2.食品照射の効果
概要
食品照射の特長は、・均一処理が可能、・温度上昇がわずか、・汚染および残留がない、包装した状態での殺菌などが可能、である。このため、食品の損耗を防ぐことによる供給量の確保、食品に由来する疾病の予防、端境期での価格安定などにメリットがある。
内容
食品照射は以下の特徴を有している。
1.放射線はほぼ均一に食品の中を透過するので、他の処理法に比べ食品を均一に処理することが可能であり、その効果の信頼性が高い。すなわち、殺菌、殺虫、発芽抑制などの目的を確実に達成することができる。
2.耐熱性の細菌胞子を99.9%以上殺菌できる10kGyという高線量の放射線を照射しても、食品の温度はわずか 2.4℃しか上昇しない。すなわち、放射線照射による温度上昇はわずかであり、放射線照射は生鮮物、冷蔵品、冷凍品の処理にも利用できる。
3.食品照射は物理的処理であり、殺菌や殺虫に薬剤を使う化学的処理に比べて、薬剤による汚染や残留の問題がない。照射した食品の安全性(健全性)は確認されており、食品照射は安全性の高い食品処理方法である。
4.放射線は透過力が大きいため、食品を包装した状態でも食品の内部まで照射できる。すなわち、包装してから食品を照射することにより、照射した食品の微生物や害虫の再汚染を防ぐことができる。
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