食品照射に使用される放射線の種類は、あるエネルギー以下のガンマ線、およびエックス線、電子線に限られています。ガンマ線やエックス線は、赤外線や紫外線と同じ電磁波で、可視光線などより強いエネルギーを持ったものです。電子線は文字通り電子の流れです。これらはいづれも一種のエネルギーですから、食品に放射線をあてるということは食品を熱したり、冷やしたりするのと同じような物理的処理です。
食品照射に用いられる放射線では放射線をあてた食品に放射能が残っているとか、添加物のような何かの物質が残されているということはありません。強いて言えば、食品にあたった放射線は瞬時に極々微量の熱(ジャガイモの発芽を抑えるための最大照射線量の150Gyなら0.036℃の熱)に変ります。
放射線の単位は従来のrad(ラド)に代りGy(グレイ、1Gy=100rad)が用いられています。
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