11.照射施設の安全性と管理
概要
食品照射用の線源となる放射性物質の輸送や照射施設の運転および減衰した線源の管理
については、周辺住民や一般公衆、従業員に危害をおよぼすことがないように関連法令によ
って規制されている。
内容
1.照射施設の設置にあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(障防法)に基づき、使用する放射性同位元素(RI)の種類、量、使用場所、使用施設の構造およびRIの貯蔵能力などについての審査を受けるとともに、運転開始前には規制担当部局の検査を受け、さらに、運転期間中も立ち入り調査を受ける。
2.従業員の安全確保に関しては、被ばく線量についての基準が定められるとともに、個人線量計の着用が義務付けられ、また、照射室にみだりに人が出入りできないようにインターロックシステムが設けられるなどの措置が講じられている。さらに、労働安全衛生法によって、定期的に健康診断を実施するなどの対策もとられている。
3.周辺住民の安全確保に関しては、障防法に基づき、照射施設の敷地境界での線量基準が設けられている他、線源格納プールから放出される排水中の放射性物質の濃度規制も定められている。
4.放射性物質の運搬の安全確保に関しては、国際原子力機関(IAEA)の規則に準じて障防法に基づいた諸規則が定められている。具体的には、輸送容器の基準と試験方法や輸送中の従事者の被ばく線量基準、輸送実施にあたっての表示や取り扱い基準などが定められており、輸送経路周辺住民にも影響をおよぼすことがないよう配慮されている。
5.減衰後の線源の取り扱いに関しては、これが周辺環境に廃棄されることはなく、その照射施設の線源格納プールにおいて保管されており、周辺環境や住民に影響を与えることはない。
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