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Q&A(QUESTION and ANSWER)

食品照射の応用分野(3)健全性


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28.残留農薬や食品添加物に対する照射の影響


28.残留農薬や食品添加物に対する照射の影響

概要

 食品中の残留農薬や食品添加物の存在量は極微量であり、放射線照射により生成する放射線分解生成物は無視することができ、安全性が問題となることはない。

内容

1.米国食品医薬品局(FDA)は残留農薬を含む食品の照射について評価している。それによると、食品中の残留農薬の含有量が平均約1ppmとすると、残留農薬から生成する放射線分解生成物の総量は食品1sにつき約 0.00033rになると予測している。FDAは、「この量は実質的にはないに等しい」と評価し、「照射される食品中の残留農薬から生成する個々の放射線分解生成物の毒性は無視することができ、健康に対して危害を及ぼすものではない」という結論を出している。

2.飲食物への食品添加物の添加量は1日当たり10gであるが、そのうち、通常の食品中に存在しない化学組成をもったものの摂取量は 0.1gである。食品照射で認められている最高線量である10kGyの放射線を照射すると、食品添加物から生成する天然の食品に存在しない組成の放射線分解生成物の濃度は(ヒトが1日当たり 1,500gの食品と,

 1,500gの飲料を摂取すると仮定)1ppbになる。この濃度は下記のこれまでの実験動物で慢性毒性試験が行われた、あらゆる種類の化学物質で毒性の観察された濃度 100ppbより低く、放射線分解生成物の生成により引き起こされる危害の可能性は極めて低いと考えられる。

3.FDAは1993年、間接添加物(日本の容器包装材料)の物質を現行のポジティブリスト制(食品包装材として使用できる材料名を個別に掲げた表)から、溶出量の上限値,(しきい値)に改める規則を提案した。その根拠とされた研究結果は、@現在までに実施された18,000件におよぶ広範囲な種類の化学物質の急性毒性試験において、飼料中に1,000ppb未満で毒性を示した物質が存在しないこと、A 220件の同様な慢性毒性試験において、5品目の殺虫剤で例外的に 100ppbで毒性が認められ、他のものについては急性毒性試験の結果と同一であった。

4.これらの試験結果から、FDAは今後開発される毒性未知の物質についても、いかなる化学構造の物質であろうとも、 1,000ppb未満の濃度で毒性を示す物質は存在しないと推定することが合理的であるとし、食品への溶出量が 0.5ppb未満の物質について、ポジティブリストに化学名称を記載する必要はなく、単に溶出量のしきい値を設定すれば間接添加物の安全性を確保できると判定した。したがって、食品中の約1ppmの残留農薬から生成する0.33ppbの放射線分解生成物および食品中の33ppmの通常の食品中には存在しない化学構造の食品添加物から生成すると予想される食品中の10ppbの放射線分解生成物は安全性の懸念を提起するものではないと判断される。




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