食品原料や食品に放射線をあてて、貯蔵中に発生する発芽、虫害、腐敗などによる損失を防止することを食品照射といいます。食品の貯蔵法には、冷蔵、冷凍、かん詰、びん詰、塩漬け、乾燥など、いろいろな方法がありますが、放射線照射には、次のようないくつかの特徴があります。
たとえば、放射線照射は、ジャガイモやタマネギの発芽や、人参の発根を有効に抑制することができる。果実などの熟成を遅らせることができる。食品の温度を上昇させないで凍結したまま殺菌できる。包装したままで殺菌殺虫をすることができる。などの特徴があります。食品照射とは、放射線のもつこのような特徴をうまく利用して、食糧のロスをなくし食品の貯蔵期間を延長したり、食中毒の原因となる微生物を殺菌したりして、流通の安定化や衛生面の改善に役立てようとするものです。
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