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照射効果(IRRADIATION EFFECT):食品に放射線を照射した場合の貯蔵、衛生化等の効果

菌数低減による衛生化(その他)


発表場所 : 食品照射 第32巻 p.38 (1997)
著者名 : 林 徹
著者所属機関名 : 農林水産省食品総合研究所
発行年月日 : 1997年
乾燥食品原材料の殺菌
1.はじめに
2.個々の原材料の殺菌の必要性
3.乾燥食品原材料の殺菌技術
4.具体的な食品に対する各種殺菌技術の比較
5.おわりに



乾燥食品原材料の殺菌


乾燥食品原材料の殺菌
1.はじめに

 最近の病原性大腸菌O-157による食中毒の発生およびそれに伴う食品製造、流通の衛生管理に係わる一連のニュースにより、先進国のわが国にも食品衛生の問題が未解決であることをはじめて理解した国民が多いことと思う。食品衛生上問題となるのは肉や魚などの生鮮食品だけでなく、加工食品の微生物汚染対策も重要である。加工食品における微生物汚染源として乾燥原材料から持ち込まれる細菌胞子がある。大量の食品を製造する食品の加工工程で均一かつ十分に食品を加熱して殺菌することは不可能であり、このような原材料はあらかじめ殺菌、除菌しなければならない。殺菌が必要な食品原材料として畜肉製品に使用する香辛料や乾燥野菜が代表的なものであり、各国で放射線殺菌が行われているが、細菌胞子に汚染されているために殺菌が必要な原材料は非常に多い。

2.個々の原材料の殺菌の必要性

 香辛料や乾燥野菜はソーセージやハムなど多くの加工食品に使用されており、多いもので106〜107CFU/g、少ないもので103〜104個CFU/gのレベルの微生物汚染状態である。本来ハムやソーセージなどは微生物が繁殖しやすい食品であり、あらかじめ殺菌して微生物、特に細菌胞子を減少しておかないと、微生物の繁殖に伴う腐敗や食中毒を引き起こす。

 昔はご飯は各家庭で炊いて食卓に出されていたために、貯蔵を目的としたもの以外に米の殺菌は必要なかった。しかし、近年の加工食品とコンビニエンスストアの普及により、米の殺菌技術が求められるようになった。加工食品の普及に伴い多くのレトルト米飯製品が市場に出されている。大規模な釜で炊飯すると温度むらができて完全な殺菌は不可能となるので、クエン酸処理、グルコン酸処理、予備加熱などあらかじめ米の菌数を減少するための措置が講じられている。包装切り餅でも同様な問題があり、各社とも米の殺菌に工夫を凝らしている。餅にはよもぎや豆の入ったものもあり、これらの豆やよもぎの殺菌も餅の品質保持において重要である。また、レトルト米飯には赤飯もあり、レトルト赤飯の貯蔵性を向上させるためには、米の殺菌だけでは不十分であり、小豆も殺菌しなければならない。

 生麺の日持ちが悪いということは広く知られている。生麺の日持ちを良くするためには、原料の小麦やソバの殺菌が不可欠である。特にソバの微生物汚染は激しく、106〜107CFU/gであり、せめて小麦なみ(103〜105CFU/g)にまで菌数を下げたいというのが、業界の強い要望である。現在、ソバは過熱水蒸気を用いて主に殺菌されており、一部エクストルーダーを用いて殺菌しているものもある。しかし、処理量、品質、コストのうえから、更なる改善が要望されている。小麦(粉)は麺だけでなく、パン、ケーキ、冷凍食品など多くの加工食品の原料となっており、小麦は食品原材料として最も重要なものの1つである。原料の小麦(粉)が殺菌されておれば、パンの異常発酵を防ぐことができるし、ケーキ生地の日持ちも良くなる。意外に知られていないのが冷凍食品における小麦粉の役割である。魚やエビなどのフライの冷凍食品があり、生の魚やエビに小麦粉やパン粉がまぶしてある。このような冷凍食品には加熱工程がないので、小麦から持ち込まれた微生物を殺菌する工程は何もない。したがって、温度管理が適切でないと、微生物の繁殖が起こる。このような状況のもと、小麦(粉)の殺菌に対するニーズは非常に高い。

 餅や赤飯に使用する豆の殺菌については上で述べたが、豆の殺菌に対する最もニーズが高いのが餡である。原料の豆が細菌胞子で汚染されていると、餡の製造工程の加熱だけでは完全に殺菌できず、製品の腐敗の原因となる。微生物の繁殖を防ぐためには水分活性を低く抑える必要があり、餡の糖濃度を下げることができない。しかし、現在の健康志向の強い消費者は低糖の餡を求めており、低糖の餡の製造を可能にするには原料の豆の殺菌が不可欠である。小豆は羊羹など多くの和菓子に使用されており、小豆の殺菌が可能になれば、和菓子の日持ちが良くなる。さらに、和菓子によく使われているものにきなこがあり、これも和菓子の腐敗の原因となっている。抹茶はゼリー、ケーキ、アイスクリーム、羊羹、ういろ、餡、和菓子などに使われている。抹茶の製造には細菌胞子を殺菌できるほどの加熱工程がなく、抹茶を汚染している微生物がこれらの製品の腐敗の原因となることがある。原料大豆が殺菌できれば、豆腐の日持ちがよくなったり、納豆の製造法が変化する可能性もあり、大豆、小豆、黒豆などの殺菌も食品製造業にとってはニーズの高い技術である。また、海苔、青のり、寒天、カラギーナンのような海草や藻の殺菌も重要である。 カイワレダイコン種子の大腸菌O-157中毒の原因としての可能性について議論されており、最近はやたらカイワレダイコン種子の殺菌技術が話題になっている。もしもカイワレダイコン種子に病原菌汚染の問題があるとしたら、水耕栽培に用いる種子の病原菌汚染の可能性も否定できなくなり、水耕栽培に用いられる多くの種子の殺菌の必要性が生じる。ところで、種子の微生物汚染が昔から問題となっているのがもやしの種である。もやしの原料となるブラックマッペやマングビーンの種子は途上国の農家で採取されたものが輸入されて用いられており、微生物で汚染されている。植物病原菌などの微生物で汚染された種子を用いると、もやしは栽培途中の室の中や流通過程で腐敗する。もちろん、植物病原菌に汚染された種子の使用はもやしの生産だけではなく、農業生産一般に重大な影響を及ぼす。乾燥食品原材料の殺菌ではないが、発芽力を低下させることなく種子を殺菌できる技術の開発も待ち望まれている。

 ここに述べたように多様な乾燥食品原材料や種子を殺菌する必要があり、それぞれの殺菌技術の特徴を理解して個々の原材料に適した殺菌技術を使用するとともに、より優れた殺菌技術の開発が緊要である。

3.乾燥食品原材料の殺菌技術

 香辛料、乾燥野菜、小麦粉などの乾燥食品原材料を汚染している微生物の多くは細菌胞子であり、細菌胞子は加熱しても死滅しにくく、かつ乾燥した粉粒体は熱伝導率が悪い。そのために、粉粒状の乾燥食品原材料を加熱殺菌するには長時間加熱する必要がある。しかし、長時間加熱すると、精油成分の揮散、蛋白質の変性、変色などが起こり品質が低下するので、これらの食品原材料を加熱殺菌することは実用上ほとんど不可能である。このような食品原材料の殺菌技術としては、従来はエチレンオキサイドガス(EOG)を用いたガス殺菌が行われていたが、EOG自体が有害であり、残留すると発ガン物質を生成するので、現在では食品へのEOG使用は禁止されている。このような状況のもと、粉粒状の乾燥食品原材料の殺菌は未だに解決されていない課題となっている。

 放射線殺菌は殺菌処理に伴う温度上昇がないために、精油成分の損失や蛋白質の変性が起こりにくく、また、ハーブなどの色調に及ぼす影響もほとんどないので、20ヶ国以上で香辛料や乾燥野菜の殺菌に利用されている(表1)。しかし、食品の放射線殺菌はわが国では許可されておらず、現在粉粒状の乾燥食品原材料の殺菌にわが国で使用されている主な技術は、過熱水蒸気を利用した殺菌である。過熱水蒸気は飽和水蒸気を150〜200℃に加熱することにより乾燥状態にしたものであり(図1)、粉粒状の乾燥食品を乾燥状態のまま極短時間に殺菌することができる。

 ここでは、香辛料、穀物、乾燥血液を対象に著者の行ってきた研究を主に紹介しながら、加熱水蒸気殺菌、EOG殺菌、放射線殺菌、ソフトエレクトロン殺菌を比較する。

4.具体的な食品に対する各種殺菌技術の比較

 黒コショウおよび白コショウに対する殺菌効果を比較検討すると、EOG殺菌および過熱水蒸気殺菌の殺菌効果は5kGy照射よりは大きいが10kGy照射よりは小さい(表2)1)。また、各種香辛料に対する殺菌効果はガンマ線の方が電子線よりもわずかに大きいが10kGy照射すればいずれの放射線を使用してもほぼ滅菌できる(表3)2)。ガンマ線および電子線を照射しても香辛料の精油はほとんど変化しない(表4)2)(図2)3)。一方、過熱水蒸気殺菌あるいはEOG殺菌を行うと、粉コショウの精油成分は大きく減少し、粉末の香辛料の殺菌には過熱水蒸気はあまり適してないない(図3)3)。パセリ、パプリカ、レッドペッパーなどの粉末の色調はガンマ線や電子線を照射しても変化せず2)、パセリや抹茶などに含まれるクロロフィルも放射線照射に対して安定である。一方、粒コショウなどの殺菌に利用されている過熱水蒸気は、ハーブ類では変色を起こすといわれている。コショウの懸濁液の粘度はEOG殺菌や過熱水蒸気殺菌の影響は受けないが、ガンマ線や電子線を照射すると著しく低下する(表2)1)。これは放射線によりコショウ中のデンプンが分解するためであり、デンプンは放射線により簡単に分解することを示唆している。このことを利用して照射コショウの検知が可能になる。

 乾燥血液に対する殺菌効果も電子線よりもガンマ線の方が大きい。乾燥血液の乳化性、疎水性、溶解性などの蛋白質の機能に対する影響は、加熱殺菌、EOG殺菌と比べてガンマ線照射や電子線照射の方が小さい(表5)4)。また、蛋白質の凝集に伴う分子量の変化も加熱、EOG殺菌と比べてガンマ線や電子線照射の方が小さい。これらの蛋白質の性質に及ぼす放射線の影響は一般に小さく、このことを利用して酵素製剤の放射線殺菌が行われている。

 ところで、放射線殺菌の欠点を補うのがソフトエレクトロン殺菌である。ソフトエレクトロンの透過力はガンマ線や電子線よりはるかに小さく(図4)、紫外線よりは大きい。ソフトエレクトロンが物質を透過する深さはエネルギーの強さによるが一般に50〜150μmである(図5)5)6)。穀物、豆、香辛料などでは微生物は表面に生育しているので、表面のみ殺菌すれば穀物、豆、香辛料はほぼ無菌にできる5)6)7)。例えば、籾、玄米、小麦、殻付ソバはソフトエレクトロン処理により澱粉の分解(粘度の低下)を起こさずに殺菌できる(表7,8)5)。またエネルギーが6万電子ボルト(60keV)のソフトエレクトロンで「こしひかり」「日本晴れ」いずれの品種の玄米もほぼ無菌にできる(表9)6)。処理した玄米では油の酸化が起こるが、搗精して白米にすると酸化された油(糠の部分)が除去される。6万電子ボルト(60keV)で処理した玄米を90%あるいは88%の歩留まりで搗精して得られた白米の油の酸化度(TBA値)は無処理のものと同じになる(表10)6)。ガンマ線では中まで酸化されているので、搗精しても酸化度はほとんど低下しない。同様な結果は澱粉の分解についても得られる。60〜70keVの電子を当てても玄米の粘度変化は観察されない6)。しかし、それよりも高いエネルギーの電子を当てると玄米の粘度は低下するが、搗精することにより未処理のものとの差が小さくなる。なお、ガンマ線照射した米では搗精してもTBA値や粘度の変化が認められず、ソトエレクトロン殺菌とは異なり、米の中まで油脂の酸化や澱粉の分解が起こっている。

5.おわりに

 EOG殺菌、加熱殺菌、過熱水蒸気殺菌、ガンマ線殺菌、電子線殺菌、ソフトエレクトロン殺菌は食品の品質に及ぼす影響がそれぞれ異なる。最も安価なのは加熱殺菌であるが、殺菌効率と品質への影響を考えると、乾燥食品原材料にはほとんど使用できない。EOG殺菌や放射線殺菌は法律で食品への使用が禁止されている。わが国では乾燥食品原材料の殺菌には主に過熱水蒸気殺菌が使われている。しかし、この技術も完全ではない。エクストルーダーを用いた香辛料の殺菌、高圧による粉体の殺菌、プラズマ状態の過酸化水素による固体の殺菌など新たな試みがなされている。しかし、いずれも乾燥食品原材料の殺菌技術としては確立されていない。ここに新たに提案したソフトエレクトロン殺菌は従来の殺菌技術では対応できなかった食品の殺菌に対して利用できる可能性がある。大腸菌O-157やサルモネラによる食中毒がマスコミをにぎわしており、乾燥食品原材料の殺菌は見逃されがちであるが、加工食品の品質保持にとって重要な技術である。乾燥食品原材料の殺菌技術が確立されて加工食品の微生物汚染が今よりもはるかに低減されたならば、加工食品の賞味期限が長くなり、賞味期限が切れたために廃棄される食品減少にも役立つ。このように、食品原材料の殺菌は食品の腐敗や食中毒の減少に貢献するだけでなく、賞味期限の延長に伴う経済効果も大きく、社会的意義のおおきな技術課題である。

参考文献

1)T. Hayashi, S. Todoriki and K. Kohyama; J. Food Sci., 59,118-120(1994)

2)林徹、マムン、等々力節子;食総研報;57, 1-6 (1993)

3)小林彰夫;食品照射研究委員会研究成果最終報告書、RI協会90-97(1992)

4)T. Hayashi, R. Biagio, M. Saito, S. Todoriki and M. Tajima; J. Food Sci., 56, 168-171(1991)

5)T. Hayashi, Y. Takahashi, T. Todoriki; J. Food Sci., 62(4),(1997)(in press)

6)T. Hayashi, C. Toyoshima, H. Okadome, S. Todoriki, K. Ohtubo; J. Food Protect.,(unpress)

7)T. Hayashi, Y. Takahashi, T. Todoriki; Radiat. Phys. Chem.(in press)


表 1 食品照射の実用化一覧表
国名
実施場所(開始年)
食品名
アルゼンチン
Buenos Aires(1986)
香辛料、ホウレンソウ、ココア粉末
バングラデシュ
Chittangong(1993)
馬鈴薯、タマネギ、乾燥魚
ベルギー
Fleurus(1981)
香辛料、乾燥野菜、冷凍水産物
ブラジル
Sao Paulo(1985)
香辛料、乾燥野菜
カナダ
Laval(1989)
香辛料
チリ
Santiago(1983)
香辛料、乾燥野菜、馬鈴薯、タマネギ、食鳥肉
中国






Shanghai(1986)
馬鈴薯、タマネギ、ニンニク、リンゴ、スピリッツ、香辛料
Chengdu(1978)
香辛料、ニンニク、ソーセージ
Zhengzhou(1986)
香辛料、ニンニク、ソース
Nanjing(1987)
トマト
クロアチア
Zagreb(1985)
香辛料
キューバ
Havana(1987)
馬鈴薯、タマネギ、マメ
チェコ
Prague(1993)
香辛料
デンマーク
Riso(1986)
香辛料
フィンランド
IIomantsi(1986)
香辛料
フランス










Lyon(1982)
香辛料
Paris(1986)
香辛料、香草類
Vannes(1987)
冷凍脱骨食鳥肉
Nice(1986)
香辛料
Marseille(1989)
香辛料、香草類、冷凍エビ、冷凍カエル脚
SableSurSarthe(1992)
チーズ
ハンガリー
Budapest(1982)
香辛料、タマネギ、酵素
インドネシア
Pasar Jumat(1988)
香辛料
イラン
Tehran(1991)
香辛料
イスラエル
Yavne(1986)
香辛料
日本
士幌(1974)
馬鈴薯
韓国
Seoul(1986)
香辛料、乾燥野菜
メキシコ
Mexico city(1988)
香辛料、乾燥野菜
オランダ
Ede(1981)
香辛料、乾燥野菜、冷凍水産物、食鳥肉、米、粉末卵
ノルウェー
Kjeller(1982)
香辛料
南アフリカ






Tzaneen(1981)
馬鈴薯、タマネギ
Pretoria(1968)
馬鈴薯、タマネギ、香辛料、肉、魚、鶏肉、果実
Kempton Park(1981)
果実、香辛料、馬鈴薯
Mulnerton(1986)
果実、香辛料
タイ
Patumtfani(1989)
発酵ソーセージ、酵素、香辛料
ウクライナ
Odessa(1983)
小麦
イギリス
Swindon(1991)
香辛料
アメリカ






Rockaway(1984)
香辛料
Whippany(1984)
香辛料
Irvine(1984)
香辛料
Mulberry(1992)
果実、野菜、食鳥肉
ユーゴスラビア
Belgrade(1985)
香辛料



表 2 種々の殺菌処理を施したコショウの粘度と微生物1)




粘度
(mPa.s)
微生物数
(counts/g)
黒コショウ




無処理
104.3±3.4
9.0×107
ガンマ線5kGy
54.1±3.9
2.4×104
過熱水蒸気殺菌
110.9±3.7
1.3×103
白コショウ








無処理
144.3±5.9
1.4×106
ガンマ線5kGy
83.6±2.1
3.8×102
ガンマ線10kGy
46.3±0.3
<10
過熱水蒸気殺菌
143.6±5.3
<100
EOG処理
147.6±5.2
<100



表 3 香辛料の全微生物数に対するガンマ線と電子線の比較2)



0 kGy
5kGy
10kGy

ガンマ線
電子線
ガンマ線
電子線
黒コショウ
3.9x106
3.2x103
3.5x103
0
0
白コショウ
1.3x105
< 100
< 100
0
0
ナツメグ
2.8x104
0
0
0
0
レッドペッパー
2.4x106
2.9x102
6.9x102
0
0
パセリ
4.4x104
5.7x102
9.5x102
< 100
< 100
パプリカ
1.6x107
7.6x103
1.9x104
0
< 100
ローレルパウダー
2.4x104
0
0
< 100
< 100



表 4 10kGy照射した黒コショウの精油成分組成(%)2)

非照射
ガンマ線
電子線
α-ピネン
7.01
6.69
6.90
β-ピネン
8.93
8.62
8.54
カレン
11.69
11.40
11.42
ミルセン
1.49
1.50
1.40
フェランドレン
0.57
0.57
0.59
リネネン
15.20
15.01
15.00
p-シメン
1.17
1.44
1.12
リナロール
0.63
0.63
0.64
α-カリオフィレン
1.38
1.40
1.48
β-カリオフィレン
27.03
27.39
28.12
その他
24.90
25.35
24.79



表 5 乾燥血液の特性に及ぼす各種処理の影響4)
処理
溶解度(%)
SH基(μモル/g)
乳化性(m2/g)
疎水性(相対値)
無処理
98.8±3.7
1.77±0.28
59.17±7.74
2500
ガンマ線5kGy
99.6±7.9
1.56±0.19
59.10±6.94
2700
ガンマ線10kGy
95.2±3.9
1.51±0.24
55.41±5.28
2850
ガンマ線15kGy
95.6±5.6
1.47±0.26
52.13±7.29
2975
電子線5kGy
99.6±4.4
1.73±0.29
58.62±6.96
2550
電子線10kGy
97.8±6.0
1.70±0.23
61.63±7.05
2750
電子線15kGy
95.6±5.6
1.67±0.18
56.18±8.78
2800
EOG処理
58.5±3.9
1.34±0.24
60.06±2.83
2225
水溶液加熱
(63℃,30分)
100.3±6.8

0.68±0.14

44.18±5.37

2250

乾熱
(80℃,20分)
28.3 ±4.3









表 6 殺菌技術が食品成分に及ぼす影響

EOG
放射線照射
過熱水蒸気
乾熱
蛋白質



XX
多糖類

X


精油揮散


△X
XX
脂質酸化
X
XX
?
XX



表 7 ソフトエレクトロン処理した穀物の微生物数(個/g)5)
処理の方法
玄米

小麦
穀付ソバ
無処理
4.6x106
7.4x107
2.7x104
1.4x106
75keV,8μA,10min
5.1x102
−−
1.2x103
−−
75keV,8μA,40min
< 10
−−
< 10
−−
100keV,14μA,5min
1.2x103
5.8x105
3.1x102
1.4x103
100keV,14μA,20min
< 10
6.3x103
< 10
3.3x102
130keV,22μA,1min
2.5x103
1.6x105
2.9x103
1.8x103
130keV,22μA,6min
< 10
< 10
< 10
< 10
150keV,40μA,0.5min
7.4x102
1.3x105
2.0x103
9.7x102
150keV,40μA,3min
< 10
< 10
< 10
< 10
ガンマ線10kGy
< 10
6.3x102
< 10
< 10



表 8 ソフトエレクトロン処理した穀物の粘度(mPa.s)5)

玄米

小麦
穀付ソバ
無処理
211.1
149.7
287.4
211.3
75keV,8μA,40min
206.0
−−
293.6
−−
100keV,14μA,20min
185.9
147.3
246.6
199.9
130keV,22μA,6min
146.7
137.3
206.4
192.5
ガンマ線10kGy
21.1
31.9
34.6
26.3



表 9 ソフトエレクトロン処理した米の微生物数(個/g)6)
処理の方法
こしひかり
日本晴れ
無処理
2.8x106
1.8x106
60keV,4μA,15min
2.8x105
3.4x103
60keV,4μA,30min
< 100
2.1x102
60keV,4μA,45min
< 10
< 10
75keV,8μA,10min
1.1x102
1.2x103
75keV,8μA,20min
< 100
< 100
75keV,8μA,30min
< 10
< 10
90keV,10μA,10min
2.6x102
3.5x102
90keV,10μA,20min
< 100
< 10
90keV,10μA,25min
< 10
< 10
100keV,14μA,5min
4.5x102
6.0x102
100keV,14μA,10min
< 100
< 100
100keV,14μA,15min
< 10
< 10
ガンマ線 2.5kGy
1.0x104
7.9x103
ガンマ線 5.0kGy
2.5x102
2.8x102
ガンマ線 7.5kGy
< 10
< 10



表 10ソフトエレクトロン処理した玄米を歩留まりを変えて搗精した白米のTBA値6)
処理の方法
玄米
92%
90%
88%
無処理
17.69
4.95
4.75
4.23
60 keV,4μA,45min
26.68
7.98
5.18
4.75
75keV,8μA,30min
34.21
9.05
8.37
5.43
90keV,10μA,25min
41.45
15.55
9.47
9.43
100keV,14μA,15min
57.66
19.74
14.33
13.70
ガンマ線 7.5kGy
60.59
46.59
43.83
43.23



図 1 飽和水蒸気曲線



図 2 黒コショウ粉末の精油に及ぼすガンマ線照射(32〜35kGy)の影響3)



図 3 黒コショウ粉末の精油に及ぼすガンマ線、エチレンオキサイドガス燻蒸、過熱水蒸気の影響3)



図 4 ソフトエレクトロンの透過力の模式図



図 5 ソフトエレクトロンの透過力





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