食品照射に関する文献検索

Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(4)日本の健全性試験


文書



41.わが国における照射水産練り製品の動物試験結果の問題点


41.わが国における照射水産練り製品の動物試験結果の問題点

概要

 照射により水産練り製品中に生残する菌に突然変異による有害微生物の発生は認められていない。また、毒性試験での臓器重量や腫瘍発生、骨の異常なども認められておらず、安全性が明らかにされている。

内容

1.水産練り製品の場合、照射後に生残する微生物の突然変異を指摘する声があった。報告書では照射後に生残する微生物の種類を述べているが、突然変異の可能性は認められていない。微生物の種類は形態的性質ばかりでなく、多くの生化学的性質より決定されるものであり、突然変異が生じたとすれば、これらの性質が変化し、この過程で判別できるはずであるが、そのような事実は検出されていない。多くの微生物学的安全性の研究でも、突然変異により有害な微生物が出現する可能性は否定されている。

2.栄養生理学的研究ではラットの腎臓重量の異常が照射群で認められたと指摘されたが、実際のデータを見ると1カ月飼育では非照射群の方が重量が若干多く、3カ月目では逆に照射群の重量が多い傾向を示しており、有意差とは認められていない。

3.マウスの慢性毒性試験では雄の照射群で生存率が低く、腫瘍発生率が高いと指摘された。しかし、生存率に有意差は認められない。腫瘍発生については非照射群に比べ照射群で若干高く見えるのは事実である。しかし、食品中に発がん物質が生じたか否かといった毒性評価を行う場合には、

 1)腫瘍の発生時期が対象群に比べて早まったか、

 2)発生率が有意に上昇したか、

 3)悪性または特異的なものか、を判断する必要がある。

 この試験では腫瘍発生は両群とも12カ月目からであり、発生率は両群で有意差が認められていない。また、腫瘍の種類も悪性のものは認められていない。

4.マウスの世代試験で指摘があった頚肋の照射群での増加は、一定の傾向が認められず照射による影響は認められていない。




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