放射線の食品に対する初期過程は原子の電離作用(イオン化)であるが、すぐ遊離基(フリーラジカル)という化学反応を起こしやすい状態に変わる。この遊離基は加熱でも簡単に生成し栄養成分の分解などの化学変化を起こす。これらの化学変化は食品に加えられたエネルギーにほぼ比例しており、放射線処理で食品に加えられるエネルギーは微々たるものである。国際的に放射線照射が物理的方法として取り扱われているのは、放射線分解生成物が加熱の場合と同じ物質であることが明らかとなってきたためである。