果実・そ菜は放射線に対する感受性が高く、品質の低下を招くことが多いが、アメリカをはじめカナダ、ソ連その他各国の研究者の精力的な研究の成果として、数種類の果実・そ菜の貯蔵に有効なことが示された。すでにカナダ、ソ連では1961年に、米国では1964年ジャガイモの発芽抑制に放射線を使用することが許可されており、カナダ、米国では本年度産ジャガイモより照射処理を企業化するため民間数社が計画中といわれる。その他の果実そ菜についても実用化が進められているが、現在アメリカにおいて許可申請されている照射果実そ菜の品目は表5−1のようである。
米国AEC(原子力委員会)の低線量照射による食品貯蔵の計画(1962)をみると、果実・そ菜ではイチゴ、モモ、カンキツ、ブドウ、トマトなどが照射の対象として経済的に、かつ商品上からも有望とし、今後はいわゆる果実の表面殺菌について研究を進める必要性を示唆した。カリフォルニア大学のMaxieらは同委員会の援助の下にこのような果実について研究を行ない、既にその成果が報告されている。
いま果実・そ菜の貯蔵に対する放射線利用場面を述べるに当り、筆者は表5−2のように分類整理し、それぞれの利用場面について検討してみたい。
品 名 |
許可申請 |
線 量 Mrad |
備 考 |
ジャガ イ モ タ マ ネ ギ イ チ ゴ ト マ ト カンキツ 類 サトウ漬け果実 モ モ ニ ン ジ ン |
1964 1964 1966 1967 1963 1964 1964 1964 |
0.005〜0.01 0.2 ぐらい 0.075〜0.5 0.3 ぐらい 0.012 4.5 |
発芽抑制 発芽抑制 表面殺菌 表面殺菌 発芽抑制 殺 菌 |
(梅田、1965) |
利 用 場 面 |
適 用 線 量 |
適 用 範 囲 |
|
発 芽 抑 制 |
0.5〜5.0×10・E(4)R |
ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、クリ果実の発根、発芽、抽苔防止など |
|
熟度調整その他 殺 虫・殺 卵 |
0.5〜5.0×10・E(5)R 0.1〜1.0×10・E(5)R |
カキ果実の脱渋、果実の追熟促進または抑制、アスパラガスの組織の軟化、リンゴ のヤケ病防止 乾燥果実・そ菜の殺虫、殺卵 |
|
冷 殺 菌 |
表面殺菌 完全殺菌 |
1.0〜5.0×10・E(5)R 1.0〜5.0×10・E(6)R |
生鮮果実・そ菜の表面殺菌による一時的保存 果汁、缶詰類の殺菌 |
さきに述べたようにアメリカ、カナダではすでに実用的段階にきているもので、わが国でも照射食品として最も早く市場に登場するものと期待される。
ジャガイモの発芽抑制に必要な線量は10krad前後の比較的低線量で足りるが、照射条件やイモ自体の状態などによりいくぶん異なってくる。図5−1は筆者ら(1959)が休眠期のジャガイモ「男爵」に照射し、貯蔵8カ月後の状態を示したものであるが、3kRでは効果はなく、7kRないし12kR*で効果が完全にみられる。また品種「アリ」の休眠期に照射した場合でも7kRで効果は完全である。Sparrowら(1954)、Brownellら(1957)、Pedersonら(1956)も大体この線量で効果のあることを報告し、またカナダにおける実験結果(1961)でも8kRの線量で10品種のジャガイモがいずれも十分に発芽が抑制されるとしている。しかし筆者ら(1959)は休眠期をすぎる休眠覚せい期に照射すると、7kRでは不十分で貯蔵中発芽するものもあることを知った。また発芽抑制効果は同一線量でも線量率の相違によってかなり異なり、線量率の高い方がより効果的である。表5ー3は「アリ」についての実験例であるが、同じ20kRでも線量率が低いと貯蔵中に発芽する。この点Mathur(1963)も同様なことを指摘している。したがってジャガイモの場合、収穫後なるべく早くいわゆる休眠期に、高線量率で照射することが適切であると考えられる。
さてこのように照射して発芽抑制されたジャガイモが化学成分の上にどのような影響を受けるかは興味ある問題であるが、一般的にみて発芽抑制に足る線量の範囲内では化学的成分にさほど大した影響はないようである。糖含量は図5−2のように、照射後常温下に貯蔵すると照射直後一時的に増加し、その後減少して無照射のものに近ずき10月以降再び急増する。これはこの時期に低温によってイモ中のデンプンが糖に移行するが、それが無照射のものでは発芽のため用いられるのに対して、照射したものでは発芽しないからそのまま蓄積されるものと思われる。アスコルビン酸は照射による直接的影響はないようであるが、Schreiberら(1958)によると貯蔵中に一たん生合成され増加したアスコルビン酸の損失は照射イモの方が少ないという。
他方照射イモの腐敗は一般に発芽抑制に足る線量ではWorkmanら(1960)の示すように障害を生ずることはないが、線量が高くなると種々障害が生じ、病原菌に対する抵抗性が減少し腐敗することも知られている。Brownellら(1957)は19〜20krep(レップ)で照射したイモは腐敗が多くなると述べ、その原因は照射されたイモの周皮の形成が阻害され、また木質化が遅延されるので照射イモが損傷を受けるとそこから菌が侵入しやすくなり腐敗が多くなるとしている。またDuncanら(1959)は15〜25krepの線量で健全なジャガイモならば腐敗は少ないが、損傷を与えるとか、菌を摂取すると同様処理した無処理のものより腐敗が多くなるという。したがって照射イモは輸送、貯蔵中の取り扱いに注意し、なるべく損傷を与えないことが大切である。なお、生理病であるBlack heart は照射によって少なくすることができるといわれる(Mukchin,1962)。
照射イモの重量減(メベリ)の変化は発芽が抑制されるため無処理イモに比べて少ないが、長期常温下に放置すると「シワ」が現われるので、イモから蒸散を防ぐ方法を併用することが必要である。しかしなんらかの方法で蒸散を抑制することができても、過湿になると腐敗しやすいのでこの点注意を要する。たとえばAssellbergsら(1960)は照射イモを室温下で貯蔵するために照射イモを防黴剤で処理した後ポリエチレンのようなプラスチックスフィルムに封入しその効果を調査したが、数日で無処理、照射イモともに色香に変化が起るのでこのような貯蔵法が不適当であることを示している。
照射により発芽されたジャガイモの嗜好性は表5ー4にみられるように、5〜80kRの程度の照射では結果は良好である。また組織の硬さは品質を左右する重要な一因であるが、5〜20kRの照射イモは5〜7℃で18カ月間貯蔵しても硬い状態で保持しうるが、それ以下およびそれ以上の線量では柔らかくなる(Sparrowら、1954)。Madsenら(1959)は物理的方法によって照射イモの硬さを測定し、9.3kradで照射イモの切断圧は低く柔らかくなったとしている。
* R:レントゲン
線 量 および 線 量 率 |
調 査 月 日 |
|||||
9.7 |
10.16 |
10.30 |
12.7 |
1.23 |
||
0 r |
* 3 |
85 |
100 |
100 |
100 |
|
1 ×10・E(4)r |
500 R/hr 1.6×10・E(5)R/hr |
0 0 |
14 0 |
34 0 |
65 0 |
71 0 |
1.5×10・E(4)r |
750 R/hr 1.6×10・E(5)R/hr |
0 0 |
0 0 |
10 0 |
41 0 |
58 0 |
2 ×10・E(4)r |
1000 R/hr 1.6×10・E(5)R/hr |
0 0 |
0 0 |
0 0 |
12 0 |
21 0 |
*: 発芽率(%) 品種アリ、7月29日照射(緒方、1964) 注: r はradとほぼ同じ単位 |
処理後日数 (月) |
テストした 人の数 |
嗜 好 性 あ り と し た 人 数 |
|||||
Cont |
1,250R |
5,000R |
20,000R |
80,000R |
106,250R |
||
1 4 8 18 |
9 9 11 9 |
6 8 4 |
8 8 10 |
7 9 7 7 |
6 8 10 8 |
7 8 7 8 |
7 |
(Sparrowら、1954) *:線量R(レントゲン、1Rは約1rad) |
タマネギもジャガイモと同じように比較的低線量で発芽抑制効果のみられるものである。しかしその必要線量は処理条件によってかなり差のあることが報告されている。筆者ら(1959)がジャガイモと同様に「泉州黄」タマネギにつき休眠期および休眠覚せい期の両時期にそれぞれ、3、7および12kRを照射したところ、照射時期を問わず、また線量に関係なくいずれも発芽は完全に抑制された(図5ー3)。小島ら(1963)は収穫後86日までに照射すれば3kRで完全に発芽抑制できるが、収穫後114日では15kRでも効果のないことを報じている(表5ー5)。このような収穫後の日数と線量との関係についてはMullinsら(1961)も同様な傾向を報告している。
ところで発芽抑制されたタマネギの内部は図5ー4にみられるように内芽の部分だけが障害を起し褐変枯死する。この内芽の褐変現象はDallynら(1959)・Nuttallら(1961)によっても観察されているが、筆者らによれば内芽が障害を起す時期は休眠期に照射したものより休眠覚せい期に照射したものの方がより早く、しかも障害部分がより大きくなる。したがってタマネギの場合この点品質保持上多少問題もあるが、ジャガイモ同様内芽のまだ動き始めない時期すなわち休眠期ー収穫後なるべく早く照射処理することが適切と考える。 表5ー6は発芽抑制に足る必要線量の限界と品種間の差異についてみたものであるが、どの品種とも2kRで十分抑制されている。飯塚ら(1962)は大量処理の場合はこれよりも高い線量の必要なことを報告している。また照射タマネギの発芽率は球の大小、貯蔵温度にも影響されるといわれ、球の小さいものの方が大きいものより発芽率が大であり、貯蔵温度は常温(15℃〜30℃)より13℃の方が発芽率は大であるという。
照射タマネギの重量減の変化は球の発芽による損失は少ないが、5カ月間常温放置では25%前後減少する(小島ら、1963)。この点さらに重量の損失を防ぐ方法を工夫する必要があろう。照射タマネギの腐敗率は線量が高くなると高くなる(表5ー5、図5ー5)。なお化学的成分に対する影響はほとんどない。しかし嗜好性からみると、Hannan(1956),Dallynら(1959)、Nuttallら(1961)、Lewissら(1963)の結果からみると、色や組織の硬さには変化は認められないが、いわゆるタマネギ特有の刺激味がいくらか薄れるようである。
照 射 日 (収穫後日数) |
線 量 (kr) |
球 数 |
腐敗数 |
発 芽 球 数 |
全発芽球数 |
発 芽 率 |
|
長さ>10cm |
長さ>10cm |
||||||
Control |
0 |
158 |
1 |
73 |
42 |
115 |
72.8 |
8月29日 (86日) |
3 6 9 12 15 |
48 48 48 48 48 |
5 1 4 1 2 |
0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 |
9月26日 (114日) |
3 6 9 12 15 |
48 48 48 48 48 |
0 0 0 1 0 |
20 22 23 24 27 |
22 15 21 17 17 |
42 37 44 41 44 |
87.5 77.1 91.7 85.4 91.7 |
(小島ら、1963) |
品 種 |
線 量 |
10月27日 |
12月21日 |
貝塚早生 |
0 R 1×10・E(3)R 2×10・E(3)R 3×10・E(3)R |
80* 30 0 0 |
100 80 0 0 |
大阪中高 |
0 R 1×10・E(3)R 2×10・E(3)R 3×10・E(3)R |
30 30 0 0 |
90 80 0 0 |
大阪丸 |
0 R 1×10・E(3)R 2×10・E(3)R 3×10・E(3)R |
10 0 0 0 |
40 40 0 0 |
*: 発芽率(%) (緒方、1963) |
ニンジンの抽苔を防止するのにもγ線照射が有効である。Madsenら(1959)の結果(表5ー7)では、9.3kradでかなり発芽は防止できるが完全でなく、貯蔵温度21℃では37.2kradで、10℃下では9.3kradで完全に発芽が抑制される。また照射後3カ月貯蔵した場合の品質は照射したものの方がよかったとしている。
線 量 (krad) |
21℃貯蔵 10℃貯蔵 発芽の平均伸長 (インチ) 発芽の平均伸長 (インチ) 芽の重さ 重量減 2週間 4 6 1 2 3 (%) (%) |
0 9.3 18.6 37.2 65.1 93.0 |
0.7 3.1 4.8 0.7 5.3 9.2 16.4 9.2 0.3 1.1 2.0 0.2 0.7 1.7 2.0 0.0 0.1 0.2 0.3 0.1 0.2 0.2 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 腐 敗 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 腐 敗 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 |
(Madsenら、1959) |
クリ果実もγ線の照射により発芽発根が抑制されることが岩田ら(1959、1961)奈良(1961)によって報告されている。この場合はジャガイモやタマネギよりもいくぶん高い線量を必要とする。表5ー8は「銀寄」についてその効果をみたもので、15kR以上の線量で抑制効果の著しいことが認められる。しかし、30〜60kRのクリは無照射のクリが発芽を始める頃になると、胚軸部に変色するものが現われるので、加工原料としてはあまり適当でない。わが国ではクリ果実のγ線処理は有効であると考えられるから、さらによく研究する必要がある。
以上放射線照射による発芽抑制効果の場面を概観したが、この効果の現われる原因については現在次のように考えられている。(1)分裂組織の核酸の減少、(2)核蛋白の等電点が酸性側へ移行するなどの核蛋白の質的変化、(3)染色体異常などである。表5ー9はRubinら(1961)のジャガイモの芽のRNA−Pの変化をみたものである。
測 定 日 |
線量×10・E(4)R |
発芽 |
発 根 |
発芽発根率 |
腐敗果 |
健 全 果 |
12月2日 |
Control 1.5 3 6 |
|
26% |
25% 3 7 |
|
74% 97 93 100 |
1月11日 |
Control 1.5 3 6 |
51 |
36 |
87 18 8 |
8 22 15 |
5 82 70 85 |
収穫10月3日、照射11月6日 (岩田ら、1961) |
線量(krad) |
11 月 |
1 |
3 |
5 |
0 5 8 10 |
139.7 60.8 57.1 49.3 |
122.4 91.4 89.7 68.3 |
140.1 92.6 106.4 92.8 |
291.7 170.1 129.8 129.2 |
(Rubinら、1961) |
この場面も適用線量が発芽抑制線量とほぼ同じ程度の線量で行なわれるため有望であると思われるが、果実・そ菜を対象とした場合これまでの研究結果はほとんどない。茶珍ら(1964)のクリ果実を用いての実験結果では表5ー10のように貯蔵中シギゾウムシの発生率が大であったが、その発生率は照射によりまた線量が高くなるほど少なくなる。この実験でクリをポリエチレン袋(厚さ0.03mm)に封入して常温下においたものは、数匹でも幼虫がクリ果実からでると、必ずポリエチレン袋を食害するため、果実の重量減が著しく品質が低下する。それ故照射により十分殺虫の目的を達せられない場合を考慮し、残存する害虫に食害されないような包装を行なう必要がある。なお、乾燥果実、そ菜の殺虫殺卵を行ない貯蔵性を高めようとする試みもみられ、今後検討すべき課題である。
全 線 量 ×10・E(4) |
常温照射 2日目 SM |
32 日 後 |
|||
常温照射常温貯蔵 S M |
冷温照射常温貯蔵 S M |
冷温照射、冷温12 日貯蔵後常温貯蔵 S M |
常温14日間隔2 回照射常温貯蔵 S M |
||
0 1.5 3.0 6.0 |
a 2 1 1 2 |
b 13 5(4) 0 3 0 0 0 0 |
12 1 0 4 0 0 0 0 |
8 6(3) 3 4 0 0 0 0 |
2 2(1) 1 1 1 2 |
注 S:シギゾウムシ、 (茶珍ら、1964) M:クリミガ a:S+M(果実内幼虫数)/6個体 b:S,M(果実内外の幼虫数)/24個体、但し( )内は蛹の数 |
一般に青果物に放射線を照射すると、線量の差によって差はあるが、複雑な生理的変化や組織の軟化が起る。この現象を利用すればあるいは熟度の調整ができるかもしれないという観点から最近かなりの報告が出されている。しかし収穫後の果実の成熟過程に対する放射線の影響についてはRomani(1964)らの報告があるが、まだ十分明らかにされていない。
渋柿に0.3〜0.6MRを照射すると軟化し脱渋する。このことはすでに早川ら(1961)、Kitagawaら(1964)も指摘しているが、著者ら(1962)の行なった「平核なし」についてみると0.05MRでは無照射のものとほとんど変わりないが、0.5MRになると果実が軟化脱渋する。しかし5MRのような高線量では照射終了時すでに果実は暗色を帯び、脱渋されているが果肉は崩壊状態にある。他の品種でも「平核なし」と同様、大体0.3〜0.6MRで軟化脱渋する。もっとも脱渋に要する期間は品種あるいは線量によって違いがあるが、線量が高くなるほど果実中の可溶性タンニンの含量が減少する(表5ー11)。他方アセトアルデヒドの含量は高くなる。また果実の炭酸ガス排出量も増大する。
このように照射によって果実が軟化脱渋するということは実際上からはともかく、生理学的にきわめて興味深いものがある。
|
照 射 後 日 数 |
||
1 日 |
3 |
5 |
|
0 R 1×10・E(5)R 3×10・E(5)R 6×10・E(5)R |
0.37% 0.36 0.12 0.08 |
0.48 0.38 0.06 0.01 |
0.57 0.11 0.02 0.01 |
(緒方ら、1962) |
バナナは追熟可能な果実であるが、緑食バナナに0.1MRを照射すると追熟が抑制されるというHannan(1956)の報告がある。筆者ら(1964)の実験結果からみると、図5ー6のように0.25MRでは照射後数日で果皮が黒変する。しかし0.05MRでは明らかに追熟が抑制され、無照射のものに遅れて黄色を帯びるようになるが、その色は汚黄色である。また少し熟度の進んだもの、さらに黄色になったバナナに照射してもやはり0.25MRでは果皮は黒変する。バナナの追熟に伴なう最も著しい化学的成分の変動は色、芳香あるいは炭水化物などにみられるが、いまその糖含量におよぼす影響をみると表5ー12のようになる。すなわち緑色のバナナに0.05MRを照射すると処理後13日頃で糖化が遅れる傾向がみられ、0.25MRでは糖化が一時促進されるが、その後停止する。
このようなことからバナナは照射によってある線量では明らかに生理的に追熟を抑制することができるが、実際上放射線を照射することによってバナナを黄色化させ、あるいは黄色に保持させることは困難であると思われる。
線 量 |
Pre−Climacteric 1日 4 13 16 19 |
Climacteric 1 5 8 |
Post−Climacteric 1 4 |
0 R 0.5×10・E(5)R 2.5×10・E(5)R |
% 0.2 0.4 11.0 10.0 − 0.3 − 7.8 11.5 12.3 0.3 5.0 4.7 − − |
1.4 11.1 11.8 1.8 13.7 11.3 2.2 10.8 9.8 |
12.3 12.8 12.3 12.8 10.5 13.7 |
(緒方ら、1964) |
トマトもバナナと同様に追熟可能な果実であるが、比較的未熟のトマトに0.2〜0.4MR程度のγ線を照射すると着色が遅れる。表5ー13からもわかるように照射によってクロロフイルの分解が遅れ、リコピンの発現が抑制され明らかに追熟抑制の効果がみられる。この点Burns・(1957)やSalunkhe(1961)も述べているように、それだけ追熟期間が延長されることになるので、輸送、貯蔵に好都合となるが、照射によるトマトの組織の軟化はまぬがれず、また嗜好性も低下する傾向がみられるので(表5ー14、15)、なお一考を要するところである。
色 素 |
線 量 |
0 日 |
2 |
7 |
クロロフイル リコピン |
0 R 3×10・E(5)R 0 R 3×10・E(5)R |
1.125a 0.940 0.066b 0.080 |
0.500 0.630 0.270 0.120 |
0.005 0.375 0.640 1.000 |
a:波長660mμの吸光度 b:波長470mμの吸光度 (緒方ら、1964) |
線量[10・E(5)R] |
照射直後 |
8日目 |
0 2 4 |
1.47kg 0.64 0.50 |
0.86 0.46 0.47 |
(茶珍ら、1963) |
Breaker 線量[10・E(5)R] 照射後8日目順位合計 |
Light−pink 線量[10・E(5)R] 照射後8日目順位合計 |
0 28 2 36 4 52 |
0 29 0.5 30 2.5 43 |
L.S.D:12(5%) (緒方ら、1964) 18(1%) |
Maxieら(1964)によると、0.25MRまたはそれ以上の線量を受けた洋ナシ「バートレット」は追熟が抑制される。また一度熟度の進行が抑制された果実はエチレンガスに対する反応性が低下するという。しかし茶珍ら(1963)が行なった結果でも0.3〜0.6MRの照射で外観上の抑制効果はみられたが、果実はかなり軟化する(表5ー16)。その柔らかさはちょうど無処理果の熟果(3日目)のそれに近い。この点熟度の相違によって生ずる洋ナシ果実の硬さを放射線照射によって均一にすることができるかもしれない。
線量[10・E(5)R] |
照射直後 |
3日目 |
7日目 |
0 1 3 6 |
3.1kg 3.6 1.6 0.8 |
1.3 1.7 1.4 1.2 |
0.5 0.4 0.8 1.2 |
(茶珍ら、1963) |
緑色のレモンに0.1MRを照射すると緑色が無処理のものより早く消失する。しかし線量が高くなると果実はブロンズ色になる(Maxieら、1964)。このような現象は早生温州でもみられる(筆者ら、1962)。なおレモン果実の内部は図5ー7にみられるように瓢のうと瓢のうとの間に大きな空隙ができる。またレモンはエチレンガスによって追熟が促進されるが、高い線量を受けた果実ほど果実内部に高い濃度のエチレンガスが含まれるようになり(図5ー8)、アスコルビン酸とクエン酸が貯蔵中に減少することは線量が高くなるほど大である。
McArdleら(1956)はリンゴにγ線を照射すると果実硬度が低下し、それに伴って不溶性ペクチンが減少すること、またSomogyiら(1964)はセルロースも減少することを報告しているが、最近Masseyら(1964)は100kradの線量で貯蔵中のヤケ病とBrouwn coreの発生率を少なくする可能性があると報じた。しかし照井ら(1965)は紅玉では200krad以上、国光では400krad以上の照射を受けると果実に顕著な障害が現われるとしているので、放射線照射による貯蔵中の生理病発生防止についてはなおよく研究する必要がある。またFernandesら(1962)は照射リンゴを3℃下で貯蔵すると照射果実の滴定酸度が急激に減少するが、減少する酸は主にリンゴ酸であるという。
いずれにせよ照射を受けたリンゴ果実は上記のような種々の生理化学的変化を示すことは明らかであるが、応用面ではなお今後の研究にまつところが多い。
アスパラガスの幼茎にγ線を照射すると、表5ー17のように線量が高くなると柔らかさが増すことが知られる。Salunkher(1959)はこのことから缶詰製造の際今まで捨てられていたアスパラガスの硬い部分を利用できるかも知れないと述べている。
線量率×10・E(6)rad/hr |
線 量、 10・E(6)rad control 0.93 2.79 5.58 |
|||
0.093 0.465 0.930 |
900 900 900 |
850 800 795 |
695 685 665 |
665 660 615 |
(Salunkheら、1959) |
これは低線量の照射で果実・そ菜に付着する腐敗菌を殺し青果物の一時的保存を計ろうとするものである。多くの場合低温貯蔵と併用することによってより効果的結果を得ることができる。この場面で適用される線量は果実そ菜の熟度調整に用いられる線量とほぼ同様であるため、殺菌効果と同様に果実そ菜自身の照射に伴う生理化学的変化を、実用化にあたって十分認識しておく必要がある。もちろんこの場合は照射後菌による二次感染を受けないように包装する必要があるが、包装容器内の青果物ができるだけ正常な呼吸を行なわせるように考える必要がある。現在この部門はアメリカなどでは放射線の効果的利用場面(表5ー18)として実用化されようとしているところでもあり、わが国でも今後さらに研究されるものと思われる。いま数種果実・そ菜の病原菌糸に対する放射線の致死線量は、Berahaら(1960)の調べた結果では表5ー19のとおりとなる。以下数種果実そ菜についてその効果を述べる。
品 名 |
処理法 |
最適線量 |
貯蔵温度 |
貯蔵日数 |
限界線量 |
オ レ ン ジ レ モ ン イ チ ゴ モ モ ブ ド ウ ア プ リ コット *アスパラガス *スナップ・ビーンズ *花 ヤ サ イ *トウモロコシ ト マ ト ホウレンソウ |
真 空 N2ガス置換 真 空 |
(Mrad) 0.25 0.20 0.20 0.30 0.1〜0.2 0.2 0.5 0.7 0.7 1.0 0.28 0.93 |
(℃) 13 0 5 5 5 5 5 3 21〜24 5 |
2〜3倍 17 14 10 28 42 20 2倍 27 300 11 18 |
(Mrad) 0.45 0.3 0.5 0.3 0.4 0.9 |
*:湯通し処理後照射する (梅田、1965) |
寄主の種類 |
微 生 物 の 種 類 |
線 量、10・E(5)rad 寒天培基 寄主接種 |
ブドウ・イチゴ レ モ ン モ モ リ ン ゴ ジャガ イ モ タ マ ネ ギ ト マ ト |
Botyutis cinerea Pers.exFr. Penicillium digitatum Sacc. Cladosporium sp. Alternaria citri Ell.& Pierce. Monilinia fructicola (Wint.) Honey Rhizopus nigricans Ehrenb.exFr. Diplodia natalensis P.Evans. Penicillium expansum (LK.) Thom Phytophtora (Mont)d By Pytium debaryanum Hesse Botrytis allii Munn Alternaria tenuis Auct |
0.95〜1.86 2.74〜4.56 1.1 〜1.48 1.82〜2.10 2.56〜4.27 4.56〜9.12 4.27〜4.56 2.74〜4.56 1.38〜1.85 1.37〜1.82 2.74〜3.56 1.82〜2.28 4.65〜8.91 2.74〜4.56 1.35〜1.40 1.82〜2.74 0.25 0.25 1.82〜2.28 1.57〜1.82 1.33〜1.83 2.74〜3.65 4.2 〜4.57 2.74〜4.56 |
(Berahaら、1960) |
Berahaら(1957)によって200krepの線量で、常温下および冷蔵併用においてもイチゴの貯蔵期間を延長することが可能であることが報告されて以来、Nelsonら(1959)、Salunkhe(1961)、飯塚ら(1962)、緒方ら(1962)、Maxieら(1965)によって放射線照射によるイチゴの貯蔵効果が報じられた。その適用線量は大体200kradであるが、この場合照射によって腐敗菌が殺菌され発カビが防止されてもイチゴそのものの品質が劣化するようでは思わしくないので十分注意を要する。いまBerahaら(1961)によると0.1〜0.3Mrepで21℃下で3日間、5℃下で10日間カビの発生を抑えることができるという。図5ー9は5℃下で10日間貯蔵した場合の無処理と処理区のBotrytis cinerea とRhizopus stolonifer の感染率を示している。明らかに0.1Mrep以上で感染率の減少することが知られる。一方図5ー10はJohnsonら(1965)のクラッシュ・テストの結果を示したものであるが、線量が高くなるほど果実が軟化する。放射線によって植物組織の軟化のおこることは一般的現象であるが、イチゴはもともと組織の柔らかい果実だけにこの点問題がある。このようなことからSalunkhe(1961)は数品種のイチゴについて品種間の相違を調べ、放射線処理に適した品種のあることを見いだした。そのうち最も良好な結果を得た品種の嗜好性テストの結果を示すと図5ー11のように、4.5℃下で28日貯蔵してもまだ高い嗜好性のあることがわかる。またTruelsen(1963)は照射イチゴの嗜好性に関し、照射直後照射果実の嗜好性はいくらか低下するが長期貯蔵すると、処理果実の方が品質上よくなる。また同氏らは収穫日の天候の良否がイチゴの貯蔵性に著しく影響することも報告している。照射処理に対する適性は熟度にも関係し、飯塚ら(1962)によると完熟のものより、グリーンチップのものの方がよい結果が得られたという。イチゴのアントシアン色素およびアスコルビン酸は0.25MRでは比較的影響は少ないが0.5MRになると明らかに減少するという茶珍ら(1965)の報告もみられる。
なお照井ら(1964)はB.cinerea Persを用いた実験で高線量率(1Mrad/hr)で照射すると0.8Mradで完全に菌を死滅することができるが、同線量の低線量率(0.02Mrad/hr)では効果が減少するといっている。
カンキツ類に多く着くペニシリウム菌はBerahaら(1957、1959)によれば、放射線に対する抵抗性が比較的弱いので、良好な結果が期待されるが、果実自体の組織、色の変化が起こりやすいといわれる。しかし同氏らの実験ではネーブル・オレンジに摂取したPenicillium italicumは0.2Mradぐらいの線量で発生が防止され、果実の品質もほとんど低下せず、21℃で無処理のものが4日しか保存されないのに処理したものでは20日、5℃ではそれぞれ15日、65日となったので、照射による貯蔵性の増進は十分認められている。さらに同氏ら(1964)は線量率をかえてその効果を調べ、0.02Mrad/minでは0.182Mradで完全にP.italicum を死滅させることができるが、0.003Mrad/minでは同線量でも完全でないとした。また近くKahanら(1965)はバレンシアオレンジを用いて照射線量と貯蔵日数との関係を調べ図5ー12を得ている。
このようなことからわが国でも温州ミカンなどについて検討されればあるいは興味ある結果が得られうるかもしれない。
Nelsonら(1959)によるとB.cinerea は0.2Mradで14日間この菌の生育を阻止することができるが、照射障害が大きく、Maxieら(1964)は照射後の煮たような香りと組織の軟化から照射ブドウが消費者に受け入れられるかどうか疑わしいと報告している。また飯塚ら(1964)は放射線処理にあたってその特有の性質を失なわせしめない線量は0.1Mradであるとしている。
モモではBerahaら(1954)は無処理果はBrown rotのため5日間で完全に腐敗するが、0.2Mradを照射すると保存期間を10日間延長することができると述べている。Dhaliwolら(1963)によるとポリエチレン包装し0.1〜0.3Mradを照射すると冷蔵期間を15〜20日まで延長することができるという。
スイート・チェリーについてはCooperら(1963)により良好な結果が報告されている。4.5℃、湿度80%で貯蔵した場合、0.4Mrad以上の線量でかっ変するが、0.3Mradでは約30日貯蔵期間を延長することが可能である。しかし追熟と色の発現が遅れる。またカプタンのような化学物質で処理しプラスチックスフイルムで包装して照射すると良い結果が得られたという。この実験で発生した微生物についてみると、Penicillium菌よりAlterneria菌の方がγ線に対して抵抗性が大であることを示している。
以上のほかトマト(Salunkhe,1961、Truelsen,1963)、リンゴ(照井ら、1965)、洋ナシ(Beraha,1964)、キャベツ(Salunkheら、1959)、スイート・コーン(Salunkheら、1959)などがあるが、特記するような良い結果は得られていない。
加工上の殺菌となると、完全に殺菌する必要があるわけで、その必要線量は1Mrad以上が要求される。このような高線量となると、果実そ菜のような水分含量の多いものでは照射によって生ずる遊離基の影響が大きく、照射臭の発生、色素やビタミンの分解が著しく起るので問題が多い。いま果汁の殺菌の一例として筆者ら(1964)がイチゴジュースに照射した場合の成分変化をみると図5ー13のようになる。すなわち0.5〜2MRでイチゴのアントシアン色素は急速に分解され、還元型アスコルビン酸は酸化型に移行する。また榛葉ら(1961)はナツミカンジュースに1.5Mrepを照射すると、有機酸、糖、アミノ酸は変化しないが、フラバノンおよびアスコルビン酸は減少するとしている。
ともかく高線量の照射ではわれわれにとって好ましくない副反応が起るので、この防止方法として、遊離基の受容体の添加、脱酸素、照射蒸留、加熱作用、低温下照射、脱水照射などが考えられている。このうち現在のところ後2者が効果的であるようである。
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