この実験は、普通のエサや照射していないジャガイモを食べさせたラットと、照射したジャガイモを食べさせたラットとの間に差が出るかどうかを3.6.12.24カ月の4時点で調べたものです。その結果、600Gy照射したジャガイモを与えたグループの6カ月の時点でだけ、卵巣の重量が減少したと報告されています。これが本当に放射線による影響であるとすれば、他の時点でも同様の傾向が見られるかあるいは何らかの変化が現れてもよいと考えられます。しかし3、12、24ヶ月では差が出ていません。卵巣の軽くなったものと、ほかのものとの組織の構造を、顕微鏡で調べられましたが、差は認められませんでした。
このような試験で、安全性の問題点として取り上げなければならないのは次の3点です。第一に臓器の機能的な変化、第二に臓器の組織学的変化、第三に全期間を通してある一定の傾向をもった重量変化です。この試験では、組織学的に変化はなく、卵巣重量の点でも6ヶ月目だけの1時的な変化なので、危険な変化とは考えられません。また機能については同時に行われたマウスについての試験およびイギリスで行われたラットの世代試験で変化のないことが明らかにされています。
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