1.プラスチックなどの包装材として接触している食品を照射しても危険性はありませんか?


いいえ、あいりません。
この問題については大規模な研究が実施されており、その結果一般に使用されている食品包装材のほとんどは、食品照射のための線量として国際的に認められている10kGy以下の線量の使用に適していることが明らかにされています。 種々の包装材が食品の照射に際して使用することが認められています。照射する食品に対するそれぞれの包装材の適性については、カナダ、イギリス、アメリカその他いくつかの国で研究されました。 20年以上も前に、FDAは、多くの種類の食品包装材を食品照射に使用することを認めました。

もっと最近になって、カナダは、照射する予定の食品を包装しても安全な包装材として、多層のポリエチレンフィルムなどさらにいくつかのものを認めました。

プラスチックなどの包装材に対する放射線の影響を評価するために複雑な試験が実施されています。

研究者は包装材の照射後およびプラスチック、添加物、接着剤の抽出されやすさについて調べています。




2.照射された包装材は食品を包装するために使われますか?


はい、使われます。

photo アルミ箔と積層したプラスチックフィルムは放射線によって日常的に殺菌されています。 照射された積層プラスチックフィルムは、トマトペースト、フルーツジュース、ワインなどの製品の密封包装容器として使われています。 他の種類の無菌充填放送容器(例えばクリームのための)、ワイン用コルクなども、製品の微生物汚染を防ぐために、放射線で滅菌してから、製品を充填し密封します。 食品をはじめとする種々製品を包装するために使われている他の包装材も、多くの国で日常的に放射線によって処理されています。 包装材の強度や耐熱性を増したり、また、熱収縮性のような特殊な性質を持つプラスチックを作ったり、包装材の高分子の架橋を起こさせる目的で放射線照射は実施されています。



(科学技術文献)
「照射食品の包装;電離放射線による食品の保存」
"Packaging Irradiated Food",by J.J.Killoran, Preservation of Food by Ionizing Radiation,E.S.Joseohson and M.S.Peterson,editors, CRC Press,Boca Raton,Florida(1983).

「食品包装材と食品の放射線処理;総説」
"Food Packaging Materials and Radiation Processing of Food;A Brief Overview", by N.Chuaqui-Offermans,Radistion Physics and Chemistry,34(6)(1989).