照射により食品中に起こる化学変化はわずかであり、一般に60kGy照射しても生成する化合物は数ppbである。しかも、これら生成物のほとんどは炭酸ガス、メタン、水素等の照射以外の処理でも生じる化合物であり、照射により特異的に生成する物質は極微量であり、ppb単位の量しか食品中に存在しない。したがって、分析、定量が困難であり、その毒性は動物や微生物を用いた方法により検査されるのが一般的である。FAO/IAEA/WHOは、これらの安全性試験の結果、10kGy以下の照射を行った食品の健全性には問題がないという結論を出している。
文 献
1) WHO Technical Report Series,No.406(1977)
2) WHO Technical Report Series,No.659(1981)
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