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Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(3)健全性


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25.照射食品の安全性評価と世代への影響


25.照射食品の安全性評価と世代への影響

 概要

  照射食品の安全性については、経験的に判断することはできないので、多くの試験研究が行われている。

 内容

1.照射食品は人間が伝統的に食したものではないため、経験的に照射食品の安全性を判断することは不可能である。したがって、照射食品の安全性については慎重に検討する必要がある。このような理由から、照射食品の健全性を検討するため国際プロジェクト(IFIP)などの国際協力および各国の独自のプロジェクトなどが実施された。その結果、平均線量が10kGy以下で照射された食品の安全性(健全性)に問題はないという結論が出されている。

2.安全性の確認のために、実験動物を用いて、@急性毒性試験、A一生の大部分の期間対象飼料を投与する長期慢性毒性試験、さらには、B遺伝的影響をチェックするため3世代にわたっての世代試験が行われている。

3.実験動物には、30年以上にわたり照射飼料で継代飼育され、各種試験に供されているものがあるが、照射飼料が実験動物に悪影響をおよぼしたという報告はなく、広く各分野の研究者に評価され、使用されている。実験動物の寿命から考えると、30年という期間は人間にとって約10世代に相当する。この事実は、人間が照射食品を何世代にもわたって食べても問題のないことを示唆している。

4.なお、低温殺菌ミルク、缶詰、マイクロ波(電子レンジ)加熱などもそれまで人間が経験したことのないものであり、地域や国によっては、その受け入れに長年月を要したが、現在では広く利用されている。




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