本実験においては、照射したタマネギを投与したマウスの2世代目で、「頚肋」という極めて軽微な骨格の変異(第7頚椎に小さな肋骨が付着する変異)の発現率がやや増加している。しかしながら、この変異はいわゆる奇形とは異なり、生体の機能に何ら支障をきたさないものである。
また、頸肋の発生率は、マウスにおいては、もともと世代間を含めて非常にバラツキのあるものであり、照射タマネギを投与しないマウスにおいても、その発現率が20〜84%とバラツキがある。一方、本実験で照射したタマネギを投与したグループの頚肋の発現率の増加は20〜41%であり、この変動範囲におさまるものであった。
これらの理由により、本実験における頚肋の発現率に関するデータについては、照射したタマネギの投与により奇形の発生をもたらすことを示唆するものではないとの結論を得たものである。
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