食品照射に関する文献検索

Q&A(QUESTION and ANSWER)

国際機関のQ&A(2)WHO、FAO


Q&A集タイトル : 食品照射、消費者の受け入れ
発行機関名 : 世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関
<答>



11.放射線照射により死滅しなかった食品中の微生物が危険性を増すことはないのか。


<答>

 食品照射に一般に利用するレベルの線量を照射しても全ての微生物を死滅させることはできず、滅菌できないことは事実である。条件さえ整えば、照射した後に生残して微生物は再び増殖を始める。例えば、Clostridium botulinum の胞子は低線量照射により死滅させることはできない。Clostridium botulinum を含む食品を放射線照射または低温殺菌してから密閉容器に入れて室温で貯蔵すれば、Clostridium botulinum は増殖して、しばしば致命的となる食中毒であるボツリヌス中毒を引き起こす毒素を生産する可能性がある。照射食品中に生残している病原菌は非照射食品中の同じ微生物と比べて同程度に危険であって危険の程度が大きいということはないという事実を心に留めておくことは重要である。他の食品と同様、有害な微生物が問題を引き起こすことがないように、照射食品に対しても、消費者は冷蔵及び適切な取扱いと調理といった注意を払う必要がある。




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