食品照射の研究は世界各国において広く行なわれており、なかにはすでに本格的実用化に入ろうとしているものもある。食品照射の実用化にあたっては、その経済性と安全性とが重要な問題となる。施設にどのくらい金がかかるか、照射費はどうなるか、また従来法にくらべてどのようなメリットがあるかなどが問題となる。またさらに強い関心をもたれることは、照射した食品の安全性すなわち、毒性物質が生成しないか、ガン原性物質はできないか、栄養成分が破壊されないか、放射能をおびはしないかなどといったことが問題となる。
照射費について従来多くの報告があるが、それらも実際の経験に基ずいての結果というよりは、いろいろ理想的な条件を設定して推定したものが多く、あまり確定的なものともいいがたい。まして食品照射が経済的になり立つかどうかの問題になると、対象になる食品の生産、流通、さらには需要の状況等を考慮して判断されるべきものであって、単に照射費の問題だけではない。つぎに安全性の試験となると、物理的、化学的試験などのほかに動物の飼育試験が要請される。飼育試験を長期にわたって行なうとなると、莫大な経費もかかるので、現在までのところ本格的な試験を行なっているのは米国ぐらいなものである。他の国では米国のデータ待ちといった状態である。ここに食品照射の経済性を判断する上に必要な若干の資料を提供し、また安全性についてのこれまでの試験結果の概要を紹介する。
従来食品照射には多くCo−60、Cs−137などのアイソトープが用いられてきた。Co−60は普通の金属コバルトを原子炉で中性子照射してつくられるものであり、Cs−137は原子炉の燃料の燃えかすである原子炉灰から分離されるものであって、いずれもγ線を放出する。Co−60を線源とした照射施設が、大は10・E(6)Ciの程度のものまで数多くつくられて、基礎的研究、実用化試験などが行なわれている。
Co−60の価格は年年安くなっており、その推移を示したのが第1図である。昨年12月、米国原子力委員会はさらにCo−60の価格を改訂した。それによると、1〜15Ci/gの比放射能のもので、10・E(5)Ci以上を購入する場合40セント/Ci、30〜45Ci/gのもので55〜65セント/Ciとなっている。
Co−60のほかに、原子炉灰から分離されるCs−137が用いられることは前述したが、Cs−137は半減期が長く(Co−60が約5年であるのに対し、Cs−137は約30年)、またγ線のエネルギーがCo−60の約半分で、照射室などの遮蔽設備に要する経費が少なくてすむなどの利点がある。Cs−137の価格も年々安くなっており、現在でもCo−60と大体同じである。将来原子炉の運転が多くなるとともに大量に生産されるようになり、価格も当然低下し、工業用線源として最も適したものの1つになることが予想される。
このようなR1線源を用いると照射費がどうなるか、実際に本格的実用化に成功している例が少ないので、信用しうるデータもあまりないが、参考までに2、3報告にあらわれている検討結果を紹介する。第1表に示したのは、英国のNuclear Chemical plant社が設計し建設したもので、主として医療用具の殺菌の目的でつくられた施設によるデータである。
第1表の結果は次のような仮定のもとに試算したものである。
1)処理量は施設の耐用期間中一定とする。
2)年1回線源を補充する(12.5%)
3)年50週運転する。
4)施設費は10年償却とする。
5)Co−60資本費についてはその25%を償却する。
6)利息は施設費については2.5%、Co−60資本費の75%に
ついて5%
7)年間維持費は施設資本費の2%
8)特別の技術者は1人とし、週5日運転
9)Co−60 80セント/Ci (装着までの全経費を含む)
10)線量 2.5Mrad
わが国でこのような施設をつくるとすれば、施設費は若干安くなると思われるが、線源価格が輸送費その他の関係で20〜30%高くなると思われる。年間総経費のなかで、線源関係の占める割合は40〜60%と見込まれるので、したがって照射費が20%程度高くなると見るのが安全である。
第1表の結果からわかるように、線源が大きくなり処理量が多くなるとともに照射量は安くなる。このような計算においては、施設が能力一杯に利用されると仮定したものであることは注意を要する。また表の結果は、所要線量2.5Mradとしての照射費であるが、食品の種類、照射の目的によって所要線量が変ってくることは当然である。そして線量が少なくなるほど照射費が安くなることも当然である。しかしそれには処理能力の点から限度がある。第2表にはいろいろな食品について照射費の推定値がのせてある。
照射施設としては、上記のような固定式の施設のほかに、移動式の線源も開発され、試験的に利用されている。たとえばカナダでは、ジャガイモの照射用に1.8×10・E(4)CiのCo−60をトレーラーに装備したものを試作しており、2.2001b/hrの処理ができる。また米国ではイチゴ用に12.5×10・E(4)CiのCo−60を装備し、線量0.2Mradで1.0001b/hrの処理能力を有するもの、魚の照射用で船積式の3×10・E(4)CiのCo−60で1501b/hrの処理能力を有するものなどを開発しつつある。わが国で移動式線源を利用するとすれば、道路事情などの関係から軽量のものが要求され、この点でも照射の目的に適したX線発生装置の開発が望まれる。
施設費 303,000ドル |
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Co−60(6Ci/g,80セント/Ci) (ドル) |
200,000Ci 160,000 |
400,000Ci 320,000 |
600,000Ci 480,000 |
利 息,施 設(ドル/年) Co−60 償 却 費,施 設 (10年) Co−60 運 転 費 維 持 費 Co−60 補 充 費 Co−60 輸 送 費 |
7,580 7,000 30,300 4,000 11,200 6,000 20,000 2,800 |
7,580 14,000 30,300 8,000 11,200 6,000 40,000 2,800 |
7,580 21,000 30,300 12,000 11,200 6,000 84,000 2,800 |
合 計(ドル/年) |
88,880 |
119,880 |
174,880 |
処 理 量(トン/年) (線量 2.5Mrad) |
747 |
1,495 |
2,240 |
照 射 費(円/kg) (線量 2.5Mrad) |
43 |
29 |
28 |
製品 |
生 産 量 (10・E(6)1b/year) |
線 量 (10・E(5)rad) |
線源強さ (10・E(5)Ci) |
Co価格 (ドル/Ci) |
全投資額 (10・E(6)ドル) |
処 理 費 (円/kg) |
魚 ミカン リンゴ ハム 魚* ハマグリ エビ |
70 63 197 15.8 7.65 5.58 4.38 |
1.5 2 2 45 1.5 4.5 1.6 |
3.33 12.73 19.75 36 2.34 1.82 0.356 |
0.6 0.3 0.3 0.3 0.6 0.6 0.6 |
0.925 1.25 1.63 3.16 0.531 0.505 0.101 |
5.2〜 12.8 5.9〜 17.4 2.7〜 7.5 65.6〜182 22.4〜 62.4 44.4〜 96.8 35.2〜 48.4 |
*船積式照射装置による。 |
放射線としては、アイソトープからの放射線のほかに、機械によって人工的に発生した放射線も利用される。このような機械を一般的に加速器と呼ぶ。バンデグラフ、線型加速器などいろいろな加速器が開発されている。第3表にはこれらの加速器による電子線照射の照射費試算の結果を示す。表中最下段に示した照射費は、Mrad照射するときの1kgあたりの経費である。所要線量が低くなればそれだけ照射費が安くなることは当然である。また一般の加速器の出力が大きいものほど安くなる。Co−60などのアイソートプに比べて、加速器の方が照射費は安くなる。しかし問題は、電子線では透過性が悪く、1MeVの電子線でほぼ均一に照射できるのはたかだか数mmの程度である。したがって薄物の照射とか、表面だけの処理などには加速器電子線がすぐれているが、厚物には不適当である。そこでこの電子線をさらに金属のターゲットにあてて、X線に変換して利用する試みもある。この場合、電子線のエネルギーをX線のエネルギーに変換する変換効率が低い点に問題がある。
機 種 |
バンデグラフ 3KW |
NS型 6KW |
レゾナンストランス 12KW |
絶縁鉄正 60KW |
線型加速器 2KW |
装置一式価格 2,000時間運転年間経費 処 理 費 (Mrad・トン/年) 照 射 費 (円/Mrad・kg) |
7,000万円 2,324 1,074 27 |
5,000万円 1,867 2,148 11 |
7,500万円 2,824 4,296 8.2 |
16,000万円 5,483 21,480 3.2 |
4,000万円 1,610 716 28 |
食品の損敗を防ぎ、貯蔵期間を延長する方法として、従来もいろいろの方法が用いられているが、あらたに放射線照射の方法が加わったわけである。食品損敗の主な原因とその防禦法をまとめてみると、第4表のとおりである。放射線照射も万能なものではなく、照射したものを冷蔵するとか、照射に加熱を加味するとか、従来法と組合わされるとき、より一層その効果を発揮しうるものである。
放射線照射は食品貯蔵に利用されるばかりでなく、照射によって食品の品質を改良する上にも利用される。以下には将来有望と思われる食品照射の例について、その概略を述べ、若干の経済性の検討を加えてみる。
1)完全殺菌
食品を完全に殺菌して、罐詰などの代りにしようとするものである。対象としてはベーコンハムなどの肉類が取上げられ、主として米国陸軍におてい研究が重ねられてきたものであって、米国ではベーコンをCo−60γ線で4.5〜5.6Mrad照射したものについて、1963年2月15日に許可が出されている。現在30,000ポンドを民間会社に発注する程度まで実用化に入っているが、これはもっぱら軍用として重視されているものである。わが国におていこのような肉類の完全殺菌が近い将来重要になるかどうかは疑問である。
2)パスツリゼーション
完全殺菌ではなく、大部分の菌を殺して、菌の密度をさげ、しかも冷蔵して貯蔵期間延長する方法である。果物類、魚介類などが有望視されている。米国ではイチゴ、オレンジなどが注目されているが、特にイチゴは主として西部カリフォルニヤで生産され、東部へ運ばれるため、輸送には少なくとも数日を要する。そのため従来は25%の損失が出ていたが、照射を用いると損失を5%以下におさえることができるとして重要視されているものである。
魚介類はわが国では特に重要な蛋白源であり、その貯蔵は従来から問題になっている。魚はとってからすぐに氷で冷蔵して、貯蔵期間は4〜10日といわれている。従来これを長期貯蔵ために冷凍が用いられているが、放射線照射して氷で冷蔵すると、1カ月あるいはそれ以上貯蔵することができ、しかも鮮魚の味はそのまま保たれる。処理費は冷凍と大体同じ程度である。
米国水産庁で魚の放射線貯蔵について意見をもとめた結果が報告されているが、それによると、鮮魚の貯蔵期間延長についての希望として、生産者は20〜30日、加工者は7〜30日、卸業者は10〜30日、小売業者は1〜30日の期間延長が望まれるとしている。また処理費については、解答者の40%が4〜8円/kg、30%が8〜24円/kg、残りの30%が16〜40円/kgの程度ならば有望であるとしている。わが国でこのような調査をしてどのような解答がでるか興味がもたれる。
3)消毒
主としてサルモネラ菌の殺菌消毒を目的としたものであって、対象は、生卵、冷凍あるいは乾燥した卵、肉類などである。従来熱処理の方法が用いられ、148F,2.5分の処理が行なわれているが、ちょっとあやまると蛋白変性を起こしたり、殺菌不十分になったりする。放射線照射では殺菌は完全であり、処理費も従来法と大差ない。
4)殺虫
主として穀類を対象とし、害虫の駆除を目的としたものである。従来害虫の駆除にはメチルプロマイド、クロロピクリン、ホストキシン(燐化水素)などの燻蒸剤が用いられているが、燻蒸剤では透過性が悪いため、殺虫も完全にはいかず、特に卵が殺虫不十分になるおそれがある。放射線を用いると、卵も含めて殺虫は完全にできる。処理費は燻蒸の場合100〜250円/tonといわれているが、放射線照射費は現状では2倍程度に高くなると推定される。将来照射費が安くなれば、実用が期待される。
5)発芽抑制
ジャガイモ、タマネギはそ菜の中でももっとも主要なものであり、これらの貯蔵法が改良されて価格が安定することは、そ菜全体の価格安定の上にきわめて重要なことといわれている。ジャガイモ、タマネギの貯蔵でもっとも問題になることは、発芽による損失である。収穫してから2,3ヵ月の休眠期をすぎると発芽する。従来この発芽をおさえるため、化学薬剤を散布する方法が試みられている。たとえばジャガイモでは、収穫前4〜6週にマレイン酸ヒドラジッド(MH)を圃場に散布するとか、収穫後CIPCを散布するなどの方法が用いられ、またタマネギについてもMH散布が試みられており、その経費はいずれの場合も400〜560円/tonといわれている。これらの薬剤による方法は、うまくゆくと良結果を与えるが、その使用条件に厳密さを要求され、早すぎたり、濃度が適当でないと、そのためにかえって損敗したり、効果が出なかったりする。タマネギの場合には、0°〜2℃に冷蔵して発芽を抑制する方法も用いられているが、その経費は7月から11月頃まで貯蔵するとしても〜5000円/tonの程度となる。
放射線照射を用いると、わずかの線量で顕著な発芽抑制効果が現われ、操作もきわめて簡便である。ジャガイモの場合5〜10Krad、タマネギで3〜4Kradの照射でよく、照射費は200〜500円/tonの程度である。
6)品質改良
殺菌貯蔵などとことなり、照射によって食品自体の品質を改良しようとするものである。乾燥野菜を照射すると、水に戻したとき短時間で復元することが知られており、実用される可能性がある。海草から寒天を抽出するとき、照射するとき、照射した海草を用いると、収量も多く、また処理も迅速にできるなどの利点があげられている。またウィスキーなどの蒸溜酒に照射して熟成をはやめる方法などもいろいろ研究されており、有望なものと思われる。
以上のような有望視される食品照射について、その照射費をまとめてみると第5表の通りである。
損敗の原因 |
防禦法 |
1.微生物の作用 2.酵素の作用 3.酸化その他化学変化 4.脱水乾燥等物理変化 5.発芽その他生物学的変化 6.害虫その他 |
1.罐 詰 2.殺 菌 3.冷 蔵 4.冷 凍 5.脱水乾燥 6.漬 物 7.発 酵 8.添加物 9.消 毒 10.放射線照射 |
目 的 |
食 品 |
所要線量(Mrad) |
照射量(円/kg) |
完全殺菌 パスツリゼーション 消毒 殺虫 発芽抑制 品質改良 |
ベーコン 果物,魚介類 卵,肉類 穀 類 ジャガイモ,タマネギ 乾燥野菜 酒 類 |
4 〜6 0.05 〜1.0 0.3 〜1.0 0.01 〜0.05 0.003〜0.015 0.3 〜0.4 0.05 〜0.2 |
40〜80 5〜15 5〜15 〜0.5 0.2〜0.5 5〜10 |
食品照射を実用するにあたっては、経済性の問題とならんで、あるいはむしろそれより先に安全性が問題となる。安全性の試験としては、最後の断は動物試験に頼らざるをえない。照射した食品を飼料として動物を飼育し、その影響の有無をしらべ、さらにできれば人体試験も望まれるわけである。現在までのところ、本格的な動物試験を行っているのは米国くらいのものである。米国では1954年頃から本格的な動物試験を行なわれ、安全性を確めた上で、すでに数種の食品について、許可が出されている。第6表は米国で行なわれた安全性に関する試験の概要をまとめたものである。
表に見られるように40種にのぼる食品について、完全殺菌線量に相当する高線量を照射し、3ヵ月間貯蔵したのち、これによってラット、犬、猿などを飼育して影響をしらべている。人体試験としては、33人について、0.01〜4Mrad照射した54種の食品で100%15日間給食を行なった。これらの数多くの動物試験の結果は、ほとんど照射による悪い影響のないことを示したが、中で2,3疑問のもたれたものをあげてみると次のようなものがある。小麦粉、エビで犬を飼育して甲状腺炎が多くなる。ラードの場合、犬で消化率が低下する。ニンジンの場合、ラットで成長率が低下する。混合飼料、マウスで心退行変性を起こすなどである。これらの点についてさらに試験が繰返され、これらが照射とは無関係な他の原因によることが確かめられた。照射したエビで犬の甲状腺炎が増加する問題については、目下追試中との報告がある。
栄養価の点でも照射の影響はそれほど問題にならないといわれている。ビタミンなどはもっともこわれやすいものであるが、罐詰、加熱などでも同様にビタミンはこわれるわけで、照射が特に悪いということはない。特にこわれやすいビタミンKなどについては、これを添加するなどの方法を用いれば問題はないと思われる。
食品の照射によって放射能が誘起されるものではないかという心配がある。照射をするのはちょうど光で照らすようなものであって、照射を終ったあとに照射に用いた放射線が残るようなことはない。しかしエネルギーの高い放射線で照射した場合、放射線が食品中の元素の原子核に作用して、新たな放射能を生ずる可能性はある。そこでいろいろなエネルギーの放射線で食品を照射し、誘起放射能の測定が行なわれた。その結果、Co−60γ線および11.2MeV以下の電子線が照射する場合には、検出されるような放射能は生じないことが確かめられた。以上はすべて米国における結果ではあるが、完全殺菌線量のような高線量照射の場合においても、照射が特に有害な影響を与えないことを示しており、この結果からみれば、パスツリゼーションとか、発芽抑制などのように、線量の低い照射では、安全性の上には問題はないと思われる。しかしながらわが国において食品照射を実用しようとする場合、その安全性をどのように考えるかが問題となる。外国のデータをそのまま信用してしまうか、それともわが国では独自の安全性の試験を行なうべきか、行なうとすればどの程度まで行なうか、それらの点については、原子力委員会にできた食品照射専門部会において検討され、早急に結論を出されるものと期待される。
1.照射線量 2.79および5.58Mrad 2.照射後3カ月 室温または冷蔵庫に貯蔵 3.短期間の試験 8週間,約40種の食品で動物試験 4.長期間の試験 2年以上または4代 動物:ラット,犬,猿 食品:21種類 指標:成長率,繁殖率,寿命,血液学的,組織解剖 学的,発ガン率など 5.人体試験 33人,15日間 6.その他の試験 誘導放射能,栄養成分,組織酵素,消化性 |
以上不十分ながら、食品照射の経済性と安全性の問題を概観した。これまで述べてきた照射費というのは、照射施設が、故障もなく、また対象となるものが十分にあって、施設が有効にフルに利用されるとしてのデータであることは注意を要する。したがって照射費を安くするためには、施設を多目的に利用することが必要となり、放射線照射の一層広い利用面の開発が望まれる。安全性の点について、照射が無害であるといっても、照射によって食品の色が変ったり、においが変るというような問題がある。これらの点を防ぐための研究が必要であり、所要線量をさげる研究なども主要な研究課題となると思われる。
安全性が確かめられ、経済性の点でも見通しがたったとしても、これが直ちに民間企業として発展することを期待することは無理なように思われる。1つの問題は受容性の問題である。特にわが国では、放射線、放射能について神経質であり、照射食品を一般が受入れるまでには、相当長期にわたる啓蒙を必要とすると思われる。
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