食品照射に関する文献検索

照射効果(IRRADIATION EFFECT):食品に放射線を照射した場合の貯蔵、衛生化等の効果

殺菌・腐敗抑制(水産ねり製品)


発表場所 : 科学技術庁刊行物第6集
発行機関名 : 科学技術庁
発行年月日 : 昭和41年 3月
7. 水産物の照射
○ 序
7.1. 照射魚介類の貯蔵性
7.2. 適正線量
7.3. 貯蔵性の増強
7.4. 照射による魚介類の細菌相の変化
7.5. 照射による魚介類の成分の変化
1) 蛋白
2) 脂質
3) ビタミン
4) 酵素
5) 色素
6) 照射臭
7.6. これからの問題
○ 文献



わが国における食品照射の現状と問題点 7.水産物の照射


7. 水産物の照射
○ 序

 食用を目的とした水産物の照射は、他の食品の場合と同様、高線量照射と低線量照射とに分けることができる。しかし、水産物の場合、完全投菌を目的とした高線量照射の研究は少ない。これは、高線量照射の副反応により、水産物の品質が実用化に耐えがたい程度に低下するためと推察される。

 生鮮魚介類の腐敗は、主としてPseudomonas,Achromobacter,Flavobacteriumなどの放射線耐性の弱い細菌による。したがって、Shewan〔1〕は魚介類の完全殺菌に要する線量を約2.0Mradと推定している。しかし、実用化における完全殺菌では、Bacillus属やClostridium botulinumなどを含めたClostridium属の腐敗または食中毒に関与する有芽胞細菌の殺菌が必要である。有芽胞細菌は一般に放射線耐性が大きいから、この場合の殺菌線量は約5.0Mradとなろう〔2〕。

 一方、低線量照射の研究は、ほとんどが腐敗微生物の繁殖を抑制し、貯蔵期間の増大を計るための研究である。畜産物にあっては、食品衛生上の目的をもって、照射による雛卵のSalmonella〔3〕〔4〕や豚肉の施毛虫〔5〕の殺菌、殺虫の研究がある。しかし、水産物のこの分野の研究はほとんど見当らない。

 山田、天野〔6〕は、冷凍介類の衛生向上のため、アサリ剥身の大腸菌群に及ぼすγ線照射の影響を調べ、0.09または0.37Mradの照射で大腸菌群数が数百から数千分の一に減少し、かつこれを凍結貯蔵する際、その食味、外観が生鮮品となんら変らないことを報告している。

 また、農産物にあっては、照射による穀類の虫害防止の研究がある〔5〕〔7〕。水産物の虫害は、穀類の虫害ほ惣大きな問題ではないが、素干品、煮干品および節類はカツオブシムシやコムシの虫害を受ける。しかし、照射によって水産物の虫害を防止する研究は見当らない。

 さらに、水産物の照射を生鮮魚介類と同加工品とに分けると、加工品に関する研究は少ない。加工品に関する研究は、また高線量照射と低線量照射とに分けられるが、主として前者に属するものとしてカマボコ〔8〕、フイシュ・ケーキ〔9〕、およびホタテガイ水煮〔10〕の研究があり、後者ではフイシュ・ステイク〔10〕、生塩干アジ〔12〕および燻製魚〔13〕の研究がある。

 以上の水産物の照射研究の概要に基き、ここでは主として、腐敗微生物の繁殖を抑制し、貯蔵期間の増大を目的とした、照射生鮮魚介類の諸問題を取りあげることとする。

7.1. 照射魚介類の貯蔵性

 照射魚介類の貯蔵性は、照射前の魚介類の処理法、照射方法、照射後の処理方法等によって一様でない。表7−1は生鮮魚介類について、表7−2は同加工品についての、照射による貯蔵性の相違を示したものである。

 一般に、照射線量が大きければ、それだけ魚介類の貯蔵性が増大するが、その反面照射による副反応のため品質が低下する。したがって、照射魚介類においても、他の照射食品と同様、品質の低下が少なく、しかも貯蔵効果の大きい適正線量の選定が必要となる。


表7−1 照射生鮮魚介類の貯蔵性
   魚介類の種類    
放射線の種類
 線 量 (Mrad) 
 貯蔵温度(℃)
    貯   蔵   性    
ハドック 14)     
(タラ近似の魚種)    
カ キ 15)      
タ ラ 16)      
カツオ,スズキ等 17) 
バター・フィッシュ 18)
(イボダイ近似の魚種)  
タ ラ 18)      
ポラック 18)     
(タラ近似の魚種)    
タ ラ 19)      
カレイ 20)      
メヌケ 20)      
サ ケ 20)      
マグロ 20)      
カ ニ(煮熟)20)   
エ ビ(煮熟)20)   
カ ニ 21)      
エ ビ 21)      
ハドック 22)     
オーノガイ 22)    
タラバガニ 23)    
  〃   23)    
オーノガイ 24)    
  〃   24)    
エ ビ 25)      
 電子線  
      
 γ 線  
  〃   
  〃   
      
      
      
      
      
 γ 線  
 電子線  
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
 γ 線  
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
    0.7     
            
    0.63    
  0.25〜1.0  
    0.93    
   0.2325   
            
   0.2325   
   0.2325   
            
  0.1〜0.7   
0.0675〜0.27 
   0.125    
0.047〜0.095 
    0.25    
 0.05〜0.25  
 0.05〜0.25  
 0.25〜0.50  
 0.50〜0.75  
 0.05〜0.8   
 0.05〜0.8   
  0.1〜0.6   
  0.1〜0.6   
 0.35〜0.55  
 0.35〜0.55  
  0.5〜0.75  
2.2〜4.4 
        
   5    
   0    
  2〜4   
  1.7   
        
  1.7   
  1.7   
        
  0〜1.7 
  5.5   
  5.5   
  1.7   
  5.5   
  1.7   
  1.7   
   3    
   3    
  0〜6   
  0〜6   
  0.6   
  5.6   
  0.6   
  5.6   
  3.3   
6週間以上            
                 
貯蔵性の増大認められない     
12日(非照射8日)       
50日以上(非照射20日以内)  
49日(非照射23日)      
                 
94日              
2〜3週間            
                 
3〜6週間(非照射1〜2週間)  
12〜23日(非照射3日)    
7日(非照射2日)        
17日(非照射2日以内)     
43日以上(非照射23日以内)  
6〜13日(非照射5日以内)   
5〜20日(非照射5日以内)   
3〜5週間(非照射1週間)    
14週間             
7〜90日            
12〜90日           
3〜7週間以上(非照射2週間以内)
1〜5週間以上(非照射3〜7日) 
30日以上(非照射5日)     
20日              
3〜5週間以内(非照射1週間)  



表7−2 照射加工水産物の貯蔵性
   加工水産物の種類   
放射線の種類
 線 量 (Mrad) 
 貯蔵温度(℃)
   貯   蔵   性    
カマボコ 8)       
フィシュ・ケーキ(タラ)9)
ホタテガイ水煮 10)   
フィシュ・ステイク 11) 
生塩干アジ 12)     
燻製ハドック 13)    
燻製タラ 13)      
 γ 線  
 電子線  
 γ 線  
  〃   
  〃   
  〃   
  〃   
    1.9     
     2      
     3      
  0.25〜2    
  0.48〜2.1  
    0.3     
    0.3     
   35   
   37   
   10   
   1.7  
   12   
   4.4  
   4.4  
5日以上            
2週間以上           
10ヶ月以上          
8〜12週間          
2週間以上           
20日以上           
〃               


7.2. 適正線量

 適正線量は魚種によって相違するばかりでなく、同一魚種でも研究者によって相違する。表7−3は主な魚介類の適正線量を示したものである。このように魚種間で、または同一魚種においても研究者によって適正線量が相違することは、照射した魚介類の貯蔵性を評価する判定基準の違い、または照射前の試料の処理方法、照射方法等の違いを考慮しなければならない。

 Carverら〔18〕は、タラ、ポラック、ブラック・バック、ホワイティングおよびバター・フィシュについて適正線量を調べているが、その貯蔵性の判定は食味試験によるものである。表7−4はCarverらがタラについて得た結果である。照射タラ肉は、1.7℃に貯蔵し、flavor scoreは5〜10人からなるパネリストにより20分蒸煮したタラ肉について求めた。なお、flavor score50℃以上は一応商品として堪え得る食味である。この表から判断すると、照射タラ肉の貯蔵性は、高線量より低線量の方が大きいということになる。

 しかし、照射魚介類の貯蔵性を調べる場合には、単に食味試験ばかりでなく、照射によって細菌の繁殖がどの程度抑制されるかを考慮しなければならない。この際、問題となることは、照射魚介類が必ずしも通常の腐敗様式をとらないことである。

 Spinelliら〔26〕は0.2Mradならびに0.4Mrad照射したタラバガニを0.6℃に6週間貯蔵した際の、生菌数ならびにトリメチルアミンの変化を調べ、照射タラバガニでは生菌数が増える場合でも、トリメチルアミンがほとんど増加しないことを報告している。

 またMiyauchi〔11〕は、0.1〜0.2Mrad照射したタラ肉が0〜1.7℃、12週間の貯蔵で明らかに食用に不適となり、かつ細菌数が大となるのにかかわらず、トリメチルアミン窒素含量が0.8〜2.1mg%にすぎないことをみている。このトリメチルアミン窒素量は、Dyer〔27〕がタラの初期腐敗時のトリメチルアミン窒素量を10〜15mg%とした値に比べ、著しく低い。

 このように、従来腐敗判定法として生鮮魚介類に用いられてきたトリメチルアミン定量法が、照射魚介類の腐敗判定法として必ずしも有効でないことは、天野、山田〔28〕によってもキワダ、スズキについて指摘されている。しかし、Eukelら〔29〕は、8MeV線型加速機によりサケ肉を0.15Mrad,シタビラメ肉を0.25Mrad照射したのち、1.7〜5.6℃に貯蔵した場合の揮発性還元物質の変化を調べ、還元物質の15μ当量/5mlが初期腐敗を示す量であると報告している。

 よって、照射魚介類の貯蔵性を細菌の代謝物により判定する場合には、どの判定法が照射魚介類の貯蔵性判定に使用できるかを吟味する必要があり、この問題は今後における照射魚介類の研究課題の一つであると考えられる。

 適正線量は、また魚介類の照射前の処理方法によって相違する。Carverら〔18〕はブランチング(60℃,5分加熱)を行ない、消化酵素の作用を抑止した魚介類の適正線量を生鮮魚肉のそれと比較し、一般にブランチングを行なった魚肉の方が、生鮮魚肉に比べ、適正線量がわずかに大きいことをみている。この際の貯蔵性の判定は食味試験によったものである。

 さらに、適正線量は、魚介類の照射方法によっても相違する。凍結下に魚介類を照射すれば、その照射魚介類の品質は常温照射のものより良好である。

 Colebyら〔30〕は、0.5または3.5Mrad照射したタラ類、シタビラメ、サバおよびニシンについて、凍結下で照射した場合と、非凍結下で照射した場合の照射魚肉の食味を調べている。その結果によると、同一線量では、照射魚の品質は凍結下で照射した場合の方が優れている。しかし、これは凍結下で照射した魚介類の貯蔵性が、細菌の繁殖からみた場合、非凍結照射のそれより優れているということではない。その理由は、アサリ剥身の照射から明らかなように〔6〕、凍結下の照射では放射線の殺菌効果が低下するからである。

 また、適正線量は、魚介類を酸素存在下で照射した場合と、酸素除去下で照射した場合とで異なる。一般に、魚介類の照射による品質低下の度合は、酸素存在下より酸素除去下の方が小さい。

 Nickersonら〔9〕は、タラおよびオヒョウを2Mrad照射した場合の品質変化を調べ、タラでは真空包装下で照射した試料が空気存在下で照射したものより優れていることをみている。

 さらに、天野、山田〔31〕はホンマグロ、キワダ、ヒラメおよびスズキをポリエチレンセロファン複合袋に真空包装して0.93Mrad照射し、0〜4℃に貯蔵した場合の照射魚肉の品質を調ベ、これらの試料の品質が空気存在下で照射した試料より良好であることを報告している。なお、その後の研究によると、真空包装の材料としては通気性の少ないアルミ箔、セロファン、ポリエチレン複合袋が、セロファン・ポリエチレン複合袋より、よりよい結果を与える〔32〕。

 これに対し、Connorsら〔24〕は、Cエナメル缶に詰めたオーノガイの食味を、脱気巻締後に照射した場合と、脱気することなく巻締めたのち照射した場合とで比較し、前者が0.35Mrad,後者が0.45Mradで生鮮オーノガイに最も近い食味を与えると報告している。しかし、この結果は、照射線量の違いがわずか0.1Mradであることを考慮すると、食味試験の誤差内にあったのではないかと推量される。

 さらに、生鮮魚介類の細菌繁殖は、酸素存在下で照射した場合より、酸素除去下で照射した場合の方が強く抑制される。

 天野、山田〔28〕は、ヒラメをセロファン・ポリエチレン複合袋に詰め、真空包装したのち照射した場合と、無脱気のまま照射した場合との生菌数を比較し、生菌数の増加は、真空包装したものが無脱気のものより、より抑制されることを報告している。なお、この際の照射線量は0.93Mradで、貯蔵温度は2℃であった。

 一方、Miyauchiら〔23〕は、天野らと同様、タラバガニについて、細菌繁殖に及ぼす真空包装照射と無脱気照射の効果を調べ、繁殖抑制効果は後者より前者の方が大きいことを報告している。

 以上の結果から、魚介類の照射はその品質上、また細菌の繁殖を抑制する効果の上で、真空包装下照射が無脱気照射より優れていることが判る。


表7−3 生鮮魚介類の適正線量
 魚  種 
            適 正 線 量 (Mrad)             
タラ    
ハドック  
ポラック  
シタビラメ 
フロンダー 
オヒョウ  
ホワイテング
ニシン   
スズキ   
サバ    
サケ    
タラバガニ 
ロブスター 
エビ    
カニ    
カキ    
0.5 13),0.465 18),0.46 19),0.83〜1.0 25)
0.6 14),0.8〜2.25 25)                   
0.2325 13),0.75〜1.0 25)                
0.5 13),0.75 25)                       
0.75 25)                               
0.5 13),0.75 25)                       
0.116 18), 1.0 25)                     
0.5 13)                                
0.75〜0.93 25)                          
1.0 25)                                
<0.1 13),0.5 25)                       
0.2〜0.4 23)                            
0.25〜0.5 25)                           
0.25〜0.75 25)                          
0.5〜1.0 25)                            
1.0〜5.0 25)                            



表7−4 照射タラ肉の食味試験
    
貯蔵日数
    
           Flavor score           
 非照射(対照)* 
 0.232Mrad 
 0.465Mrad 
  3 
  6 
 15 
 24 
 31 
 37 
 55 
 94 
   80.0   
   85.0   
   79.0   
   79.0   
   79.3   
   81.0   
   78.3   
   79.0   
    **     
   67.5    
   62.3    
   65.3    
   66.8    
   50.3    
   56.7    
   58.3    
   71.5    
   65.5    
   62.3    
   63.0    
   60.3    
   49.3    
   54.3    
   49.0    

 * −17.8℃に貯蔵
** 非照射試料(対照)とほとんど差がない


7.3. 貯蔵性の増強

 照射食品の貯蔵性は、線量の増大により高まるが、一方食品の品質は線量の増大によって低下する。また、照射食品が生鮮食品であれば、照射による品質低下以外に、食品自体がもつ自己消化酵素による品質の低下を考慮しなければならない。このため、照射食品の品質を損なわず、しかも貯蔵性を増強する方法が必要となる。この種の方法としては、遊離基を捕捉する薬剤を添加して照射線量を上げる方法、放射線の殺菌力を増強する物質の添加、防腐剤の添加およびブランチングにより自己消化酵素の破壊などの方法がある。

 このうち、照射魚介類の貯蔵性の増強方法として検討されているのは、防腐剤の使用とブランチングである。ブランチングに関する研究としては、すでに述べたCarverら〔18〕の研究があり、防腐剤の使用についてはLerkeら〔25〕の研究がある。

 Lerkeら〔20〕は、カレイ、メヌケ、サケ、カニおよびエビについて、低線量照射とクロルテトラサイクリン(CTC)の併用効果を調べている。すなわち、魚介肉を5〜25ppmのCTCに5分浸漬したのち、0.047〜0.27Mradの照射を行ない、のち1.7℃または5.5℃に貯蔵して、照射単独あるいはCTC単独の場合と両者を併用した場合の魚介肉の貯蔵性を比較した。その結果によると、併用の効果は明瞭である。たとえば、カレイの場合、5ppmCTC単独処理では貯蔵13日で、照射単独(0.0675Mrad)では18日で腐敗したのに対し、併用した際には18日でも腐敗せず、23日でようやく腐敗するかしないかの状態となった。

 また、Awadら〔25〕は、0.5Mradあるいは0.75Mrad照射のエビ肉について、CTC併用の効果を調べている。この場合も、CTCが照射エビ肉の貯蔵性を高めることを確かめている。

7.4. 照射による魚介類の細菌相の変化

 魚介類の低線量照射では、微生物の死滅と繁殖抑制とを考慮しなければならない。Nickersonら〔14〕がバンデグラーフ加速機でハドックを照射した場合の細菌の増殖曲線をみると、放射線は細菌増殖の誘導期を阻害し、対数増殖期に影響を与えていない。これは、Mcleanら〔3〕がタラについて調べた結果と一致する。一方、放射線が魚介類の細菌増殖を抑制するに際しては、必ず菌の死滅が認められる。このことから、照射によって放射線に感受性の菌が死滅し、耐性菌が生き残り、この菌の誘導期が阻害されるため、魚介類の貯蔵性が照射によって増大すると考えられる。

 生鮮魚介類の腐敗は主としてPseudomonas,Achromobacter,Flavobacteriumなどの海洋細菌によっておきるが、Tearが海洋細菌の保存菌株について放射線耐性を調べた結果によると、放射線に対して感受性の大きな菌はPseudomonasであり、次にFlavobacterium,Achromobacterの順となり、Micrococcusは最も感受性が小さい。

 Masurovskyら〔35〕は、0.05〜0.8Mrad照射したのち、低温(0℃または6℃)に貯蔵したハドックおよびオーノガイの好気性微生物の変化を調べている。その結果によると、照射前のハドック肉の微生物の50%以上がグラム陰性の細菌であるPseudomonas,Mycoplana,Aeromonas,Achromobacter,Flavobacterium,Vibrio,Enterobacteriaceaeで、30%がグラム陽性のBacillus,Corynebacterium,Microbacterium,Brevibacterium,Micrococcus,Staphylococcusおよびその他のMicrococcaceaeであった。

 ところが、この魚肉を照射すると、Micrococcaceae、好気性有芽胞桿菌、酵母、糸状菌を残して、他の微生物は死滅する。しかし、そのなかでCorynebacterium,AchromobacterおよびFlavobacteriumはわずかながら残存した。一方、照射後の貯蔵中に漸増してくる微生物はグラム陰性の好冷細菌であるPseudomonasまたはAchromobacter,Flavobacteriumで、球菌やグラム陽性菌が全菌数に占める割合いは次第に減少した。

 オーノガイにあっては、照射前の菌量の30%がグラム陰性の細菌であり、60%以上がグラム陽性の細菌であったが、照射直後ならびに貯蔵中菌相はハドックの場合とほぼ同様であった。表7−5はハドック肉の照射による菌相の変化を示したものである。

 一方、MaLeanら〔33〕は、タラ肉を0.07〜2Mrad照射した場合の照射による細菌相の変化を調べ、低線量照射でPseudomonas,Achromobacter,Flavobacteriumが死滅するが、Micrococcusは死滅しがたく、照射直後のタラ肉の主要細菌はMicrococcusとSarcinaであり、貯蔵中(0℃)にこれらの細菌は減少し、Corynebacteriumが増加すると報告している。

 生鮮魚介類の主要な腐敗細菌であるPseudomomas,Achromobacterが低線量で容易に死滅することはLerkeら〔20〕、その他〔16〕によっても確かめられている。また、ある種のMicrococcusが放射線に対して大きな耐性をもつことは、Andersonら〔36〕が畜肉で明らかにしている。その後、Duggan〔37〕は牛肉より4株の放射線耐性菌を分離し、3株がMicrococcusで、1株がBrevibacteriumであることを確かめ、前者をMicrococcus radiodurans,後者をBrevibacterim oregoniumと命名した。

 一方、照射魚肉においては、横関、山田、天野〔38〕が0.465Mrad照射したスズキの肉で、貯蔵中にBrevibacteriumが漸増することを報告している。このBrevibacteriumは、Micrococcusと同様無芽胞細菌であるので、魚肉をブランチングすることにより除去できると考えられる〔39〕〔40〕。


表7−5 照射ハドックの微生物相の変化(%)
                                
         微     生     物          
                                
    
照射前 
    
    
照射直後
    
貯  蔵
    
2週間後
貯  蔵
    
1ヶ月後
貯  蔵
    
2ヶ月後






Pseudomonas                   
Mycoplana,Aeromonas           
Achromobacter                 
Flavobacterium                
Vibrio                        
Enterobacteriaceae            
 12 
  6 
 16 
 18 
  3 
 ── 
 ── 
 ── 
  3 
  2 
 ── 
 ── 
  4 
 ── 
  7 
  4 
 ── 
 ── 
  4 
  1 
 12 
  1 
 ── 
 ── 
 23 
  2 
  8 
  7 
  2 
 ── 






 
Lactobacillus                 
Bacillus                      
Corynebacterium,Microbacterium
Brevibacterium                
Micrococcaceae                
酵母,糸状菌,放線菌                    
その他                           
  2 
  7 
  9 
  2 
 11 
  4 
 10 
 ── 
 18 
  7 
  1 
 44 
 17 
  8 
 ── 
 14 
  5 
 ── 
 33 
 21 
 12 
  1 
  9 
 12 
  2 
 24 
 28 
  6 
 ── 
 18 
  7 
 ── 
 17 
 13 
  3 

照射線量0.4〜0.6Mrad,貯蔵温度0℃または6℃


7.5. 照射による魚介類の成分の変化

 魚介類の成分が照射によってどのように変化するかは、食品としての魚介類の栄養上、また安全性の上で重要なことである。安全性については、照射による有毒物質、たとえば発ガン物質の生成、照射による誘導放射能の問題があるが、今日では、通常エネルギーの放射線で通常線量を照射する限り、照射魚介類は安全と考えられる。

 したがって、ここでは食品として栄養上問題となる、照射による魚介類の蛋白、脂質、ビタミンならびに酵素の変化と、照射魚介類の品質上問題となる色素の変化と照射臭の発生を取り上げることとする。

1) 蛋白

 照射による蛋白、アミノ酸の変化に関する研究は少ないが、これらの成分は栄養上問題となるほど、照射によって変化しないものと考えられている。

 Luipen〔41〕は、照射による魚介蛋白の変性を調べ、0.5Mradの照射で、タラ肉の塩溶性窒素が88%から47%へと減少し、その照射タラ肉を10℃で貯蔵すると、貯蔵13日で塩溶性窒素がさらに減少して26%〜27%になることを報告している。

 また、Proctorら〔42〕は、ハドック肉を0.9〜5.7Mrad照射し、照射前後におけるアミノ酸(アルギニン、ヒスチヂン、リジン、ロイシン、メチオニン、フェニールアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンおよびシスチン)の変化を調べ、5.7Mrad照射でも、減量が5.0〜9.8%にすぎないことをみている。

2) 脂質

 魚油の主要成分である不飽和脂肪酸が、照射によって二重結合に隣接したCH基の酸化をうけることは明らかにされているが、照射による魚介類の脂質に関する報告は蛋白同様多くない。

 金田ら〔43〕は、マグロ肉を0.93Mrad照射した場合、抽出粗脂肪の酸化価、過酸化物価、共役酸量、ライヘルト・マイスル価およびカルボニル化合物量が増加するが、マグロ肉をブチル・ヒドロキシアニゾール(BHA)の0.2%溶液に1時間浸漬したのち照射した場合には、酸価、過酸化物価などの増加がかなり抑制されることを報告している。

 その後、金田ら〔44〕は、1.86Mrad照射のサケ抽出粗脂肪の性状を調べ、炭酸ガス注入、またはアスコルビン酸浸漬後に照射したサケ肉が、未処理の照射肉に比べて含有油の変敗が少なく、かつ包装材としてポリビニリデン・クロライド、ポリエチレン・セロファン複合紙、塩酸ゴムがポリエチレンより優れていることを、照射メバチの抽出粗脂肪の変敗結果から明らかにした。

 外山、平野、山鹿〔12〕は、0.8〜2.1Mrad照射した、水分の比較的多い塩干アジについて抽出油の性状を調べ、金田らと同様、照射による油脂の酸化が空気を除いた照射条件下で、また空気存在下の照射ではBHAの添加で、かなり抑制されることを確かめている。しかし、塩干品の照射臭は脱気ならびにBHA添加で抑制できず、また電気燻製液の添加でも照射臭を完全に陰蔽できないと報告している。

3) ビタミン

 照射による水溶性ビタミンの変化についてはRead〔45〕、Groningerら〔46〕やLicciardello〔47〕の研究がある。

 Read〔45〕は、2.79Mradまたは5.58Mrad照射したハドック筋肉のチアミン、リボフラビンおよびナイシンの変化を調べ、この3つの水溶性ビタミンのうち最も放射線によって破壊されやすいのはチアミンであると報告している。

 また、Groningerら〔46〕は、サケ、オヒョウ、マグロ肉について、0.2Mradから4.0Mrad照射した場合のチアミンの破壊を調べ、その破壊が魚種によって相違し、照射線量1Mradではサケで54%、オヒョウで86%、マグロで63%が破壊されることをみている。

 さらに、Licciardelloら〔47〕は、2.8Mrad照射したホタテガイのチアミン、リボフラビンおよびピリドキシンの変化を調べ、いづれのビタミンも照射によってその約10%が減少し、かつビタミンの減少は照射後の貯蔵中にも進行することを報告している。また、エビのピリドキシン、パントテン酸および葉酸も、9.6Mradのような高線量ではかなり破壊されるらしい〔2〕。

 以上の結果から、魚種による相違はあるが、照射によって最も破壊されやすい水溶液ビタミンはチアミンであること推察される。

 脂溶ビタミンは、水溶性ビタミンと同様、また照射によってかなり破壊される。秦、大西〔48〕は0.216Mradから1.88Mrad照射した肝油のビタミンA破壊を調べ、1Mradで約10%ビタミンAが破壊されることを報告している。しかし、この破壊は、酸化防止剤の添加によってかなり抑制される。なお、使用した3つの酸化防止剤、NDGA、BHAとビタミンEのうち、最も有効なのはビタミンEであった。

 このように、魚介類中のビタミンは一般に照射によってかなり破壊されるが、これは破壊されるビタミンを照射魚介類に添加することにより、その栄養士の欠陥を補うことのできる問題である。したがって、研究上重要なことは、どのような照射条件で、どのビタミンが、どの程度破壊されるかを明らかにすることと思われる。

4) 酵素

 生鮮魚介類の低線量照射では酵素を不活性化することができない。したがって、魚介肉中の自己消化酵素(主として蛋白分解酵素)による変質を阻止するためには、ブランチングを行なう必要がある。

 しかし、魚介類の自己消化酵素を不活性化するに必要な温度についてはSinnhuberら〔49〕の研究があるにすぎない。その研究によると、自己消化酵素の作用を停止するに必要な照射魚肉のブランチングの条件は66℃、5分、または71℃、15秒近くにあるという。 照射魚介類のATPアーゼに関してはPartmannら〔50〕の研究がある。Partmannらによると、コイ肉のATPアーゼ活性は、7.4Mrad照射でも変化なく、50%阻害線量は13Mradである。筋肉中のATPアーゼ活性が照射によって低下しがたいことは、魚肉のみの特性ではなく、藤巻ら〔51〕によっても家兎筋肉で明らかにされている。

5) 色素

 カツオまたはマグロを空気中で照射すると、青みを帯びた赤褐色に変色する。これは、筋肉中のミオグロビンの変化によるものである。畜肉についてのGingerら〔52〕〔53〕の研究によると、マグロなどの変色も畜肉と同様、メトミオグロビンとポルフィリン環開裂による青色色素の生成によるものと考えられる。

 その後、Foxら〔54〕は、照射による青色色素の生成がシスティンその他のSH試薬により促進されること、青色色素と亜ニチオン酸塩ならびに一酸化炭素の反応生成物の吸収曲線から、ミオグロビンの照射によって生ずる青色色素はスルフミオグロビンであると報告している。

 サケ肉にはカロチノイドが含まれているが、この色素は照射によって容易に破壊される〔20〕。しかし、これはカロチノイドを含む生鮮食品全般に云えることではない。Luktonら〔55〕は、カロチノイドを含む生鮮食品について照射によるこの物質の破壊を調べ、サケ油中のカロチノイドは1Mrad照射で66%が破壊されるが、ニンジン根油のカロチノイドはわずか10%しか減少しないと報告している。

 また、エビ肉中のアスタキサンチンも照射により容易に破壊されるが〔55〕、Sinnhoberら〔56〕はカニやエビのカロチノイド色素がきわめて破壊しがたいと発表している。しかし、Sinnhoberらは筋肉について調べたのか、また甲穀について調べたのか不明である。もし、甲穀について調べたのであれば、組織によるカロチノイドの破壊が違うことは当然と考えられる。たとえば、トマト表皮のカロチノイドに放射線に破壊されにくいが、果肉中のカロチノイドは容易に破壊される〔55〕。

 含油率の低い魚肉を空気中で照射すると、黄変ないし褐変をおこす場合がある。この反応が何によるのか、いまのところ明らかでない。Wertheimら〔57〕によると、照射による乳製品の褐変には乳糖が関与し、この糖は照射によってレダクトン様物質を生じ、メラノイデンが生成するらしい。しかし、山田、天野〔58〕が照射魚肉の褐変に及ぼす糖pHの影響を調べた結果では、この褐変に糖アミノ反応が関与しているか否か明瞭でない。

6) 照射臭

 畜肉を照射した際に生ずる照射臭の成分としては、揮発性アミン、メチルメルカプタンその他の含硫化合物とカルボニル化合物があげられているが、魚肉の照射臭の本態は明らかでない。しかし、この照射臭は魚介類の低線量照射で重要な問題である。その理由は、照射魚介類の品質上、真空包装照射によっても解決されない課題が照射臭であるからである。

 Burksら〔59〕は、γ線照射した牛肉の異臭成分として揮発性アミンの検索を行ない、照射によってメチルアミンおよびエチルアミンが増加し、その生成母体は蛋白よりむしろアミノ酸であるとしている。魚介肉の揮発性アミン成分としてメチルアミン、エチルアミンは分離されていないが照射によりこれらの揮発性アミンが生成する可能性はある。

 Batzerら〔60〕は、1.6Mrad照射した牛肉から照射臭成分として硫化水素およびメチルメルカプタンを分離し、後者の母体を水溶性成分のグルタチオンと推定した。しかしながら、水溶性蛋白からも含硫化合物とみられる照射生成物が報告されている〔61〕。

 しかし、牛肉の照射臭の含硫成分は硫化水素やメルカプタンばかりでない。Merrittら〔62〕は2〜6Mrad照射に牛肉から照射臭成分をガスクロマトグラフ法によって分離し、含硫化合物としてメチルメルカプタン、エチルメチルカプタン、イソブチルメルカプタン、硫化ジメチル、二硫化ジメチルが存在することを明らかにしている。この5成分のうち、二硫化ジメチルとイソブチルメルカプタンは生鮮肉に存在しないので、牛肉の主要な照射臭成分とみられる。

 畜肉の照射によって生ずるカルボニル化合物もまた、揮発性アミン、含硫化合物と同様、照射臭成分とみられる。この生成母体は脂質のみではなく、蛋白も含まれるらしい〔60〕。

 Montyら〔63〕は照射畜肉の蛋白区分から抽出されるカルボニル化合物は水溶性の低分子化合物で、脂質区分からのそれは脂溶性の高分子からなると報告している。さらに、Montyらは、畜肉の脂溶性カルボニル化合物は照射線量の増大と共に増加するが、マグロでは逆に減少することをみている。これからすると、魚肉の照射臭成分としてのカルボニル化合物の種類は必ずしも畜肉と一致しないと思われる。なお、畜肉の照射臭に関与するカルボニル化合物としては、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノールおよび3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒドがあげられている〔62〕〔63〕。

7.6. これからの問題

 照射食品の実用化を目ざすものとして、すでにベーコン、小麦、同加工品およびジャガイモへの照射が認められているが、魚介類についての照射処理の許可はまだ実現していない〔65〕〔66〕〔67〕。

 Goldblithら〔67〕によると、FDA(食品薬品管理局)は照射食品の安全性に関して、ボツリヌスE型菌胞子を接種したハドックおよびクラムの照射試験を行なう必要性を認めている。これは、照射魚介類の万一の場合のボツリヌス中毒を考慮したものである。しかし、いままでの研究によると、かなりの菌量を接種したクラムでも、照射後の長期間の貯蔵でボツリヌス毒素が検出されていない〔67〕。したがって、照射魚介類の実用化への問題は、経済上の問題を離れれば、魚介類の品質に与える照射の影響が最も大きいと考えられる。

 天野、山田〔17〕が22種の魚介肉を空気存在下で0.93Mrad照射した結果によると、多くに魚介肉の品質低下が著るしく、この条件下では実用化に堪えない。しかし、魚介肉を真空包装したのち照射すれば品質低下が少なく、しかも貯蔵性が大きいことがわかっている〔23〕〔28〕〔31〕。

 したがって、今後における照射魚介類の研究上問題となることは、どのような魚種が真空包装下の照射に適するか、包装材として最適なプラスチックフィルムは何か、品質に影響をほとんど与えず、最大の貯蔵性を保持するための照射線量の決定などであろう。さらに、ブランチングやCTCなどの抗生物質ないし防腐剤との併用、ビタミンK5のような増感剤の添加など照射の貯蔵性を増強する方法も今後の研究課題となりうる。

 しかしながら、真空包装下の照射でも照射臭の除去は困難である。この照射臭の発生は、とくに生食用の魚介類照射の実用化で問題となる。これには、照射臭成分の解明、照射臭抑制剤の検索などの研究を進めることが必要である。

 しかし、照射臭は加熱によって低下するので、照射魚介類を調理食品として利用するならば、調理方法いかんにより魚介類の照射臭は問題にならない場合も考えられる。

 魚介類の冷凍によらない保存方法(氷蔵、0℃以上の冷蔵保管)では、およそ2週間が鮮度保護限界である。現状では、生鮮魚介類の80%までが、この手段で流通されているが、これを照射による前処理によって、さらに保存期間を延長することが、この方法の実用化を考える場合の目標となるであろう。

 そこでは、ラウンドの魚体ではなくフィレー、ドレスなど、その後の調理が煩雑でない形に、あらかじめ解体もしくは切断したものを、消費者向け包装にして照射処理することの方が、これからの流通形式では望ましいと考える。漁船上での照射は、それを行なって有効な場合もあろうが、日本の現実からみると、実用化の可能性はうすいものと判断される。

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