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Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(1)特長


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7.放射線処理は物理化学的作用を利用


7.放射線処理は物理化学的作用を利用

概要

 放射線は熱と同様にエネルギーの一種であり、食品中に残留することはない。成分変化も加熱処理より少ないことが知られている。

内容

1.食品照射に必要な放射線の量は人間に傷害を与える量の 100〜10,000倍も大きい。しかし、放射線は許可されているエネルギーレベルでは放射能を誘導することはなく、薬剤と異なり残留することがないため、照射食品を食べたからといって、照射の影響が人間におよぶわけではない。

2.人類が最初に火を使用し始めたときにも、火は人間を殺傷するものとして恐れられていたであろう。しかし、火を使用することにより人間は大きな恩恵を得るようになった。火は殺菌作用だけでなく、食品の消化性を促進する作用もある。食品を調理する場合には60〜 180゜Cで加熱するが、調理した食品を食べたからといって人間が死ぬわけではない。凍結などの低温処理も人間や多くの動物自体にとっては有害であるが、食品の鮮度を維持するのに役立つ。また、電子レンジに使用されている電磁波は、人間を殺す作用もあるが、食品を短時間に調理するのに利用できる。

3.放射線も加熱や凍結、紫外線と同じ物理的処理法であり、エネルギーを食品保存や殺菌などに利用しているにすぎない。放射線のエネルギーも最終的には熱に変わり、消滅する。放射線照射では10kGyの線量でも、食品の温度を 2.4゜Cしか上昇させないため、冷殺菌法とも呼ばれ、栄養成分の変化も加熱より少ないことが明らかにされている。

4.無農薬かつ放射線などで処理してない生鮮食品のみが消費者に必要と主張する人がいるが、この場合には害虫や寄生虫、病原菌、腐敗菌などに由来する疾病のおそれを生ずる場合がある。




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