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Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(2)法規制と安全管理


文書



9.諸外国での許可の現状


9.諸外国での許可の現状

概要

 1993年末現在で36カ国と1地域(台湾)で食品照射が許可され、27カ国で実用照射されている。照射が許可されている食品は馬鈴薯、玉ネギ、小麦、米、食鳥肉、カエル脚、エビ、豚肉、香辛料など100品目以上、実用照射されている食品は馬鈴薯、玉ネギ、食鳥肉、カマンベルチーズ、香辛料など24品目である。

内容

1.国際原子力機関の調べによると、1993年末現在で食品照射を許可している国名および品目は36カ国と1地域(台湾)で、具体的な品名が明かなもので76品目の他、総称的なものとして生鮮果実・野菜、乾燥果実・野菜、香辛料、穀類、豆類、食鳥肉、魚介類、畜肉、調味料、無菌食品などが許可されている(表1)。それらの中には照射時期や市場試験など照射目的に制限が付けられた暫定的なものもある(条件付許可)。

 1980年代末以降、食品照射の許可国に関して以下の特徴があげられる。

@米国:1963年以降、馬鈴薯、玉ネギ、小麦など個々の品目毎に無条件で許可されてきたが、1986年の生鮮果実・野菜などへの1kGy以下の照射の許可に伴い、食品一般として記載されることとなった。

Aオランダ:1969以降、許可された馬鈴薯、玉ネギなどの生鮮野菜への照射は、EC市場統合(1992年1月)に関連し、1988年に禁止された。

B旧東ドイツ:1981年以降、玉ネギ、香辛料、酵素溶液が許可、実用照射されていたが、1990年の東西ドイツ統合により旧西ドイツの法律が適用されることとなり、禁止された。

C旧ソ連:米国およびカナダとともに、食品照射に積極的に取り組み、1958年の馬鈴薯への許可以来、各種条件での照射が許可されてきた。しかし、1991年の旧ソ連崩壊後、小麦の照射はウクライナ共和国に引き継がれた(国際原子力機関(IAEA)資料の許可国リストには記載されてないが、実用化リストに記載されている。旧ソ連時代の他の許可品目である、玉ネギ、馬鈴薯、生鮮野菜・果実、乾燥野菜・果実、食鳥肉、調理肉

(豚、牛、ウサギ)、乾燥食品については許可・実用化のいずれも記録はなく、詳細は不明)。

D旧ユーゴスラビア:1984年に穀類、豆類、玉ネギ、馬鈴薯、乾燥野菜・果実、粉末卵、ハーブ茶、茶抽出物、食鳥肉の照射が許可(無条件許可)されていたが、1990年の崩壊後は、新ユーゴスラビアが許可国リストに、クロアチアが実用化リストに記載されている。詳細は不明である。

2.実用照射されている食品は香辛料や乾燥野菜などの乾燥物、動物タンパク食品、馬鈴薯、玉ネギなどの生鮮野菜、果実などで24品目である(表2)。




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