現在及び将来にかけて、すべての食品が照射されることもほとんどの食品が照射されることもないであろう。食品照射は、必要性がありかつ経済性のある時にのみ利用されるものである。多くの国で照射が許可されている食品の例を次に示す。
馬鈴薯、タマネギ:気象条件により貯蔵が困難な場合の発芽の抑制
香辛料、ハーブ、乾燥野菜、薬味:微生物の制御及び害虫の防除
家禽肉、エビ、カエルの脚、魚:病原菌をはじめとする微生物の防除
及びシェルフライフの延長
マンゴー、パパイア、イチゴ、マッシュルーム:害虫の防除及びシェルフ
ライフの延長
米、カカオ豆、小麦:害虫及び微生物の制御
特定の食品の照射が許可されているという事実は、必ずしも許可されたすべての食品が照射されるということを意味しているものではなく、許可された食品照射が実施されるか否かということは、代替技術の利用の可能性、コスト等の多くの要因によって決まる。対象となる食品が輸出されるものであれば、食品照射技術はより利用されやすくなる。この場合、照射により害虫の制御とシェルフライフの延長を効率的に行うことができる。生の家禽肉のように、ある食品が公衆の健康問題を引き起こす場合には、放射線照射は、加熱等の処理と異なり、食品の変化を引き起こさないので、利用性が高い。
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