★★
1.84±0.18
1.86±0.21
1.98±0.21☆ 
脾 臓
   
   
(実重量g)
0.09±0.05
0.08±0.03
0.08±0.05 
0.09±0.04
0.07±0.03
0.08±0.03  
0.12±0.03
0.10±0.04
0.10±0.04  
(比重量) 
0.78±0.37
0.76±0.25
0.82±0.42 
0.74±0.21
0.73±0.19
0.71±0.19  
0.90±0.17
0.81±0.24
0.89±0.22  
精 巣
   
   
(実重量g)
0.05±0.02
0.05±0.02
0.04±0.01 
0.05±0.02
0.04±0.01
0.04±0.01☆ 
0.06±0.02
0.05±0.02
0.05±0.02  
(比重量) 
0.46±0.11
0.47±0.15
0.41±0.09 
0.45±0.10
0.40±0.10
0.41±0.09  
0.47±0.10
0.45±0.12
0.50±0.13  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
母  獣  数   
   16    
   21    
   14     
   18    
   18    
 19      
   21    
   22    
   22      
検 査 仔 数   
   48    
   88    
   54     
   55    
   61    
 52      
  117    
  114    
  137      
体 重 (g)   
 9.9±3.0 
10.7±2.1 
 8.8±1.6★★
10.9±2.1 
 9.8±2.6 
10.5±3.5   
12.4±1.7 
11.4±2.4 
10.5±2.5☆☆ 
肝 臓
   
   
(実重量g)
0.58±0.22
0.65±0.18
0.50±0.12★
0.68±0.17
0.59±0.20
0.62±0.27  
0.81±0.15
0.75±0.20
0.65±0.20☆☆
(比重量) 
5.60±0.85
5.94±0.73
5.71±0.61 
6.20±0.80
5.95±0.75
5.72±0.77  
6.50±0.56
6.18±0.69
6.05±0.75☆ 
腎 臓
   
   
(実重量g)
0.18±0.06
0.20±0.05
0.16±0.03★
0.20±0.04
0.18±0.05
0.19±0.07  
0.24±0.05
0.22±0.05
0.22±0.06  
(比重量) 
1.83±0.21
1.86±0.25
1.86±0.22 
1.84±0.30
1.88±0.16
1.83±0.23  
1.91±0.40
1.93±0.22
2.05±0.23  
脾 臓
   
   
(実重量g)
0.08±0.05
0.09±0.04
0.06±0.04 
0.09±0.04
0.08±0.03
0.08±0.04  
0.12±0.03
0.11±0.04
0.10±0.04  
(比重量) 
0.76±0.32
0.81±0.24
0.67±0.37 
0.84±0.23
0.72±0.19
0.71±0.24  
0.97±0.20
0.93±0.25
0.94±0.26  
卵 巣(実重量mg)
 3.8±1.7 
 4.3±1.4 
 3.4±1.0★ 
 4.7±1.6 
 3.4±1.3 
 4.1±1.6   
 5.3±1.4 
 4.4±1.5 
 4.6±1.7   
   (比重量)  
37.9±12.6
40.7±9.4 
38.1±9.4  
44.1±13.3
34.6±10.9
39.5±11.5  
42.5±8.8 
38.4±10.0
43.2±11.2  

☆:p<0.05,☆☆:p<0.01で対照群に対して有意差あり。
★:p<0.05,★★:p<0.01で非照射群に対して有意差あり。


(7) 骨格検査(表4)
1) 妊娠末期胎仔(表4)

 第1世代および第2世代:照射群で腰椎の仙椎化が対照群および非照射群に比べ、高値を示す傾向が認められる。しかし、いずれの項目でも有意差は認められない。

 第3世代:第1および第2世代と同様に、照射群で腰椎の仙椎化が高値を示し、対照群との群間に有意差を認める。その外、対照群および非照射群に比べ頚肋が僅かに低値を、胸骨化骨不全が僅かに高値を示す。


表4 妊娠末期個の骨格検査成績
   世   代    
   第     一     世     代    
   第     二     世     代
   第     三     世     代     
     群      
 対   照  
 非 照 射  
 照   射  
  対   照 
  非 照 射 
  照   射
  対   照 
  非 照 射 
  照   射  
母    獣    数 
   15   
   15   
   15   
   15   
   15   
   15
   15   
   15   
   15    
検  査  仔  数  
  188   
  178   
  178   
  162   
  164   
  164
  168   
  159   
  180    
頭 蓋 骨       
        
        
        
        
        

        
        
         
            
 前 頭 間 骨    
       *
 2( 1.1)
        
 2( 1.1)
        
 4( 2.3)
        
11( 6.8)
        
 2( 1.2)

 3( 1.8)
        
 5( 3.0)
        
 2( 1.3)
         
 2( 1.1) 
 後頭骨化骨不全    
 0      
 0      
 0      
 3( 1.9)
 0      
 0
 0      
 0      
 0       
頸 椎         
        
        
        
        
        

        
        
         
 椎体化骨核欠損    
 6( 3.2)
 0      
 0      
 0      
 0      
 0
 0      
 0      
 0       
 椎弓先端分岐・分離  
 3( 1.6)
 0      
 2( 1.1)
 2( 1.2)
 2( 1.2)
 1( 0.6)
 6( 3.6)
10( 6.3)
 4( 2.2) 
 頸 肋        
52(27.7)
35(19.7)
35(19.7)
23(14.2)
42(25.6)
29(17.7)
50(29.8)
47(29.6)
43(23.9) 
胸 椎         
        
        
        
        
        

        
        
         
 欠     損    
 0      
 0      
 0      
 2( 1.2)
 0      
 0
 0      
 0      
 0       
 椎体化骨核癒合    
 0      
 0      
 0      
 0      
 0      
 1( 0.6)
 0      
 0      
 0       
腰 椎         
        
        
        
        
        

        
        
         
 腰 肋(第14肋骨) 
 0      
 1( 0.6)
 1( 0.6)
 1( 0.6)
 0      
 0
 4( 2.4)
 1( 0.6)
 4( 2.2) 
 仙椎化        
 6( 3.2)
 6( 3.4)
15( 8.4)
 5( 3.1)
13( 7.9)
16( 9.8)
 0      
 5( 3.1)
11( 6.1)☆
肋 骨         
        
        
        
        
        

        
        
         
 癒 合        
 0      
 0      
 0      
 2( 1.2)
 0      
 0
 1( 0.6)
 0      
 1( 0.6) 
 短 小        
 1( 0.5)
 2( 1.1)
 3( 1.7)
 1( 0.6)
 2( 1.2)
 4( 2.4)
 0      
 0      
 1( 0.6) 
 胸 骨        
        
        
        
        
        

        
        
         
 化 骨 不 全    
19(10.1)
11( 6.2)
14( 7.9)
12( 7.4)
16( 9.8)
13( 7.9)
 9( 5.4)
 8( 5.0)
15( 8.5) 
 列  不  全    
 0      
 0      
 1( 0.6)
 1( 0.6)
 2( 1.2)
 2( 1.2)
 1( 0.6)
 0      
 0       
 欠     損    
 1( 0.5)
 0      
 0      
 0      
 0      
 0
 0      
 0      
 0       
化 骨 進 行 度   
        
        
        
        
        

        
        
         
            
 仙椎+尾椎数     
      **
12.4±1.7
        
13.3±1.6
        
13.3±2.0
        
13.1±1.6
        
13.4±1.7

13.6±1.7
        
13.2±1.5
        
12.9±1.5
         
13.1±1.7 
 指骨中節骨数(右・左)
 7.1±1.4
 7.3±1.1
 7.5±1.1
 6.6±2.0
 6.5±2.0
 6.8±1.1
 6.8±1.7
 6.2±1.8
 6.8±1.4 
 踵骨・距骨数(右・左)
 3.7±0.9
 3.9±0.3
 3.9±0.5
 3.8±0.7
 3.8±0.7
 3.9±0.5
 3.9±0.4
 3.6±1.0
 3.8±0.8 
 趾骨中節骨数(右・左)
 4.4±2.9
 5.1±2.7
 5.6±2.5
 4.8±2.7
 4.6±3.1
 5.2±2.7
 4.9±2.3
 3.6±2.9
 4.3±3.0 

☆:p<0.05で対照群に対して有意差あり。
*:仔数(%)、**:平均±標準偏差


2) 新生仔(表5)

 第1世代:頚椎々弓癒合不全・開離が照射群で対照群および非照射群に対して有意に高値を示す。その外の項目では有意差は認められない。また、一定の傾向も認められない。

 第2世代:仙椎の腰椎化が対照群および非照射群に比べ照射群でやや高い値を示す。その外の項目では、照射群だけが高値あるいは低値を示す傾向は認められない。

 第3世代:頚椎々弓癒合不全・開離が照射群で対照群および非照射群に比べやや高い値を示す。この外の項目では、照射群だけが高い値あるいは低値を示す傾向は認められない。


表5 新生仔の骨格検査成績
  世   代   
    第     一     世     代      
   第     二     世     代  
   第     三     世     代    
    群     
 対   照   
 非 照 射  
 照   射    
  対   照 
  非 照 射 
  照   射 
  対   照 
  非 照 射 
  照   射 
母   獣   数 
   16    
   21   
   14     
   19   
   19   
   20  
   21   
   23   
   22   
検  査  仔  数
   90    
  159   
   85     
  117   
  123   
  114  
  221   
  238   
  242   
頸 椎       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 椎弓癒合不全・開離
38(42.2)*
65(40.9)
60(70.6)☆★
36(30.8)
60(48.8)
48(42.1)
37(16.7)
69(29.0)
95(39.3)
 椎弓非対照癒合  
 0       
 0      
 0        
 1( 0.9)
 0      
 0  
 0      
 0      
 0      
 癒 合      
 0       
 0      
 0        
 0      
 0      
 0  
 0      
 2( 0.8)
 0      
 頸 肋      
 4( 4.4) 
15( 9.4)
10(11.8)  
11( 9.4)
12( 9.8)
11( 9.6)
51(23.1)
40(16.8)
65(26.9)
胸 椎       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 椎弓癒合不全・開離
15(16.7) 
15( 9.4)
 5( 5.9)  
15(12.8)
 9( 7.3)
 9( 7.9)
15( 6.8)
17( 7.1)
25(10.3)
 椎弓非対照癒合  
 0       
 0      
 0        
 1( 0.9)
 0      
 0  
 1( 0.5)
 0      
 0      
腰 椎       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 椎弓癒合不全・開離
 5( 5.6) 
 0      
 1( 1.2)  
 1( 0.9)
 1( 0.8)
 0  
 0      
 0      
 1( 0.4)
 腰肋(第14肋骨)
 2( 2.2) 
 1( 0.6)
 0        
 6( 5.1)
 1( 0.8)
 0  
 4( 1.8)
 1( 0.4)
 0      
 仙 椎 化    
 2( 2.2) 
 7( 4.4)
 5( 5.9)  
 6( 5.1)
 6( 4.9)
14(12.2)
17( 7.7)
30(12.6)
28(11.6)
尾 椎       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 変 形      
 3( 3.3) 
 2( 1.3)
 2( 2.4)  
 2( 1.7)
 3( 2.4)
 1( 0.9)
 2( 0.9)
 2( 0.8)
 7( 2.9)
 癒 合      
 0       
 0      
 1( 1.2)  
 0      
 0      
 0  
 0      
 0      
 0      
椎骨数異常     
 1( 1.1) 
 0      
 0        
 0      
 0      
 0  
 0      
 0      
 0      
肋 骨       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 短 小      
 0       
 0      
 0        
 0      
 0      
 0  
 0      
 0      
 0      
胸 骨       
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 列 不 整    
 0       
 1( 0.6)
 0        
 2(11.7)
 3( 2.4)
 1( 0.9)
 1( 0.5)
 0      
 3( 1.2)
 剣状突起分岐   
 0       
 0      
 1( 1.2)  
 0      
 0      
 1( 0.9)
 1( 0.5)
 0      
 0      
恥骨・座骨     
         
        
          
        
        
 
        
        
        
 結合部開離    
19(21.1) 
13( 8.2)
14(16.5)  
10( 8.5)
13(10.6)
15(13.2)
 5( 2.3)
22( 9.2)
17( 7.0)
化 骨 進 行 度 
         
        
          
        
        
 
        
        
        
          
 仙椎+尾椎数   
       **
33.5±0.8 
        
33.7±0.8
          
33.8±0.9  
        
33.7±0.9
        
33.2±0.9
 
33.4±1.1
        
33.8±0.9
        
33.5±0.9
        
33.5±1.0

☆:p<0.05で対照群に対して有意差あり。
★:p<0.05で非照射群に対して有意差あり。
*:仔数(%)、**:平均±標準偏差


4 小括

 照射みかん摂取による繁殖生理に及ぼす影響および催奇形性の有無を検索する目的で、マウスによる連続3代の世代試験を行った。

 一般状態、体重および摂餌量の検査では、新世代の摂餌量および第1世代の飼育期の体重が一時期、対照群および非照射群に対し有意に低値を示す。しかし、その変化は一時的なものであること、非照射群とは大部分の時期で明らかな差は認められないことより、照射による体重抑制あるいは摂餌量の低下とは考えられない。繁殖生理、妊娠末期の母獣および胎仔への影響および新生仔の臓器の検査では、いずれの項目でも対照群および非照射群に対して同時に有意差を認める項目は認められず、照射による影響と考えられる変化は認められない。妊娠末期胎仔の骨格検査では、腰椎の仙椎化が各世代に亘り対照群および非照射群に比べ高値あるいはその傾向を示した。しかし、いずれの世代でも非照射群との群間に有意差は認められなかった。新生仔の骨格検査では、第1世代および第3世代の頚椎々弓癒合不全・開離が対照群および非照射群に比べ高値を示す傾向を認める。しかし、この変化も第2世代では逆に非照射群よりも照射群で僅かに低値を示し、照射による影響とは考えられない。

 以上、今回の実験成績からは照射みかん摂取に起因すると考えられるような変化はいずれの検査でも認められなかった。

3. 変異原性試験
1. はじめに

 照射食品について遺伝学的安全性を評価するためには試験法の選択がきわめて重要である。数多くの遺伝毒性試験のうちどれを取り上げるべきかについては、試験対象の重要に応じて配慮されるべきであろうが、ミカンは主要な果物でその消費量もきわめて大きいことを考慮して、厚生省が公にした「食品添加物などの遺伝的安全性評価の基準」に示された各種の試験法をほぼカバーするに足りる項目の試験法を選択した。なお哺乳動物を用いる特定座位試験は現時点において、最も信頼するに足る試験法とされているが、その実施には莫大な費用を要し、しかも試験法自体検討の余地が大きいとされている点を考慮して今回は実施を見送った。照射食品について哺乳動物による特定座位試験が実施されたという報告は諸外国においても皆無であり、哺乳動物による優性致死試験の結果が最も重視されているのが現状である。

 今回実施した試験項目は次のとおりである。

 1.細菌を用いる突然変異誘発試験

 2.哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験

 (1)マウス生体による小核試験

 (2)マウスによる優性致死試験

2. 細菌を用いる突然変異誘発試験
1 緒言

 細菌による突然変異誘発試験に用いられる菌株は数多いが、Amesらによって開発され、今日広く用いられているネズミチフス菌(TA100、TA98、TA1535、TA1537、TA1538)と大腸菌WP2uvrAを使用することとした。ただしこれらの菌株による試験はアミノ酸要求性から非要求性への復帰変異を目標として行われるものであるため、各種アミノ酸を含有するような食品試料についての試験に用いることは問題があるかもしれない。しかし今回の試験は、電子線照射前後の比較を行うことを主目的とするものであるから、上記の菌株を検定菌として使用することに大きな問題はないと考えてよかろう。

2 試験方法
(1) 検定菌

 Salmonella typhimurium TA100、TA98、TA1535、TA1537、TA1538および大腸菌WP2uvrA。

 試験にさいしては0.5%NaCl加Nutrient Broth(Difco)を入れたL字型試験管に種菌を接種し、37℃で16時間振とう培養して試験に用いた。

(2) 試験検体

 照射および非照射濃縮ミカンジュースを試験試料とした。また陽性対照薬剤としてAF2、9−aminoacridine、4−nitro−o−phenylenediamine(4NOPD)、N−ethyl−N−nitro−N−nitrosoguanidine(ENNG)、2−aminoanthracene(S−9添加)を用いた。

(3) 試験操作法

 いわゆるプレート法(Plate incorporation method)によった。

 検定菌液0.1ml、試験試料0.5mlまたは0.1ml、S−9混液(1)またはリン酸緩衝液0.5mlを内径13mmの試験管中に入れ、融解したtop agar(2)2mlと混合しbase agar(3)平板上に流して固めた。培養は37℃で48時間行い、発生した変異集落を算定した。

(4) 培地組成

 (1)S−9混液(1ml中下記の成分を含む)

   S−9**            0.1ml

   NADH            4μmole

   MgCl2           8μmole

   NADPH           4μmole

   KCl            33μmole

   0.2Mリン酸緩衝液(pH7.4)0.5ml

   G−6−P           5μmole

 (2)Top agar(TA系菌株用)

   Bacto agar        0.6%

   L−Histidine*    0.05mM

   NaCl              0.5%

   Biotin*         0.05mM

 (3)Base agar(培地1Lあたり)

   MgSO4・7H2O        0.2g

   Glucose            20g

   Citric acid・H2O     2g

   K2HPO4             10g

   Bacto agar         15g

   NaNH4HPO4・4H2O    3.5g

   径90mmのシャーレ1枚あたり30mlを流して固めた。

 **ラット肝ホモジネートの9000g遠沈上清

  *WP2株用にははぶき、かわりにL−Tryptophan 0.05mMを加えた。

3 試験結果

 試験結果は表1−1、1−2に示すごとくで、非照射・照射ミカンジュースともにTA100およびTA1535について、S−9添加時に変異コロニーの増加が認められたが、両検体間の差は認められなかった。

 以上の結果から、使用した試験系について、ミカンジュースの変異原性は電子線照射によって影響をうけないものと結論される。


表1−1a 細菌を用いる突然変異誘発試験(S−9無添加)
試 験 区 分
       
       
  検 体 用 量  
  (1平板あたり) 
           
          変 異 集 落 数 (平 均)          
  TA 100   
 TA 1535   
 WP2 uvrA  
照 射ジュ−ス
       
       
       
       
   0.5ml   
           
176,179,233
   (196)   
33,36,42   
  (37)     
24,35,25   
  (28)     
   0.1ml   
           
190,224,182
   (199)   
30,29,27   
  (29)     
20,15,12   
  (16)     
非照射ジュース
       
       
       
       
   0.5ml   
           
197,208,191
   (199)   
40,44,31   
  (38)     
16,28,27   
  (24)     
   0.1ml   
           
190,214,210
   (205)   
27,25,24   
  (25)     
16,20,16   
  (17)     
陰性対照試験             
                   
172,161,188
   (174)   
26,20,22   
  (23)     
28,18,23   
  (23)     
陽性対照試験 
       
       
       
       
       
       
       
AF2  0.01μg
           
534,502,566
   (534)   
           
           
           
           
NaN3 0.5 μg
           
           
           
211,198,224
   (211)   
           
           
AF2  0.04μg
           
           
           
           
           
177,183,169
   (176)   



表1−1b 細菌を用いる突然変異誘発試験(S−9無添加)
試 験 区 分
       
       
  検 体 用 量  
  (1平板あたり) 
           
          変 異 集 落 数 (平 均)          
  TA 98    
 TA 1537   
 TA 1538   
照 射ジュ−ス
       
       
       
       
   0.5ml   
           
11,25,15   
  (17)     
12,12,19   
  (14)     
 9,18,25   
  (17)     
   0.1ml   
           
23,35,40   
  (33)     
11,10,10   
  (10)     
20,24,29   
  (24)     
非照射ジュース
       
       
       
       
   0.5ml   
           
24,18,17   
  (20)     
 8,12,10   
  (10)     
18,22,27   
  (22)     
   0.1ml   
           
30,19,19   
  (23)     
11,8,9     
  (9)      
19,22,27   
  (20)     
陰性対照試験             
                   
36,31,23   
  (30)     
13,12,11   
  (12)     
28,21,16   
  (22)     
陽性対照試験 
       
       
       
       
       
       
       
AF2  0.02μg
           
116,122,108
   (115)   
           
           
           
           
9AA  50μg  
           
           
           
176,187,160
   (174)   
           
           
4NOPD 1μg  
           
           
           
           
           
176,154,166
   (165)   



表1−2a 細菌を用いる突然変異誘発試験(S−9添加)
試 験 区 分
       
       
  検 体 用 量  
  (1平板あたり) 
           
          変 異 集 落 数 (平 均)          
  TA 100   
 TA 1535   
 WP2 uvrA  
照 射ジュ−ス
       
       
       
       
   0.5ml   
           
272,214,265
   (250)   
29,33,40   
  (34)     
25,28,29   
  (27)     
   0.1ml   
           
195,210,192
   (199)   
19,15,15   
  (16)     
28,20,14   
  (21)     
非照射ジュース
       
       
       
       
   0.5ml   
           
244,204,209
   (219)   
34,36,28   
  (32)     
16,28,32   
  (25)     
   0.1ml   
           
169,188,205
   (187)   
20,29,16   
  (22)     
16,20,16   
  (17)     
陰性対照試験             
                   
102,100,132
   (111)   
14,14,24   
  (17)     
19,14,19   
  (17)     
陽性対照試験 
       
       
       
       
       
       
       
2AA 10  μg 
           
           
           
           
           
378,391,388
   (386)   
     2  μg 
           
           
           
136,127,140
   (134)   
           
           
     0.5μg 
           
316,334,312
   (321)   
           
           
           
           



表1−2b 細菌を用いる突然変異誘発試験(S−9添加)
試 験 区 分
       
       
  検 体 用 量  
  (1平板あたり) 
           
          変 異 集 落 数 (平 均)          
  TA 98    
 TA 1537   
 TA 1538   
照 射ジュ−ス
       
       
       
       
   0.5ml   
           
34,34,39   
  (36)     
18,19,14   
  (17)     
26,26,20   
  (24)     
   0.1ml   
           
45,33,48   
  (42)     
17,20,12   
  (16)     
25,25,27   
  (26)     
非照射ジュース
       
       
       
       
   0.5ml   
           
52,27,40   
  (40)     
21,20,25   
  (22)     
29,25,28   
  (27)     
   0.1ml   
           
34,39,37   
  (37)     
16,21,18   
  (18)     
22,26,18   
  (22)     
陰性対照試験             
                   
42,51,40   
  (44)     
21,12,10   
  (14)     
24,20,18   
  (21)     
陽性対照試験 
       
       
       
       
2AA 2  μg  
           
           
           
73,66,71   
  (70)     
           
           
    0.5μg  
           
124,130,119
   (124)   
           
           
179,183,187
   (183)   


3. 哺乳動物の生体を用いる突然変異誘発試験
(1) マウス生体による小核試験
1 目的

 照射ミカンの染色体に及ぼす影響をみるため、マウスを用いて急性および亜急性投与による小核試験を実施した。

2 試験方法
(1) 検体及び動物

 検体は国立衛試より分与をうけた非照射および照射の缶入ミカン濃縮(5培)ジュースを用いた。

 動物はBDF1雄マウス(静動協)を8週齢で購入し1週予備飼育後9週齢で本試験に用いた。

(2) 急性試験

 1群6匹のマウスを用い、照射ミカンジュース投与群はマウス1匹あたり1ml、0.5ml、0.25ml投与の3群を設け、非照射ミカンジュース投与群は、1ml投与群のみを設けた。陰性対照として蒸留水0.5mlを投与し、陽性対照としてメチルメタンサルフォネートを40mg/kgになるように投与した。投与はすべて胃ゾンデを用いて経口的に行った。

 標本の作製方法:Schmidの方法に従って標本を作製した。投与の24時間後に頚椎脱臼により屠殺して右大腿骨を摘出した。骨髄細胞は、両骨端を切除した大腿骨より牛胎仔血清(0.2ml)で洗い出し遠沈管に集め、1000rpmで5分間遠心沈澱し、上清を除いた。ピペッティング後、細胞浮遊液の一部をスライドグラスに塗抹し、一夜室温で乾燥させた。乾燥させたスライドは1分間メタノールで固定し、May−Gruenwald染色(pH6.8のphosphate bufferで1:1に希釈したMay−Gruenwald液で5分間染色)およびGiemsa染色(pH6.8のphosphate bufferで2.5%に希釈したGiemsa液で20分間染色)

 小核赤血球の観察:観察はブラインド法で2名の観察者によりおこなった。1個体あたり1,500個の多染性赤血球(polychromatic erythrocyte)を観察し、その中の小核を有した多染性赤血球の出現頻度を求めた。

 有意差検定:陰性対照群と検体投与群および陽性対照群との間の有意差検定は、カイ2乗[χ・E(2)]法によりおこなった。

(3) 亜急性試験

 急性試験と同様に1群6匹のマウスを用い、1日に6時間間隔で2回、5日間連日経口投与した。5日目の投与は朝のみ1回とし最終投与の6時間後に標本を作製した。照射ミカンジュース投与群では1回の投与がマウス1匹あたり、0.5ml、0.25ml、0.125mlの3群とし、非照射ミカンジュース投与群は0.5ml投与群のみを設けた。

 標本の作製、観察は急性試験の場合と同様に行った。

3 試験結果
(1) 急性試験

 照射ミカンジュース投与群は高用量、低用量群ともに対照群と比べ小核の有意な増加はみられなかった。また非照射ミカンジュース投与群においても同様に有意な増加はみられなかった(表2−1)。


表2−1a ミカンジュースの急性小核試験
    群      投与用量 
動物番号
観察した多染性赤血球の数
小核を有する多染性赤血球χ・E(2)−検定
照射ミカンジュース       
          1   ml
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
  1 
   1,500    
      0              
  2 
   1,500    
      2              
  3 
   1,500    
      3              
  4 
   1,500    
      1              
  5 
   1,500    
      1              
  6 
   1,500    
      4              
  計 
    
   9,000    
            
     11         −    
                     
照射ミカンジュース       
          0.5 ml
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
  7 
   1,500    
      0              
  8 
   1,500    
      6              
  9 
   1,500    
      0              
 10 
   1,500    
      2              
 11 
   1,500    
      3              
 12 
   1,500    
      2              
  計 
    
   9,000    
            
     13         −    
                     
照射ミカンジュース       
          0.25ml
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
 13 
   1,500    
      5              
 14 
   1,500    
      7              
 15 
   1,500    
      2              
 16 
   1,500    
      3              
 17 
   1,500    
      0              
 18 
   1,500    
      1              
  計 
    
   9,000    
            
     18         −    
                     
非照射ミカンジュース      
          1   ml
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
 19 
   1,500    
      0              
 20 
   1,500    
      1              
 21 
   1,500    
      0              
 22 
   1,500    
      1              
 23 
   1,500    
      0              
 24 
   1,500    
      3              
  計 
    
   9,000    
            
      5         −    
                     
蒸   留   水       
          0.5 ml
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
 25 
   1,500    
      2              
 26 
   1,500    
      0              
 27 
   1,500    
      4              
 28 
   1,500    
      1              
 29 
   1,500    
      2              
 30 
   1,500    
      3              
  計 
   9,000    
     12              



表2−1b ミカンジュースの急性小核試験
    群      投与用量 
動物番号
観察した多染性赤血球の数
小核を有する多染性赤血球χ・E(2)−検定
メチルメタンスルフォネート   
       (40mg/kg)
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
 31 
   1,500    
     12              
 32 
   1,500    
      8              
 33 
   1,500    
     14              
 34 
   1,500    
      7              
 35 
   1,500    
      6              
 36 
   1,500    
     16              
  計 
   9,000    
     63         +    


(2) 亜急性試験

 照射、非照射検体投与群ともに対照群とくらべ小核の有意な増加はみられなかった(表2−2)。

 以上の結果により、放射線照射ミカンジュースによる染色体異常の誘発はないと思われる。


表2−2 ミカンジュースの亜急性小核試験
    群      投与用量 
動物番号
観察した多染性赤血球の数
小核を有する多染性赤血球χ・E(2)−検定
照射ミカンジュース       
         0.5ml×9
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
101 
   1,500    
      2              
102 
   1,500    
      0              
103 
   1,500    
      1              
104 
   1,500    
      2              
105 
   1,500    
      3              
106 
   1,500    
      0              
  計 
    
   9,000    
            
      8         −    
                     
照射ミカンジュース       
        0.25ml×9
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
107 
   1,500    
      1              
108 
   1,500    
      2              
109 
   1,500    
      5              
110 
   1,500    
      2              
111 
   1,500    
      2              
112 
   1,500    
      1              
  計 
    
   9,000    
            
     13         −    
                     
照射ミカンジュース       
       0.125ml×9
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
113 
   1,500    
      2              
114 
   1,500    
      1              
115 
   1,500    
      4              
116 
   1,500    
      4              
117 
   1,500    
      3              
118 
   1,500    
      0              
  計 
    
   9,000    
            
     14         −    
                     
非照射ミカンジュース      
         0.5ml×9
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
119 
   1,500    
      0              
120 
   1,500    
      2              
121 
   1,500    
      2              
122 
   1,500    
      1              
123 
   1,500    
      0              
124 
   1,500    
      2              
  計 
    
   9,000    
            
      7         −    
                     
蒸   留   水       
         0.5ml×1
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
 25 
   1,500    
      2              
 26 
   1,500    
      0              
 27 
   1,500    
      4              
 28 
   1,500    
      1              
 29 
   1,500    
      2              
 30 
   1,500    
      3              
  計 
   9,000    
     12              


(2) マウスによる優性致死試験
1 目的

 電子線照射ミカンジュースが、雄マウスの生殖細胞に対して遺伝的障害を与えるかどうかを優性致死試験法によって検討した。

2 試験方法

 検体は国立衛試より分与を受けた5倍濃縮ミカンジュースを用いた。

 9週令BDF1雄マウス(静動協)に対して、5日間、1日2回、動物1匹当り0.5ml*の照射または非照射ミカンジュースを強制経口投与した(以下これらを照射群および非照射群と呼ぶ)。陰性対照群には同様に蒸留水を投与した。陽性対照群にはcyclophosphamide(Sigma)を蒸留水に溶解させ、200mg/kgの用量で単回、腹腔内投与した。1群の雄の数は照射群、非照射群および陰性対照群が30匹、陽性対照群は20匹とした。

 投与終了後、1匹の雄マウスに対し、1匹の無処理9週令BDF1雌マウスと4日間交配させ、この交配を14回繰り返した。交配後雌はその妊娠中期に屠殺、解剖し、妊娠の成立と、黄体数、生存および死亡胎仔数を数え、おのおのの交配期間ごとに、各試験群について優性致死誘発率を求めた。優性致死誘発率は下記の(A)、(B)2通りの式から算定した。

 (A)=[1−(妊娠雌あたりの生存胎仔数:処理群)/

      (妊娠雌あたりの生存胎仔数:対照群)]×100

 (B)=[1−(妊娠雌あたりの生存胎仔数/着床数:処理群)/

      妊娠雌あたりの生存胎仔数/着床数:対照群)]×100

 *この用量は予備毒性試験によって交配の最大耐量と判定されたものである。

3 試験結果

 表3に優性致死試験の結果を示した。非照射および照射群においては、どの交配期間についても妊娠率の点で陰性対照群との間に差は認められなかった。

 優性致死誘発率は交配期間を通して、多少の変動は認められるものの、(A)、(B)ともに非照射群および照射群において明らかな上昇は認められなかった。また非照射群および照射群について、すべての交配期間において、着床数、生存胎仔数の統計的に有意な減少は認められなかった。逆に交配45−48日目において、照射群において着床数、生存胎仔数の有意な増加が認められたが、これはこの群の雌の黄体数が多かったことによるものである。

 陽性対照群においては、これまでの報告(1)どおり減数分裂後の精子細胞および精子期において非常に高い優性致死の誘発が(A)、(B)でともに認められた。すなわちcyclophosphamideによる優性致死事象は着床前の死亡と着床後の死亡によるものであった。

 以上からミカンにはマウスに対して優性致死を誘発するような成分は含まれておらず、また電子線照射によってそのような物質が生成することもないものと結論された。


表3−a 雄マウスによるミカンジュースの優性致死試験
 交配日 
     
     
 群  
    
    
妊娠雌数   
  /交配雌数
       
        ( 妊 娠 雌 あ た り )        
 優性致死誘発率(%)  
  黄体数a   
  着床数a    
  生存胎仔数a  
  (A) 
  (B) 
 1− 4
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 28/30 
10.2±0.9 
10.6±1.0  
10.6±1.0  
  −   
  −   
NI−O
 26/30 
10.5±0.7 
 8.8±2.4  
 8.4±2.6  
  7.21
  1.04
IR−O
 29/30 
10.6±1.0 
 9.6±2.1  
 8.4±2.6  
− 3.80
  1.78
CP  
    
 16/20 
       
10.0±1.0 
         
 7.1±1.8**
          
 3.9±2.4**
          
 56.42
      
 42.56
      
 5− 8
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 26/30 
10.6±1.1 
 9.3±2.7  
 8.5±3.1  
  −   
  −   
NI−O
 28/30 
10.7±1.0 
 9.0±3.3  
 8.5±3.1  
− 7.53
  3.98
IR−O
 28/30 
10.9±1.0 
 9.8±2.5  
 8.5±3.1  
− 2.53
  2.12
CP  
    
 18/20 
       
10.7±0.8 
         
 6.6±2.5**
          
 3.7±2.3**
          
 59.68
      
 42.74
      
 9−12
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 25/30 
11.0±1.1 
10.3±1.3  
10.2±1.3  
  −   
  −   
NI−O
 27/30 
11.0±1.3 
10.4±2.2  
10.0±2.4  
  1.64
  3.47
IR−O
 26/30 
11.0±1.0 
 9.9±2.9  
 9.6±2.9  
  5.42
  1.93
CP  
    
 17/20 
       
10.4±1.0 
         
 6.4±2.9**
          
 2.7±2.2**
          
 73.38
      
 57.06
      
13−16
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 26/30 
11.0±0.9 
10.2±2.1  
 9.8±2.2  
  −   
  −   
NI−O
 25/30 
11.0±0.9 
10.7±1.0  
10.5±1.2  
− 6.84
− 1.58
IR−O
 26/30 
11.3±0.9 
10.8±1.1  
10.5±1.1  
− 6.25
  0.18
CP  
    
 14/20 
       
10.4±1.2 
         
 6.8±1.8**
          
 2.5±1.5**
          
 74.61
      
 62.01
      
17−20
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 26/30 
10.5±1.2 
 9.8±2.1  
 9.5±2.1  
  −   
  −   
NI−O
 26/30 
10.6±1.1 
 9.4±2.9  
 9.0±2.5  
  4.88
  2.18
IR−O
 25/30 
11.0±1.1 
 9.4±2.9  
 9.0±3.1  
  5.30
  1.99
CP  
    
 19/20 
       
10.7±1.0 
         
 7.4±2.6**
          
 5.3±2.4**
          
 44.37
      
 26.78
      
21−24
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 26/30 
11.2±1.2 
10.4±1.4  
 9.8±1.9  
  −   
  −   
NI−O
 29/30 
11.0±1.1 
10.4±1.8  
10.0±1.9  
− 2.36
− 1.74
IR−O
 28/30 
11.3±1.0 
10.6±1.5  
10.1±1.6  
− 3.46
− 1.64
CP  
    
 17/20 
       
10.9±1.0 
         
 9.1±2.4**
          
 7.8±2.6**
          
 20.52
      
  8.89
      
25−28
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 27/30 
11.1±0.8 
10.0±2.2  
 9.5±2.4  
  −   
  −   
NI−O
 29/30 
11.3±1.3 
10.2±2.2  
 9.8±2.2  
− 2.92
− 0.13
IR−O
 29/30 
11.1±1.0 
10.6±1.1  
10.3±1.2  
− 8.38
− 1.66
CP  
    
 17/20 
       
11.2±1.2 
         
10.5±1.4  
          
10.3±1.6  
          
− 8.57
      
− 2.73
      

a   :平均±標準偏差
*,**:それぞれP<0.05およびP<0.01で対照群との間に有意差あり
CONT:対照(蒸留水)
NI−O:非照射ジュース
IR−O:照射ジュース
CP  :Cyclophosphamide 200mg/kg



表3−b 雄マウスによるミカンジュースの優性致死試験
 交配日 
     
     
 群  
    
    
妊娠雌数   
  /交配雌数
       
        ( 妊 娠 雌 あ た り )        
 優性致死誘発率(%)  
  黄体数a   
  着床数a    
  生存胎仔数a  
  (A) 
  (B) 
29−32
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 27/30 
11.1±0.8 
10.0±2.2  
 9.5±2.4  
  −   
  −   
NI−O
 29/30 
11.3±1.3 
10.2±2.2  
 9.8±2.2  
− 2.92
− 0.13
IR−O
 29/30 
11.1±1.0 
10.6±1.1  
10.3±1.2  
− 8.38
− 1.66
CP  
    
 17/20 
       
11.2±1.2 
         
10.5±1.4  
          
10.3±1.6  
          
− 8.57
      
− 2.73
      
33−36
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 30/30 
11.1±1.1 
 9.9±2.5  
 9.3±2.5  
  −   
  −   
NI−O
 28/30 
11.1±1.1 
10.6±1.5  
10.3±1.4  
− 9.82
− 2.51
IR−O
 25/30 
11.4±1.2 
10.2±2.2  
 9.5±2.6  
− 1.57
  1.35
CP  
    
 15/20 
       
11.6±0.7 
         
10.8±1.1  
          
10.3±1.2  
          
−10.00
      
− 0.50
      
37−40
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 29/30 
11.2±1.1 
10.5±1.8  
10.2±1.8  
  −   
  −   
NI−O
 28/30 
11.4±1.1 
10.8±1.6  
10.2±1.8  
− 0.06
  2.43
IR−O
 29/30 
11.6±0.8 
11.1±0.9  
10.4±1.2  
− 2.03
  3.67
CP  
    
 11/20 
       
10.8±0.8 
         
 9.4±2.6  
          
 8.9±2.7  
          
 12.42
      
  1.95
      
41−44
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 30/30 
11.1±1.0 
10.0±2.3  
 9.7±2.4  
  −   
  −   
NI−O
 27/30 
11.7±0.9 
10.9±1.4  
10.4±1.5  
− 7.66
  1.45
IR−O
 27/30 
10.9±0.9 
 9.9±2.0  
 9.7±1.9  
− 0.77
− 1.18
CP  
    
 16/20 
       
11.2±0.9 
         
 9.6±2.0  
          
 8.9±2.1  
          
  7.54
      
  4.26
      
45−48
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 27/30 
10.6±0.8 
 9.4±2.4  
 8.7±2.5  
  −   
  −   
NI−O
 29/30 
11.0±1.0 
 9.7±2.0  
 9.1±2.3  
− 3.78
− 0.76
IR−O
 29/30 
11.1±0.8*
10.5±1.4* 
10.2±1.4* 
−16.82
− 5.18
CP  
    
 16/20 
       
10.9±0.9 
         
10.6±1.0* 
          
10.4±1.0* 
          
−19.45
      
− 6.05
      
49−52
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 29/30 
10.9±0.8 
10.4±1.1  
 9.9±1.3  
  −   
  −   
NI−O
 29/30 
11.0±1.1 
10.6±1.3  
10.0±1.7  
− 1.01
  0.00
IR−O
 30/30 
11.0±1.1 
10.3±1.2  
 9.8±1.6  
  1.31
− 0.11
CP  
    
 18/20 
       
10.7±1.1 
         
 9.6±1.9  
          
 9.2±1.9  
          
  7.15
      
− 0.95
      
53−56
     
     
     
     
     
     
     
CONT
 28/30 
11.0±0.9 
10.3±2.0  
 9.8±2.2  
  −   
  −   
NI−O
 30/30 
11.0±1.6 
10.2±1.7  
 9.9±1.9  
− 1.85
− 2.10
IR−O
 29/30 
10.9±1.0 
10.0±2.2  
 9.7±2.2  
  0.92
  0.51
CP  
    
 16/20 
       
11.4±1.4 
         
10.4±1.4  
          
 9.8±1.9  
          
− 1.31
      
− 2.27
      

a   :平均±標準偏差
*,**:それぞれP<0.05およびP<0.01で対照群との間に有意差あり
CONT:対照(蒸留水)
NI−O:非照射ジュース
IR−O:照射ジュース
CP  :Cyclophosphamide 200mg/kg


文献

 (1)Anderson,D.D.B.McGregor,I.F.H.Purchase.M.C.E.Hodge and J.A.Cuthbert:Dominant−lethal test results with known mutagens in two

4. 電子線照射オレンジジュースの突然変異原性と染色体異常に関する研究
1. 緒言

 電子線照射食品の健全性に関する研究として、遺伝毒性の立場から照射タマネギ及び照射馬鈴薯について微生物を利用した突然変異試験及びチャイニーズ・ハムスターの繊維芽細胞を用いた染色体異常試験を実施した結果、いずれも電子線照射に因る特異的な遺伝毒性は認められないものと判断した。

 今回はオレンジジュースの衛生学的な保存及び貯蔵を目的として電子線照射に因る殺菌処理オレンジジュースについて前述の両試験法を用い検討した結果、オレンジジュースには電子線照射に因る特異的な遺伝毒性は認められていない。

2. 実験方法及び材料
(1) 電子線照射及び非照射オレンジジュース

 供試された検体は科学技術庁食品照射運営会議指定の和歌山県産L級温州ミカンを日本原子力研究所大阪研究所において、電子線照射(150Krad)し、ジュース加工工場において、通常の方法で濃縮ジュース(濃縮率1/5、水分含有率約50%)としたものを用いた。一方、非照射ミカンを同じ工程で調製したものを対照として用い、併せて試験した。

(2) オレンジジュースの有機溶媒に因る分画方法

 電子線照射及び非照射オレンジジュースを各々蒸留水で4倍(V/V)に希釈し、凍結乾燥(3昼夜)を行い、粉末状を呈したものをオレンジジュースの凍結乾燥標品として用いた。すなわち図1に示す如く、前述の凍結乾燥標品をアセトン及びメタノールを用いて各成分を抽出し、それらの画分と残査を各々エバポレーションあるいはデシケーター中で乾燥したのち、一定量を測定し、1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解させた。これらのオレンジジュース画分溶液は遠心(30,000×g、30min、5℃)したのち、その上清をメンブランフィルター(φ0.45nm)でろ過滅菌したものを本実験に供試した。


図1 オレンジジュース画分の調製法


(3) 突然変異試験法

 賀田恒夫博士(国立遺伝研)より分与されたSalmonella typhimurium TA100菌株由来のストレプトマイシン依存性菌株(TA100−10)を使用した。すなわち、前述の菌株(SMd)を培養後リン酸緩衝液(pH6.8)で遠心、沈降したのち0.1、0、D、600mm[生菌数2〜7×10・E(7)/ml]に調製した菌液0.4mlにS9mix(1)あるいは前述の緩衝液0.4mlを入れ、各々5画分の材料を添加したのち、37℃、30分間インキュペーションした。インキュペーションしたのち一定量の菌液は突然変異検出用培地(2)にスプレードし、生菌数の算出には突然変異検出培地に重層し2日培養後に突然変異頻度(3)を算出した。

 陽性対照として、S9mix非存在下ではN−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、S9mix存在下では2−アミノアントラセンを使用した。一方、本試験法の陰性対照としてはS9mix存在の有無にかかわらずカナマイシンを用いた。

(4) 染色体異常試験

 チャイニーズ・ハムスター繊維芽細胞株(CHL)を用い、培養3日目に3段階の濃度の試料を加え、24時間および48時間目に空気乾燥法による染色体標本を作製した(4)。中期分裂像100個を顕微鏡下で観察し、ギャップ、切断、交換、環状形成などの染色体構造異常、並びに四倍体などの倍数体の出現頻度を記録した。無処理対照においては異常出現率は5%を越えることはないので、10%以上出現する場合を陽性と判定した。

3. 実験結果

 S9mix非存在下における電子線照射あるいは非照射のオレンジジュース画分の突然変異試験結果を表1に示した。非照射オレンジジュース画分は指標菌であるサルモネラ菌株に対して、アセトン可溶画分>凍結乾燥粉末>残査1>メタノール可溶画分=残査2の順に強く殺菌作用が認められているが、これらの各画分に因って誘発される突然変異株数の上昇は認められなかった。

 一方、照射オレンジジュース画分は指標菌に対して、アセトン可溶画分>メタノール可溶画分>凍結乾燥粉末=残査1=残査2の順に高く殺菌効果が示されたが、いずれも誘発突然変異株数の上昇はない。本試験法で陽性対照として用いたN−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンには十分な突然変異頻度を得たが、陰性対照のカナマイシンには以上オレンジジュース画分と同様に殺菌効果のみが認められたにすぎない。

 S9mix存在下における電子線あるいは非照射のオレンジジュース画分の突然変異試験結果を表2に示した。非照射オレンジ画分の殺菌効果はアセトン可溶画分>メタノール可溶画分>凍結乾燥粉末>残査1>残査2の順に高く、一方照射オレンジジュース画分では、アセトン可溶画分>残査1>残査2>メタノール可溶画分=凍結乾燥粉末の順に高く示されているが、いずれの場合にも誘発突然変異頻度の上昇は認められていない。本試験法で陽性対照として用いた2−アミノアントラセンには十分な突然変異株数の上昇を得たが、一方陰性対照のカナマイシンはS9mix存在下でも以上のオレンジジュース画分と同様に殺菌効果のみが示された。

 次に染色体異常試験においての照射および非照射オレンジジュース及びその各画分に因る実験結果を表3および表4に示す。照射および非照射群共にメタノール可溶画分において低率ではあるが染色体構造異常の出現率が陽性となった。凍結乾燥粉末及びその他の画分においては異常出現率はいずれも5.0%以下であり、陰性と判定された。倍数体の出現率についてみると、凍結乾燥粉末及びメタノール可溶画分において、照射及び非照射群共に陽性となった。さらに、残査1においては非照射のみが倍数体出現率が陽性となった。その他の画分においては陰性であった。

 メタノール可溶画分において陽性の結果が得られたが、半画分中に含まれる染色体異常誘発性物質については不明である。しかしながら、異常頻度には照射及び非照射群で全く差が認められず、照射によって特に染色体異常が増加する傾向は認められなかった。凍結乾燥粉末およびメタノール可溶画分においては照射及び非照射群共に残査1では非照射のみに倍数体の出現率の増加がみられたが、いずれも濃度依存性は明らかでなかった。これらの試料に含まれる倍数体誘発因子についてはそもそもみかん成分に含まれ、その大部分はメタノール可溶画分中に含まれるものと考えられる。チオペンダゾールのような農薬には倍数体誘発性のあることが知られているがこのような性質をもつ農薬の混入の可能性についても検討する必要がある。いずれにしても、倍数体誘発性が非照射に比べて照射群の方が高くなるという傾向は全く認められなかった。


表1−a S9mix非存在下におけるサルモネラ菌(SM)に対する突然変異試験結果
            
            
            
            
 濃  度  
(mg/ml)
       
       
残存生菌数[10・E(−4)希釈]
    突然変異株数(無希釈)    
 コロニー数   
 (プレート)  
 残存率   
 (%)   
 コロニー数  
 (プレート) 
誘発突然変異頻度  
[10・E(−5)]
非照射オレンジジュース         
         
       
        
          
 凍結乾燥粉末     
            
            
            
            
            
            
            
  0    
293±14.1 
100    
 91± 2.8
    −     
 10    
247±33.2 
 84.3  
 87± 9.2
    −     
 20    
204±20.5 
 69.6  
 90± 9.9
    −     
 50    
       
176±33.2 
         
 60.1  
       
 55± 5.7
        
    −     
          
 アセトン可溶画分   
            
            
            
            
            
            
            
  0    
248± 1.4 
100    
 88± 9.9
    −     
 10    
176±12.0 
 71.0  
 80±13.4
    −     
 20    
166± 6.4 
 66.9  
 69±15.6
    −     
 50    
       
135± 5.7 
         
 54.4  
       
 56±29.0
        
    −     
          
 残査1        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
315± 7.8 
100    
 85± 7.1
    −     
 10    
283±50.9 
 89.8  
 80± 0  
    −     
 20    
259± 0.7 
 82.2  
 80±19.8
    −     
 50    
       
263± 4.2 
         
 83.5  
       
 79± 3.5
        
    −     
          
 メタノール可溶画分  
            
            
            
            
            
            
            
  0    
243± 9.9 
100    
 84± 4.9
    −     
 10    
222±19.8 
 91.4  
 71± 0.7
    −     
 20    
225±11.3 
 92.6  
 77± 4.9
    −     
 50    
       
207±24.7 
         
 85.22 
       
 75±11.3
        
    −     
          
 残査2        
            
            
            
            
            
            
  0    
243±17.0 
100    
 70±28.3
    −     
  1    
249±14.8 
 99.2  
 67± 6.4
    −     
  2    
239± 9.9 
 86.6  
 50±21.9
    −     
  5    
216±36.1 
 75.0  
 46± 1.4
    −     

37℃,30分間インキュベーション



表1−b S9mix非存在下におけるサルモネラ菌(SM)に対する突然変異試験結果
            
            
            
            
 濃  度  
(mg/ml)
       
       
残存生菌数[10・E(−4)希釈]
    突然変異株数(無希釈)    
 コロニー数   
 (プレート)  
 残存率   
 (%)   
 コロニー数  
 (プレート) 
誘発突然変異頻度  
[10・E(−5)]
照 射オレンジジュース         
         
       
        
          
 凍結乾燥粉末     
            
            
            
            
            
            
            
  0    
372±11.3 
100    
135±71.4
    −     
 10    
369± 4.9 
 87.7  
 90± 2.8
    −     
 20    
322±28.3 
 71.1  
 85± 4.2
    −     
 50    
       
279±15.6 
         
 60.4  
       
 74±38.3
        
    −     
          
 アセトン可溶画分   
            
            
            
            
            
            
            
  0    
391±21.2 
100    
129±23.3
    −     
 10    
343±23.3 
 81.0  
110± 0  
    −     
 20    
278±12.7 
 71.1  
124±19.1
    −     
 50    
       
236±22.6 
         
 60.4  
       
 50± 1.4
        
    −     
          
 残査1        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
305± 0.7 
100    
127±14.8
    −     
 10    
247± 7.8 
 81.0  
101± 4.9
    −     
 20    
261±12.0 
 85.6  
 68±11.3
    −     
 50    
       
236±24.0 
         
 77.4  
       
 64±41.7
        
    −     
          
 メタノール可溶画分  
            
            
            
            
            
            
            
  0    
300±45.3 
100    
104±13.4
    −     
 10    
220± 7.8 
 73.3  
 84± 1.4
    −     
 20    
179± 4.9 
 59.7  
 82± 0.7
    −     
 50    
       
183± 0.7 
         
 61.0  
       
 72±17.0
        
    −     
          
 残査2        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
452± 2.8 
100    
105± 9.2
    −     
  1    
346±67.2 
 76.5  
 90±11.3
    −     
  2    
287±60.1 
 63.5  
 81±14.4
    −     
  5    
       
317±10.6 
         
 70.1  
       
 80± 9.2
        
    −     
          
 N−メチル−N−ニトロ
 −N−ニトロソグアニジ
 ン          
            
            
            
            
            
  0    
708±61.5 
100    
109± 0.7
    −     
  0.005
488±28.3 
 68.9  
383± 7.1
  5.61    
  0.01 
493±32.5 
 69.6  
464±11.3
  7.20    
  0.02 
       
374±26.2 
         
 52.8  
       
507± 5.3
        
 10.64    
          
 カナマイシン     
            
            
            
            
            
            
  0    
541±17.7 
100    
140± 8.5
    −     
  0.5  
510± 9.9 
 94.3  
 64± 0  
    −     
  1    
452±14.8 
 83.5  
  8± 4.9
    −     
  2    
376± 0.7 
 69.5  
  0± 0  
    −     

37℃,30分間インキュベーション



表2−a S9mix存在下におけるサルモネラ菌[SM・E(d)]に対する突然変異試験結果
            
            
            
            
 濃  度  
(mg/ml)
       
       
残存生菌数[10・E(−4)希釈]
    突然変異株数(無希釈)    
 コロニー数   
 (プレート)  
 残存率   
 (%)   
 コロニー数  
 (プレート) 
誘発突然変異頻度  
[10・E(−5)]
非照射オレンジジュース         
         
       
        
          
 凍結乾燥粉末     
            
            
            
            
            
            
            
  0    
283±29.0 
100    
 86± 3.5
    −     
 10    
239± 3.5 
 84.5  
 79± 7.8
    −     
 20    
232± 7.0 
 82.0  
 70± 3.5
    −     
 50    
       
207±15.6 
         
 73.1  
       
 61±27.6
        
    −     
          
 アセトン可溶画分   
            
            
            
            
            
            
            
  0    
338± 9.9 
100    
115± 7.1
    −     
 10    
184±13.4 
 54.4  
 86±19.8
    −     
 20    
230±12.7 
 68.0  
105± 7.1
    −     
 50    
       
198±22.6 
         
 58.6  
       
 80± 6.4
        
    −     
          
 残査1        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
281± 6.4 
100    
125±29.0
    −     
 10    
290±36.1 
103.2  
119± 5.7
    −     
 20    
231± 0.7 
 82.2  
100±16.3
    −     
 50    
       
225± 0.7 
         
 80.1  
       
120±14.8
        
    −     
          
 メタノール可溶画分  
            
            
            
            
            
            
            
  0    
226± 5.7 
100    
 99± 4.2
    −     
 10    
171±41.7 
 75.7  
 83± 9.9
    −     
 20    
189±14.8 
 83.6  
 95± 6.4
    −     
 50    
       
135± 0.7 
         
 59.7  
       
 77± 8.5
        
    −     
          
 残査2        
            
            
            
            
            
            
  0    
266±36.1 
100    
124± 8.5
    −     
  1    
242±15.6 
 91.0  
100±31.1
    −     
  2    
241±10.6 
 90.6  
 79± 4.9
    −     
  5    
242±22.6 
 91.0  
 85±21.2
    −     



表2−b S9mix存在下におけるサルモネラ菌[SM・E(d)]に対する突然変異試験結果
            
            
            
            
 濃  度  
(mg/ml)
       
       
残存生菌数[10・E(−4)希釈]
    突然変異株数(無希釈)    
 コロニー数   
 (プレート)  
 残存率   
 (%)   
 コロニー数  
 (プレート) 
誘発突然変異頻度  
[10・E(−5)]
照 射オレンジジュース         
         
       
        
          
 凍結乾燥粉末     
            
            
            
            
            
            
            
  0    
395±11.3 
100    
110± 9.9
    −     
 10    
433± 4.9 
109.6  
 57± 5.7
    −     
 20    
375±21.9 
 94.4  
 55±16.3
    −     
 50    
       
331±12.7 
         
 83.8  
       
 53± 7.8
        
    −     
          
 アセトン可溶画分   
            
            
            
            
            
            
            
  0    
438±43.1 
100    
154±53.0
    −     
 10    
434±25.5 
 99.1  
 79±20.5
    −     
 20    
394±43.8 
 90.0  
 81±22.6
    −     
 50    
       
260±54.4 
         
 59.4  
       
 72± 0.7
        
    −     
          
 残査1        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
332±47.4 
100    
127±14.8
    −     
 10    
256± 9.2 
 77.1  
112±12.7
    −     
 20    
225±17.0 
 67.8  
102± 2.8
    −     
 50    
       
213±15.6 
         
 64.2  
       
105±15.6
        
    −     
          
 メタノール可溶画分  
            
            
            
            
            
            
            
  0    
259± 7.1 
100    
116± 5.7
    −     
 10    
269±25.5 
103.9  
 82±11.3
    −     
 20    
223±14.1 
 86.1  
 97± 4.9
    −     
 50    
       
222±21.2 
         
 85.7  
       
 92±27.1
        
    −     
          
 残査2        
            
            
            
            
            
            
            
  0    
417± 2.1 
100    
111± 7.8
    −     
  1    
379±56.6 
 90.9  
 90±22.6
    −     
  2    
323±52.3 
 77.5  
 86±11.3
    −     
  5    
       
332±66.5 
         
 79.6  
       
 99± 8.5
        
    −     
          
 2−アミノアントラセン
            
            
            
            
            
            
            
  0    
695±56.6 
100    
146±12.0
    −     
  0.005
555±62.2 
 79.9  
334±42.4
  3.39    
  0.01 
488±28.3 
 70.2  
522±14.1
  7.70    
  0.02 
       
379±16.3 
         
 54.5  
       
557±58.7
        
 10.84    
          
 カナマイシン     
            
            
            
            
            
            
  0    
592±46.7 
100    
184±10.6
    −     
  0.1  
463±17.0 
 78.2  
100± 1.4
    −     
  0.2  
446±20.5 
 75.3  
 37± 7.8
    −     
  0.5  
247± 1.4 
 41.7  
  0± 0  
    −     

37℃,30分間インキュベーション



表3 照射みかんジュース及びその抽出物の染色体異常誘発性
  試   料  
         
         
 濃  度  
(mg/ml)
       
 倍数体 % 
 (48h) 
       
      染色体異常出現率(%)       
判定*1   
       
       
   24h      
    48h    
凍結乾燥粉末   
         
         
         
         
         
  4.0  
 23.0  
3.0(g,b,f)*2
 1.0(g)    
−(poly)
  8.0  
 22.0  
1.0(g)      
 1.0(t)    
−(poly)
 16.0  
       
(Tox)*3
       
1.0(t)      
            
(Tox)      
           
−      
       
アセトン可溶画分 
         
         
         
         
         
  1.0  
  0.0  
1.0(t)      
 2.0(g,t)  
−      
  2.0  
  1.0  
3.0(g,b)    
 2.0(g,t)  
−      
  4.0  
       
  2.0  
       
1.0(g)      
            
 3.0(g)    
           
−      
       
残査1      
         
         
         
         
         
  4.0  
  3.0  
2.0(g)      
 2.0(b,t)  
−      
  8.0  
  4.0  
2.0(g)      
 0.0       
−      
 12.0  
       
  9.0  
       
1.0(g)      
            
 2.0(g,t)  
           
−      
       
メタノール可溶画分
         
         
         
         
         
  4.0  
 27.0  
1.0(t)      
 1.0(t)    
−(poly)
  8.0  
 53.0  
1.0(t)      
 5.0(b,t)  
±(poly)
 16.0  
       
 34.0  
       
5.0(g,b,t)  
            
10.0(b,t)  
           
+(poly)
       
残査2      
         
         
         
         
  2.0  
  5.0  
1.0(g)      
 0.0       
−      
  4.0  
  6.0  
0.0         
 4.0(g,b,t)
−      
  8.0  
  1.0  
3.0(g,b)    
 2.0(g)    
−      

*1:5.0%未満(−),5.0%〜9.9%(±),10.0%以上(+)
*2:染色異常の種類; g:ギャップ,b:切断,t:交換,r:環状形成
*3:細胞毒性のため染色体観察不能



表4 非照射みかんジュース及びその抽出物の染色体異常誘発性
  試   料  
         
         
 濃  度  
(mg/ml)
       
 倍数体 % 
 (48h) 
       
      染色体異常出現率(%)         
判定*1   
       
       
   24h      
    48h      
凍結乾燥粉末   
         
         
         
         
         
  4.0  
 29.0  
2.0(g,b)*2  
 3.0         
−(poly)
  8.0  
 32.0  
4.0(g,b)    
 0.0         
−(poly)
 16.0  
       
(Tox)*3
       
1.0(t)      
            
(Tox)        
             
−      
       
アセトン可溶画分 
         
         
         
         
         
  1.0  
  1.0  
3.0(g,r)    
 0.0         
−      
  2.0  
  3.0  
3.0(g,b,r)  
 0.0         
−      
  4.0  
       
  4.0  
       
3.0(g,b)    
            
 2.0(g)      
             
−      
       
残査1      
         
         
         
         
         
  4.0  
 16.0  
4.0(g)      
 2.0(g,b)    
−(poly)
  8.0  
 26.0  
3.0(g,b)    
 1.0(g)      
−(poly)
 12.0  
       
 26.0  
       
2.0(g)      
            
 2.0(g,b)    
             
−(poly)
       
メタノール可溶画分
         
         
         
         
         
  4.0  
 32.0  
0.0         
 2.0(b,f)    
−(poly)
  8.0  
 51.0  
0.0         
 4.0(b,t,f)  
−(poly)
 16.0  
       
 47.0  
       
4.0(t)      
            
11.0(g,b,t,f)
             
+(poly)
       
残査2      
         
         
         
         
  2.0  
  5.0  
2.0(g)      
 3.0(g,t)    
−      
  4.0  
  8.0  
2.0(g,t)    
 4.0(t)      
−      
  8.0  
  4.0  
4.0(g,b)    
 3.0(g,b,t)  
−      

*1:5.0%未満(−),5.0%〜9.9%(±),10.0%以上(+)
*2:染色異常の種類; g:ギャップ,b:切断,t:交換,r:環状形成
*3:細胞毒性のため染色体観察不能


4. 結語

 サルモネラ菌株に因る突然変異試験結果から電子線照射あるいは非照射のオレンジジュース画分はいずれも指標菌株に対して殺菌効果を示した(特にアセトン画分には最も高い殺菌効果を認めた)がS9mix存在下あるいは非存在下においていずれも各オレンジジュース画分に因 また、みかん成分中には哺乳動物培養細胞に対して染色体の構造異常並びに数的異常を誘発する物質が含まれているが、照射によって特にその誘発性が高まるという所見は認められなかった。染色体異常を誘発する化学的成分に関する定性的並びに定量的解析が今後に残された問題である。

文献

 1)Yoshikawa,K.,et al.,Differentia

Mutagenicities of Triaminobenzenes against Salmonella typhimurium TA98 in the Presence of S9 Fractions fro

Polychlorinated Biphenyls−,Phenobarbital− or 3−Methylcholanthrene−Pretreated Rats,Hamsters and Mice,The J.Toxic.Sci.,4(1979)317 2)Ames,B,N.,et al.,Methods for Detecting Carcinogens and Mutagens wit

the Salmonella Microsome Mutagenicity Test,Mutation Res.,31(1975)347−364.

 3)Yoshikawa,K.,et al.,Differentia

Mutagenicities of N−Methyl−N−nitrosocarbamate Insecticides in Escherichia coli Strains Having Different DNA−Repair Capacities,M 4)Ishidate,M Jr.and S.Odashima,Mutation Res.,48(1977)337−344.




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