26.動物試験による毒性評価の信頼性
概要
照射食品の健全性は、主に動物試験の成績に基づいて検討されているが、そればかりではなく種々の化学的試験、生物学的試験が行われ、それらの成績が総合的に評価される。動物試験の結果は、ほとんどの場合、人間にあてはめることができることが過去の実績で示されている。
内容
1.毒性試験は、物質のもつ毒性を、量と関連して明らかにしようとする実験である。つまり、物質によって招来される障害(危険)の内容と、それを生ずる量を、確率のもとで評価するものである。
そのデータが、どこまでヒトにあてはめられか、その詳細は不明と言わざるを得ない。さらに、動物とヒトの差ばかりでなく、個人の間の差、すなわち個体差(個体毎の遺伝的偏り)もまたその詳細は不明だからである。しかし、そのように詳細が不明であっても、総体的には、動物試験の成績に基づいてヒトでの可能性を推測して差し支えない。なぜなら、これまで化学物質が原因となって生じたヒトでの障害の大方が、動物実験によっても認められて(追跡試験により再現されて)いるからである。
2.物質の毒性を評価をする場合、動物試験およびその他の試験結果に基づいて総合的に検討すれば、十分な安全性の評価が可能となる。
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