一般の消費者の中には、放射線を照射した食品には放射能が含まれていると思い込んで危険視する人もいます。しかし、コバルト60のガンマ線エネルギーでは、食品中の元素が放射能を持つことのないことが確かめられています。コバルト60の放射線エネルギーは1.17と1.33MeVの二種です。コバルト60のガンマ線では食品に含まれる物質が放射化される(放射能を持たせる)ことはあり得ません。炭素や窒素、酸素など一般の安定元素の放射化には十数MeV以上の高いエネルギーが必要とされています。国立衛生試験所等で、念のため照射したジャガイモの放射能の有無を調べましたが、ジャガイモ中に新たに放射能が全く生じないことが確認されています。このように理論的にも実際的にも照射された食品に誘導放射能が残るとか、新たに生じるとかいうようなことは全くありません。
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