1.根茎菜類の発芽部の分裂組織の細胞は他の組織の細胞に比べ放射線による感受性が高い。ジャガイモの休眠期に放射線を60Gy以上照射すると、分裂組織の細胞は分裂能力が失われる。一方、他組織の細胞は放射線の影響をほとんど受けないため60〜150Gyの照射では、細胞は生存しており、長期(室温で約8ヶ月)にわたりジャガイモとしての鮮度が保たれる。
2.ジャガイモ発芽部の化学分析を行った結果では、非照射の場合は貯蔵中に核酸含量が増加して発芽が始まるが、照射すると核酸の蓄積が抑制される。このことは分裂細胞の核酸が放射線で障害を受け易いことを示している。
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