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Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(5)海外の健全性試験


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44.インドにおける栄養失調児の照射小麦によるポリプロイド異常発生の問題点


44.インドにおける栄養失調児の照射小麦によるポリプロイド異常発生の問題点

概要

 ポリプロイドとは血液中の染色体異常であり、正常な人でも最高5%まで存在する。インドのデータは非照射群で0%、照射群で1.8%であり、実験条件および観察方法共に問題があると国際的に批判されている。

内容

1.照射小麦を食べさせる研究はインド国立栄養研究所で行われた。本研究では照射して間もない小麦を栄養失調児に4〜6週間にわたり与えたところ、非照射群のポリプロイド(血液中リンパ球の染色体異常)出現率0%に対し、0.75kGy照射群では0.8〜1.8%と報告                       した。また、マウスやラットを用いた実験でも同じようなポリプロイド異常が照射小麦を食べさせた群で認められると発表したため、世界各国で議論になった。しかし、各国で追跡試験した結果、そのような異常は認められなかった。

2.インド政府によって任命された独自の調査委員会が、研究発表に用いたデータを再調査し、実験および観察方法の問題点を指摘したが、研究実施者はその指摘に科学的に反論していない。

3.中国における学生などのボランティアによる食事試験ではポリプロイド出現率は0.66〜3.51%となっており、照射群と非照射群との間で大きな差は認められていない。

4.国際的にもポリプロイドの出現は正常の動物間でバラつきが大きいので照射食品の安全性試験・評価に用いるのは意味がないとされている。




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