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検知法(DETECTION METHOD):食品が適切に照射されたものか知るための検定方法

検知法


発表場所 : 食品照射、vol.14(1,2)、28−30.
著者名 : 林 徹、エーラーマン*
著者所属機関名 : 農林水産省食品総合研究所、*西ドイツ連邦栄養研究所
発行年月日 : 1979年
電気伝導度測定による照射馬鈴薯の検知
〔目的〕
〔方法〕
〔結果および考察〕



電気伝導測定による照射馬鈴薯の検知


電気伝導度測定による照射馬鈴薯の検知
〔目的〕

 我国では数年来、士幌農協で芽止めを目的として馬鈴薯のC0−60によるガンマー線照射を行ない、照射馬鈴薯を市場に出している。それゆえに照射馬鈴薯を検知する方法を早急に確立しなければならない。照射馬鈴薯の検知方法はいくつか発表されているが、その中でも電気伝導度測定が有効であると報告されている。そこで、その測定方法の開発グループの下で電気伝導度測定方法を学ぶと同時に、その改良を試みた。

〔方法〕

 馬鈴薯(Bintje)を電子線加速器(10MeV)を用いて0〜50Krad照射した。照射後、馬鈴薯を15°Cにて貯蔵した。伝導度測定の2時間以上前に馬鈴薯を20°Cの環境におき、伝導度測定は20°Cにて行なった。スチール製あるいは炭素製電極を馬鈴薯に挿入して3〜5mAの交流を流して、馬鈴薯の電気伝導度を測定した。伝導度測定は、馬鈴薯に電極を挿入後直ちに始め、3分間続けられた。

〔結果および考察〕

 スチール製電極(図1)を馬鈴薯に挿入し、交流を流してその電気伝導度を測定すると、未照射馬鈴薯では電極挿入後2〜3分間、電気伝導度の経時的な低下が観察されるが、照射馬鈴薯ではそのような低下は起こらない(図2)。従来の方法である50HZの交流を流して伝導度を測定すると、貯蔵期間の経過と共に照射馬鈴薯の検知が困難となった。そこで交流の周波数を変えて伝導度を測定すると、5KHZで最も良い検知を行なうことができた(表1)。

 今回の実験で用いた馬鈴薯はBintjeであり、日本で実際に照射されているものではないので、「男爵」等を用いて、この検知法の適否を検討する必要がある。


TABLE 1 T−TEST OF THE ELECTRICAL CONDUCTIVITY
50 Hz                          500 Hz


 y
z 0    1    2    4    5 

 y
z 0    1    2    4    5 

 
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 ### ;P<0.001
 ##  ;0.001≦P<0.01
 #   ;0.01≦P<0.05
 none;P≧0.05
 x   ;Parameter
 y   ;Dose(krad)
 z   ;Storage time(week)
 A   ;∧0−∧180
 B   ;∧30−∧180
 C   ;∧180/∧0
 D   ;∧180/∧30
 E   ;(∧0−∧180)/∧180
 F   ;(∧30−∧180)/∧180
 The conductivities at 10 krad or 20 krad were compared with those
 at 0 krad.
 The results at the third week are eliminated,because the computer
 did not work well at that time.



Fig.1. Electrode



Fig.2. Conductivity of the Potatoes After Puncturing The Steel Electrode at 50 Hz





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