食品照射に関する文献検索

Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の基礎


Q&A集タイトル : 議会、官庁向けQ&A
発行機関名 : 科学技術庁
<答>



問25.7品目の食品照射研究開発のうち、みかんについては何故電子線を使用したのか。


<答>

 1.温州みかんは表皮にカビが発生しやすく、4〜5℃に低温貯蔵しても、収穫後1ヶ月程度しか保存できない。

 2.一般に生鮮果実や野菜は殺菌に必要な1kGy以上の線量で透過力の強いガンマ線を1kGy以上照射すると食味低下や果皮褐変を起こしやすい。特に温州みかんの場合は、この傾向が著しい。このため、透過力の弱い電子線で表皮部のカビを殺菌しておけば、カビの発生を抑制することが可能である。

<参考>

 電子線のエネルギーが0.6MeV以上では1.5kGy照射により果皮が褐変し、カビ防止効果が少ない。これは、電子線が果皮全体に傷害を与えるためである。一方、0.5MeVでは果皮傷害も少なくカビ抑制効果が著しい。しかし、これ以下でのエネルギーでの効果は少ない。




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